※本作品を基としたリメイク版についてはBDSPを参照。
概要
ポケモンDPtとは、『ポケットモンスター』シリーズのひとつ。
シリーズとして初めてニンテンドーDSで発売された作品である。
正式名称は『ポケットモンスターダイヤモンド・パール・プラチナ』。
ダイヤモンド(Diamond)・パール(Pearl)・プラチナ(platinum=Pt)をまとめてDPt、DPPT、DPPtなどと略される。本記事タイトルの略し方の元ネタはポケモンカードゲームのコレクションナンバーの横に印字されているポケカのシリーズを指す『DPt』の三文字が由来である。
シリーズとしては4作目にあたり、俗に「第4世代」とも呼ばれる。
これを元にしたアニメ版についてはダイヤモンド&パールを参照。
『ダイヤモンド・パール』は、『ポケットモンスター』シリーズが10周年を迎えた2006年9月28日に10周年記念作品と銘打って発売された。
マイナーチェンジである『プラチナ』はその2年後に発売されている。
ちなみに20周年記念作品は『サン・ムーン』である。
リメイクの『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』が2021年冬に発売予定になることを「Pokémon Presents 2021.2.27」で発表された。そして、2021年11月19日に発売された。
また、翌年の1月28日にはスピンオフ(外伝)作品である『LEGENDSアルセウス』が発売されている。
本作の特徴
10周年記念作品にあたる本作は「究極のポケットモンスター」と銘打たれており、それまでのポケモンシリーズの集大成的な作品となっている。設定もポケモン世界の根幹に触れかねない内容になっているが、シリーズは問題なく続行中である。
ポケッチ
ニンテンドーDS最大の特徴である二画面を最大限に利用した機能。
第二世代のポケギアから続く本作の携帯端末で、育成や冒険に役立つ機能が搭載されている。
詳しくは該当項目にて。
じてんしゃ
前作は用途によって自転車が別れていたが、本作では再び一つに統一され、速さを変更できるギアチェンジ機能が搭載された。
Wi-Fiの導入
DSになったことでWi-Fiが導入され、遠くにいるトレーナーと対戦や交換ができるようになった
(『クリスタル』版でモバイルを利用した通信が存在していたが、遠くにいる任意のトレーナーと対戦や交換を行うことはできなかった)。
これにより対戦や交換が盛んに行われ、インターネットの普及も手伝い様々な交流が生まれることとなった。
ただし当時ランダムマッチは存在せず、外伝作品『ポケモンバトルレボリューション』を使用するのでなければ次世代を待つことになった。
グローバルトレードステーション(GTS)
Wi-Fiを用いてポケモンを預け、欲しいポケモンを指定して交換を待つ仕組みがこの時から登場。
現在でも採用されている。
ポケモンコンテスト
前作より続投。本作では新たにドレスアップとダンス審査が加わった。
ちかつうろ
DPtの舞台全土にひろがる巨大な迷路。ちかつうろの好きな場所にひみつきちを作ることができる。
壁を掘る事で「タマ」と呼ばれる宝玉を見つけることがあり、
それを探検家と交換することで、ひみつきちの家具やトラップを入手できる。
また、入る場所によって移動できるエリアも違い、出会える探検家も違いがある。
ひみつきち
あなほりドリルというアイテムを使って好きな場所に作れる。
中には家具を管理するパソコンとハタとりゲームする為のハタが用意される。
ハタを一定以上とると、カセキやトラップを探査できるレーダーが使えるようになる。
ハタとり
他のトレーナーがちかつうろに居る時、相手のひみつきちからこっそりハタを持って帰る事で、
ひみちきちの機能を拡張と瓦礫を撤去する事ができる。
カセキほり
ちかつうろでは壁から通貨となるタマや化石や鉱石のおたからを発掘する事ができる。
一度に掘り出せる制限はあるものの、非常に高価な物が勢ぞろいなので、ストーリー中でもドーピングアイテムを買い占める事が出来る。
ポケモン出現時のアニメーション機能
『エメラルド』で導入された機能が続投。
なお、こちらのポケモンが登場した際、『DP』では『エメラルド』同様性格により挙動が変わったが、『Pt』から一律になった他一部のポケモンがこちらを振り向くようになった。
既存ポケモンの進化
既存ポケモンの進化形が数多く追加され、種類は22種とシリーズ中最多。
特にヤンヤンマやイノムーなど、これまで能力が低かったポケモンの進化形が多く、進化したことで対戦でもよく見かけるようになった。
しかし、本作以降既存ポケモンの進化形がほとんど減ってしまった。
これはしんかのきせきの影響と推察できる。
一応、第8世代ではリージョンフォームの個体が新種へ進化するという試みが見られたが、原種が新種へ進化するシリーズはこの作品が最後となってしまった為、今でも復活を望むファンは存在している。
ちなみにイーブイはやはりというか新規進化を獲得し続けている。
ポケトレ/国際孵化
ポケトレとは、ポケモンを呼び出し反応した草むらを追いかけて、出てきたポケモンを倒すか捕まえるかすると次の反応が起き、同じポケモンが出てくれば反応が続き、違うポケモンが出ればそこで終了、という連鎖出現機能である。
国際孵化とは、ポケモンの親トレーナーの国籍が異なる組同士でタマゴを産ませることである。
どちらも色違いのポケモンが入手しやすくなる要素として登場した。
技による物理・特殊の分離
これまでタイプに依存していた技の攻撃系統(物理、特殊)を、今作から攻撃技毎に物理攻撃と特殊攻撃に分けるようになった。
このため例えば「はかいこうせん」が物理技から特殊技に、「せいなるほのお」が特殊技から物理技になり、それに伴って主な使用者ががらりと変わることになった。
技威力の増強
これまで技威力100で使い勝手が良ければ優秀とされていたところに、技威力が120~140かつ使い勝手の良い技が多く登場した。
例えば「げきりん」(威力120)や「りゅうせいぐん」(威力140)はドラゴンタイプの火力ゴリ押しでそれまでの対戦環境を大きく塗り替えてしまったほど。
天候
本作限定(厳密にはポケモンバトルレボリューションでも発生する)の天候として「きり」が存在し、フィールドでは視界を遮る他、バトルではウェザーボールの威力がノーマルのまま2倍にUP、ソーラービームのダメージが半減、命中率が半減、こうごうせいなど光を使った回復技の回復量が半減するなどの影響が出る。あまいかおりやあまいミツで野生のポケモンを引き寄せることも不可能である。
「きり」と名前がつくが、しろいきりやくろいきりで天候を発生させることは出来ず、ほぼ、フィールド依存といっていい。霧を晴らす為のひでんわざとしてきりばらいが登場したが、バトル上での裁定が難しくなる為なのか、以後の世代では実装されず、きりばらいの習得者も大幅に減った(天候の上書きも可能である)。もし、この天候が以後も続投していたら、あるいは任意発動になっていれば、戦略は大幅に変わっていたに違いない。
なお、霧自体は第3世代、第5世代でも確認できるが、あくまでフィールド上の演出に留まっている。
無論、ミストフィールドとも別物であるが、第8世代でフィールドの天候が霧になっている場合は、バトル中ではミストフィールド状態として処理される(リメイクのBDSP、LEGENDSアルセウスではどう処理されるかは不明)。
ポケダンでの「きり」とも別物で、こちらはでんき技の威力を弱めてしまう。
トレーナーの同行
一部のダンジョンでトレーナーと同行し、2人で戦うことになる。
野生ポケモンが出てくる際も2匹同時に出現し、トレーナーも(1人にだけ話しかけた場合を除き)2VS2で戦う。
同行が終了するといなくなるが、以降バトルタワーにてタッグパートナーとして選ぶことができる。
また、『Pt』ではしょうぶどころで戦うこともできる。
バトルフロンティア
『エメラルド』で好評だった様々な対戦を楽しめる施設が『Pt』で再登場。
内容もほぼ一新され、フロンティアブレーンに挑むべく様々な戦略が練られた。
劇場版ゲストの登場
ファンサービスとしてアドバンスジェネレーションの劇場版に登場した以下のキャラクターが一般トレーナーのグラフィックを流用して登場しており、セリフや手持ちなども元作品に準拠したものになっている。唯一『波導の勇者』からゲストが登場していないが、代わりにアーロンによく似た青年ゲンが登場しており、手持ちもルカリオとなっている。
出典 | 名前 | 職業 | 手持ち |
---|---|---|---|
七夜の願い星ジラーチ | バトラー | エリートトレーナー | サマヨール/ボーマンダ |
” | ダイアン | エリートトレーナー | キルリア/グラエナ |
裂空の訪問者デオキシス | ヒトミ | ” | メタグロス |
蒼海の王子マナフィ | ヒロミ | ビキニのおねえさん | ブイゼル/チャーレム/アズマオウ |
登場人物
主人公
ライバル
サポートキャラクター
同行者→タッグパートナー
ヒョウタ ナタネ スモモ マキシ メリッサ トウガン スズナ デンジ
フロンティアブレーン(『プラチナ』)
ポケモン
本作で初登場する第四世代のポケモン一覧
それ以外はポケモン一覧を参照
No. | 名前 | No. | 名前 | No. | 名前 | No. | 名前 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
387 | ナエトル | 414 | ガーメイル | 441 | ペラップ | 468 | トゲキッス |
388 | ハヤシガメ | 415 | ミツハニー | 442 | ミカルゲ | 469 | メガヤンマ |
389 | ドダイトス | 416 | ビークイン | 443 | フカマル | 470 | リーフィア |
390 | ヒコザル | 417 | パチリス | 444 | ガバイト | 471 | グレイシア |
391 | モウカザル | 418 | ブイゼル | 445 | ガブリアス | 472 | グライオン |
392 | ゴウカザル | 419 | フローゼル | 446 | ゴンベ | 473 | マンムー |
393 | ポッチャマ | 420 | チェリンボ | 447 | リオル | 474 | ポリゴンZ |
394 | ポッタイシ | 421 | チェリム | 448 | ルカリオ | 475 | エルレイド |
395 | エンペルト | 422 | カラナクシ | 449 | ヒポポタス | 476 | ダイノーズ |
396 | ムックル | 423 | トリトドン | 450 | カバルドン | 477 | ヨノワール |
397 | ムクバード | 424 | エテボース | 451 | スコルピ | 478 | ユキメノコ |
398 | ムクホーク | 425 | フワンテ | 452 | ドラピオン | 479 | ロトム |
399 | ビッパ | 426 | フワライド | 453 | グレッグル | 480 | ユクシー |
400 | ビーダル | 427 | ミミロル | 454 | ドクロッグ | 481 | エムリット |
401 | コロボーシ | 428 | ミミロップ | 455 | マスキッパ | 482 | アグノム |
402 | コロトック | 429 | ムウマージ | 456 | ケイコウオ | 483 | ディアルガ |
403 | コリンク | 430 | ドンカラス | 457 | ネオラント | 484 | パルキア |
404 | ルクシオ | 431 | ニャルマー | 458 | タマンタ | 485 | ヒードラン |
405 | レントラー | 432 | ブニャット | 459 | ユキカブリ | 486 | レジギガス |
406 | スボミー | 433 | リーシャン | 460 | ユキノオー | 487 | ギラティナ |
407 | ロズレイド | 434 | スカンプー | 461 | マニューラ | 488 | クレセリア |
408 | ズガイドス | 435 | スカタンク | 462 | ジバコイル | 489 | フィオネ |
409 | ラムパルド | 436 | ドーミラー | 463 | ベロベルト | 490 | マナフィ |
410 | タテトプス | 437 | ドータクン | 464 | ドサイドン | 491 | ダークライ |
411 | トリデプス | 438 | ウソハチ | 465 | モジャンボ | 492 | シェイミ |
412 | ミノムッチ | 439 | マネネ | 466 | エレキブル | 493 | アルセウス |
413 | ミノマダム | 440 | ピンプク | 467 | ブーバーン |
ソフト情報
ダイヤモンド・パール | プラチナ | |
---|---|---|
機種 | ニンテンドーDS | 同左 |
ジャンル | RPG | 同左 |
発売日 | 2006年9月28日(木) | 2008年9月13日(土) |
価格 | 4,571円+税 | 同左 |
販売元 | 任天堂 | 同左 |
発売元 | 株式会社ポケモン | 同左 |
開発 | ゲームフリーク | 同左 |
CERO | A(全年齢対象) | 同左 |
関連イラスト
関連動画
※埋め込み制限があったため動画のリンク先へ
幻のポケモンの扱いについて
本世代は歴代屈指の幻のポケモンの多さを誇る。
ポケモンレンジャーとの連動イベントあるいは配布でしか入手できないマナフィとメタモンとの交配で入手できるフィオネとは異なり、ダークライからアルセウスまでの幻のポケモンは個別にイベントが存在し、第3世代同様に配信アイテムの入手でイベントが発生する事が構想されていて、ミオシティには「はとばのやど」が建てられるといった伏線が敷かれるなどスタッフの気合いを窺わせていた。
しかし、後述するバグ技や改造データの流出により、配布アイテムや幻のポケモンが認知されてしまい、DPでの「はとばのやど」や224ばんどうろは訪れても特に旨味のない場所となってしまった。更にアイテムの配布はマイナーチェンジ作であるプラチナに持ち越しとなり、アルセウスイベントに必須なてんかいのふえに至っては配布されずに終わった(映画館で幻のポケモンを受け取るという配布方式はこれまで通り行われた)。
なお、配布アイテムのデータ自体はDPの時点で存在しているので、本来ならDPでもアイテム配布は行われる予定だったのだろう(配布アイテムのデータがあれば、DPでもイベントを起こす事は可能)。
なお、肝心の『てんかいのふえ』についてはLEGENDSアルセウスにてアイテムが別の入手方法で復活を果たしている事が判明している。
この反省からか、配信アイテムを使った捕獲イベントは次世代のビクティニを最後に行われなくなり、幻のポケモンに関するイベントも配布で入手したポケモンを特定の場所に連れていく事で技を覚えさせたり、フォルムチェンジさせる程度になってしまった(限定マップも追加されない)。
しかしながら、ポケモン剣盾ではDLCという形でここでしか入手できない伝説のポケモン(+幻のポケモン)が登場しており、前述の試みは形を変えて復活しつつある。
また、今の世代でこそ通常プレイで入手できたロトムのフォルムチェンジについてだが、本世代ではプラチナでのみ配布された「ひみつのカギ」を入手する必要があり、ある意味で幻のポケモンと同等の扱いを受けていたが、たまごでの孵化は可能らしい。
注意
『ダイヤモンド・パール』でポケモンリーグからある手段で行けてしまう「なぞのばしょ」バグは非常に致命的なバグで有名となった。手順はここでは伏せておくが、なぞのばしょに入ると基本的に脱出不可能(特にその中でレポートを書いてしまった場合)になってしまう危険性がある為である。通常は行けないダークライやシェイミのいる場所へ行ける事が可能だった為に試す者が続出したが、そこに行く手順を間違えたが最後、本当に出られなくなってしまう。
出られなくなってしまう理由には手順にセーブされる事が入っている為で、「なぞのばしょ」に入った時点で出られないリスクが高いので、正確に行く手順を踏んだと確信できていない限りレポート(セーブ)はそこで行ってはならない。入っただけの場合はソフトリセットしてタイトル画面に戻るか電源を切る事。非常に致命的である一方、手順を慎重に踏めば行けるバグである為にこの「なぞのばしょ」に入らせて脱出不能にする事を悪用した嘘の手順すら流れた事もある。
当時のニンテンドーDS(Lite、DSiを含む)シリーズまでは現在における不具合を修正する為のソフトウェア更新による対策が不可能だった為、出られなくなった場合の対策の為に全国に設置したニンテンドーWi-Fiスポットでセーブデータ再開時に主人公の家の前からになる応急処置が出来ていたのだが、現在はDSのニンテンドーWi-Fiコネクション自体が終了しているので一部店頭にでも行かない限り復帰はまず不可能。
あくまでこれは応急処置にすぎずパッチを当ててバグを解消するものでは無い為、セーブデータがどうなってもいい場合を除いてこのバグを試してはいけない。
この現象については一部のYouTuberによってバグを検証する動画がYouTubeに幾つかアップされている。(関連動画を参照)
ゲーム自体のソフトウェア更新については現在では、ハードがニンテンドー3DSになって以降はポケモンXYからはこれらの様な不具合(バグ)の修正が可能となった。のちのハード(ニンテンドーSwitchシリーズ)へ移ったシリーズでも更新データ(パッチ)をダウンロードすれば修正可能である。
関連タグ
その他のシリーズのタグ
- 第1世代:RGBP (赤緑、RGB)……リメイク(第3世代):FRLG 、リブート(第7世代):LPLE
- 第2世代:GSC (金銀、GS)……リメイク(第4世代):HGSS
- 第3世代:RSE (ルビサファ、RS)……リメイク(第6世代):ORAS
- 第4世代:DPt (ダイパ、DP、DPPt)……リメイク(第8世代):BDSP、スピンオフ(第8世代):LEGENDSアルセウス
- 第5世代:BW、BW2 (ポケモンBW、ポケモンBW2)
- 第6世代:XY (ポケモンXY)
- 第7世代:SM/USUM (ポケモンSM/ポケモンUSUM)
- 第8世代:剣盾(ポケモン剣盾)……DLC:鎧の孤島、冠の雪原
- 第9世代:SV(ポケモンSV)