はがねタイプ
はがねたいぷ
【注意】
ポケモンは沢山のキャラクターが登場するゲームですが、一部においてポケモンの能力や対戦での使用率を主観的、かつ過度になじる編集者が散見されます。
対戦環境は変化を繰り返すこと、本サイトの性質上記事の内容もあくまで個々人の見解に過ぎない旨を理解し、全てを鵜呑みにしないようご注意下さい。
概要
ポケモンは種族ごとに1、2種類のタイプが、技には1種類のタイプが必ず付加されている。
そのタイプの相性でバトルの有利不利が決定される要素の一つ。
はがねタイプは、『ポケットモンスター金・銀』(第2世代)から登場したタイプの一つ。
日本語の五十音順的にも英語的にもあくタイプよりも後ろに来るので、17番目のタイプと考えてよさそう。
はがねタイプのカテゴリーに分類されるポケモンの特徴としては、金属をイメージさせる外見をしていたり、体の一部又は表面、あるいは全体が金属そのものでできているものが入れられている。
頑強な金属のイメージからか、パラメーター的には「ぼうぎょ」が大変高く設定され、「とくこう」「とくぼう」「すばやさ」が低い。
複合タイプは第9世代時点でノーマルタイプとのみ未登場。
ちなみに金属には自然に採掘できるものと人間が手を加えて作り出すものがあるのだが、はがねタイプはいわタイプとの差別化のためなのか合金モチーフのポケモンが非常に多い(鋼鉄に加えて青銅、ジュラルミン、銅、黄金モチーフのはがねポケモンがいるが、このうち鋼鉄・青銅・ジュラルミンは合金。銅や黄金は自然に採掘が可能だが、該当するゾウドウ系列とサーフゴーはそれぞれ銅像と金貨がモチーフなので人工物であることには変わりない)。
そのため概念である悪や格闘と並び人工物に由来しているという点で他とは異質なタイプの一つと捉えるプレイヤーも多い。
性質としては非常に守りに長ける。純粋なはがねタイプの場合、他のタイプへの耐性(いまひとつ+効果なし)が"11(第5世代までは12)"も存在する"驚異の硬さ"を誇っている。抜群や半減に理由が伴う他のタイプと異なり、通る電気や錆びる水のようになんとなく金属に効きそうなタイプ以外は軒並み半減するといった印象の設定になっている。
ドラゴンタイプの技に対して抵抗がある数少ない(第5世代までは唯一)のタイプでもあり、ほのお、かくとう、じめんタイプが使われる理由の1つに「はがねタイプの弱点を突けるから」があるほど。
そして、第6世代ではフェアリータイプの相手もできるようになり、やはり貴重かつ優秀なタイプ耐性を活かした戦い方が中心となる。
天候「すなあらし」でダメージを受けない点も強みで、パーティ内でバンギラスやカバルドンと仲良くしている姿をよく見かける。
……反面、弱点の3タイプはいずれもはがねタイプ以外にも多くのタイプの弱点を突くことができるために採用率が高く、なおかつ高威力、高性能の技を多くのポケモンが覚えられるため、安易に交換で出して読まれて大きく削られるということがよくある。
とはいえかくとう、じめんは半減・無効にしやすいタイプでもあり、等倍あるいは無効にされる複合タイプも多い。
逆にほのおを等倍・無効にする複合タイプは意外と珍しく、こういったポケモンは4倍弱点を抱える羽目になる。
一方、攻撃面は難点が多い。そもそも、攻撃相性が弱めである。フェアリータイプの弱点を突ける数少ないタイプであるが、主要な4つのタイプ(ほのお、みず、でんき、はがね)に半減されてしまうからである。
使い勝手のよい攻撃技が少ないことも問題である。
物理技では、先制攻撃である「バレットパンチ」はタイプ一致の使用者が少なくルカリオ、ハッサム、メタング、メタグロスのみ。
「コメットパンチ」は2割の追加効果でこうげきが上がり威力もなかなか高いが、タイプ一致で覚えられるのがメタング、メタグロス、ルカリオの3匹のみ。
「アイアンテール」は同じく威力に優れ、しかも覚える種族が多いという利点があるが、命中率が低過ぎるため、実戦ではZワザやダイマックスを使わない限りは不安定である。
「アイアンローラー」は威力130と非常に破格だが、「場が何かしらのフィールドでないと使用できず、技使用後はフィールドを打ち消す」というかなりピンポイント的な技のため使いどころが難しい。
「アイアンヘッド」は命中100で更に3割ひるみの優秀な効果が付いているが、使用者の大半は「すばやさ」が低いので追加効果はあってないようなものに近い。
威力も80と中途半端なため、タイプ一致の主力技がこれしかないというのでなければ使われづらい。
最近では「すばやさ」が高いメガメタグロスが登場し、ひるみ効果を警戒させながら使う場面が漸く見られるようにはなった。
この他、「ジャイロボール」や「ヘビーボンバー」は相手によって威力が変わる。
この技の最大威力が多くの相手に保証されるのでなければ、使い勝手は今一つ。
特殊技では、まともなものが威力80の「ラスターカノン」とジラーチ専用技の「はめつのねがい」のみ。
「てっていこうせん」は威力140と破格だが、デメリットも大きいので使いどころを考えないと難しい。
そして、そもそもはがねタイプに特殊技をメインに据えるポケモンが少ない。
余談だが、なぜか「刃物で斬る」系統のはがね技はほとんど存在しない。強いて言えば「メタルクロー」であるが、「ひっかく」や「きりさく」と大差のないエフェクトであり、威力も高くない。ギルガルドやキリキザンのアイアンヘッドは串刺し、あるいは斧で叩き斬ると解釈できなくもないが、こちらもエフェクトは他のポケモンが使った場合と一緒である。
エアームドの図鑑説明に、翼から抜け落ちた羽根が良い刃物になる、包丁の代わりになるなどとわざわざ書いたのに、なぜこんなことに。
まあ、図鑑の説明とバトル上のスペックが食い違うのはよくある話ではあるが……。
第8世代において、伝説のポケモンザシアン(けんのおう)の専用技「きょじゅうざん」でようやく名実ともに「刃物で斬り裂くはがねタイプの技」が実装された。
ついでに言うと、「砲弾」や「弾丸」で攻撃する系統の技もほとんどない。「タネマシンガン」や「ロックブラスト」のように他のタイプでも良く使用するため、あまりはがねのイメージを持たせたくないのか、あるいは海外の規制にでも引っかかっているのかもしれない。
それでもフェアリータイプのもう1つの弱点であるどくは、攻撃面ではがね以上の不利になること、ドラゴンタイプでは複合タイプ次第だが、弱点となるこおりと併せて狙える点からドラゴンポケモンのサブウェポン技として採用する事例が多い。ドラゴンとひこうとの複合なら、いわタイプでもつける利点がある。
まとめると、
- 防御面は群を抜いた耐性の多さ、数少ないドラゴン耐性・フェアリー耐性を持つ反面、弱点を突かれると案外脆い。
- 攻撃面は汎用的で使い勝手のよい技が少ないため今一つ。
耐性が優秀なことを生かした「守って勝つ」戦法が、一番はがねタイプらしい戦い方だろう。
はがねタイプは登場した当時は珍しいタイプであり、現在も「進化後にはがねタイプがつく」というポケモンが多いため、普通に出現するものは少な目。
例えば、第2世代はまともな出現率のはがねタイプがコイルだけ(それでも周りから比べれば低い)という状態で、以降の世代でも何種類も大挙して出てくるということはそう多くないので、旅パで使うならある程度意識して捕獲していく必要がある。
しかし、少な目ゆえに普通に出現するポケモンはキャラやたら濃く、DPのドーミラー、BWのドリュウズ、XYのヒトツキ、剣盾のガラルニャース、そして金銀/BW2/SMのコイルなど、印象に残るポケモンが多い。
なんと剣盾ではまさかの序盤鳥にしてはがねタイプというアーマーガアが登場した。仲間にすればその頑丈さで旅パでも良く活躍し、対戦環境でも同種族がそのまま大活躍というパターンが本当に多い、頼れるタイプである。
タイプ相性と特性
タイプ相性
攻撃側 | タイプ |
---|---|
抜群(2倍) | こおり、いわ、フェアリー |
今ひとつ(0.5倍) | ほのお、みず、でんき、はがね |
効果なし(無効) | - |
防御側 | タイプ |
抜群(2倍) | ほのお、かくとう、じめん |
今ひとつ(0.5倍) | ノーマル、くさ、こおり、ひこう、エスパー、むし、いわ、ドラゴン、はがね、フェアリー |
効果なし(無効) | どく |
タイプ特性
タイプ相性考察
草花、暴風、念波、虫の群れ、ドラゴンは、いずれも「頑強な鋼の装甲で防いでしまう」というストレートなイメージだろうか。そんな防御力に普通の攻撃が通じる道理も無い。
また、五行思想において龍は「木」とされ、対面にあるのは「金」で、金克木(金属は木に勝つ)という相関があったりする。
第5世代まではその鋼の鎧によって、幽霊や悪党の攻撃までも半減できた。物質的な守りをすり抜けそうなゴーストタイプはともかく、あくタイプが半減対象からはずれた理由はよくわからないが、搦め手の技で裏をかくタイプというイメージもあるため、対策を講じられて真っ向からの防御が通じなくなってしまったのだろうか?
タイプが違うとは言え鋼鉄製であろう聖なる剣を振るう技は悪によく効くのだが…。
毒についても、有機物ではない鋼は毒液を浸透させず効果が期待できない一方で、酸は金属を溶かしてしまうためか、ふしょくの特性があれば鋼をも侵す毒を生み出せる。
こちらの攻撃が半減してしまう相手は、同じはがねタイプ、そしてみず、でんき、ほのお。
同等の強度を持つ鋼同士のぶつかりあいでは互いに決定打を見出せないし、液体である水に金属を叩きつけても破壊することはできず、それどころか錆びてしまう。電気も炎も不定形なエネルギーであり、電撃や熱は金属を通して伝わってくるため手を出しにくいということだろうか。
逆に鋼の防御をも突破してくるのは、ほのお、かくとう、じめんの3タイプ。
炎は高温で金属を溶かし、いわをも砕く格闘技の達人ならば鉄筋だって折り曲げ、土に埋没した金属は錆びてしまう、あるいは地震のような大地のエネルギーは鋼鉄の構造物さえ破壊するイメージか。
かくとうとじめんはこちらの攻撃も半減されない。格闘技の達人だって金属製の刃物や鈍器が当たればダメージは受けるし、大地からすればほんの一部とはいえ鋼の工具や重機を使えば地面は掘削することができる。
はがねの攻撃で有利が取れるのはこおりタイプ、いわタイプ、フェアリータイプ。
硬い氷もアイスピックやノミがあれば砕いたり削ったりできるし、流氷を押し割って進む砕氷船も鋼鉄の塊である。大きな岩や岩盤も、適切な場所に鋼のドリルやハンマーや楔を当てれば一気に砕かれてしまう。
妖精や妖怪の中には金気(かなけ)を嫌う者もあり、欧米では「妖精が鉄に触れると火傷をする」という伝承もある。
世代ごとの変遷
第2世代
その驚異的な耐性の多さから一世を風靡するかに思われたが、追加された種族はわずかで、むし複合のフォレトス、ひこう複合のエアームド、イワークから進化したハガネール、ストライクから進化したハッサムしかいなかった。
技も「メタルクロー」「はがねのつばさ」「アイアンテール」の3つのみで、どれも命中率が100未満という酷い有様だった。しかも、最終形態5匹中2匹はこれらの一致技を覚えない始末。
対戦ではエアームドやフォレトスが弱点の少なさや高い物理耐久を買われて「まきびし」の担い手となり、じめん複合のハガネールは対でんきタイプの役割を担った。
一方、ハッサムはめぼしい技が少なく、専ら「バトンタッチ」を使っていた。
また既存勢のレアコイルは、はがねタイプ追加のせいでじめん4倍になってしまい、さらにはがね技も一切覚えないとあって使いどころが少なかった。
余談だが、単はがねタイプのポケモンはこのとき存在しなかった。
第3世代
初登場組はいわ複合のココドラ系統、エスパー複合のダンバル系統とジラーチ、そして初のはがね単タイプのポケモンとしてクチートとレジスチルの2匹が登場した。
レジスチルは幻枠のジラーチとともに、はがねタイプ初の伝説のポケモンでもある。
その後のはがねタイプの代表選手となるメタグロスは、いわゆる「600族」の1体で攻撃と防御に優れ、半専用技「コメットパンチ」、相手から能力を下げられない特性「クリアボディ」、エスパータイプ複合で弱点が当時ほのおとじめんしかなかったことなど、あらゆる面で他を圧倒する強さを誇っていた。FRLGで「だいばくはつ」を習得して以降は、不利な相手であっても無理矢理吹き飛ばしてしまえる力を持つようになり、特にこの世代から始まったダブルバトルではあちらでもこちらでもメタグロスという状態だった。とはいえ、その「コメットパンチ」も命中率が85しかなく、攻撃チャンスが多く1回くらい外れても問題なかったとはいえ、安定するとは言い難かった。
既存組ではエアームドが耐久を削がれたものの、特化して守ることに重点を置いたことでその地位を守り抜いた。
かたや「まきびし」戦術が廃れ、フォレトスが衰退した。
第4世代
新規組はみずタイプ複合で御三家として初のはがねタイプであるエンペルト、エスパータイプ複合のドーミラー系統、いわタイプ複合のタテトプス系統、前世代中期に先行登場したかくとう複合のルカリオが登場し、既存勢ではレアコイルがジバコイル、ノズパスはダイノーズへの進化を獲得した。
伝説のポケモンでは『ダイヤモンド』のパッケージポケモンであるドラゴンタイプ複合のディアルガ、ほのおとの複合であるヒードランが登場した。
物理特殊分化とともに技が整備され、先制技「バレットパンチ」、威力命中安定の「アイアンヘッド」、命中安定だが自分が相手より遅ければ遅いほどダメージが増すトリッキーな技「ジャイロボール」、特殊安定火力の「ラスターカノン」が登場した。
新勢力のエンペルトは高いとくこうを持ち、ドラゴン技を受けながら「れいとうビーム」などで返り討ちにすることができる。はがねタイプでありながら、ほのおタイプに強いのも特徴。
ドータクンは当時弱点が2つしかなかったところを特性によって片方消し去ってしまうというトリッキーなポケモンで、新技「ジャイロボール」の担い手となった他、「すばやさ」を反転させるという新技「トリックルーム」の使い手としても重宝された。
ルカリオはかくとうタイプの方が目立つが、数少ないタイプ一致「バレットパンチ」の使い手でもある。
ジバコイルは、一般はがねタイプ最高のとくこうから強力な一致技を放てるようになった。
伝説枠のディアルガは「とくこう」を始め様々な能力が高く、多彩な戦法を有し、ヒードランは高い「とくこう」と独特かつ豊富な耐性を持つ。
前世代猛威を振るっていたメタグロスにあろうことか「バレットパンチ」が与えられ、「コメットパンチ→バレットパンチ」という流れるような連続攻撃で次々と相手を倒していった。
『プラチナ』以降はハッサムにもこの技が搭載され、第4世代登場時に追加された特性「テクニシャン」がフルに生かせるようになった。
HGSSではこれまた「テクニシャン」の恩恵を受ける「むしくい」までも手に入れ、さらに強化された。
またジラーチは、『プラチナ』以降は「アイアンヘッド」を習得し、高い「すばやさ」からの先制6割ひるみという凶悪な戦術を手に入れた。
かたや弱点の物理技の登場や、火力偏重になったことでエアームドが衰退した。
第5世代
新勢力ではより攻撃面、防御面それぞれに特化したポケモンが追加されており、ハガネール以来となるじめん複合のドリュウズ、むし複合のシュバルゴとアイアント、まさかのくさタイプとの複合であるテッシード系統、はがね単のギアル系統が登場。伝説のポケモンもかくとう複合のコバルオン、幻のポケモンでむし複合のゲノセクトが登場した。
新勢力のドリュウズは、特性「すなかき」をフルに生かしシングルにダブルにと大活躍した。
ナットレイは素早さが低い分守りに長ける他、「ジャイロボール」で驚異の火力を引き出すこともできる。
シュバルゴはメタグロス以上の攻撃種族値と最低の素早さ種族値を持ち、アイアントは逆に当時のはがねタイプ最速を更新した。
技では「ヘビーボンバー」が登場。自分と相手の重さの差が大きいほどダメージが大きくなるというトリッキーな技だが、登場当初はさほど注目されなかった。
既存組ではいわタイプ同様特性「がんじょう」の仕様変更が大きく、「きあいのタスキ」と同等の効果を持つようになったことで戦術が大幅に拡大した。
これにより低レベル戦法が登場し、ココドラ、コイル、ダイノーズなどが躍進。
エアームド、ジバコイル、ボスゴドラなども格段に戦いやすくなった。
ドラゴンタイプ隆盛の時代であり、はがねタイプは唯一のドラゴンに耐えられるタイプとして活躍した。
一方、この世代で「だいばくはつ」のダメージ計算方法が変更され、実質的な威力が低下。
伴って「だいばくはつ」を戦法の一つにしていたメタグロスやドータクンなどが弱体化を受けた。
第6世代
しかし、新要素であるメガシンカはXY・ORAS合わせて6匹も追加された。
初のゴーストタイプ複合であるギルガルドは、癖があるものの読み次第で種族値は実質720になるという驚異のポケモンで、物理特殊どちらでも戦えるとあって幅広く活躍した。
クレッフィは新登場となるフェアリータイプとの複合で、特性「いたずらごころ」による変化技中心の戦術を得意とする。
既存勢力では、クチートがフェアリータイプの追加、そしてメガシンカの追加という大幅な強化を受け、一気に最前線に躍り出た。
前世代に登場したキリキザンは、あくタイプの攻撃相性強化、かくとうタイプ弱体化で相対的に強くなり、ダブルバトルを中心に活躍した。
対戦面ではフェアリータイプの数少ない弱点の1つになった。
これによって攻撃面が充実しますます強化される……かに見えたが、一方でゴーストタイプ、あくタイプの技を半減できなくなってしまった。
これによって弱点が一気に2つも増えたメタグロス、ドータクン、ジラーチは大幅に弱体化し、その他のポケモンもゴーストやあくに押し負ける事態が多発。
そしてフェアリータイプの追加により、ドラゴン耐性が唯一のものではなくなってしまった。
そのため、以前の防御主体の活用から一転攻撃面にシフトする動きが多く見られた。
なお、この世代に登場した「さかさバトル」でははがねタイプがとんでもないことになる。耐性と弱点が引っ繰り返るため、弱点タイプの数が2桁という酷い有様になってしまうのだ。幸い通常の対戦では採用されていないが、かつてこれがレーティングバトルのスペシャルルールに採用されたことがある。
……ここでのはがねタイプ、は見るも無残であった。
第7世代
一般ポケモンにはピカチュウ枠初のはがねタイプで、優秀な補助技や特性を備えるトゲデマルが登場。
エスパー複合で物理主体の禁止級伝説ソルガレオが、『サン』のパッケージを飾っている。
準伝説ポケモンのウルトラビーストとして、超高火力のカミツルギ、異常な器用さを持つテッカグヤ、超鈍足から繰り出される「ジャイロボール」が強力なツンデツンデと充実のラインナップ。
はがねタイプの幻のポケモンとしては3体目となるフェアリー複合のマギアナ、ピカブイとポケモンGO限定だが、メルタンが進化する初の幻のポケモンメルメタルが登場した。
リージョンフォームは、雪山に登ったサンド系統と火山にすむディグダ系統が獲得している。
技ではダダリンの「アンカーショット」、ソルガレオの「メテオドライブ」といった優秀な専用技が登場している。
また、ダダリンはタイプはくさ・ゴーストタイプだが、新特性「はがねつかい」により事実上攻撃面でははがねタイプという希少な個性を持つ。
優秀なフェアリータイプが数多く追加されたことで、それへの対抗策としてはがねタイプがポケモン・技共に重宝されるようになった。
新規組では様々な戦法が可能なテッカグヤ、当初は微妙と評されるも研究の結果ダブルで超強力なアタッカーとして見出されたカミツルギが活躍。
『USUM』新規UBのツンデツンデも、修得技が判明する前は微妙と評されていたが、修得技が判明して以降はその超鈍足を活かした戦法が徐々に評価されていった。
既存組ではメガシンカ後の素早さの仕様変更で一気に強くなったメタグロス、ルカリオ、じめんタイプによりでんき無効かつ新たにタイプ一致必中技「スマートホーン」まで手に入れたドリュウズがシェアを大幅に拡大させている。
技方面でもはがねタイプ以外が「ヘビーボンバー」や「アイアンヘッド」などを役割破壊として仕込むケースが増えた。
特に「ヘビーボンバー」はフェアリータイプに体重の軽いポケモンが多いことから、対策として高い性能を誇る。
また、この世代で「のしかかり」と同じ「ちいさくなる」特効を獲得し、害悪キラーとしても有能となった。
『USUM』ではルカリオが何と「コメットパンチ」を習得した他、トゲデマルも教え技で「アイアンヘッド」を獲得した。
対フェアリー最有力候補として目されたため、シングルでははがねタイプが多くおり、上位陣の3分の1がはがねタイプであったこともある。
上記のようにメタグロス、ルカリオ、ドリュウズ、ナットレイ、テッカグヤ、ヒードランが強く、はがねタイプの全盛期だったと言えるだろう。
一方でタイプによってフェアリーを半減できないことや、先制技を無効化する手段が増えたことでダブルのキリキザンが弱体化している。
だが、こちらも「いかく」ガオガエンの登場で息を吹き返した。
第8世代
また、希少なはがね単タイプのダイオウドウに、ディアルガ以来にして非伝説では唯一となるドラゴン複合のジュラルドンが追加。
リージョンフォームでは、マッギョとニャースがはがねタイプとなった。
また、ニャースは「ガラル地方のペルシアン」ではなくニャイキングへと進化する。
キョダイマックスはダイオウドウ、ジュラルドン、アーマーガア、メルメタルがそれぞれ獲得。
はがねタイプのダイマックス技「ダイスチル」は、防御上昇の追加効果を持つ。
前者はフェアリータイプ、後者はかくとうタイプだが、専用のどうぐを持たせることでフォルムチェンジし、はがねタイプが追加される。パッケージに載る伝説のポケモンが、双方ともにはがねタイプというなかなかの優遇具合である。
新技としては、HPを半分削る代わりに威力140というはがねタイプらしからぬ大技の特殊技「てっていこうせん」が追加される。教え技として全はがねタイプが習得可能という「りゅうせいぐん」と似たポジションの技となっている。高耐久低特攻が多いはがねポケモンとの相性は微妙に感じる部分もあるが、ジュラルドンにはメインウエポン以外にサポート役の退場手段としても採用する価値あり。
初期環境ではカプ系などフェアリータイプのトップメタが軒並み不在だったため、役割対象の減少も危惧されたが、弱体化されたはずのミミッキュが環境的な意味では全く衰えておらず、引き続き対策として重宝された。
また、環境にかくとうタイプが少ない点もはがねタイプにとっては追い風となっている。
しかし、元来一方的に有利だったフェアリータイプにマジカルフレイムがばら撒かれたのはなかなかの痛手。ダイマックス化することで容易にひでり状態を作り出され、高威力のダイバーンで役割破壊を狙われる事も多い。
さらに今世代は使えるポケモンが著しく制限され、段階を経て使用可能なポケモンが増えていくという形式を採っているため、同世代内でも段階によってはがねタイプの地位は微妙に変化している。600族メタグロスを筆頭に、言わば最初のはがねタイプであるコイル系統、高いレベルで安定した実力を発揮してきたハッサムやヒードラン、「はがねは硬い」を象徴するメガボスゴドラやレジスチルなど、はがねタイプの代名詞的なポケモンが数多くリストラの憂き目を見ることとなった。
剣盾初期
新ポケのアーマーガアは、エアームドやテッカグヤと同じ圧倒的耐性を生かした耐久型がボディプレスとの相性の良さもあり環境でよく見られている。
またニャイキングは専用特性「はがねのせいしん」により、一致技のはがね技をさらに1.5倍の火力で打ち出すことが可能となっており、更にはこの効果が味方全体に重複することからマックスレイドバトルにおいてニャイキングを4体並べてはがね技を連打する戦法が話題となった。
ダイオウドウは、はがね版ハリテヤマといった感じの種族値配分で、専用キョダイマックス技「キョダイコウジン」は、はがねタイプ版のステルスロックといった性能を持つ。
ザシアンは場に出るだけで攻撃を1段階上昇させる特性「ふとうのけん」、ザマゼンタは防御を1段階上昇させる特性「ふくつのたて」をそれぞれ持つ。
それぞれのフォルムチェンジ形態は、アイアンヘッドが専用技「きょじゅうざん」「きょじゅうだん」にそれぞれ変化し、いずれもダイマックス特効の効果を持つ。
ザシアンはフェアリーとの優秀な相性互換とアタッカーとしての性能の高さが大きく評価されている一方で、ザマゼンタはというとサポート向けの技を多く覚えるものの、タイプ一致の「ボディプレス」を覚えず、かつアタッカーとしては完全にザシアンの劣化にしかならないため、評価は芳しくなかった。
……せっかくのパッケージポケモンだというのに、この落差はあんまりである。
既存勢では、ミミッキュに有利な「かたやぶり」を持つドリュウズが環境トップに躍り出るようになり、初期環境のトップメタの一角として第一線を張り続けた。
その他、ナットレイがギャラドスとの相性の良さを見出されランク戦初期にトップ構築として採用されたり、同系統のライバル不在になったアイアントが「はりきり」とダイマックスの相性の良さを生かした高火力アタッカーとして活躍した。
一方、クチートはメガシンカ削除に加えて、有能な技が次々と没収されたことで埋没した。前世代でフェアリータイプが暴れまわった反動とはいえ、完全なとばっちりである。そもそもメガシンカなしだけでも十分すぎる弱体化なのだから、技没収はやりすぎとも言える。
ギルガルドは専用技「キングシールド」の弱体化のみならず、素のステータスに下方修正を入れられるという前代未聞の弱体化措置を取られてしまった。
ルカリオも強みの一つであったメガシンカを失い、第一線から退いた。
……それでも上記の2匹は強化点もあるので、一概に弱体化したとは言えないが。
鎧の孤島
「鎧の孤島」ではコイル系統、ハッサム、エアームド、クレッフィなどが復帰。
先んじて2月にはポケモンHOMEが解禁され、メルタン系統も剣盾に連れていけるようになった。
新たに追加された技は「アイアンローラー」で、威力130と非常に破格。
しかし「場が何かしらのフィールドでないと失敗し、技使用後そのフィールドを打ち消す」というかなり局所的な技のため、ダイマックス用の技として使うかピンポイントで役割破壊として使うしかない。
主にカプ神への対策技として用意されたのだろうか?
だとしても2匹は1倍になってしまうのだが。
ハッサムはメガシンカの没収、「むしくい」「はねやすめ」が過去作限定となり弱体化した。
隠れ特性の解禁、キョダイマックスを獲得したエースバーンとゴリランダーの台頭により立ち位置が危ぶまれたものの、ジバコイルとドリュウズがトップメタの一角として活躍した。
しかしシリーズ6では上記2匹がシリーズ7まで使用禁止となってしまった。
解禁して早々すぐに出禁になったジバコイルは泣いていい。
冠の雪原
「冠の雪原」では600族のメタグロスやUBを始めとしたほとんどの勢力が復帰を果たした。
また、メルメタルも新たにキョダイマックスを獲得している。
メルメタルの専用キョダイマックス技「キョダイユウゲキ」は、「いちゃもん」の攻撃版といった感じの性能を持つ。
カミツルギはダイマックスすることで懸念材料だった火力不足を解消させることができ、さらに耐久も並程度になるため大躍進を果たした。
メタグロス・テッカグヤ・ツンデツンデもダイマックスとの相性がよく、活躍の場を広げている。
一方ヒードランは「どくどく」を失い、シングルでやや失速した。
ランクバトルの竜王戦ルールで1体まで使用可能な禁止級はディアルガ、ソルガレオ、日食ネクロズマ、ザシアン(剣の王)、ザマゼンタ(盾の王)の計5体。
中でもザシアンは禁止級の使用率トップの座に君臨しており、ダイマックス禁止のシリーズ10ではシングル使用率1位に輝いた。
ザマゼンタはシングルではやや肩身が狭いものの、アタッカー兼サポーターとして、ダブルバトルで独自の立ち位置を築いている。
日食ネクロズマは特性「プリズムアーマー」がダイマックスと相性が良く、「じゃくてんほけん」型が多く使われている。
フェアリーが数を減らしてしまった為、全盛期ほど優遇されていないように見えるがまだ環境に多くいるタイプであるのには変わりはなかった。
第9世代
新規としては、フェアリー複合のデカヌチャン、初のどく複合であるブロロローム、
単体である潜鋼のヌシのミミズズ、進化条件が特殊なサーフゴー、
パラドックスポケモンのテツノワダチ、そしてキリキザンからまさかの進化を遂げるドドゲザンなど特徴的なメンツが追加。
新技はいずれも専用技で、デカヌチャンの専用技でギガインパクトを超える威力160を誇る代わりに連続で出せない「デカハンマー」、
ブロロロームの専用技で威力は100と高いが素早さが2段階下がってしまう「ホイールスピン」、
サーフゴーの専用技で、はがねでは貴重な威力120の高威力特殊技だが、使用後に特攻が下がってしまうリスクがあり、更にネコにこばんのように戦闘後にお金が拾える「ゴールドラッシュ」の3つ。
高威力ながらリスクありのクセのある技ばかりが揃った。
今作はダイマックスに代わってテラスタルが登場。
テラスタルがはがねであれば、発動するとどんなポケモンでもはがねタイプになれる。
テラスタイプジュエルは鉄の斧。
今作でも使えるポケモンが制限されており、
伝説系以外での有力なところではドリュウズ、ナットレイ、ギルガルドがここで姿を消した。
更に前作では世代終盤に再登場できたボスゴドラ、メタグロスはまたも姿を消すこととなった。特にメタグロスは600族で唯一連続でのリストラの憂き目を見ることに。
段階を経て使用可能なポケモンが増えていくという形式と見られるが、どの段階でどれだけが再登場できるだろうか。
外伝作品
ポケモンカード
ポケモンカードゲームにおいては、GSC発売時に展開された『ポケモンカード★neo』にて銀色をイメージカラーとした「鋼タイプ」(こちらは漢字表記が公式)として実装された。
エネルギーカードとしての鋼エネルギーも存在したが、当初は「エネルギーを付けた鋼タイプが受けるダメージは-10される」という効果を持った特殊エネルギーしか存在しておらず、基本鋼エネルギーが実装されるのはDPt期に発売される『ポケモンカードゲームDP』まで待つ必要があった。
ポケモンGO
ジム侵攻やレイドバトルにおいては、用いられることは少ない。
というのもゲージ技が軒並み弱く、ごく一部のポケモンを除けば低性能なアイアンヘッドやラスターカノンに頼らざるを得ず、冒頭で述べたとおりタイプ相性もあまり良くないことから使い勝手が悪い。
ただし、コミュニティ・デイで特段強力なゲージ技、コメットパンチを与えられたメタグロスは例外。はがねタイプの中で頭一つ抜けており、伝説ポケモンにも引けをとらない攻撃性能で活躍している。
ジム防衛においては耐性の多さは魅力的だが、かくとうタイプを弱点に持つことが災いして、防衛の常連であるノーマルタイプともどもまとめて狩られやすい。しかし弱点を連続させなければ、高い耐久力と豊富な耐性が活きる。
GOバトルリーグにおいては見せあい無しの3対3、使える技も少ない性質上、原作よりも耐性の多さが輝く。中でも、ハイパーリーグ以下ではレジスチル、マスターリーグではディアルガやメルメタルがよく用いられる。
はがねタイプのポケモンの主な使い手
男性比率が高く、第8世代までは、はがねタイプ使いの主な女性はミカンだけであった。
比較的年配のトレーナーが多く、若者の場合、若くとも才能や実力に恵まれている人物が大半。また、女性の場合、見た目からはイメージしづらい、はがねタイプ使いのギャップが魅力なのかもしれない。
鉱物や化石といった、鉱山で獲れるものが好きな人物もいる。