ゲーム情報
概要
2021年の『Pokémon Presents』(2021年2月27日)で発表された『ポケットモンスター』シリーズの作品にして、スピンオフシリーズの『LEGENDSシリーズ』第一弾。
『ダイヤモンド・パール・プラチナ』およびそのリメイク(BDSP)の前日譚的な作品であり、かの創造神アルセウスがパッケージを務める。
正式タイトルは『Pokémon LEGENDS アルセウス』であり、「『ポケットモンスター』シリーズ」でありながら、タイトルに「ポケットモンスター」がつかない初の作品となった。
プレイヤーが操る主人公はヒスイ地方(後述)で初めてのポケモン図鑑作成プロジェクトに参加し、野生のポケモンの調査・捕獲を行うというのがゲームの目的である。ある意味ポケモンの原点である昆虫採集をポケモンで行う、という感覚に近いゲーム性であり、一種の原点回帰ともとれる。ポケモン同士を戦わせるバトルの要素もあるが、それがメインではなくポケモンを集めたりアルセウスと会う条件を整えるための「手段」として扱われ、メインはあくまでポケモンの収集は調査となっている。
(ただし、後述する無料アップデート後はバトルに関連したお題目やコンテンツも多数追加されているため、決してバトルの要素が蔑ろにされているというわけではない)
「ゲームフリークが制作したポケモン」でありながら「アクションRPG」であるのが1つの特徴だが、何もかも本編と違うわけではなく、技の名称やタイプ相性に関しては同世代の本編作品(ポケモン剣盾)と共通しており、技の効果も本編に倣ったものが多い。
ジャンル・時系列ともに特殊な作品となっているが、公式からは『剣盾』『BDSP』の流れをくむ作品と位置づけられており、歴とした本編作品(いわゆる『ポケットモンスター』シリーズ)である。
アクションRPGゆえに主人公自身が3Dフィールドを縦横無尽に駆け回り、時にはポケモンを繰り出さずにポケモンと対峙するのも特徴で、アニメ版のサトシの旅シリーズにある「かわせ!」などのアクションが、なんと主人公のほうに実装されている。
グラフィックは『剣盾』に近いが、それよりさらにアクション性が強くなっており、戦闘も場面転換せずに行われる。
ポケモンのモデリングはやはりXY以降のそれを元にしたものであるが、一部が改良されている。
これまでは口を開けた際「テクスチャーが貼られているだけ」という処理になっていたポケモンのモデリングが改善され、ちゃんと口の中も立体的なつくりになった。
体の凹凸がハッキリとした「線」で表現されていた部位(コイキングのヒレがわかりやすい)も同様で、その多くが陰やハイライトで表現されるようになり、自然なものとなった。
また全種がそうではない上、全体的に控えめではあるが、体毛や羽や鱗、葉脈、虫ポケモンの複眼や翅脈(しみゃく)といった質感の処理も施されるようになり、よりリアリティが高まった。体表の質感がリアルという点はポッ拳やNewポケモンスナップといった前例があるが、本編シリーズのポケモンのゲームでは初である。
これまでは攻撃する瞬間しか体から炎を出さなかったヒノアラシ系統が戦闘中は常に発火するようになったり(図鑑での姿確認画面は残念ながら非戦闘中の時と同じく鎮火状態であるが…)、翼を持っているものの地上にいることがデフォルトであるモクロー系統やムックルが水上で出すとちゃんと羽ばたくなど、モーションが改善・追加されているポケモンもいる。ちなみにソフトの知的財産権表示によるとEpic Games子会社のEpic Games tools社製の『Ooodle texture tool』と言うテスクチャーソフトウェアが使用されている。
プレイ人数は1人となっており、同時発表された『BDSP』のようなマルチプレイはできないが、Nintendo Switchのインターネット通信を利用すればポケモンの交換や遺失物(おとしもの)の届け出によるポイントの取得が可能(詳細は後述)。さらに機能を使いたい場合は『Nintendo Switch Online』に入会する必要がある。シリーズでお馴染みのふしぎなおくりものも健在。
また、Pokémon HOMEとの連携は『BDSP』と同じく2022年5月19日に開始。
ゲームエンジンには上記の『Ooodle texture tool』の他にも、独自のエンジン(メイン)やMicrosoftの『havok』が使われいる。(ホーム画面のソフトの知的財産権表示より)ほかの本編のポケモン剣盾などにもあるimmersionも使われている。
早期購入特典はヒスイのすがたのガーディ風和服。ヒスイゾロアの御面(期限日時つき)。Amazonストアの早期購入シリアルコード(引き換え期限あり)特典は ガブリアスの和服セット。セーブデータ特典は剣盾がシェイミ&和服姿、BDSPが現代ギンガ団の服&ダークライ出現、LPLEでピカチュウ、イーブイ御面。
パッケージ版の実物の初回封入特典にはポケモンカードゲームアルセウスのプロモーションカードがつく。
初週だけで国内約142万本、全世界で600万本を売り上げ、分割商法だった『剣盾』や『BDSP』を抜いて『あつまれどうぶつの森』に次ぐNintendo Switchソフトの(当時の)売上記録を打ち立てた。
2022年の『Pokémon Presents』(2022年2月27日)では、無料アップデートとなる「ヒスイの夜明け」(クリア後のストーリー)が発表され、翌2月28日より配信された。
舞台
「まだ人とポケモンが共に暮らす方法を知らなかった時代」とされており、人間たちはポケモンを自然の化身と畏(おそ)れ、またポケモンたちも当たり前のように人間に牙をむいてくる。
高度な3Dグラフィックとなった事でより現実の北海道の地形を反映した場所も存在するのも本作の魅力である(知床やナラワラを思わせる群青の海岸など)。
ヒスイ地方のフィールドはオープンワールドに近い形式で、剣盾のヨロイ島やカンムリ雪原に崖登りやグライダーの要素を追加したような形。エリア内であれば「視界内のすべてを移動できる」というフィールド探索の自由度がさらに高まった。その点では『SV』と似ているが、
- 各エリアの広さはそれなりで、さらにエリアの端から先に進もうとすると濃霧に包まれて見えない壁にはばまれ「これ以上進めない」という警告文が登場するため、地平線の向こうまでかっ飛ばすことはできない
という『SV』にはない制約がある。ただし、
- 空高く飛ぶポケモンがおり、特殊なボールで長距離狙撃することではじめてゲットできる
- フィールドに空間の歪みが発生することがあり、ウルトラホールのような異様な空間を美麗グラフィックで楽しめる
- 後述するポケモンによるダイレクトアタックの要素があることにより、フィールドを歩く際に緊張感・スリルが生じる
といった『SV』のフィールドでは味わえない楽しみもある。
おそらく本作の世界観のベースとなっているのは(明治時代初頭の)北海道だと思われる。
モンスターボールも存在するが、現在のものとは異なりぼんぐりを使った最初期のもので、ポケモンの捕獲に成功すると蒸気や花火が噴き出るなど、独自の特徴を持っている。
登場人物と組織
※「ポケモンの登場人物一覧」もあわせて参照。
ギンガ団
ポケモンの調査や人々の警備、さらには医療を担う団体。
コトブキムラを本拠地として活動しており、主人公はこのギンガ団に入団し、ヒスイ地方の生態調査に参加することになる。
のちの時代に登場する同名の悪の組織との関連は不明。
以下に代表的な人物を載せる。それ以外についてはギンガ団(ヒスイ)の記事を参照。
謎の声に導かれ、時空の裂け目からヒスイ地方の浜辺に落ちてきた少年もしくは少女。
シマボシからは「15歳前後」と推測されており、言われた本人も否定する素ぶりをみせていない。ポケモンシリーズでは珍しく年齢がある程度わかっている。
従来の主人公と比べて群を抜いて表情が豊か。イベントムービー中はもちろんのこと、フィールド上でも場所や状況に応じてちゃんと顔が変化する。
スマホの存在や序盤の選択肢にポケモンの知識の有無があることから、DPtよりもさらに未来から来た説、落ちた衝撃で記憶の欠如を起こしている説、ポケモンが実在しない世界から来ている説など、色々と想像させられる描写が見受けられる。
調査隊の一員。先輩として主人公をサポートしてくれる。
選ばなかった方の主人公と同じ見た目をしているが、物語の都合上、生い立ちは大きく異なる。また、BDSPのストーリー序盤のイベントの会話とは対照的になっている。また表情差分も主人公に選んだ場合とは異なるものになり、こちらの方がオーバー気味。
調査隊の一員で、今作のポケモン博士。異国語を交えたしゃべり方をするため、異国出身か留学経験があると思われる。ポケモンに興味はあるが、扱い方には慣れていない。
団長。ナナカマド博士の先祖にあたる男性。
調査隊の女性隊長。どことなく後世のアカギに似ている人物。
ギンガ団直属の食堂である「イモヅル亭」の店主。
コンゴウ団
ヒスイ地方に古くから入植していた団体。時に関する能力を持つ「シンオウさま」という存在を奉じている。
- セキ - 団長
キャプテン
シンジュ団
ヒスイ地方に古くから入植していた団体。空間に関する能力を持つ「シンオウさま」という存在を奉じている。
- カイ - 女団長
キャプテン
イチョウ商会
野盗三姉妹
その他
登場ポケモン
パートナーポケモン
リージョンフォーム
新ポケモン
- アヤシシ - オドシシの新規進化系。
- イダイトウ - バスラオの新規進化系。
- バサギリ - ストライクの分岐進化系。
- ハリーマン - ハリーセンの新規進化系。
- オオニューラ - ニューラの分岐進化系。
- ガチグマ - リングマの新規進化系。
- ラブトロス - 4体目のコピペロス
伝説のポケモン
幻のポケモン
上記のように、モデルである北海道のイメージを色濃く反映したものが多い。
各種システム
アルセウスフォン
主人公がストーリーの冒頭で手に入れることになるキーアイテム。
明らかにこの時代にはそぐわない現代的な謎の機械で、現代で言うところのスマートフォンのような見た目をしている。
これまでのロトム図鑑やスマホロトムのような機能を持ち、マップや目的地を表示してくれる。
村やエリア内でそれまで通ったことのある場所であればテレポートも可能。
マップにはほかのプレイヤーの落とし物も表示され、拾って渡すことでFPをもらえる。詳しくは個別記事にて。
全滅
従来作においては手持ちポケモンが全滅(瀕死)することで「めのまえがまっくらになった」が、なんと本作においては手持ちポケモンが全滅してもデメリットなしで活動継続可能。
では従来のように「めのまえがまっくらに」なることは無いのかといえば、当然そんなことはない。
本作において「めのまえがまっくらに」なる条件はズバリ主人公自身が力尽きること。
プレイヤーキャラクターにHP(※画面には表示されない)の概念が追加され、高所からの落下や深い川や海で一定時間が経過すると溺れたり、フィールド上で野生ポケモンに直接攻撃される(後述)ことなどによりダメージを受けると、次第に主人公の視界の周囲が黒い靄(もや)のようなもので覆われていき、最終的に主人公自身の体力が尽きることで「めのまえがまっくらに」なり、『ポケモン不思議のダンジョンシリーズ』のごとく大事なもの以外の持ち物を一部落とした状態で拠点に強制送還されることになる(ただし、後述のキング・クイーン戦ではこのペナルティは発生しない。主人公が投げられるアイテムがシズメダマで固定されるため…というよりは、難易度を無理ゲー並みに高くしすぎないようにするための配慮と思われる。道具による手持ちポケモンの回復等は通常時同様に行える)。
なお、主人公のダメージ(体力)を回復させるアイテムはないが、ポケダンシリーズとは違いポケモンに発見されている状態では歩いたり走ったりしても体力が自然回復しない様になっている代わりに未発見状態或いは発見されてからフィールド上のポケモンごとに設定されている行動範囲区間から回避を駆使して行動範囲外の場所まで離れると未発見状態になる状態を維持することで、一定時間の経過と共に黒い霧が徐々に晴れていき自動的にダメージ(体力)が自然回復するものとなっている。
ちなみに、力尽きた際に落としてしまったアイテムはプレイヤー自力で回収することは不可能(力尽きるとそのアイテムは消滅する)なので、貴重なアイテム・失くしたくないアイテムは取得次第すぐにアイテムボックスに預けておくのとオートセーブをOFFにしたままでデータを一旦セーブしておくことを厳しく推奨する。また、その事を前もって覚えておくと未発見状態であればマップから即座にキャンプへと移動できるのが幸いといえるだろう。
また、オンライン(要スイッチオンライン加入或いは体験チケットで加入しよう)に接続されている場合は、他のプレイヤーに落とし物として回収してもらうことでアイテムの消滅を帳消し(アイテム不足状態を回避)にすることが可能になっている。
なお、他プレイヤーの落とし物を回収すると、FP(フレンドポイント)という従来のBP(バトルポイント)に相当するポイントが貰え、進化用のアイテムなどと交換ができるので、マップ上で落とし物があるのを確認できたら積極的に拾っておこう。
余談だが、落とし物の位置からおおよその気絶理由を推理(考察)する好奇心を持ったプレイヤーもいるらしい。
ポケモンの捕獲
今作ではトレーナーとポケモン間での干渉がダイレクトに行われるのが最大の特徴であり、フィールド上で『ポケモンGO』のようにポケモンバトルを介さず直接ボールを投げて普通に捕まえることができる。
ボール自体に有効距離のようなものが設定されており、遠すぎる相手だとボールがヒットしても「ポコン」と情けない音が鳴って捕獲できない。
なかにはこちらを視認すると逃走するポケモンや攻撃してくるポケモンなどもいるため、基本的にポケモンを確認したらターゲット近くの草むらや岩などの遮蔽物に身を隠して隙をうかがうのが重要となる。また、ロックオンの対象が複数いる場合はAボタンで切り替えが可能。
こちらを攻撃してくるポケモンに見つかって警戒状態になると専用のBGMが流れ始めて、画面上中央に赤い目のマークが現れ、この状態のポケモン相手にはボールを当てても弾かれてしまうようになる。
この状態になっても「戦闘に持ち込む」「一部のアイテムを投げ当てて怯ませる」「一旦視界外まで逃げて仕切り直す」などして警戒を切ればボールが効力を発揮するようになるため、捕獲が不可能になるわけではない。また、このBGMが聴こえなくなったら未発見状態かが分かるようになっている。
しかし、警戒されているあいだは容赦なく追いかけられ攻撃が飛んでくるため、どう行動するかの判断は早めに下す必要がある。
なお、本作では一見好戦的には見えないポケモンが容赦なく攻撃してくる場合があるため注意が必要。生息場所や状況により攻撃的か否かが変わるポケモンも少なくない。(自身や仲間が一度でも危害を加えられた・オヤブンの取り巻きであるといった条件がある。稀に、上記に当てはまらくても突然攻撃的になる個体もいる。ランダム要素だろうか?)他にも好戦的でなくても人間を攻撃してくる場合もある(特に後者は、発見されても警戒状態のマークが出ない)。
また、こちらを見ると逃走するポケモンは戦闘に持ち込んで足止めしようとしても基本的に即逃走されるため意味をなさない。(低確率だが、数ターン程度なら逃げない場合もある)
エサを用いて気を惹く、気付かれない距離からボールを投げるなど、戦闘せずに捕まえる工夫が必要となる。
ちなみに、相手の背中にポケモンあるいはボールを当てると、バトル開始時に相手がひるんで先制攻撃できるようになったり、捕獲しやすくなる。また、背面ゲットすることで報酬にボーナスもつくため積極的に狙っていくと良い。特に、オヤブン(後述)の捕獲ではこのテクニックが必須といっても過言ではない。
広大なフィールドを自由に行き来できることにより、攻略に関係ない場所で思わぬポケモンに出会える可能性がある。なかにはフィールドの端まで行かないと出会えないポケモンもいる。
また、低確率で既存のポケモンと置き換わるように現れるレアなポケモンもいる。こちらはほかのポケモンに比べて警戒心が強く、感知されると逃げ出しフィールドから消えてしまう。(一例としてイーブイなど)
また、本作ではすべてのポケモンと出会い、アルセウスに会うという目的上、選ばなかった御三家もエンディング後に入手できるほか、後述するが交換屋でわざわざ通信交換を使わずともすべてのポケモンを入手することが可能である(下記の進化についても参照)。
ポケモンを捕獲した数によって、ラベン博士に報告した際の報酬が上がる。なお、報告前に捕獲したポケモンを逃しても、捕獲した数が減少しないので釣りにおけるキャッチアンドリリース感覚でも問題はない(生物調査的には正しいともいえる)。
モンスターボール
大きく分けて3種類あり、「たまいし」でクラフトされる通常のモンスターボール・スーパーボール・ハイパーボールのスタンダード系、「くろいろたまいし」でクラフトされるヘビーボール系、そして「そらいろたまいし」でクラフトされるフェザーボール系である。
ヘビーボール系は油断しているポケモンが捕まえやすくなるというもので、オヤブンなどの捕獲率が低い相手に効果的だが、飛距離が短すぎてほぼ至近距離でないと当てられないという弱点がある。目安としてはボールを持ちながらロックオンし、照準が広がったときがヘビーボールが当たる距離である。なので、気付かれないように餌などで注意を反らす必要がある。または、背面にボールをぶつけて怯んだ状態でバトルに持っていき、ヘビーボールで捕まえるという方法もある。
フェザーボール系は飛距離が遠く、速度も速いので遠距離からポケモンを捕まえることができる。空を飛んでいるポケモンを捕まえるのにも利用できる。その代わり近距離の相手には当たりにくく、遠距離の相手の場合、ロックオンできないのでプレイヤーのエイム力に影響される。また、上述にもあるが遠すぎると当てても捕獲できないので、注意である。もっとも遠距離から当てられることから、隠れながら投げることで失敗しても気づかれにくいという利点もある(短時間で何度も失敗すると、流石に気づかれるが)。
ガンテツボールも参照。
進化について
本作では一定のレベルを超えても自動で進化せず、プレイヤーが任意で「進化」のコマンドを選択することで進化させる。条件を満たすとバトル後のリザルトで「進化可能」というメッセージが表示される上、メニュー画面で該当のポケモンの入ったボールのマークが光るので判別は可能。
本作では従来作で採用されていた「ポケモンの道具の所持」というシステムが存在しないため、「かわらずのいし」での進化抑止が出来ないことや、新システムである図鑑タスクで形態ごとに「一定回数特定の技を使用する」といったものが設定されている都合上だと思われる。
また、原作では通信交換が必須のポケモンだった場合は、交換せずとも進化に必要なアイテムを使うことで進化できるようになり、入手しやすくなった。
後に発売されたSVでは、リージョンフォームとしてヒスイのすがたやヒスイ地方独自の追加進化形が存在するポケモンはパルデア地方で連れて行けるのだが、これはポケモンHOMEとの連携があるからこその話であり、HOMEを介してSVのパルデアと本作のヒスイを行き来させることで、現代では進化させることのできないヒスイ独自の進化形へと進化させることができるようになったり、逆に本作で捕獲したヒスイのすがたのポケモンを『SV』に連れていくことが可能になった。
後に、最強レイドやDLCで一部のヒスイのポケモンたちが入手できるようにはなったものの、バサギリなど進化方法が本作固有の何かしらの要素に依存する種は『SV』内では依然として進化させることができず、進化前が通常種と共通するヒスイのすがたもやはりパルデア地方では入手することができないため、自力で厳選した個体を進化させたい場合はHOME経由で本作へと連れていく必要がある。
また、ガラルやパルデアで入手後にヒスイにも連れて行ける種は、HOME経由で本作に送り込むことで本来進化に通信交換が不可欠のポケモンをソロプレイで進化させるということにも活用できるようになった。特にポリゴン系統は通常の作品では最終進化までに通信交換を2回も行わなければならないので、これを利用できるか否かで進化の難易度が大きく変わると言っても過言ではない。
道具を使って進化するポケモンに関しても、『SV』では、全般的に進化アイテムの入手難易度が上がっているため、在庫に余裕がないのであればHOME経由で『LEGENDSアルセウス』等の過去作に送ってから進化させるという選択肢も十分にある。
前提条件として従来作と同様に『LEGENDSアルセウス』に転送できるのはゲーム内のデータに存在するポケモンに限られている。
しかし、他の作品と大きく異なるのがこれがリージョンフォームや原種にも適用されている点である。
例えば本作にはロコンは原種とアローラのすがたの2体が登場するので転送できるが、ヒスイガーディは登場しても原種のガーディのデータが存在しない以上は後者を此方に転送できないということ。
これがポケモン図鑑には登録されなくても内定さえすれば転送可能だった第8世代や第9世代との違いである。
バトル
手持ちのポケモンが入ったモンスターボールを野生ポケモンに投げると、ポケモン同士のバトルが始まる。これが始まると従来作のようなコマンド戦闘のモードに切り替わる。
ただし、従来のようなバトル専用の画面に切り替わるわけではなく、3Dフィールド画面で完全にシームレスな形で戦闘に突入する。そしてコマンド戦闘バトルでありながら戦闘中主人公を自由に動かすこともできる。
従来通りの「にげる」コマンド以外にも主人公がバトルの場から大きく距離をとることでも逃げられるので、相手のターン中に距離を離して、こちらのポケモンが倒れる前に強制終了させるという荒業ができる(しかも、その相手が逃走やリスポーンなどで消えない限り、バトル中に負わせたダメージは残る)。
ただし、重要なバトルでは逃げることができないほか、ポケモンが放つ技の射線上にいると巻き込まれてダメージを負うことになる(一応、野生ポケモンの攻撃から受けるダメージと比べると低めに調整されてはいるようだが)。
バトル開始時点で周囲に警戒状態のポケモンが複数存在する場合、それらのポケモンすべてをまとめて相手取る、従来でいうところの群れバトルが発生する。
しかし、従来のようなターン制バトルからFF10のようなCTBにシステムが変更され、さらにじしんのような範囲攻撃技が存在しない今作においては、巻き込んだポケモンをまとめて処理することができない上に行動順がなかなか回ってこず、延々と袋叩きにされる恐れが高いかなり危険な状態に様変わりしている。ターゲットはZLボタンで変更可能である。
幸い、巻き込み範囲はそこまで広いわけではないため、これを避けたい場合はターゲットのポケモンが孤立したところを狙って戦闘を仕掛ける必要がある。または、まだこちらを感知していないポケモンの背面にボールをぶつけて怯ませてバトルに入ると、タイマンに持ち込むことができる。
さすがに、すでに発生した戦闘に後から乱入が発生することはない。
技
新たに「ぶちかまし」、「だいふんげき」、「ウェーブタックル」、「バリアーラッシュ」、「がんせきアックス」、「〇〇あらし」系などの技が追加された他、これまで習得できなかった既存技を習得できるようになったポケモンが増加した。
中にはストライクの「インファイト」など後続世代に受け継がれたものやドダイトスの「リーフブレード」などそうでないものもある。
また、第8世代時点で廃止されてしまったなつかしの技(例:あやしいかぜ、ぎんいろのかぜなど)も一部復帰しているが、未来の話に当たる『BDSP』を始めとする作品では使用不可能(尤も、先ほど上げた二種の技はリメイク前では普通に使えていた技なのだが)。
トラップをばら撒く追加効果やミサイルばりの複数回攻撃は後述のはへん状態に置き換えられる、「めいそう」などのステータスを一時上昇させる技の対象が物理・特殊に区分されていない(無論、物理と特殊の概念自体は据え置き)など仕様変更が行われた技もある。
状態異常・状態変化について
状態異常はメインシリーズとは仕様が大きく変わり、ターン経過で自然回復するようになり(戦闘が終了すると同時に完全に回復する)、上書きも可能になる。「こんらん」は無くなり、「ねむり」と「こおり」は完全に行動不能になることが排除された、それぞれ「ねむけ」と「しもやけ」に変更された。さらに新しい状態異常・状態変化に「はへん」「えんまく」「ねっちゅう」が追加された。
ただし、いずれも第9世代には引き継がれていない。
- ねむけ
引き続き行動不能系であるが、「一定確率で」行動不能になる。起きるまで攻撃出来なかった「ねむり」とは違い確率で攻撃できるようになったが、ほかのRPGでたまに見られる「相手からの被ダメージが増える」という効果も付随されたので完全に弱体化されたわけではない。
- しもやけ
「こおり」とは完全に別物で、毎ターン終了時にダメージを受けるスリップダメージ系に。
自分が使用する特殊技の威力が半減するため、「やけど」の特殊版のような効果。
- はへん
行動後に体に鋭い破片が食い込んでダメージを受ける効果。これに伴ってか、「まきびし」「ステルスロック」が攻撃技になった(ただし、ステロが攻撃技になるのはスーパーポケモンスクランブルなどの前例がある)。他作品でいう裂傷状態に近い。
煙やモヤに包まれ相手の技が当たりにくくなる。従来の回避率のような効果。
ポケダンで言うところの「からぶりじょうたい」とは似ているようで違う。
- ねっちゅう
直前に使った技に熱中している状態。対象となった技の威力を上昇させるが、代わりに被ダメージも増えてしまう。
従来の「ころがる」「げきりん」「はなびらのまい」などの一定ターン攻撃し続ける技の仕様も同時に変更され、これらの技を使用するとねっちゅう状態が付与される。
別の技を使用すると熱が冷めて解除される。
- ばいづけ
力強く構えることでしばらくの間技で与えるダメージを上昇させる。
「ダブルアタック」の仕様が変更され、この状態を自身に付与する変化技になっている。
また、これらの変化は一定ターン経つと元に戻るようになっている。
力業と早業
PvPを排した今作は、前述の通りターン制バトルではなくCTB(ポケモンごとの素早さを基準に割り振られた行動順に技を放てる形式)が採用されている。
そして成長とともに各種わざが皆伝となり、消費PPが2倍になる代わりに、皆伝した技を「力業」として放てば威力と命中率が上がる代わりに行動回数が減り、「早業」であれば威力が下がる代わりに行動回数が増える。そのときの局面を見て使い分けていくことが重要となる。
力業と早業はキング・クイーンやオヤブン(後述)も使ってくるため、思わぬところで連続攻撃や致命傷を受けてしまう危険もある。
また、覚えた技はストックされてメニュー画面で自由に編成可能(忘れた技も再度習得できる)。また、わざマシンの代わりとして「訓練場」にて技を習得できるほか、「かいでんのタネ」というアイテムを持っていればまだ皆伝していない技を皆伝させることができる。
トレーナー戦
少数ではあるがポケモンを従えている人物がおり、彼らと戦うこともある。ただし、この時代はまだポケモントレーナーという職業は存在せず、前述した群れバトルのように一度に複数のポケモンを使う人物もいれば、やられてから次のポケモンを出す人物もいるなどルールが定まっていない。
ただ、村人との会話によるとこの時代でもポケモンバトルが一般的な地方がどこかに存在するようである(ポプラの経歴などで古くからジムリーダーが存在していた描写があったガラル地方である可能性が高い)。
攻撃のダメージ
今作のダメージ計算式は他のシリーズとは別のものになっており、攻撃する側の攻撃・特攻の値の影響が低く、代わりにわざの威力自体が物を言うという(他作から見て)かなり異質なものになっている。よって、特攻が壊滅的な物理型ポケモンでも強力な特殊技を放てばかなりのダメージとなる(逆もまた然り)ということとなり、あらゆるポケモンを両刀型として扱うことができる。
ただ、防御や特防の値による影響は依然として高いので、相手によって物理技か特殊技を使い分ける必要がある。
また、このダメージ計算式により、与ダメージ・被ダメージ共に従来よりも高くなっている。
ベースキャンプとクラフト
各地域には調査隊の拠点があり出発地点となるほか、休息をとってポケモンの体力を回復させたり、アイテムの整理や手に入れた素材を使って自ら道具を作ること(いわゆる「調合」や「DIY」)ができる。
ベースキャンプはサブイベントをこなすと追加され、ポケモンに襲われている場合を除けばアルセウスフォンでいつでも移動できるようになる。
休息の際に進める時間を設定することができ、特定の時間や天候で出現するポケモンやイベントを狙う際に活用できる。
イベントを進めると、ポーチ内のアイテムでどこでもクラフトできるアイテムを入手できる。ポーチの容量はある人物に話しかけると拡張できるが、一回につき1マスしか増やしてもらえない上にかかる費用が高くなっていく。
素材収集
フィールドにはアイテムが落ちており、Aボタンで拾うことができる。
また、きのみが生えている木や鉱石にポケモンが入ったボールをぶつけることで採取することができる。ただし、モゾモゾと動いているものは野生のポケモンが飛び出してくるため注意が必要。
また、落ちているアイテムにポケモンが入っているボールを投げるとポケモンが採ってきてくれるので、届かない位置にあるアイテムを入手したいときに役立つ。
なお、素材収集を実行したポケモンにはわずかながら経験値が得られるほか、ひでんわざと違って「いわくだき」などを覚えていなくてもどのポケモンでも行うことができる(攻撃技を持たないケーシィやコイキングでも可能)。
研究レベルと団員ランク
今回はポケモンをただ捕まえるだけでは終わらず、さまざまな細かいタスク(条件)を満たすことで「研究レベル」が上がり、図鑑に書かれる説明文が解放される。
タスクのなかには特定の技を見る、特定の条件下で捕まえるなどがあるほか、サブイベントをこなす必要があるポケモンもいる。
一定以上の調査を重ねたのちにギンガ団のシマボシに報告することで「団員ランク」が上がり、使えるアイテムや調査に行けるエリアが少しずつ解放されていく。
手持ちのポケモンが指示を聞いてくれるレベルもランクの上昇に伴い少しずつ上がるようになっており、従来におけるジムバッジのような役割も兼ねている。なお、本作は自分で捕まえて育てたポケモンであっても、ランクが低いと言うことを聞いてくれないので注意。
ただし、規定レベルを超えていても「捕獲したタイミングで規定レベル以下だった場合」は言うことを聞いてくれるため、レベルが規定を超えないようにあえて上げないなどの調節する必要は無い。
ポケモンライド
『SM』からの復活となる、特定のポケモンに乗せてもらい移動するシステム(劇中でもラベン博士がアローラのポケモンライドについて言及している)。
今作ではオープンワールドゆえ、移動の幅や操作性、描写もより拡張されている。
また、上空を自在に飛行できるシステムは『ORAS』(そらをとぶ)以来だが、地表近くを飛べるようになるのはこれが初。
ただし、ライド中は野生のポケモンに気づかれやすくなるので注意(「・・・」と表示されているあいだにライドを解除して身を潜めれば気づかれずに済む場合がある)。いる場所によって気付かれるポケモンは異なるが、空を飛ぶ場合、地上のポケモンとは離れられるものの逆にひこうタイプの野生のポケモンに遭遇する事になるので注意。
なお、高所落下のダメージはたとえライドポケモンに騎乗していても防げないので安全なルートをきちんと探すこと(高い場所から降りる場合は、崖を滑るように降りるとダメージを負わずに済む)。
ただしライド中の水上移動に関してのみ高所から落下しても問題ないため、入水自殺染みたショートカットも可能と言えば可能。
また、一部を除きライド中はポケモンやアイテムを投げることができない(アイテムを拾うことは可能)ため、捕獲やポケモンを使った採取をするときは基本的にいったん降りる必要がある。
搭乗できるポケモンについてはポケモンライドを参照。
キング・クイーン
アローラのぬしポケモンと同じく、ヒスイ地方の各地に点在する強力なポケモンたち。
作中ではほかのポケモンのように凶暴化しており、独自のバトルによって鎮めることになる。
オヤブン
フィールド上にいる、通常よりも強力なポケモンたち。通常の個体の倍近い巨躯を誇り、目が赤く光っているのが特徴。近づくとBGMが緊張したものに切り替わる。こちらを見つけると咆哮し、この時近くでポケモンライド中だとライドが強制解除されてひるんでしまうので注意(イダイトウなどは解除されないが、怯むのは変わらない)。
基本的にただボールを投げ当てるだけでは即座に脱出されて捕獲できないため、背面を狙う、エサで気を惹く、戦闘で弱らせるなど捕獲率を引き上げる工夫が必要。
大量出現
ある一定のポケモンが大量に出現するようになる現象。発生すると村を出る前に門番が教えてくれる。
発生場所と対象のポケモンはマップに表示され、現場に近づくとアナウンスとともに対象のポケモンが多数現れる。本来なら動く木などからしか出現しないポケモンもフィールドを歩き回る上に、色違いやオヤブンも出てくることがある。
ある程度捕獲したり倒したり、逃げられると現象が収まる。または他のエリアに出入りすることで収まることもある。
大大大発生
2022年2月28日からの無料アップデートにより、エンドロール後に発生する現象。
基本的に上記の大量出現と同じだが、天候が豪雨(純白の凍土では吹雪)のときに、1つのエリアに複数の場所で発生する。時間経過で豪雨が止むと収まる。
大量出現と同じく、オヤブンや色違いも現れることがある。ある程度倒したり捕獲したりするとその場の大量出現が収まって調査完了となるが、新たに別のポケモン(先に大量出現したポケモンの進化系)が大量出現する場合もある。まれにオヤブン個体が大量出現することもある。
その場へ立ち入らないと大量出現しているポケモンの種類は不明だが、ヨネのゴンベにバンジのみを5つ与えることですべて解放される。アイコンが輝いているところはさらなる大量出現が起こりやすい特別な大量出現であり、きのみマークがあるアイコンはバンジのみをドロップできる。バンジのみはイベントで入手できるほか、コトブキムラの畑で『とくべつなきのみ』を栽培(価格は20000円とかなりの出費)する事でも入手できる。
関連するサブ依頼を終えたあとは、大量出現と同様に村を出る前に教えてくれる上に、ヨネも引き続き同行してくれる。
エンディング後のイベントのため、出現するポケモンは当然高レベルなので注意。
時空の歪み
エリアに長時間滞在すると警告文とともにフィールド上のある区域に光のドームのようなものがかすかに現れ、さらに時間が経過すると発生する現象。発生するとドーム内に珍しいアイテムがドロップするようになり、同時に強力なポケモンが現れるようになる。
前兆の時点で場所はマップ上に記される。前兆から歪みの発生まで時間があり、発生前も発生中も歪みへの出入りは自由となっている。前兆が起こってからであればベースキャンプに戻って少し休んだり(流石に長時間休むと収まってしまうが)、アイテムをボックスに預けてから向かっても、よほど辺境でなければ発生に間に合う。
また、歪みの内部にしか現れないポケモンもいる(なかには、この時代に存在しないようなポケモンも現れる)。
一定時間が過ぎると歪みが消え、出現していたアイテムやポケモンも消える。
放牧場と交換屋
本作の舞台となる時代には存在しない「ポケモン預かりシステム」に代わる施設で、手持ちの6匹以外はここへ預けることになる。また、ほかのプレイヤーとポケモン交換をする場合は「交換屋」という施設を利用する。
なお、この時代では預かり屋はまだ存在しないため、ポケモン同士を交配させてタマゴを作るといったことはできず、すなわち本作だけでLv.1のポケモンを入手する手段が存在しない。とは言え、同じ仕様な上に外部からポケモンを持ち込む手段が限られているLPLEとは異なり、後付けではあるが剣盾・BDSP・SVとポケモンのやり取りが可能なため、他のソフトの助けを借りさえすれば簡単にLv.1を調達できる。
『ピカブイ』と同様に所要捕獲量が膨大になるためか「逃がす」機能が重要になっており、逃がすとアイテムが手に入ったり、物語が進むとまとめて逃がせるようになる。また、放牧場側からも「責任をもってそれぞれのポケモンが好む場所に逃がしている」とフォローが入っている。
着せ替えと写真屋
今作でも『XY』から続く着せ替えを行うことができ、衣装は「呉服屋」、髪型は「散髪屋」でカスタマイズを行う。
「写真屋」は『USUM』のアローラフォトクラブと同様に、ポケモンたちと好きなポーズで記念写真を撮ることができる。Switchは元々スクリーンショット撮影機能が本体機能にあるため、それを活かす形となっている。また、写真屋で写真を撮ったポケモンをHOME経由で『SV』へ連れて行くと「ヒスイリボン」という特別なリボンを獲得することができる。
どちらもサブ依頼を達成することでバリエーションが増える。
やりこみ要素など
個体差
本作に登場するポケモンは同じ種類でも体のサイズが少しずつ異なる。
元々ポケモンシリーズにあった『たかさ・おもさ』をあえて固定しないことで、これまでとは違った魅力を生み出している(その極致とも言えるのが上記のオヤブンといえる)。また、サブ任務として『特定のサイズの個体』を要求されることも。
従来通りの色違いも存在し、近づくと音とともにエフェクトが出るのも変わっていないため、遠目でも判別しやすい。
アンノーン
あるイベントのあとに各地にアンノーンが隠れるようになる収集要素。
居場所については、ポケモン図鑑の特殊なページにヒントがアンノーン文字で記載されている。少なくとも野生のポケモンの横槍が入る位置にはいない。
アンノーンはポケモンバトルすることはできないが、モンスターボールを当てることで簡単に捕まえられる。普通のモンスターボールでも捕まえられるので、好きなボールで入手可能。ただし、なかにはフェザーボールなどでなければ届かない位置にいるものもいる。
ともしび
ある人物から依頼を受けることで各地に現れる収集要素。
紫色の人魂(ひとだま)のようであり、調べることで回収できる。
こちらはアンノーンと違い各エリアにいくつ存在するかまではわかるが、場所はノーヒント。
幸い、夜間であれば遠目でもとても目立つのでアンノーンよりは見つけやすい。
すべて集めることであるポケモンが登場する。
ふるいポエム
フィールドの各地に埋められている、その名の通りかなり古い時代に記されたと思われるポエム。
ヒスイ地方にまつわるさまざまな伝説や、書き手が経験したであろう出来事などが綴(つづ)られている。
地中に埋められているため、すべて探し出すにはガチグマのライドアクションである「宝探し」が必須となる。
なお、こちらはすべて集めても特に特典などはない。
個体厳選について
本作では通信対戦のシステムが存在しないこともあってか、個体値と特性が存在しない(一応、「がんばレベル」という個体値と努力値を掛け合わせたようなシステムは存在する)。努力値に関しては、ステータスには反映されないだけで内部処理上はしっかりバトル事に蓄積がされているらしく、HOME経由で他作品に転送することで蓄積の具合を確認することができる。
性格のシステムだけは引き続き存在しており、これまでの作品と同様に伸びやすいステータスが異なるほか、ミントで変更も可能。
このようにほかのシリーズと比べると厳選の重要性が薄く(やるとしても性格くらいしかこだわるべきポイントがない)、どんなポケモンでも育て上げれば最上級の戦力として完成するのであまり悩む必要がないという点では利点といえるだろう。
夢天連戦
2022年2月28日の無料アップデートで追加された隠し要素。
メイン任務及びヒスイの夜明け関係のサブ任務をすべて達成したあと、宿舎の布団で休むことにより、ある者からの力試しに挑戦できるようになる。
対戦相手は強豪ぞろいで、ときには伝説のポケモンが複数匹で襲ってくるということもある。
かちぬき道
無料アップデートで追加された訓練場の要素のひとつ。
ギンガ団、コンゴウ団、シンジュ団の3名の精鋭との勝ち抜き勝負を行う。
途中で回復を挟むことはなく、ダメージを負った状態や技のPPの消費の度合いも引き継いで次の勝負に挑むことになるため(一応、ポケモン勝負中に回復させることは可能)、極力ダメージを負わず、かつ効率的に相手をさばいていくだけの実力が求められる。
なお、相手の対戦レベルや手持ちポケモン、AIなども勝負を重ねるごとに次第にアップしていく(最大5段階)が、その分報酬も豪華なものになっていく。腕前に自信があるのであれば挑戦してみよう。
いっぴき道
無料アップデートで追加された訓練場の要素のひとつ。
その名のとおり、任意のポケモン1匹だけで相手のポケモンに挑む形式のバトル。
今作に登場する全ポケモン(242種)に応じたバトル形式が用意されており、一部はサブ任務の対象にもなっているため、任務のコンプリートを目指すのであれば避けては通れない道となっている。
基本は1対1であるが、伝説ポケモンなど一部のポケモンの場合、3体同時に相手をしなければならないこともある。
見事に達成すると、クリアしたポケモンの図鑑の欄に専用のスタンプが押印される。いわば本作のやりこみ要素のひとつと言えよう。
WEBアニメ雪ほどきし二藍
2022年初夏に放送開始の、本作を原作としたWEBアニメ。
全3話
余談
特殊なジャンルの作品を除けば、シリーズ恒例である「複数バージョンの同時発売」という形式は取られていない。その代わりなのか、選択によって一部の展開(それに応じたキャラの反応など)が変わるシナリオ分岐があるという、シリーズでは珍しい形式が採用されている(物語のおおまかな本筋を飾る結末にはほとんど影響しない)。
幻のポケモンがサブタイトルになっているのは史上初で、強いて挙げるなら第三世代で幻じみた扱いだったルギアの『ポケモンXD』くらいである。
また、アルセウスが本格的に登場することになったため、DPtでは没アイテム扱いだった『てんかいのふえ』が復活登場している。
ポケモンの主人公では初めてゲーム中で専用のボイスが用意されており、各種アクションの際にそれを聞くことができる。
近年の本編作品では固定の声優が当てられていたピカチュウとイーブイの鳴き声が電子音に戻った。特にピカチュウに関しては、声優に変わったのが2013年のXYであるため、約10年ぶりの回帰である。
本作のエンドロールのラストでは、ポケモンシリーズでは非常に珍しいエンドカードが表示される。このエンドカードのイラストは、プレイヤーが選択した主人公の性別や、髪や肌の色といった見た目のバリエーションに合わせて一部が変わる仕様になっており、これに伴い複数のパターンが用意されているという非常に凝ったものとなっている。
BGMはDPのアレンジが大半だが、時代の雰囲気を反映してか和楽器を使用したアレンジが多く、ポケモン図鑑の説明もやや古風な文体で書かれている。
『DPt』の時点からヨスガシティの「いぶんかのたてもの」に本作の伏線がある(!)。
これ以外にも、Dptをプレイしたユーザーなら思わず反応してしまうような要素や描写が多く盛り込まれている。本作をプレイした後で、リメイク作である『BDSP』を改めて一からプレイし直してみると、また違った楽しさを味わえることだろう。
今作の舞台は昔のシンオウ地方ということで、それ以降の地方のポケモンは必然的に少なくなっているのだが、本来登場しないはずのイッシュ地方(第5世代)のポケモンはもっとも多くのリージョンフォーム(5種類)が登場しており、第1世代、第2世代に絞られていた追加進化にも一体抜擢(ばってき)されている。特にヒスイゾロア・ヒスイゾロアークは第4世代との関わりが深く、専用PVまで制作されている。
また、本来であればイッシュ地方で登場する伝説のポケモンであるトルネロス、ボルトロス、ランドロスが専用技を引っさげて登場するどころか4匹目まで新たに姿を見せている。
さらに、ポケモンBWの登場人物が主人公と同じくタイムトラベルして本作に登場するという待遇を受けている。
というような感じで、本作は偶然と呼ぶには無理があるほどにイッシュ地方の要素が多く、ユーザーのなかにはイッシュ地方との関連性について考察する者もいる。
ちなみに本作に先立って第4世代である「ダイヤモンド・パール」のリメイク作であるBDSPが発売されたため、現状「リメイクされていないシリーズ作品」としてはイッシュ地方を舞台とする第5世代が最古となる(=次リメイク作の最有力候補)。
上記の通り実験的要素を取り込んだ挑戦作として発売前から扱われ大々的に宣伝されていたが、先の「ヒスイの夜明け」が発表された際の『Pokémon Presents』がSVの初お披露目で、それ以降は関連商品のプロモーションがSVに徐々にシフトしてしまい、関連商品の展開はポケセン限定のぬいぐるみや服、アルセウスフォン型スマホカバーなど数品程度で本編作品としては控えめである。
また本作初出のポケモンやキャラなどは現時点でポケカがメインで扱われているが、それ以外の一般販売のグッズはアニポケのWCSマスタークラス篇の各チャンピオンやそのポケモンに優先されている事もあり、ゲーム販売から6か月後の7月販売のモンコレのMSシリーズのバサギリと同月稼働開始のポケモンメザスタ ダブルチェイン1弾のヒスイゾロア系のタグと遅いタイミングだった。
本作の仕様として「通信交換で進化するポケモンをアイテム使用で進化させられる」事や、ポケモンホームを利用する事で「一本のソフトで第四世代の伝説ポケモン・準伝説ポケモン・対人戦でも強力な第五世代の準伝説ポケモンを収集出来る」事から、シリーズ作品の中でも図鑑埋めや対人戦用ポケモンの調達に有用な屈指の作品となっている。
関連イラスト
関連動画
『Pokémon LEGENDS アルセウス』初公開映像(2021年2月)
プロモーション映像(2021年8月)
新報 其の壱 あらぶるキング・クイーン篇(2021年9月)
新報 其の弍 ヒスイのすがたのゾロア・ゾロアーク篇(2021年10月)
新報 其の参 ヒスイのすがたのビリリダマ篇(2021年12月)
新報 其の肆 イチョウ商会 / コンゴウ団・シンジュ団篇(2021年12月)
Pokémon LEGENDS アルセウス 紹介映像(2022年1月)
FINAL PV(2022年1月)
関連タグ
ヒスイ地方(シンオウ地方) コンゴウ団 シンジュ団 イチョウ商会 ダイレクトアタック(プレイヤーがポケモンから奇襲を受ける様子から)
ガンテツボール:植物由来のモンスターボールつながり。本作では自力で作れる。ちなみに、金銀とはボールの種類については全くの別物となる本作独自のボールが登場する。
ワイルドエリア:ポケモンシリーズの第8作目『ポケモン剣盾』で初登場したオープンワールド形式のフィールド。本作にも大きな影響を与えたと思われる。(※他フィールドは従来のエリア区切り)
関連作品
- DPt / BDSP:ポケモンシリーズの第4作目およびそのリメイク作品。ヒスイ地方の現在の姿であるシンオウ地方が舞台となっている。
- ポケモンSM / ポケモンUSUM / ポケモンLPLE:ポケモンシリーズの第7作目及び旧作のアレンジ作。第8世代『ポケモン剣盾』には受け継がれなかった要素が本作で取り入れられている。
- ポケモンSV:2022年の11月18日に発売された第9作目。パルデア地方は本作のヒスイの全エリアを1つのフィールドに統合したシームレス方式になった。
- ポケモンレンジャー光の軌跡:本編より過去の世界を冒険するという意味での先駆けとなる作品。なお、こちらはあくまで本筋からのサイドストーリーという形になっている。
- ポケモン+ノブナガの野望:時代劇調繋がり。アルセウスが物語上で重要な役割を担う点も同じ。
- 赤・青の救助隊:ある事情で主人公がポケモンになり、ポケモンだけが暮らす世界に飛ばされてしまう。落ちた衝撃で部分的に記憶を無くしており、何故自分がポケモンになったのかを探りながら救助隊として生活をしていく事に。様々なミッションを達成する事で新しい依頼が増えたり、隊員ランクが上がっていく。また、主人公が最初に飛ばされた先が小さな浜だったり、世界滅亡の元凶として疑いの目を掛けられたり等、共通点が非常に多い。
- 超克の時空へ:アニメ版ポケットモンスターダイヤモンド&パールの劇場版。こちらも過去の世界が舞台で、アルセウスが関わっている事も共通。モンスターボールすら存在しない時代なため、ポケモン達が「魔獣」と呼ばれて忌避されていた。
- LEGENDSZ-A:2025年頃、新たに制作されるLEGENDSシリーズ。舞台はカロス地方である事は判明したものの、それ以外の情報は謎に包まれている。
- テトリス99:コラボイベントを開催。
類似した要素のあるゲーム作品
- モンスターハンターシリーズ:ベースキャンプから探索に出発する点、依頼を熟すごとに探索できる場所が増えていく点、フィールドがエリアごとに細かく分かれている点、モンスターと遭遇するとシームレスで戦闘に突入する点、素材同士を調合して別のアイテムに作り変えることができる点など影響を受けたと思われる要素が非常に多い。とりわけ、2020年9月のニンダイで発表されSwitch向けに発売された2作品に関しては、『モンスターハンターライズ』では和風の世界観・忍者風の装い・サブキャンプの増設・未発見時のベースキャンプへのショートカット・ふるいポエムと類似した収集要素である“先人の遺物”に凶暴化個体や騎乗、『モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~』では収集要素の強いRPGという点、そしてこちらでも凶暴化した個体という共通点がある。それ以前の作品でも、何らかの要因で通常よりも凶暴化した個体が登場しているというケースは少なくない。これらの点からプレイヤーからは「モンハンっぽい」という評価も聞かれる。
その他の関連作品
- ゴールデンカムイ:舞台が明治時代の北海道つながり(ただし、ポケモンの場合、厳密には時代に関する明言はない)。『ゴールデンアルセウス』というパロディ(クロスオーバー)タグも作られている。
表記揺れ
その他のシリーズのタグ
- 第1世代:RGBP(赤緑、RGB)
- 第2世代:金銀クリスタル(ポケモンGSC、金銀、GS)
- リメイク(第4世代):HGSS
- 第3世代:ポケモンRSE(RSE 、ルビサファ、RS)
- リメイク(第6世代):ORAS
- 第4世代:DPt(ダイパ、DP、DPPt)
- リメイク(第8世代):BDSP/スピンオフ(第8世代):LEGENDSアルセウス
- 第5世代:ポケモンBW(BW)/ポケモンBW2(BW2)
- 第6世代:ポケモンXY(XY)
- スピンオフ(第9世代):LEGENDSZ-A
- 第7世代:ポケモンSM(SM)/ポケモンUSUM(USUM)
- 第8世代:ポケモン剣盾(剣盾)……DLC:鎧の孤島、冠の雪原
- 第9世代:ポケモンSV(SV)……DLC:ゼロの秘宝、藍の円盤、番外編