概要
平成ライダー10作目を記念した『仮面ライダーディケイド』を一区切りとして、次作『仮面ライダーW』から最終作『仮面ライダージオウ』までの10作品を総称する名称。
該当作品
- 『仮面ライダーW』(2009~2010年)
- 『仮面ライダーOOO』(2010~2011年)
- 『仮面ライダーフォーゼ』(2011~2012年)
- 『仮面ライダーウィザード』(2012~2013年)
- 『仮面ライダー鎧武』(2013~2014年)
- 『仮面ライダードライブ』(2014~2015年)
- 『仮面ライダーゴースト』(2015〜2016年)
- 『仮面ライダーエグゼイド』(2016〜2017年)
- 『仮面ライダービルド』(2017〜2018年)
- 『仮面ライダージオウ』(2018年〜2019年)
『W』から『ウィザード』までと『ビルド』『ジオウ』は9月スタート、『鎧武』から『エグゼイド』までは10月スタートである(=『ウィザード』は例年より1ヶ月長く、『エグゼイド』は1ヶ月短い)。
主な特徴
作風、形式
- 一期よりも世界観や設定がぶっ飛んでいる。二人で一人の仮面ライダーになったり、主人公が小銭と替えのパンツしか持たない自由人だったり、学園ものだったり、仮面ライダーが魔法を使ったり、フルーツモチーフの武将だったり、ライダーなのに車に乗ったり、主人公が第1話で死亡したり、ゲームで病気を治療する医師だったり、3つに分かれた国で仮面ライダーが軍事兵器として使われていたり、主人公が王様になる夢を叶えるために過去のライダーの力を継承したり。
- ストーリーは1エピソード2話構成である事が多い(一期にも見られた)。
- 『ウィザード』以降は2話構成を崩している作品も登場している。そういった作品は総じて1話1話の密度が高く、普通のドラマとしても見ごたえがある(が、ゲストや今週の怪人、バイクなどの出番が限られる)傾向にある。
- 全体的に明るくコミカルでカラフル、ポップな印象が強い。しかし、(特にクリスマス前回や終盤など)一期に負けず劣らずかつ毒の強いシリアスなエピソードも多く、世界観の根幹に関わる設定はどの作品も案外ハートフルボッコなものばかりである。後半には明るい作風に見せかけた重苦しい世界観の作品も登場するようになった(ダンスバトルから世界の命運を賭けた戦争に発展する鎧武、どんより現象をぶっ飛ばす爽やかなヒーローを主役にしているが次第に人間のエゴがクローズアップされていくドライブ、ゲームでウイルス退治が謳い文句だったが後半は命を賭けたゲームが展開されたエグゼイド、ラブ&ピースを目指す正義のヒーローが突如として戦争に巻き込まれるビルドなど)。
- 放映開始時期の都合上、1クール目の終盤と2クール目の開始時期が放映休止を挟む年末年始にかかる為、1クール目終盤の12・13話辺りで物語の節目となる重要な展開を迎える事が多い。登場人物達のそれまでの人間関係が大きな変化を見せたり、かなり衝撃的な展開になる作品も少なくない。1クールアニメでいう第3話の悲劇に近い。
- ほぼ全ての作品がそれぞれ独立した世界と明言されがちだった平成一期とは異なり、開始当初は「どの作品も同じ世界の出来事を描いている」という描写が数多くなされた。この描写を信じて「平成一期は全て独立した世界、平成二期は繋がっている世界」と解釈するファンは多い。
- ただし、後になればなるほどこうした触れ込みに反する描写が増えるようになっていった。この点については「時系列について」の項目を参照。
- 夏の劇場版でも、以上の設定を鑑みて、現行ライダーと次期主役ライダーの共演(及び初お披露目)が恒例となっていた。ただしこちらについては製作時期の問題により、当初から「夏映画の次期主役ライダーのキャラが実際の本編とは違う」「本編の設定とは矛盾している」ケースが出てきていた。
- TV本編だけでは完全に内容を理解できない作品が多い(例外として『オーズ』は作風の都合上故かTV本編のみで作品がちゃんと完結するようになっている)。
- 劇場版等の外伝作品の殆どがTV本編中の出来事として組み込まれており、それらを見た前提で話が進んでいく作品が多いため。その為この事を頭に入れておかないとTV本編に伏線として貼られていた要素が次の話では唐突に消えて回収された事になっていたり、逆に劇場版に登場するネタや用語・アイテム等が何の説明も無くサラッと登場したりする事がある為困惑する。一つ前の単独劇場版の先行登場で別作品のライダーどうしに面識があった事を前提にコラボ映画のストーリーが展開されるパターンもある。
- つまり、「外伝作品を見る事でより本編の世界観が深まる」というより「外伝作品も見ないとTV本編の内容を理解できない部分がある」作品が多いと言える。幸いにも本編内で話の終了後に公式から見るように促されたり、他のメディアで見る順番を教えていたりする為、そちらを参考にすると良い。
スタッフ
- 世代交代の波が、東映でシリーズを統括するチーフプロデューサー人事に及び、白倉伸一郎がほぼ連続してチーフPを務めた一期とは異なる1年毎の交代となっている。2年連続でPの座にあったのは大森敬仁ただ1人(『エグゼイド』→『ビルド』)。
脚本面
- 脚本面では世代交代が大きく進んだ。メインライターに限っても、東映特撮初挑戦になる脚本家を起用する例が相次いでいる(表を参照)。
●テレビシリーズ
作品名 | メインライター | 備考 |
---|---|---|
仮面ライダーW | 三条陸 | 初挑戦(※1) |
仮面ライダーOOO | 小林靖子 | |
仮面ライダーフォーゼ | 中島かずき | (※2) |
仮面ライダーウィザード | きだつよし・香村純子 | (※3)(※4) |
仮面ライダー鎧武 | 虚淵玄・鋼屋ジン | 初挑戦(※5) |
仮面ライダードライブ | 三条陸 | (※1) |
仮面ライダーゴースト | 福田卓郎 | 初挑戦(※6) |
仮面ライダーエグゼイド | 高橋悠也 | (※7) |
仮面ライダービルド | 武藤将吾 | 初挑戦 |
仮面ライダージオウ | 下山健人 | (※8) |
※1 三条は、『W』以前に『魔法戦隊マジレンジャー』の魔法呪文考案として協力した経験あり。
※2 中島は、「劇団☆新感線」の作家。『フォーゼ』以前に『獣拳戦隊ゲキレンジャー』と『W』にサブライターとして参加。
※3 きだは、「TEAM 発砲・B・ZIN」の作家。『星獣戦隊ギンガマン』『仮面ライダークウガ』にサブライターとして、『仮面ライダー響鬼』にメインライターとして参加。
※4 香村は、『ウィザード』以前に『炎神戦隊ゴーオンジャー』『天装戦隊ゴセイジャー』『海賊戦隊ゴーカイジャー』にサブライターとして参加。ライダーシリーズには初参加。
※5 虚淵玄は、元々はニトロプラスのゲーム作品などの脚本家。鋼屋ジンも同じく、元々はゲーム作品などの脚本家。
※6 福田は、「劇団疾風DO党」主宰。『ゴースト』以前に、東映特撮ではないが『ウルトラマンマックス』『ULTRASEVENX』にサブライターとして参加経験あり。
※7 高橋は、「劇団UNIBIRD」主宰。『エグゼイド』以前に、『ドライブ』の『シークレット・ミッション type TOKUJO』に脚本として参加。
※8 『ジオウ』以前に『仮面戦隊ゴライダー』に脚本として、『ゴセイジャー』『ゴーカイジャー』『特命戦隊ゴーバスターズ』『動物戦隊ジュウオウジャー』『宇宙戦隊キュウレンジャー』にサブライターとして、『手裏剣戦隊ニンニンジャー』『獣電戦隊キョウリュウジャーブレイブ』にメインライターとして参加。
キャラクター、装備
- 作品の設定と同様に、平成一期のライダーに輪をかけてぶっ飛んだデザインのビジュアルが多い。特に、フルーツと鎧を組み合わせた『鎧武』、ゲームキャラクターをモチーフにした『エグゼイド』、平成最終作であり顔面にライダーの文字が描かれた『ジオウ』の三作品は初見のインパクトが強く、物議をかもした。また片腕を出したおっさんなど謎のファッションセンスの持ち主が多い。
- 主役ライダーのフォームチェンジや装備が一期に比べて非常に多種多彩。いわゆる中間フォームが複数登場する作品も多く、本編終了後に最終フォームを超える究極フォームが登場することも増えた。その一方で、フォームが増えすぎた結果パワーインフレも速くなり新登場した形態がすぐに活躍できなくなるケースも多くなっている(これは理由こそ違うが近年のウルトラシリーズにも言える事である)。
- 一方でこれを逆手に取り、終盤で基本形態やそれに準ずる形態がラスボス撃破という大金星を挙げたりする例もある(一期にも見られるが)。
- 各変身形態の名称がほぼ「○○フォーム」に統一されていた一期作品と異なり、独自の名称がある作品が多い。
- 基本的にベルトだけで変身する事はなく、様々なサブアイテムを装填して(or読み込ませて)変身する。フォームチェンジもこれらサブアイテムで行われ、レジェンドライダー版として昭和・平成を問わず過去作のライダーをモチーフとしたアイテムの玩具が発売される例が多い(これらの要素は平成二期からと言う訳ではなく、厳密にはキバ、ゴーオンジャー世代が最初となる)。ちなみに第一作から第三作までは(ディケイドの一つから)装填するサブアイテム数が一つづつ増えていたが、流石に無理があったのか4以上にはならなかった。
- どの作品でもサブアイテムは劇中のキーアイテムであり、敵味方関係なく収集の対象になることが多く、争奪戦もよく発生する(サイズ故に戦闘中に攻撃を受けてアイテムが飛び出し敵の手に…となることもしばしば)。そして玩具では種類の多さに加えてプレミアムバンダイ等での限定発売もあるため、全てを集めるのは(金銭面も含め)困難を極める。
- キーアイテムの形状、モチーフが多彩になっている一方で仮面ライダーが使用する本体の変身アイテム自体はサブライダー含めて殆どがベルトとなり、第一期ではしばしば見られた「ベルト以外で変身する『仮面ライダー』」は僅か3人。(しかもそのうち一人は強化形態にてベルトを使用。)
- サブアイテムと連動するガジェットが存在する。ライダーのサポートや武器のアシスト、諜報、映像記録、撮影、追跡尾行、また、戦いに巻き込まれた時などに、民間人の誘導、護衛などを行う。
- 「主人公に相棒がいる」という設定を前面に出した作品が多い。逆に言うと、一期主人公に多い孤高感は薄れている。その「相棒」は大抵人外(腕だけの怪人だったり、変身ベルトだったり、使い魔だったり、データ生命体だったり、地球外生命体の片割れだったり)。主人公の片割れが人外だったケースもある。
- 仮面ライダー電王以降に導入されたダブルライダー制を導入することが多く、その場合2号ライダーは主人公とは別の思惑を持って動いていることが多い。しかし、場合によっては登場直後から仲間だったり、主人公の相棒が2号ライダーに変身したりする。
- ダブルライダー制の場合、2号ライダーの使用する変身ベルトは1号ライダーとは変身のシステムそのものが違う場合が多い。具体的には、サブアイテムを一つしか使わない、変身に使用するサブアイテムが違う、主人公の使用するベルトとギミックが違うなど。
- 逆に、複数のライダーが登場する場合は、1号ライダーと2号ライダーが同じベルトで変身するが、2号ライダーとそれ以降のライダーが別のベルトで変身する。逆に1号ライダーだけが特別なベルトで変身し、それ以外のライダーが同じ変身ベルト、もしくは変身ガジェットで変身する。など、共通のアイテムを使用しての変身と専用のアイテムを使用しての変身と言う二つのパターンが混在している。
- 変身ベルトがうるさい、歌うベルト。
- また、これまではぼかされることも多かったベルトやその周辺ツールの製作者が活躍することが多くなる。彼らはとてもクセが強い人物として描かれることが多い。包帯巻いてる謎の女、腕に変な人形乗っけてる終末おじさん、クーデレな病弱青年、面影堂の指輪職人とその弟子(チンプイ)、良い趣味してる人、宗教団体のボス、ロッカー使いすぎ、剛!待つんだ!GO!(イッテイーヨ!)、可哀想すぎるおじさんと偉大なる父、ビンタ食らった人、神の才能、自称世界の法(ルール)、てぇん才物理学者、気の狂い始めたサイボーグ科学者などなど。
- 第1作『W』で、平成では初めて「異種族と化してはおらずあくまで人間として悪事を働く怪人」が登場。この傾向はそれ以後も引き継がれ、敵組織は巨大法人であることが多い。
- 鴻上ファウンデーションなど味方側の企業も総じて胡散臭い。
- 戦闘員が一期よりも多く登場する。
- 『鎧武』から『ビルド』までは登場怪人のレパートリーが少なめ(改造込みのものも含む)であり、特に『ビルド』のスマッシュは歴代でもトップクラスに種類が少ない。
- 『鎧武』から『ジオウ』までは、ライダーが倒した怪人と同じ姿の別個体が登場する頻度が高い。
- 代わりにライダーの人数・フォーム数は多くなっている。
- 同じく『鎧武』からだが、最強フォームの専用武器が存在しない(登場時期的に新番組情報のリーク時期と衝突し買い控えが発生するため)。
- これも『鎧武』からだが、物語序盤は登場するライダー全員が同じベルトで変身し、物語中盤から新型のベルトによって変身する新世代ライダーとも言うべき存在が現れるようになった。また、ライダーの中には、強化形態として新世代ライダーになる者も出てきた。詳しくは強化ライダーの項にて。
- 仮面「ライダー」でありながらバイク、それどころか乗り物にすら乗っている描写がないor少ないライダーが一期より増えた。
ジンクス
- 終盤では主人公側の主要人物が死亡あるいは消滅するジンクスがある(大抵は何らかの形で復活しているが、復活しても再び死ぬケースもある)。
- 『エグゼイド』では、序盤から主人公の味方が死亡した(人気が高かったこともあり後に復活)。
- 初登場はクールなのに、途中で視聴者からネタキャラ扱いされる敵側のキャラクターが多い。(平成一期でもネタキャラに該当する者はいたが、二期になってから敵キャラクター側で意図的に描かれているようなパターンが増えている)。
ラスボス
- 敵の親玉もしくは真の黒幕がメインキャラクターの父親であることが多い。特にドライブからビルドまでは4年連続でこの展開を採用し視聴者を驚かせた。
- 敵の親玉もしくは真の黒幕を倒した後(もしくは別のキャラクターに倒される前後)で、別のキャラクターと戦うことがあるため、ラスボスと呼べる存在がどれになるのかという議論で意見が分かれることがある。
作品名 | 親玉・黒幕 | もう一人の敵 | テレビ最後の敵 |
---|---|---|---|
仮面ライダーW | 園咲琉兵衛(テラー・ドーパント) | 加頭順(ユートピア・ドーパント) | エナジー・ドーパント |
仮面ライダーOOO | 真木清人(恐竜グリード) | ウヴァ(メダルの器 暴走形態) | ウヴァ(メダルの器 暴走形態) |
仮面ライダーフォーゼ | 我望光明(サジタリウス・ゾディアーツ) | サジタリウス・ゾディアーツ | |
仮面ライダーウィザード | 笛木奏(仮面ライダーワイズマン) | ソラ(グレムリン) | アマダム |
仮面ライダー鎧武 | ロシュオ | 駆紋戒斗(ロード・バロン) | 仮面ライダー邪武 |
仮面ライダードライブ | 蛮野天十郎(ゴルドドライブ) | シグマサーキュラー | 眼魔アサルト |
仮面ライダーゴースト | アデル(パーフェクト・ガンマイザー) | グレートアイザー | バグスターウイルス |
仮面ライダーエグゼイド | 檀黎斗(仮面ライダーゲンム) | 檀正宗(仮面ライダークロノス) | 仮面ライダークロノス |
仮面ライダービルド | エボルト(仮面ライダーエボル) | エボルト怪人態 | |
仮面ライダージオウ | スウォルツ(アナザーディケイド) | アナザーディケイド |
これは、冬映画(『MOVIE大戦』・『平成ジェネレーションズ』)やOV・小説などで続編が作られるため、戦いはまだまだ続くということを見せる必要がある事と、諸事情で最終回後の特別編が作られる場合がある事も関係していると思われる。
その他
- 前作と今作のライダー同士の共演である『MOVIE大戦』・『平成ジェネレーションズ』(通称・冬映画)、歴代ライダーや戦隊の共演である『スーパーヒーロー大戦』『仮面ライダー大戦』(通称・春映画)がスタート(但し両者の先駆けは一期の『電王&キバ クライマックス刑事』からである)。ただし春映画は『超スーパーヒーロー大戦』を最後に制作されていない。
- また、単作の映画(通称・夏映画)では劇場版限定フォームが登場する(春映画・冬映画では登場する場合としない場合がある)。
- 映画やハイパーバトルビデオはもちろん、本編後日談などを描いた外伝Vシネマシリーズや講談社キャラクター文庫を始めとした小説、ネットムービーやBlu-ray等の映像特典、ファイナルステージ、ドラマCD、漫画等、外部展開がこれまで以上に多彩になった。作品によっては全てが正史に組み込まれている場合もあるため、多々買わなければ生き残れないことも増えた。
時系列について
頻発する歴史改変
まず、時系列の話に入る前に、平成二期は平成一期と比べ、かなりの頻度でタイムスリップや歴史改変が描かれていることを触れておく。
以下、一覧。一覧の「○」がタイムスリップや歴史改変が起きた作品。一覧の「なし」は、OVや春映画などが制作されなかった(「超電王」や「アマゾンズ」など他の作品が制作された)例。
なお、冬映画・春映画は、現行放送でのもの(一覧での『W』の冬映画は『W&ディケイド』、『オーズ』の冬映画は『オーズ&W』を指す)。
作品名 | テレビ | 冬映画 | 春映画 | 夏映画 | OV |
---|---|---|---|---|---|
仮面ライダーW | なし | ||||
仮面ライダーOOO | ○ | ○ | なし | ||
仮面ライダーフォーゼ | ○ | ○(※1) | なし | ||
仮面ライダーウィザード | ○(※2) | ○ | ○ | なし | |
仮面ライダー鎧武 | ○ | ||||
仮面ライダードライブ | ○ | ○ | |||
仮面ライダーゴースト | ○(※3) | ○ | |||
仮面ライダーエグゼイド | ○(※4) | ||||
仮面ライダービルド | なし | ||||
仮面ライダージオウ | ○(※5) | ○(※5) | なし | ○(※5) | ○(※5) |
というように、平成一期では考えられないほど歴史改変が起きているという点を、時系列を考える上で考慮する必要がある。仮に同じ世界であろうとも、歴史改変などの影響で、消えている(もしくは時期がズレてしまっている)可能性があるため。
※1……「フォーゼ」の時期の春映画(「スーパーヒーロー大戦Z」)。タイムトラベルが主題ではないが、未来からイナズマンが現れている。
※2……「ウィザード」の最終回後の特別編。タイムトラベルが主題ではないが、ビーストが、変身能力を失う前の時代から現れている。
※3……「ゴースト」の最終回後の特別編。未来からタケルの息子が登場。
※4……「エグゼイド」では、クロノスの能力により何度か時が戻っている。
※5……「ジオウ」は、タイムトラベルを主題に置き、未来が変わるがどうかがストーリーの重要な部分となっている。
干渉する並行世界
次に、タイムトラベルではないが、並行世界が干渉した可能性のある作品をあげておく。
例えば、仮にスーパー戦隊の世界を別世界と考え、一時的に世界が融合したと考えた場合、スーパー戦隊の世界で起きたタイムトラベルや融合中に起きた歴史改変も影響されている可能性があるためである。
冬映画の2作品共演は省いている。
以下、一覧。一覧の「○」が並行世界の干渉が起きた(もしくは起きた可能性のある)作品。一覧の「なし」は、OVや春映画などが制作されなかった(「超電王」や「アマゾンズ」など他の作品が制作された)例。
なお、冬映画・春映画は、現行放送でのもの(一覧での『W』の冬映画は『W&ディケイド』、『オーズ』の冬映画は『オーズ&W』を指す)。
作品名 | テレビ | 冬映画 | 春映画 | 夏映画 | OV |
---|---|---|---|---|---|
仮面ライダーW | ○(※1) | なし | |||
仮面ライダーOOO | ○(※1) | なし | |||
仮面ライダーフォーゼ | ○(※1) | なし | |||
仮面ライダーウィザード | ○(※1) | ○(※1) | なし | ||
仮面ライダー鎧武 | ○(※1) | ||||
仮面ライダードライブ | ○(※1) | ||||
仮面ライダーゴースト | |||||
仮面ライダーエグゼイド | ○(※1) | ○(※2) | |||
仮面ライダービルド | ○(※2) | ○(※2) | なし | ○(※2) | |
仮面ライダージオウ | ○(※1) | ○(※1) | なし | ○(※1) | ○(※1) |
※1……「ディケイド」関連キャラクターが絡んだ作品。「ディケイド」での描写からディケイドの登場により他の作品が融合した可能性もある。
※2……「ビルド」関連作品。ビルドは、並行世界の存在をストーリーの要として描いている。
一つの世界である可能性
平成二期作品が一つの世界である可能性を肯定的に考えたとき(否定要素はあげたらキリがないので、どこまで一つの世界として考えられるか)。別々の世界である可能性は下に。
- 冬映画を通じ、基本的にほぼ全ての作品が同じ世界の出来事として描写されている。
- 『鎧武』…それをあまり考慮しない作品。『ウィザード』の夏映画への客演はなく、『ウィザード』最終話にて登場しているが、その後の作品で平行世界への行き来も可能としている点や、『ウィザード』最終話で召喚されたライダーがそれぞれ別の時代から召喚されている点などから決定打にはなりづらい。
- 『ドライブ』…『W』と作品世界が地続きであることを描写している。ただし下記の通りこれもやはりあくまで『ドライブ』の世界での話であり、『ドライブ』と地続きな『W』がTVシリーズ本編の『W』かは不明である。
- 『ビルド』…本編及び劇場版等の描写から、完全に独立した世界である事が判明した。ただし、『ディケイド』で既に並行世界を超えたライダーの共闘展開をやっていたこともあってか、冬映画での共演は滞りなく行われた。
- これは言い換えれば過去作の知識が無いと入り辛いということであるため、公式サイトなどにも過去作に言及した記述が増えている。
- 『ジオウ』終盤には、『ディケイド』の時と同じく、各平成ライダーの世界は独立していることが説明されたが…
- 『ディケイド』のときと異なり、一つずつの世界の詳細が描かれたわけではないため、平成一期の10個の世界と平成二期を一まとめにした1個の世界と『シノビ』や『クイズ』などの世界などの9個の世界だったとも考えられ、明確に平成二期が別々だったとされたわけではない。
別々の世界である可能性
平成二期作品が別々の世界である可能性を肯定的に考えたとき(否定要素はあげたらキリがないので、どこまで一つの世界として考えられるか)。
- 冬映画を通じ、基本的にほぼ全ての作品が同じ世界の出来事として描写されている…が…
- 上記の世界の干渉が何度も起きていることを考えると、冬映画なども一時的に世界が繋がっただけとも考えられる。
- 『ジオウ』終盤には、ディケイドの時と同じく、各平成ライダーの世界は独立していることが説明された…
『ジオウ』について
- 『ジオウ』では「前ライダーの物語終了後歴史改変者が介入し、前ライダーの歴史を消すことで新ライダーの物語が始まる」という裏設定が存在し、各作品世界が同世界に存在しながら、(それぞれ主人公が変身能力を放棄、封印したフォーゼやドライブの案件を除いても)現役作品内の危機に易々と歴代ライダーが現れないことに一応の理由付けがされている。
- MOVIE大戦や客演回では別作品のライダーが普通に共演できているため、客演作品の世界は史実同様の歴史を辿りライダーの歴史が消されなかった平行世界と言うべきか。
そうなると、
- (単に『その世界独自に同一の歴代ライダーが存在、誕生する』と言う解釈も出来るが)昭和ライダーを含む、歴代ライダーの存在が都市伝説として語られている上、弦太朗が教師になる切っ掛け(一応ジオウの世界でも教師になったが)等、ガッツリ他の二期平成ライダー(との共演がある映画)が絡んでくる『フォーゼ』に矛盾が生じてしまう。
- (特に冬)映画で明かされた謎(特にエグゼイド)がどのようにして本編の登場人物に伝わったのかが解明されにくくなる。
- 16年冬映画のゲノムス等、クロスオーバーを主体にした作品に登場した怪人が、本編終了後の時間軸を舞台にした各種映像作品(特にVシネマ)に登場した時の説明がつかなくなる。
- 「ドライブ」のロイミュードの内、映画やTVスペシャル、Vシネマ等に登場した個体の倒された時期が合わなくなってしまう上、最悪仮面ライダールパンやエンジェル・ロイミュードの去就、更に仮面ライダーブレンの内容にまで影響しかねない。
- 先述のウィザード特別編(=作中にてウィザード/晴人が仮面ライダーの名前を言うシーンがある)や、ドライブとゴーストの終盤のエピソードの内容(=共に二話連続でサブライダーを含む、その作品のライダーが登場)とも整合性が付かなくなってしまう。
- ジオウには一切登場しなかったが、後述の財団Xの扱いにも問題が出る。
- …というように内容が破綻し、最悪話の辻褄が合わなくなってしまう。
- 更に、ジオウ本編についても、
- テレビ本編に登場したビルドは原典(=18年冬映画並びにビルドNEW WORLD)に登場したビルド(無論TV本編完結後)とは別個の存在という事が公式から語られている(後述の説明も参照して欲しいが、そもそもスカイウォールが未だ健在である本編中途の状態のビルドの世界が融合している時点で原典と同一の存在とする事自体がおかしく、ビルド(序でに桐生戦兎)でなくなった後の巧が歴史改変前の宝生永夢や天空寺タケルと遭遇したらどうするんだという話にもなってしまう)。
- 同じく終盤、オーズの歴史が消えたにも関わらず、映司がオーズである事を覚えていて、先の記述通りならば知らない筈のエターナル/大道克己に関しての知見もある仮面ライダーアクア/湊ミハルが来訪する(放送終了後に発売されたある書物では、ミハルは平行未来からやって来たとの記述もある)。
- アナザー鎧武とアナザーゴーストの誕生した時期が、オリジナルの活躍していた年代である事以外大雑把で、特に後者は合わせるとなると闘魂ブースト魂がTVに初登場する前という、かなりギリギリの時間軸になってしまう。
- そもそも平成ライダーそれぞれの、映像作品の話が全て繋がっている訳では無く、(特に単独)映画は本当にパラレル設定である事もある(特に二期ではオーズ、鎧武が顕著)。特にディケイド/門矢士がジオウの世界に来訪する以前に出会った、Wから鎧武までの平成二期のライダーの内、オリジナルと同一である事が解っているのはW(特に翔太郎とは2回素顔で出会っている)とウィザードのみ(オーズと鎧武は明らかなパラレル設定、フォーゼも時系列が合わない箇所がある。また士役の井上正大氏は出演していないが、HERO SAGAでの記述によると15年春映画の事件に巻き込まれている節があり、泊進ノ介の変身したオリジナルのドライブとも遭遇している事になる。18年冬映画においても、人々の記憶から呼び出されたディケイドが本人であると仮定(しかも同作には、前述のご本人も声の出演)すれば、残りのゴーストからビルドとも遭遇している(そうなるとTVでのゴーストこと天空寺タケルとの遭遇は実質二度目となってしまうが)とも取れるので、それでゴーストやビルド、ジオウへのカメンライドが可能になったとも仮定できる)であり、その二人(並びにドライブ)共、初対面はオリジナルの元いた世界では無く、14年春映画にようやく風都に行ったのみであり、スウォルツと士による先述の説明が少なくとも一部(例え士であっても今回ばかりは)的外れである可能性も否定できない。
- Vシネクストの劇中、再編されたソウゴ達の世界に仮面ライダーとしての記憶と力を保持している、照井竜と伊達明が何の説明も無く登場し、海東大樹に連れて来られたカイザ/草加雅人共々ゲイツマジェスティの誕生にも関わっていない。
- …など、ディケイド以前の一期勢、特に明らかな矛盾があった「カブト」はそれで説明がつくものの、「ジオウ」に登場する二期のライダーの世界が本当に原典と同一の世界なのかも疑わしい(尤も、「ジオウ」の記事なども参照して欲しいが、あくまで「ジオウ」は「全ての平成ライダーの物語が一つの世界・時間軸上で起きた世界」という世界観設定である)。一方で、14冬映画の鎧武編でロイミュードを見た光実の反応(但し、これは「鎧武」の舞台である沢芽市には、少なくともグローバルフリーズの発生はともかく、ロイミュードは出現していないだけの可能性がある)等、そうでなければ説明が付かない事情も発生している。
- タイムジャッカー、もしくは、それに近い能力を持った者が、世界をくっつけてみたり、一定のライダーだけ消してみたりといった実験を繰り返していた可能性もある。
- まとめると結局、平成2期のライダーは地続きの世界と考えても、完全にバラバラな世界と考えてもどこかしらで必ず矛盾が生じる。なのでその解釈は個々人に委ねられるが、あえて結論付けるなら結局はどこかで緩く繋がっている世界観、あるいは複数のライダー達がいる世界やその逆の世界なども無数にあって、そういった世界でも各作品のTVシリーズ等と同じ事件や出来事はあった。あたりの解釈が一番無難なところかもしれない。
- ジオウに登場する歴代ライダーや登場人物、設定に関してはビルドの例に倣い、A:実際に放映された本編とその劇場版の世界、B:実際に放送された本編及びそれにリンクした劇場版と同じ出来事が起きた各ライダーの世界、と別々に考えるのが妥当なところであり、劇中で歴史改変に遭ったのはBの世界ということになる。
狂言回しとして登場する用語
財団X:Wの本編ととある小説、フォーゼの本編と映画、エグゼイド裏技、冬映画に登場する。
舞台となる街と活動拠点
一期ではざっくり「東京のどこか」、設定されても実在の地名が用いられていた舞台が、「○○町」「○○市」などと全ての作品で架空の地名が設定されるようになった(天ノ川学園のように東京の外にあることが明らかになっているケースすらある)。
そして、一期ではあったりなかったり、あったとしても主人公があまり出入りしない場所だったりした「活動拠点」が全ての作品で明確化されるようになっている。
主人公が戦いの疲れを癒す場所であり、周りの人達は時に主人公を鼓舞し、時には叱咤激励し、あらゆる面からサポートしてくれる。
作品名 | 街 | 拠点 |
---|---|---|
仮面ライダーW | 風都市 | 鳴海探偵事務所 |
仮面ライダーOOO | 夢見町(武蔵野市) | クスクシエ |
仮面ライダーフォーゼ | 天ノ川学園都市 | 天ノ川学園高校・ラビットハッチ |
仮面ライダーウィザード | 鳥井坂 | 面影堂 |
仮面ライダー鎧武 | 沢芽市 | ドルーパーズ |
仮面ライダードライブ | 久瑠間(台東区) | 警視庁特状課(久瑠間運転免許試験場内) |
仮面ライダーゴースト | 陸堂市(東京都) | 大天空寺(不可思議現象研究所) |
仮面ライダーエグゼイド | 清空市(東京都) | 電脳救命センター(聖都大学附属病院内) |
仮面ライダービルド | 東都 | nascita |
仮面ライダージオウ | 右央地区(東京都) | クジゴジ堂 |
数字モチーフ
W~フォーゼの変身アイテムの数で生まれた、所謂コジツケである。
(例えば「ゴーストは15個の眼魂を集める→「15」の方が数字として重要ではないか」「ビルドは2つのボトルのベストマッチ→10よりも2を推す方向でいっている」「ジオウは平成ライダー20作記念作品であり時計を模した顔も10時10分を指す(合わせると20)という20推しな上に、ジオウ(ZI-O)という名自体が20に由来する説すらある」などのツッコミができてしまう)
アメトーークの「仮面ライダー芸人」でも取り上げられているが、公式ではフォーゼの時点で否定されている。
ちなみにディケイドを平成2期0作目と数え、ライダーカードの換装を「1」としてカウントされることもある。
数字 | 作品 | 変身アイテム | 要素 |
---|---|---|---|
2 | W | ガイアメモリ | ダブルドライバーに左右1本づつ入れて変身する二人で一人の仮面ライダー |
3 | OOO | オーメダル | オーズドライバーに三枚のコアメダルを入れコンボを決めて変身 |
4 | フォーゼ | アストロスイッチ | フォーゼドライバーに4つのスイッチをはめて両手両足にアタッチメントを付属 |
5 | ウィザード | ウィザードリング | 五本の指を模したウィザードライバー |
6 | 鎧武 | ロックシード | 錠を開けると「6」の形 |
7 | ドライブ | シフトカー | タイトルに「7」が3つのラッキーセブン、「7」種類のタイヤカキマゼール、シフトカー変形後が「7」に見えなくもない |
8 | ゴースト | ゴーストアイコン | 8を横に倒して∞、目が二つ、ゴーストドライバーのクリアパーツに施されている瞼モールドとレバーがつながっているので縦にすれば8にみえないこともない |
9 | エグゼイド | ライダーガシャット | 「救急(99)」だけにガシャットも9の形 |
10 | ビルド | フルボトル | 『10』に似た『IQ』から主人公は天才物理学者、主人公の名前が戦兎(せんと)=1010(10と10、あるいは10進法の10を2進法で表したもの)。またビルドドライバーのレバーが漢数字の一、大きい歯車状のパーツが英数字の0で『10』 |
11 | ジオウ | ライドウォッチ | 強化形態の「ジオウⅡ」→「Ⅱ」→分解して「11」 |
関連イラスト
関連項目
仮面ライダー ライダーズクレスト 平成ライダー 平成一期 令和ライダー
スーパー戦隊シリーズ:同期の東映特撮シリーズスーパーヒーロー大戦と春休み合体スペシャルで共演する事が多い