なんでもできる! なんでもなれる! 輝く未来を抱きしめて!
概要
2018年2月4日放送開始のプリキュアシリーズ15作品目。略称は「ハグプリ」「はぐプリ」。タイトルのHUGは抱っこのハグを意味しているが、「育む(はぐくむ)」とのダブルミーニングでもある。
子供達に向けて啓蒙的なメッセージを送るという意識が強めの作風になっており、いじめやジェンダーなどの放映当時の様々な社会問題を赤裸々に取り上げている。詳細は後述の「作劇の手法」の節にて。
プリキュアシリーズ15周年記念というメモリアル的なお祭り作品である一方で、前述したとおり現実的な社会問題を扱ったハードかつシリアスで重苦しい難解なストーリーをはじめとして、シリーズ初のアンドロイドのプリキュアや男のプリキュアの誕生、最終回で大人になったプリキュアが妊娠して赤ん坊を産むという展開等、過去のプリキュアシリーズではやらなかったような挑戦が様々に行われた。
2017年10月17日に特許電子図書館にて、東映アニメーションによる商標登録の出願(商標出願2017-129933)およびタイトルロゴが公開され、同年11月29日に公式サイト(関連リンク参照)が開設された。
スタッフ
下記するように15周年という節目もあってなのか、プリキュアシリーズに深く関わってきた経験者を揃えそれをベテランが支えるような手堅い人選となっている。
メインスタッフは東映アニメーション側のプロデューサーに『魔法つかいプリキュア!』で同職を務めた内藤圭祐が再登板。
シリーズディレクター(監督)は前年と同じく二人体制となり『フレッシュプリキュア!』で同職を務めた座古明史に加え、数々の女児アニメをヒットさせ日曜朝8時30分枠でも多くの作品に関わってきた佐藤順一がプリキュアシリーズに初参入。
佐藤順一が古巣の東映アニメーション作品でシリーズディレクターを務めるのは『おジャ魔女どれみ』(無印)以来18年ぶりとなる。
役割分担としては座古が現場に直接関わって指揮する中で、佐藤は現場からはあえて距離をおいた形で外側からの視点でアドバイザーとしてやっていく感じだった様子(オフィシャルコンプリートブックより)
シリーズ構成はこれまでもプリキュアシリーズのサブライターとして参加してきた坪田文が担当する。
キャラクターデザインは『Yes!プリキュア5』『Yes!プリキュア5 GoGo!』『スマイルプリキュア!』で同職を務めた川村敏江。
総作画監督については『魔法つかいプリキュア!』でキャラクターデザインを担当した宮本絵美子と歴代プリキュア作品で作画監督を務めた山岡直子が各話ごと交互に担当する。
音楽は前年と同じく林ゆうきが続投する。
オープニングテーマは宮本佳那子が担当。これまで『Yes!プリキュア5(GoGo)』『キラキラ☆プリキュアアラモード』でエンディングを担当し声優としても『ドキドキ!プリキュア』で剣崎真琴/キュアソードを演じた彼女が節目の年でついにオープニングを担当する。
エンディングテーマは『魔法つかいプリキュア!』同様、本作のプリキュア役の声優が歌う。
各話の脚本や演出の担当についても、田中仁・村山功・成田良美・田中裕太・渡邊巧大・横手美智子のような、プリキュアシリーズを含めた過去の東映アニメーションの作品でSDや構成を担当した経験のあるベテランが多数起用されており、15周年記念作品らしい贅沢な布陣となっている。
なお、放映後に刊行されたコンプリートブックでの佐藤&座古へのインタビューでは「15年もシリーズが続けば惰性もあるかと思ってたのに、みんな”俺が一番プリキュアを知ってる”みたいなすごい熱量だったから方向性を統一するのが大変だった」と楽になるどころか苦労が増えたと言う笑い話を告白している。
プリキュアシリーズ15周年
東映アニメーションは本作が放映された2018年を「プリキュアシリーズ15周年」と銘打っており、記念イベントや記念グッズ販売などの様々なキャンペーンが行われた。プリキュア15周年記念サイトも作られている。
本作もこの15周年を意識して、サブタイトルで時たま歴代プリキュアに関連したフレーズが使われていたり、作中の登場人物が過去作品のオマージュのようなセリフを言ったりと、過去作を意識する小ネタが盛り込まれている。
このような小ネタは知っている人だけがクスリと笑えるものだが、もっと大きな15周年記念企画として10月公開の秋映画がある。
この映画は『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』というタイトルからわかるように、初代プリキュアであるキュアブラック&キュアホワイトと本作のメンバー5人が主人公として活躍するクロスオーバー作品である。さらにそれ以外の歴代プリキュアもゲストとして声付きで総出演するオールスターズ映画としての側面も持つ。
また、映画に向けたプロモーションとしてTV本編で歴代プリキュアをゲストキャラとして登場させる試みも行われている。第21〜22話ではキュアブラックとキュアホワイトが登場。一切の事前告知のないサプライズだったため視聴者を驚かせた。
続く第36〜37話ではさらに大規模なクロスオーバーとしてブラックとホワイトに加えてシャイニールミナスが参戦。さらに魔法つかいプリキュアの3人、キラキラプリキュアアラモードの6人、そしてキュアドリームとキュアピーチも声つきで登場してハグプリメンバーと共闘した。さらに37話のBパートでは映画に登場する歴代プリキュアが全て先行登場。全員声付きとはいかなかったものの、怪物の軍団とプリキュアオールスターズとの迫力ある大合戦を映画レベルのクォリティで行なったことで大きな話題となった。(→TV版プリキュアオールスターズ)
今まで「次回作のプリキュア」が最終回に登場することはあったが、過去作のプリキュアとテレビ本編で共演するのは今作が初めてである。
2018年に行われた様々なプリキュア15周年企画は2年越しで準備されてきたもので、本作『HUGっと!プリキュア』も15周年の一環としてその2016年から企画が開始された。そして本作は「歴代プリキュアと並び立ったときにセンターを任せられる作品」という視点からキャラクターデザインやコンセプトテーマを考えていったのだという。
従来のプリキュア作品は前年春頃から企画が始まるので、今作はプリキュア作品の中では最長の準備期間を持っていたことになる。(つまりプリアラとハグプリは同時進行された企画であり、それゆえに2作間での差別化なども意識されていたとは思われる)
ちなみに「プリキュア10周年おめでとうメッセージ」の企画が実施された『ハピネスチャージプリキュア!』の放映年は2014年。……あれ?じゃあ2018年放映の今作は14周年じゃないの?と疑問に思う方も多いであろう。確かに本来ならば「周年」は人間の実年齢と同じ考え方をするのでプリキュアシリーズが生まれて15年目の作品である本作は14歳=14周年となるべきである。ただ近年では誕生年を「1歳」と扱う数え年のカウント方式で周年を記念するイベントも多いため、今回はその方式で周年を計算しているのである。*
なお過去にはシリーズ5作目である『5GoGo!』時に今回同様に5作目=5周年と標榜していたことがある。
あらすじ
超イケてる大人のお姉さんになりたい中学2年生の野乃はな。
前髪を切り過ぎるわ遅刻はするわで転校初日は大失敗。
でも、なんだか素敵な出会いもあったりまた明日からの日々に胸躍らせていたところ、空から降ってきた不思議な赤ちゃん「はぐたん」と、そのお世話係(?)のハムスター「ハリー」と出会います。
そこへ「クライアス社」という悪い組織がはぐたんの持つ「ミライクリスタル」を狙って現れ、怪物を出して襲ってきたのです。
はぐたんを守りたい!というはなの強い気持ちによって新たなミライクリスタルが生まれると、はなは元気のプリキュア・キュアエールに変身します。
ミライクリスタルとは、この世界にあふれている明日をつくる力・アスパワワの結晶。
これが奪われてしまうと、みんなの未来が無くなってしまいます。
みんなの未来、そしてはぐたん。
大切なものを守るためのキュアエールの物語が今幕を開けます。
(※以上、公式サイトから転用)
※より細かいストーリーの流れについては、下部の「放送回」の節にある「ストーリー展開」を参考してください
テーマ・特徴
本作のテーマとして公式が掲げたキーワードは「子どもを守るお母さん」「ヒロイズム」「子育て」「お仕事」の4つ。
ABCアニメーション側のプロデューサーである梅田和沙によると、
「今回の『HUGっと!プリキュア』は愛情友情、親愛を示す行為であるHUG(ハグ)をその名に冠する愛にあふれたプリキュアです(HUG=抱っこ・抱きしめる)。不思議な赤ちゃんはぐたんを守り育てるため襲いかかってくるワルモノたちとの戦いや日々のお世話に大忙し。そんな多忙な毎日を“子供を守る母の愛”で明るく乗り切っていきます。プリキュアシリーズはこれまで15年間戦うヒロインを描いてきましたが一番身近なお母さんこそ女の子にとっての強く優しくカッコいいヒロイン像を体現しているのではと考え本作では“子供を守るお母さん”としてのプリキュアを描いていきます」
と本作のコンセプトを紹介している。
(プレスリリースから抜粋。全文はこちら)
プリキュアのデザイン
テーマの中に「お母さん」が含まれているためか、変身後にはルージュとマスカラといったメイクが施され大人っぽい顔立ちになる。
ルージュがひかれるのは『ドキドキ!プリキュア』のキュアエース以来(通常の変身時の姿。サブフォームや強化フォームを含めると『ハピネスチャージプリキュア!』のチェリーフラメンコやシャーベットバレエ、イノセントフォームがある)。
また、プリキュアたちのコスチュームも「大人のお姉さん」感を意識して、様々な職業のユニフォームをモチーフにしたデザインとなっている。
初期3人のプリキュアはそれぞれ、キュアエール=元気、キュアアンジュ=知性、キュアエトワール=力という明確な特徴を持っており、三者三様感が出されている。戦闘でもそれぞれの得意不得意を補い合って敵をしりぞける「チーム感」を大事にして描いているということ。
追加戦士となる2人も「愛」を名乗り似た者同士なコンビ性が押し出されつつ、片や直情的で一生懸命な小学生、片や聡明で感情に不器用なアンドロイドとこれまた互いに得意不得意がはっきりした強い個性づけがなされている。
初期段階でのチームが3人組の構成というのは、『フレッシュプリキュア!』、『Go!プリンセスプリキュア』についで3作目となる。
「母性礼賛」からの脱却
歴代のプリキュア妖精には赤ちゃん妖精も存在するため育児要素は過去作でも多少は盛り込まれていたが、育児そのものをメインテーマとして扱うのは意外にも15作目にして初となる。
この点について内藤プロデューサーは、
「お世話ごっこあそびは、女の子たちからは根強い人気があります。ただ、シリーズではこれまで妖精のお世話はあったのですが、描写の難しさもあって、赤ちゃんの育児はありませんでした。プリキュアは戦闘では、赤ちゃんを守りながら敵を倒す力があります。しかし変身をしていない彼女たちは中学2年生で、育児の知識はありませんし、常に育児をすることもできない。それに視聴者の子どもたちへの影響を考えると、親にうそをついて赤ちゃんを隠して育てる展開にもできません。いろいろと無理が出てきてしまう」
と過去作で育児描写をメインにできなかった理由を述べている(朝日新聞平成30年5月2日夕刊のインタビュー記事より) 。
しかしこの考え方には「プリキュアに変身する少女が1人で育児をする」という無意識の前提がある。ワンオペ育児が社会問題化する中「お母さん役」に育児を全て押し付けるのではなく、プリキュアたちの仲間や家族とともに「支え合う育児」ならば、プリキュアの世界観に合うのではないかとして、育児テーマが採用されることになったとのこと。
本作の特徴的な点として、このテーマにして「母性礼賛」の立場に否定的なことがある。
本作が母親というものを見つめる視点は、母親とは偉大なものであるべきという期待ではなく、偉大でなくても誰だって母親になっていいはずという理想である。
そしてTVの前の子供達に一番伝えたいメッセージは、どんな仕事をしていても、やりたいことを我慢しなくても、ちゃんと母親になれるということであり、本作のキャッチコピー「なんでもできる、なんでもなれる」はそれを体言したものである。
そのため、母親としての責任感を強調する描写はほぼなく、登場人物達はとにかく育児を「楽しんで」やっている。逆に「母親だからやりたいことを我慢する」ような描写はサブキャラクターであろうとも注意深く排除されている。仲間達やコミュニティとの支え合いが育児の前提という理想が徹底して貫かれているのだ。
母親だけで育児をしないのだから、母親だけを特別視して礼賛するような流れにならないのは当然でもある。
本作がテーマにする「子供を守ろうとする母親のヒロイズム」とは、古典的な母性礼賛=自己犠牲の呪縛から脱却した先に見出されるべきものなのである。
育児をテーマにしたアニメ作品では「母親が苦労する姿を描くことで尊さを感じさせる」ことはほぼ当たり前のことだったので、この辺りは非常に先進的というか現代的な作り方だと言えるだろう。もっとも、プリキュアシリーズは2013年の『ドキドキ!プリキュア』からは自己犠牲の否定が強く出るようになったので、その流れからいえば当然の帰結でもある。
多忙なプリキュア
メインテーマの中に「お仕事」のキーワードがあることからわかるように、「おしごと体験を通じて社会性を育む」という要素も作中に盛り込まれている。しかしこれは主人公の母親のタウン誌の企画で行われるという設定であり、プリキュアとしての使命とは直接的には無関係なものとなっている。
つまり本作のプリキュア達は中学生として学業をこなしながら、おしごと体験も別個に行いつつ、プリキュアの使命としてはぐたんを守らなくてはならない。さらにいえば各キャラクターは自分の将来の夢を持っているものも多く、そのために割く時間も必要になっている。学び、働き、育て、戦いながら、未来の夢をつかむという5つもの役割が同時に担われているのだ。
これについては、上述した「母親だからと言ってやりたいことを我慢しなくていい」というメッセージが強く込められているゆえでもあるが、5つもの役割が同時に担われていることは、育児1つだけでも「中学生には大変だから」という理由で避け続けていた過去作からすれば180度の方向転換と言える。
過去作から見たときの特殊性はスタッフも理解しており、梅田P・内藤Pの両人ともに「多忙な日々を送るプリキュア」ということを強調している。
だが、これらについても上記の「支え合い」が前提になっており、その忙しさを一人で抱え込まないことに細心の注意がはらわれている。本作のプリキュア達は未来への不安や自分の未熟さに苦悩することはあっても、日々の忙しさ自体に疲れ果てるような描写はない。
作劇の手法
キャラクターに担われる役割の多さゆえに、初期3人のプリキュア作品としてはキャラクター描写に扱われる情報量が比較的多め。
その上、一話一話が物語の核心に少しずつ繋がっていく連続性の高いシリーズ構成が特徴的で、これに伴い1話辺りの情報量も従来より多めになっている。一発ネタのようなギャグ回やキャラクターの心情の掘り下げに特化した日常回であっても何かしら本筋に関連するシーンが必ず入れられており、これは「1話でも『次回は観なくていいや』と思われたら負け(要約)」というスタッフの指針の表れでもある(アニメージュ2018年7月号より)。
プリキュアシリーズは放送開始時点だと中盤以降どういう着地点になるかはあまり決まっておらず、少しずつ作り上げていくのが基本。
しかし今作はシリーズ構成自らがある程度軸となるストーリーをあらかじめ用意し、各スタッフがアイデアを出しながら肉付けすることで一本筋の通った物語を作ることに成功している(オフィシャルコンプリートブックより)。
そのためもあってか、作中で描く必要がない細かなところまで裏設定として作り込んでいることも特徴であり、関連メディアなどで明かされることもある。
限られた尺の中でそのあたりを上手く処理するため、前回ラストと次回アバンを積極的に繋げて導入部を省略したりとシナリオ進行のテンポが過去作よりも若干スピーディーなものとなっている。『結果』さえ描けば伝わる内容なら『過程』をすっ飛ばすことも結構多い(ほまれの立ち直り~スケート練習復帰までの流れなど)。
オフィシャルコンプリートブックによれば、1話を最後までチャンネル変えずに見てくれるために、毎話がジェットコースター的な展開になるようにあえて作っていたということ。作品全体の平均視聴率よりも1話内での視聴率の動きを非常に意識して製作していたという。
本作の作劇手法を語るにおいて外せないもう一つの点として、社会的なメッセージ性の強さがある。
作品のテーマである「子育て」に関することだけに限らず、イジメ問題・ジェンダー・多様性・自己肯定感など、放映当時の日本社会の世相を抉るようなテーマが数多く盛り込まれている。メインテーマである「子育て」に関しても帝王切開に関して日本人が持つ偏見がもたらしたマタニティブルーなど、およそ児童番組ではまず取り上げられないテーマも扱っている。
これらのことによって割とお固めな社会派メディアにも数回取り上げられており、それをきっかけにSNSでバズる機会も多かった。
ただしオフィシャルコンプリートブックによると、社会問題自体は話題性を狙ったわけではなく単純に「子供たちに自分らしくあってほしいというメッセージを伝えようとしたらこうなった」というだけということ。
作中で描かれた社会的なメッセージ性の多くは視聴対象の子供には難解なものが多い。しかし、それを子供に分からせようと説明的なセリフで何が問題なのかを長々と解説することは極力避けられている。ただ、毎週の戦闘シーンでの敵幹部とプリキュアとの対話において、プリキュア側がその問題に対して「決して諦めない」という強い意志で立ち向かおうとしていることははっきりと描かれる。これも『結果』を描けば伝わる内容ならば『過程』は省略するという手法の一環である。
そしてその一方で、「作中で直接描かれていないところでこのようなことがあったのだろう」と推測できるような暗喩的なセリフ回しや演出が大量に盛り込まれており、思春期以上の視聴者ならば上述の様々なテーマ性がより深く理解できるようにも作られている。
プリキュアシリーズではどんな作品でも「今見ている子供達が大人になって初めて気づけばいいこと」をメッセージに込める伝統があるのだが、本作ではその比重が例年に比べて群を抜いて多いというわけだ。
端的に言えば「大人に響く演出」が意図的に作られているということである。
これらのことは大きいお友達を意識しているものではなく、15周年記念作品として「かつてプリキュアを見ていた子供達」が大きくなって懐かしんで見てくれることを前提とした「メッセージ」でもあり、「今の子供たちにいつか遠い未来で振り返ってもらうための布石」でもある。
そして、シリーズディレクターの佐藤順一は本作の総括として「子どもたちに届けたいものをたくさん込めました。それがどくらい届いたかがちゃんと分かるのは15年とか先。」とツイートしている。
未来への讃歌
公式が掲げた4つのキーワードでは含まれていないが、本作にはもう一つ重要なテーマがある。それは「未来」である。
本作のキャッチコピーも「輝く未来を抱きしめて!」である。
本作の敵組織であるクライアス社は「未来からの侵略者」であり、プリキュア達のキーパーソンであるハリハム・ハリーとはぐたんも、玩具展開の便宜上「プリキュア妖精」として扱われているが、実際はファンタジックな存在ではなく未来からの来訪者である。
その影響もあってプリキュアシリーズでは珍しくSF的な設定やガジェットも多く盛り込まれており、その典型例は、キュアアムールに変身するルールー・アムールがクライアス社によって製造されたアンドロイドRUR-9500だということである。機械人形がプリキュアに覚醒するケースはこれが初となる。
また、「未来」という要素は表面的なガジェット面だけに限らず、一年のストーリー構成でも重要なキーワードになっている。
本作の物語を一言でまとめるならば、未来に夢や希望などないのだから時間の流れを止めて昔の夢に浸ろうとする大人達と、「自分のなりたい大人」になるために未来の自由を手に入れようとする子供達との相容れない世代間闘争である。このテーマは放映当時の世相を反映していると感じるかもしれないが、鷲尾天がプロデューサーを務めていた初期のプリキュアシリーズの敵キャラは「思春期の少年少女に対して大人の事情を盾にして理不尽を押し付ける大人達」の姿を寓話的にデフォルメしたものであったため、その意味ではある種の原点回帰だろう。
登場人物
プリキュア
- 野乃はな / キュアエール(声:引坂理絵)
- 薬師寺さあや / キュアアンジュ(声:本泉莉奈)
- 輝木ほまれ / キュアエトワール(声:小倉唯)
- 愛崎えみる / キュアマシェリ(声:田村奈央)
- ルールー・アムール / キュアアムール(声:田村ゆかり)
妖精
クライアス社
上層部
あざばぶ支社の幹部社員(前期)
あざばぶ支社の幹部社員(後期)
その他の社員
怪物
- オシマイダー(声:吉田ウーロン太)
- 猛オシマイダー(声:吉田ウーロン太)
- 怪物化したあざばぶ支社(声:不明)
プリキュアの家族
野乃家
薬師寺家
輝木家
ほまれの保護犬
愛崎家
取り巻く人々
ラヴェニール学園生徒
ラヴェニール学園教職員
その他の人物
未来世界のプリキュア
- キュアトゥモロー(声:多田このみ)※1
- 未来の戦士A(声:川井田夏海)
- 未来の戦士B(声:木野日菜)
- 未来の戦士C(声:長縄まりあ)
- 未来の戦士はキュアトゥモローの仲間のプリキュアだが、「未来の戦士A〜C」としかクレジットされておらず名称が不明でわる。
ゲストキャラクター
他作品からの主な出演者
- 宇佐美いちか / キュアホイップ(声:美山加恋)
- 有栖川ひまり / キュアカスタード(声:福原遥)
- 立神あおい / キュアジェラート(声:村中知)
- 琴爪ゆかり / キュアマカロン(声:藤田咲)
- 剣城あきら / キュアショコラ(声:森なな子)
- キラ星シエル / キュアパルフェ(声:水瀬いのり)
- ペコリン / キュアペコリン(声:かないみか)
- いちご山の長老(声:水島裕)
※この他にも歴代のプリキュアや、一部の妖精、元敵キャラクター、サブキャラクター、怪物たちが声なしで登場する。
映画版のキャラクター
※この他にも歴代プリキュア50人も登場する。
プリキュアスーパースターズのキャラクター
※この他にも『魔法つかいプリキュア!』&『キラキラ☆プリキュアアラモード』のプリキュア&妖精も登場する。
※1…ノンクレジット。
※2…キュアモフルンとしての姿は一部分が描写されたのみだった。
※3…次作からの先行登場。
呼称表
が\に | はな | さあや | ほまれ | えみる | ルールー | ハリー | アンリ | はぐたん |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
はな | わたし | さあや | ほまれ | えみる | ルールー | ハリー | アンリくん | はぐたん |
さあや | はな | わたし | ほまれ | えみるちゃん | ルールー | ハリー | アンリさん | はぐたん |
ほまれ | はな | さあや | わたし | えみる | ルールー | ハリー | アンリ | はぐたん |
えみる | はな先輩 | さあやさん | ほまれさん | わたし | ルールー | ハリー | アンリさん | はぐたん |
ルールー | はな | さあや | ほまれ | えみる | わたし | ハリー | アンリさん | はぐたん |
ハリー | はな | さあや | ほまれ | えみる | ルールー | オレ/ワイ | アンリはん | はぐたん |
アンリ | はな | さあや | ほまれ | えみる | ルールー | ハリー | ボク | はぐたん |
はぐたん | ママ | しゃあや | ほまえ | えみゆ | ルー | ハリー | アンリ | はぐたん |
漫画
上北ふたごによるコミカライズ版が『なかよし』2018年3月号より連載され、単行本第1巻が2018年8月に刊行された。
映画
2018年3月公開の『映画プリキュアスーパースターズ!』にキュアエール&キュアアンジュ&キュアエトワールがプリキュア映画初登場。魔法つかいプリキュア・キラキラプリキュアアラモードの各メンバーと共演する。
2018年10月27日にプリキュア15周年記念映画として『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』が公開。キュアマシェリ&キュアアムールがプリキュア映画初登場。『ふたりはプリキュア』のキュアブラック&キュアホワイトをはじめとする歴代プリキュア50人と共演する。
したがって本作品がメインで登場する作品は全てクロスオーバー映画ということになるが、『オールスターズメモリーズ』は本作品の単独映画しても位置づけられる。
主題歌
オープニング
We_can!!HUGっと!プリキュア (1話-48話※)
- 作詞:藤本記子(NostalgicOrchestra)
- 作曲・編曲:福富雅之(NostalgicOrchestra)
- 歌:宮本佳那子
※最終回はオープニングテーマがない代わりに、挿入歌として流れた。
エンディング
HUGっと!未来☆ドリーマー (1話-17・19-21話、22話(再放送版))
- 作詞:ミズノゲンキ
- 作曲・編曲:睦月周平
- 歌:キュアエール(CV.引坂理絵)・キュアアンジュ(CV.本泉莉奈)・キュアエトワール(CV.小倉唯)
キミとともだち (18話)
- 作詞:坪田文
- 作曲:藤本記子(Nostalgic Orchestra)
- 編曲:福富雅之(Nostalgic Orchestra)
- 歌: 愛崎えみる(CV:田村奈央)、ルールー・アムール(CV:田村ゆかり)
*ストーリーからエンディングテーマに代えた形で流れた。
DANZEN!ふたりはプリキュア~唯一無二の光たち~ (22・36話-37話(初回放送版))
- 作詞:青木久美子
- 作曲:小杉保夫
- 編曲:高木洋
- 歌: 五條真由美
*映画「HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ]
のエンディング映像をバックに流れた。
HUGっと!YELL_FOR_YOU (23話-35・38-49話、36話-37話(再放送版))
- 作詞:六ツ見純代
- 作曲:KOH
- 編曲:KOH
- 歌: キュアエール(CV.引坂理絵)・キュアアンジュ(CV.本泉莉奈)・キュアエトワール(CV.小倉唯) ・キュアマシェリ(CV:田村奈央)、キュアアムール(CV:田村ゆかり)
放送回(注意:この項目はネタバレを含みます)
話数 | サブタイトル | 放送日程 | 初登場キャラ※1 | 概要/関連タグ | お仕事スタイル※2 |
---|---|---|---|---|---|
1▲ | フレフレみんな!元気のプリキュア,キュアエール誕生! | 2月4日 | 野乃はな、薬師寺さあや、輝木ほまれ、はぐたん、ハリハム・ハリー(妖精体)、十倉じゅんな、百井あき、阿万野ひなせ、千瀬ふみと、内富士先生、梅橋先生、野乃森太郎、野乃すみれ、野乃ことり、プレジデント・クライ、リストル、ダイガン、パップル、チャラリート、ルールー、オシマイダー | 野乃はながキュアエールに覚醒 | - |
2▲ | みんなの天使!フレフレ!キュアアンジュ! | 2月11日 | ハリハム・ハリー(人間体) | 薬師寺さあやがキュアアンジュに覚醒 | - |
3▲ | ごきげん?ナナメ?おでかけはぐたん! | 2月18日 | - | はぐたんとハリー、野々家と家族ぐるみでの付き合いが始まる | - |
4▲ | 輝け!プリキュアスカウト大作戦! | 2月25日 | もぐもぐ | 輝木ほまれがキュアエトワールへの覚醒に失敗 | - |
5 | 宙を舞え!フレフレ!キュアエトワール | 3月4日 | - | ほまれがキュアエトワールに覚醒 | - |
6 | 笑顔、満開!はじめてのおしごと! | 3月11日 | 咲田マリ、草間 | お仕事体験がスタート/ドリル少女 | 花屋さん |
7 | さあやの迷い?本当にやりたいことって何? | 3月18日 | 一条蘭世、若宮アンリ、薬師寺修司、薬師寺れいら | 野菜少女 | キャビンアテンダント |
8 | ほまれ脱退!?スケート王子が急接近! | 3月25日 | ジョージ | アンリから一緒にモスクワに行くことを告げられるほまれ | - |
9 | 丘をこえ行こうよ!レッツ・ラ・ハイキング! | 4月1日 | 愛崎えみる | えみるとはな達との出会い/はなかっぱ(プリキュア) | - |
10 | ありえな~い!ウエイトレスさんは大忙し! | 4月8日 | - | さあや、ほまれと比較して落ち込み、変身できなくなってしまうはな | ウエイトレス(さあや・ほまれ)たこ焼き屋(はな) |
11 | 私がなりたいプリキュア!響け!メロディソード!! | 4月15日 | - | チャラリートとの決着、メロディソードの誕生 | - |
12 | ドキドキ!みんなでパジャマパーティー! | 4月22日 | ルールー・アムール | 3人がビューティーハリーでパジャマパーティを過ごしている中、ルールーが野乃家に潜入する | - |
13 | 転校生はフレッシュ&ミステリアス! | 4月29日 | - | ルールーが野乃家にホームステイという形で潜り込みスパイ活動開始 | - |
14 | はぎゅ~!赤ちゃんスマイルめいっぱい! | 5月6日 | せいたろう、すずか、吉見リタ | さあやとルールーが知識を張り合う | 保育士 |
15 | 迷コンビ…?えみるとルールーのとある一日 | 5月13日 | 愛崎俳呑、愛崎都、愛崎正人 | えみるとルールー、運命の出会い/キュアえみ〜る/キュアらりるれルールー/えルっと!プリキュア/ギュイーンとソウルがシャウトするのです | - |
16 | みんなのカリスマ!?ほまれ師匠はつらいよ | 5月20日 | - | 制服パップル/プリキュアシリーズ通算700回 | - |
17▲ | 哀しみのノイズ…さよなら、ルールー | 5月27日 | - | 敵幹部ルールーと決着。えみるにプリキュアの正体がバレる/ルールーロボ | - |
18▲ | でこぼこコンビ!心のメロディ! | 6月3日 | - | ルールーがクライアス社を正式に離反し、えみると親友になる。特別ED「キミとともだち」 | - |
19▲ | ワクワク!憧れのランウェイデビュー!? | 6月10日 | ジェロス | えみるとルールーがランウェイデビュー | 絵描きさん |
20▲ | キュアマシェリとキュアアムール!フレフレ!愛のプリキュア! | 6月17日 | - | えみるとルールーがそれぞれキュアマシェリ、キュアアムールに覚醒 | - |
21▲ | 大暴走?えみるがなりたいプリキュア! | 6月24日 | 【キュアブラック・キュアホワイト】※3 | なぎほのゲスト登場回前編/そのときぶっちゃけありえない事が起こった | - |
22 | ふたりの愛の歌!届け!ツインラブギター! | 7月1日 | - | なぎほのゲスト登場回後編、敵幹部バップルとの決着、ツインラブギターの誕生 | - |
23▲ | 最大のピンチ!プレジデント・クライあらわる! | 7月8日 | ドクター・トラウム、ビシン | 最後の幹部ダイガンが退場するとともに、新たなる敵幹部たちが登場 | - |
24 | 元気スプラッシュ!魅惑のナイトプール! | 7月15日 | タクミ、ジンジン、内富士ゆか、町内会長 | 水着回。ツインラブの初ライブ | アイドル(えみる・ルールー) |
25▲ | 夏祭りと花火とハリーのヒミツ | 7月22日 | 輝木ちとせ、輝木ちよ | 浴衣回 | - |
26▲ | 大女優に密着!さあやとおかあさん | 7月29日 | - | さあや達が撮影現場に行く | - |
27▲ | 先生のパパ修行!こんにちは、あかちゃん! | 8月12日 | マキ先生 | さあやの産婦人科体験その1。自然分娩ネタ/8月12日ショック | - |
28▲ | あのコのハートをキャッチ♡フレフレ!もぐもぐ! | 8月19日 | りりーちゃん※4 | 怪獣えみる | アイドル(えみる・ルールー) |
29▲ | ここで決めるよ!おばあちゃんの気合のレシピ! | 8月26日 | 庵野たんぽぽ、庵野草介、ヨネさん | はなの祖母の家である和菓子屋でお手伝い | - |
30▲ | 世界一周へGOGO!みんなの夏休み! | 9月2日 | - | 夏休み最後の旅行回 | キャビンアテンダント・アイドル(えみる・ルールー) |
31▲ | 時よ、すすめ!メモリアルキュアクロック誕生! | 9月9日 | エリ | 転校前のはなが陰湿ないじめにあっていた過去が明かされる。チアフルスタイル初披露 | メイクさん |
32▲ | これって魔法?ほまれは人魚のプリンセス! | 9月16日 | - | 浦島エール | - |
33▲ | 要注意!クライアス社の採用活動!? | 9月23日 | 出刃亀 | えみるとアンリが自分の置かれている状況について悩む | アナウンサー |
34▲ | 名探偵ことり!お姉ちゃんを調査せよ! | 9月30日 | - | ことりと男子中学生2人によるキュアエール探しの珍道中 | - |
35 | 命の輝き!さあやはお医者さん? | 10月7日 | 川上あや、川上あゆみ、あやのお父さん | さあやの産婦人科体験その2。帝王切開ネタ | お医者さん |
36 | フレフレ!伝説のプリキュア大集合!! | 10月14日 | 【宇佐美いちか・有栖川ひまり・立神あおい・琴爪ゆかり・剣城あきら・キラ星シエル・ペコリン・長老・朝日奈みらい・十六夜リコ・花海ことは・モフルン・桃園ラブ・タルト・夢原のぞみ・ブンビー】※5 | プリキュアオールスターズ客演回前編/TV版プリキュアオールスターズ | - |
37 | 未来へ!プリキュア・オール・フォー・ユー! | 10月21日 | 【愛乃めぐみ・春野はるか・シフォン・シャイニールミナス】※6 | プリキュアオールスターズ客演回後編。プリキュアミライブレスが誕生 | - |
38 | 幸せチャージ!ハッピーハロウィン! | 10月28日 | - | ハロウィン回 | - |
39 | 明日のために…!みんなでトゥモロー! | 11月11日 | ちびはり | ミライクリスタル・マザーハートの覚醒。マザーハートスタイル初披露 | - |
40 | ルールーのパパ!?アムール、それは… | 11月18日 | 未来の戦士 | ドクタートラウムがルールーを開発した経緯。キュアトゥモローがはぐたんであることが明らかになる | - |
41 | えみるの夢、ソウルがシャウトするのです! | 11月25日 | 愛崎獏発 | えみるがルールーとお別れする寂しさのあまり声が出なくなる/猫目えみる | - |
42 | エールの交換!これが私の応援だ!! | 12月2日 | - | 歴代初の男性プリキュア誕生/キュアアンフィニ | 絵かきさん |
43 | 輝く星の恋心。ほまれのスタート。 | 12月9日 | - | ほまれがハリーに告白するが… | - |
44▲ | 夢と決断の旅へ!さあやの大冒険! | 12月16日 | - | 猫ルールー | - |
45▲ | みんなでHUGっと!メリークリスマス☆ | 12月23日 | サンタ | クリスマス回。敵幹部ジェロスとの決着 | 絵かきさん |
46 | クライ、ふたたび!永遠に咲く理想のはな | 2019年1月6日 | - | 最終決戦その1。 | - |
47 | 最終決戦!みんなの明日を取り戻す! | 1月13日 | - | 最終決戦その2。敵幹部ビシンおよびリストルとの決着 | - |
48 | なんでもできる!なんでもなれる!フレフレわたし! | 1月20日 | - | 最終決戦その3/みんながプリキュア | - |
49 | 輝く未来を抱きしめて | 1月27日 | 星奈ひかる※7 | はぐたん・ハリー達とはなたちのお別れと後日談/キュアスター先行登場/大人はぐプリ | - |
脚注
- 話数後の▲印は、提供カードがあった回。(それ以外は、映画宣伝告知などで表示されない。最初と最後に提供会社が右下に表示される。再放送では差し替わることがある)
- ※1…エンディングの「声の出演」で名前が出ていたキャラクター名
- ※2…ミライパッドで変身したお仕事の衣装
- ※3…「ふたりはプリキュア」より登場。(【】内は他のプリキュアシリーズより出演)
- ※4…声なしで登場。(エンディングの「声の出演」の配役はなかった)
- ※5…他のプリキュアシリーズ(以下)より登場。 本編の最後で、右記のシリーズの紹介があった。キラキラ☆プリキュアアラモード・魔法つかいプリキュア!・フレッシュプリキュア!・Yes!プリキュア5GoGo
- ※6…他のプリキュアシリーズ(以下)より登場。声の出演にあった声優のみを掲載。カット絵を含みすべてのプリキュアが揃いプリキュアオールスターズとなった。本編の最後で、右記のシリーズの紹介があった。ハピネスチャージプリキュア!・Go!プリンセスプリキュア・ドキドキ!プリキュア・スマイルプリキュア!・スイートプリキュア♪・ハートキャッチプリキュア!・ふたりはプリキュアSplash☆Star・ふたりはプリキュアMaxHeart
- ※7…新作プリキュアシリーズ「スター☆トゥインクルプリキュア」より登場。本編の最後で、引き継ぎ式があった。
なお回によっては、シリーズ15周年に因んでかサブタイトルに過去の作品を思わせるフレーズが入っていることがある。(表のリンク先は元と思われる作品またはキャラクター)。また第19話では本編内で初代を思わせるフレーズを多用している。
ストーリー展開(ネタバレ注意)
3人の新しいプリキュア誕生(第1話〜第5話)
はぐくみ市に引っ越してきた野乃はなは、イケてる大人のお姉さんになることを夢見る女の子。
そんな彼女の元にある日、不思議な赤ん坊・はぐたんと、そのお守り役であるハムスター(?)のハリハム・ハリーが空からやってくる。
そしてハリーは有無を言わさず、自分たちを助けてほしいとはなに迫ってきた。
わけがわからず混乱するはなであったが、さらに突如謎の怪物が街中に現れる。
怪物がはぐたんを狙って襲いかかってきた時、はなは危険も顧みずに怪物に立ち向かおうとする。
すると、はなははぐたんの不思議な力でキュアエールへと変身してしまった。
プリキュアのパワーで怪物を撃退したはなは、はぐたんのお世話役であるハリハム・ハリーから事情を聞く。
なんでも彼らは自分たちの世界の「未来」から命からがら逃げてきたのだという。彼らの住む未来の時代は悪の組織「クライアス社」によって時の流れが奪われてしまい、生物無生物問わず全てが凍りついたように動かなくなっている。そんな状態になったはぐたんたちの世界を元に戻すには、「4人のプリキュア」が扱える「8つのミライクリスタル」の力が必要だという。
最初は戸惑うはなだったが、クライアス社の好きにさせては誕生日もクリスマスもイケてるお姉さんになる夢も全部無くなってしまうと聞き、「悪者と戦うヒーローとか格好いい」という極めて軽い気持ちでプリキュアの任務を引き受けた。
その一方、クライアス社も「ミライクリスタル・ホワイト」を持ってこの時代に逃亡したプリキュアを探しており、その任務にクライアス社の係長・チャラリートが任命されていた。 己の保身のために、キュアエールに覚醒したはなに続き、薬師寺さあやがキュアアンジュに覚醒したことを隠し続けていたチャラリートだったが、2人のプリキュアを誕生させた失態を上層部に知られており、組織から「最後のチャンス」を与えられて余裕がなくなっていた。
覚醒に一度失敗した輝木ほまれを誘拐してプリキュアを倒そうと覚悟を決めるチャラリートだが、結果的にはほまれがキュアエトワールに覚醒することになり、チャラリートは最後のチャンスをも失敗して撤退する。
そして、元気で頑張り屋のはな、優しくて豊富な知識を持つ薬師寺さあや、クールでオシャレな輝木ほまれ。3人の新しいプリキュアはみんなの輝く未来を守るため戦うこととなる。
心の深いところから生まれる輝き(第6話〜第11話)
ひょんなことからミライパッドの力もありお花屋さんの"仕事"を体験したはなたち。
その楽しそうな様子に目をつけたはなの母親・すみれは彼女たち3人に様々なお仕事体験をさせる雑誌連載企画を思いつく。はな達も乗り気で、学業に育児に加えてお仕事まで加わった多忙な日々が始まることになった。
また、独善的だが憎めない男子若宮アンリやちょっと変わった小学生の愛崎えみる、そしてミステリアスな大人の男性ジョージなどとの新しい人間関係も広がり、はな達の日常はより濃厚に充実したものとなっていった。
もちろん、プリキュア活動も忘れていない。
チャラリートの再三に渡る不祥事の結果、ルールーやパップルが代わりにミライクリスタル奪還の任務に就くこととなったクライアス社は相変わらずオシマイダーを暴れさせていた。
働く大人たちが本来守るべき人々の笑顔も未来も奪うのが仕事だというクライアス社に、はな達は改めて闘う決意を固める。
はなたちがプリキュアに覚醒してからも輝く未来へ向かうためには困難がつきものだった。
みんなを応援することは出来ても直接誰かの役に立てず落ち込むはな、母親の威光と周りの期待に呑まれ、自分が本当にやりたいことが何か分からないさあや、スケーターとしてロシア留学できるチャンスと日本で友達と共にいることとの天秤にかけられるほまれ。
さあやの「今まで認め支えてくれた仲間の気持ちに応え、いつか自分の道を自分で開きたい」、ほまれの「たとえ寄り道でも、たくさんの経験を通してもっと自分を輝かせたい」という決意等、彼女たちは現実と向き合いながら少しずつでも答えを自ら見つけ出す。
その一方で、はなだけは「大人になれば何でもできる、何でもなれる」という幻想を無邪気に信じていたがゆえに、まだ自分の未来について真剣に向き合っていなかった。
雑誌のお仕事体験企画のために「はぐくみフードフェスティバル」のお手伝いに参加したはな達。
自分がさあやとほまれの2人と比べて未熟で、特別な能力や才能を持ち合わせていないことを思い知らされたはなは打ちひしがれ、自らとその未来への自信を失い、それゆえに一時的にプリキュアに変身できない状態になってしまった。
そこにパップルが現れてオシマイダーを暴れさせる。アンジュとエトワールだけでオシマイダーに立ち向かう中、応援だけでもと戦場から離れなかったはなとハリーだったが、彼らにオシマイダーの攻撃が襲いかかり絶体絶命の危機に。
その時、はぐたんが不思議な光を放ってオシマイダーを浄化し一命を取り留めた。だが、その代償としてはぐたんのアスパワワは激しく消耗。はぐたんは高熱を出して昏睡状態となる。
夜を徹した皆の必死の看病のおかげで峠は越えたはぐたんだが、自分のせいではぐたんを危険な目に合わせてしまったとはなは激しい罪悪感に苛まれてしまう。
その後、最後通告を受けたチャラリートがパップルの計画によってオシマイダーに成り果て、プリキュアを倒そうと街中を無差別に破壊しだす。
はぐたんの一件でプリキュアをやめようと考えていたはなも、この状況を座視することはできなかった。自分にしかできないことが目の前にあるならば逃げてはいけない。その気持ちで再び変身したキュアエールは街を守ろうと躍起になるが、強大な力を得ていたチャラリートに圧倒されてしまう。
はなは自分の中の弱さや罪の意識を克服できないまま必死に戦い続ける。何も持たない自分にこの状況を克服できる力が欲しいと心から願ったとき、遂にはなからも新たなミライクリスタルが生み出された。
そのクリスタルははなの願いを叶えるために「力」を形として顕現させ、後の世に伝説として語られる武具「プリキュアの剣」へと変化する。
伝説の戦士のために約束された奇跡の力。未来にまで語り継がれる英雄の証。その剣を手にしてチャラリートにとどめを刺そうとしたキュアエールだが、その自分の姿にチャラリートが激しく怯えていることに気づき、すんでのところで刃を止める。
だが、このキュアエールへの恐怖心がきっかけでチャラリートの精神は暴走し、自身のコンプレックスを暴露しながら自分で弱体化していく。
そんなチャラリートの姿は、劣等感に苛まれていたさっきまでの自分と同じだとキュアエールは気づき、「必要なのは剣じゃない、それは自分のなりたいプリキュアじゃない」と悟る。
「何も持てない誰かの悲しい気持ちを、たとえそれが敵でも傷つけたくない。本心から応援したい。それが私のなりたいプリキュアだ」という彼女の心の奥底の想いに応えるように、プリキュアの剣は剣としての属性を失い、歴史にない新しいアイテム「メロディソード」へと姿を変えた。
メロディソードを使用したプリキュアの新たな必殺技「プリキュア・トリニティ・コンサート」を受けたチャラリートは浄化されて元の姿に戻り、クライアス社から離脱することになる。
留学生ルールー・アムール(第12話~第17話)
ビューティーハリーショップにて開催されたパジャマパーティー。夜も更けたころ、ハリーはほまれに促され、ようやく身の上を明かした。
ハリーとはぐたんは、今の時代よりもはるか未来の世界の出身であり、クライアス社によって「世界の未来」が奪われ時間の流れが停止する直前にタイムトラベルによる逃走を図り、この時代にたどり着いたのである。
そしてハリーがいうには、剣をとって戦ったはずのプリキュアの歴史が、剣を拒否したはな達のために変化しているという。ハリーは歴史改変の影響を恐れて今まで黙っていたが、はな達ならば輝く未来を切り開けると確信したのだった。
その一方クライアス社では、チャラリートの失脚後、プリキュアの力に興味を持った同社のアルバイト・ルールーが、有給休暇を取って個人的に行動を開始していた。
ルールーはプリキュアの出現地域を分析しその正体を特定。アスパワワを増幅させ予測不能な奇跡を呼び起こすプリキュアの中でも特にキュアエールに着目し、その力の源を解明すべく留学生「ルールー・アムール」と身を偽り、なんとはなの家でホームステイを開始するのだった…。
そんなわけで始まったホームステイに何も知らず大はしゃぎのはな。
ところがルールーはあくまで任務第一で、心の機微も上手く理解できないため、はなやクラスメイトの歓迎を「理解不能」と一蹴し距離を置かれてしまう。
そんな中はなは「好きだから、家族として色んなことを一緒にやろう」と心からの気持ちを懸命に伝えるのだった。
はなの優しさに触れたことで胸の痛み……愛情を僅かに自覚したルールーは、それをきっかけに無自覚ながら赤ちゃんに笑みをこぼしたり、任務に無関係な人間社会に溶け込みはじめていた。
またとある休日にはプリキュアのまねごとをしていたえみると出会い、彼女なりのヒーローの心と音楽を教えてもらう。
短い間の交流はたしかにルールーの中の何かを変えていく。
だがそれは、クライアス社アルバイト社員として歩んできた道を揺るがすことと同義だった。
そんな二足の草鞋を履き続けるうち人の愛を知らず知らず覚え、ルールーはオシマイダーから一般市民を守ろうとまでしてしまう。
偶然にもその様子を見ていたパップルは「プリキュアの正体が分かったのならさっさと変身アイテムを奪うべき」と命令、ルールーは内心躊躇しつつも承諾しほまれのプリハートをこっそり奪う。
しかし大ピンチのキュアエールとキュアアンジュ、そんな2人を助けたいと願うほまれを見て遂に裏切りを覚悟でプリハートを正面から堂々と返却。
オシマイダー浄化後、プリハートを返した一件から彼女の素性を怪しむキュアエールたち。
そこにクライアス社の制裁だろうか、強烈な光線がルールーを襲う。耐えきれなかった彼女は金属音と火花を残しながらその場で崩れ落ち……。
ルールーはもともと時間停止した世界を管理するためクライアス社が作りだしたアンドロイドで、はなたちを調査するため潜入してきたスパイだった。
その事実を突きつけられても彼女をなんとか助けようとするはなたちを、過去が過去だけにハリーは大反対。しかし最後に見た光景もあってルールーを信じようと再決意する。
だがそこへ、リストルとパップルの手によって記憶を初期化された上、強化パワードスーツを纏ったルールーが現れた。
プリキュアたちはルールーの変貌に戸惑うも、何とか止めなくてはと変身し、激しい攻防を繰り広げる。
そんな中いつものように分析を開始するルールーはやがて、さあやが負けず嫌いなこと、ほまれが先日脈拍の上昇などをさせていたこと、はなが「家族になろう」と言ってくれたことを思い出す。思い出は消去されたはずだが、彼女自身が無意識に消去を拒絶していたのだった。
思い出と育った心を取り戻したことで、それと相反する任務でたくさんの人を騙し裏切った己の所業を後悔し、「バグが発生したための」胸の痛みに苦しむルールー。
それでもキュアエールは変わらず答え続ける。
「だまされてなんか……いない!」 「わたしがそう思っていないからそうなの!」
その上でルールーが好きだから、今戦っている間も心が痛いと優しく諭すのだった。
心から寄り添ってくれた皆の優しさに耐えきれず、声をあげて泣き出すルールーはもうクライアス社の製品などではない。
先程までの痛みはバグではなく、新たに心が生まれた証。ひとりの少女『ルールー・アムール』となった彼女は再びはぐくみ市に帰ってくる…今度は正真正銘はなたちの友達として。
ところが間の悪いことに、現場にこっそり駆けつけていたえみるにプリキュアの正体がばれてしまう。
愛のプリキュア覚醒(第18話~第22話)
ルールーが新たな人生をスタートさせたその日、プリキュアの正体がはな達であることを知ったえみるがやってきた。ルールーと一緒にプリキュアになることを目指すえみるは、プリキュア修行と称してはな達に接近する。
当初は初めて知った人間の心に戸惑いながらも、次第にえみると確かな友情を育んでいくルールー。
しかし、残念ながらプリキュアは4人限定。それでも夢を諦めず互いが互いを想い合う心が奇跡を呼び起こし、ふたりは「愛のプリキュア」キュアマシェリとキュアアムールへの変身を果たす。
エール、アンジュ、エトワール、マシェリ、アムール……こうして、運命を越えて集結した5人のプリキュアの新しい日々が始まるのだった。
改めて正式な仲間として加わったえみるとルールーを祝福し、はなによる支離滅裂なプリキュアの表現を言葉ではなく自然体な雰囲気で実践しながら、3人はえみるとルールーをそれぞれ教え諭し導いていく。
新たなる幹部ジェロスの登場で本格的に立場を脅かされたパップルの鬼気迫る作戦にも、5人で力を合わせて立ち向かい退けた。
戦いの中で愛器であるギターを失ってしまうも、それでもルールーを守れたことの方を誇りに思うえみるだったが、大切な相棒や人々を守る為にさらなる力を求めて「メロディソードが欲しい」と無茶なおねだりをしてくる。
残念ながら予備などなく、困り果てるはな達の前ではぐたんは不思議な力を発揮。
空の上に不思議な異空間が開いたかと思うと、そこからふたりの女の子が降ってきた。それは元祖にして最強な…!?
そう、キュアブラックこと美墨なぎさとキュアホワイトこと雪城ほのかだった。
なぜ異世界に来たのか分からず困惑する2人だが、ともあれプリキュア同士ということで意気投合。
なぎさたちもちょうどアクシデントから仲違いしていたえみるとルールーにコンビプリキュアとしてアドバイスし先輩らしい部分を見せる。
そんな折、仕事の失態、彼氏からの裏切りと全てを失ったパップルが自らオシマイダー化し襲撃。
物凄い力で暴れまわるオシマイダーだが、パワーに優れたブラックとホワイトの後方支援もあってなんとか抑え込み、更にマシェリとアムールが心層内部でパップルに向き合う。
そしてパップルがそこまで苦しむのは誰かを愛する心があるから、その愛が残っていれば全てを失っても未来に奇跡を起こせるからと優しく微笑む。
「あなたの愛」 「わたしたちが抱きしめます」
綺麗事すぎる小娘たちの理想論だが確かに救われたパップルは、新たに生成されたミライクリスタル・ルージュとミライクリスタル・バイオレット、更にツインラブギターの力で安らかに浄化され、もう一度やり直す決意を固めるのだった。
戦いを終えて元の世界に帰還していくなぎさとほのかを笑顔で見送るはな達だったが、意外とそう遠くない内に再会する時が来るに違いない。
かくしてあざばぶ支社社員の半数以上が退職する一方、逆にプリキュアの力はますます強まることに。この状況をクライアス社上層部が見過ごす筈もないが……。
激動のクライアス社(第23話~第30話)
それぞれが夢や目標に向かって少しずつ進んでいく中、はなは未だ自分の将来について悩んでいた。
クライアス社ではいよいよ部長であるダイガンの出番となると思いきや、突如として現れたクライアス社の相談役ドクター・トラウムによってダイガンは粛清される。
仲間である筈のダイガンを躊躇なく手にかけるトラウムに激怒したプリキュア彼には立ち向かうが、トラウムが召喚した猛オシマイダーによって苦戦を強いられる中、突如としてジョージが姿を現し、その手に持っていた本が光り輝いたことでハリーが気づき、彼の正体が遂に明かされる。
彼こそプレジデント・クライこと、ジョージ・クライ。
はなを気に入っていた言動、メロディソードを生み出した奇跡への微笑み、それら全ては想定以上の数に達したミライクリスタルを一気に奪取してこの世界の時間を止める為に仕組んだジョージの計画だったのだ。
ミライクリスタルが奪われたことでプリキュアは変身を解除され、全ての時間が停止して身動きが取れなくなる中、何故かはぐたんだけは動けていた。
そんなはぐたんに興味を抱き、連れ去ろうとするジョージ。「ママ」と泣き叫ぶはぐたんの声を受け、はなの記憶が蘇る。
かつていじめに遭っていた子を庇った結果、今度ははながターゲットにされ、周囲から白眼視され孤立したとき、母は自分を見捨てなかった。優しく抱きしめて「間違っていない」と言ってくれた。
その時母に抱いた憧れの気持ちからはなはただ一人覚醒し、「はぐたんを泣かせるな!」と一喝する。
はなの想いに呼応するかのようにミライクリスタルの力が戻り、プリキュアが体勢を立て直したことでジョージは撤退し、残された猛オシマイダーをプリキュアは撃破する。
ジョージ・クライの恐るべき脅威を目の当たりにし、プリキュア達は改めてはぐたんを守り抜く決意を固める。
その一方、クライアス社では社長の席に戻ったジョージが想定外なはなの覚醒を受け、どこか嬉々として計画の上方修正を宣言し、リストルは厳重に封印されていた謎の少年・ビシンを解放する。
ジョージ・クライ、リストル、ドクター・トラウム、ジェロス、そしてビシン……風雲急を告げるクライアス社の新布陣によって、戦いは新たな局面を迎えようとしていた。
組織改編したクライアス社の動向を警戒しつつ、それでも今の夏休みを満喫しようとはな達は日々を精一杯楽しんでいく。
町内会のナイトプールイベントでパップルとチャラリートに再会したことをキッカケに、えみるとルールーはパップルが新設したという芸能事務所にスカウトされる。そこにはなんと、ドクター・トラウムの手にかかり消滅してしまったかと思われたダイガンの姿もあった。
これまで敵対していたわだかまりは完全に解消され、頼れる……のかどうかはさておき、愉快な支援者となった彼らともはな達は打ち解ける。
一方で心からそれをよしとしない者もいた。
はぐくみ神社の夏祭りで、ハリーの未来世界での旧友にしてクライアス社の社員・ビシンが現れたのである。
彼はハリーが元クライアス社社員だったこと、当時改造手術を受けたため本来はプリキュアを圧倒するような怪物であることを明かし、ハリーは自分と一緒にいるべき存在と決めつけ、そのハリーを連れ戻すために彼を本来の姿に戻してプリキュアにけしかけてくる。
しかし、ほまれの命懸けの説得によって浄化され、正気を取り戻したハリーは檻の中にいた自分を助けてくれた存在や現代ではなたちと作った絆、はぐたんに対する愛情を何より大事に感じているためクライアス社と戦う姿勢を改めて見せる。
夏休みのたくさん思い出を残し、はなたちは最後の大イベントとなる世界一周旅行へと旅立つ。
その最後の目的地である熱海の温泉宿で青春を満喫する一同であったが、そこにドクター・トラウムが襲撃し、「時間を止めてしまえば、楽しい夏休みの思い出は永遠のものとなる」と揺さぶりをかけてくるも、プリキュア達は未来が失われれば過去の思い出はむしろ価値を失うとして強く反論し撃退する。
はな達にとっての「思い出」は未来へと歩むための勇気をくれるものであり、未来を決して否定するためのものではないのだ。
単なる未来を巡るだけでない関係も乱れ入り、プリキュアを取り巻く状況は更に複雑化していく。
未来を改めて守る決意を胸にし、はな達の2学期が始まった。
新たなる力の目覚め(第31話〜第39話)
2学期早々はなの転校前の友人・エリが久しぶりに会いにきた。だが、はなは過剰に動揺する様子をみせ、エリはいたたまれなくなって逃げ出してしまった。
エリは以前、はながイジメから庇ってあげた少女であったが、このことがきっかけでイジメのターゲットがはなにシフトし、当のエリは自分が再びイジメに巻き込まれると恐れ、はなと距離をとるようになったのである。
そのままはなは転校してしまったため、エリは強い罪悪感に苛まれながら日々を過ごすようになっていたが、今ではそれに耐えきれなくなり、はなに許しを乞うために今日やってきたのであった。
その一方、はなにとっては一番苦しい時に親友が離れたショックは大きなもので、エリの中にあった弱さを想像できなかったはなは、エリが悪意を持って自分を見捨てたのだと思い込んでいた。
最終的には母からの「あなたは間違っていない」という励ましで表面的には立ち直ることができたが、エリが自分を嫌うようになった理由を考えても答えは出ず、はなは自分の中にある善意自体に疑問を持つようになっていた。
そんな気持ちは表面に出さないようにして、自分の中の善意を信じながらプリキュアを続けてきたはなをプリキュア仲間が励ました結果、はなとエリは双方ともに辛い過去を乗り越える形で仲直りを果たす。
その頃、クライアス社ではジェロスの部下であるジンジンとタクミが解雇の危機に瀕し、ドクター・トラウムの発明品をこっそり盗んで周りの人間の時を止め大手柄を上げようとするが、逆に力を制御できずオシマイダーと化してしまう。
その様子に呆れるジェロスに2人は助けを乞うが、当のジェロスからはあっさりと見限られ、会社のためにそのままプリキュアと戦うよう命じられる。
逆らえないままプリキュアと死闘を繰り広げるジンジンとタクミにプリキュアたちはいたたまれなくなり、仲間を仲間と思わないジェロスに啖呵を切る。
「みんながいてくれたから、わたしは今日、前に進めたんだから!これがわたし達の今!」
エールが仲間への思いを叫んだ時、その思いに共鳴したはぐたんによって新たな未来へ繋がる力「ミライクリスタル・チアフル」が誕生し、仲間達と紡いできた思い出をそれぞれが言葉として誓ったことで、ミライパッドは真の姿である「メモリアルキュアクロック」へと進化する。
これこそ、はな達の最終目的である止められた時間を再び動かし、前に進ませることを可能にする奇跡なアイテムで、「みんなのおかげで、前に進めた」というはなの思いを形にしたものだ。
この時点ではクロックの力は不完全なものだが、それでも新たなるフォーム・チアフルスタイルを得たプリキュアのパワーは絶大なもので、怪物化したジンジンとタクミを浄化することができた。
そんなある日、空に不思議な異空間が生じ、その穴から『キラキラ☆プリキュアアラモード』と『魔法つかいプリキュア!』メンバーが降りてきた。
彼女達によると、ドクター・トラウムが製造したパワードスーツの力でいちご山と魔法界の時間を止められ、現地のプリキュア達がトラウムを追っていたのだと言う。
そんなトラウムの行動を阻止するため、エール達はプリアラとまほプリの協力を得て、残りのプリキュアの捜索に出る。
四つ葉町ではキュアピーチ、サンクルミエール学園近辺ではキュアドリームとの合流に成功するが、その裏でトラウムはこの場以外のプリキュア達の街にオシマイダーを派遣し、彼らを通してそれらの街の時間を止めていた。
当のエール達は、どれだけダメージを与えても時間を戻して回復するトラウムに苦戦するが、彼のパワードスーツの弱点を見抜いたことでトラウムを追い詰める。
しかし、トラウムは時間が止まった街に溢れるトゲパワワを大量に吸収することでパワードスーツを強化形態に変容させ、エール達が絶体絶命のその時、キュアブラック、キュアホワイト、シャイニールミナスが参戦したことで形成は一気に逆転し、トラウムは再び追い詰められる。
切羽詰まったトラウムは、限界を超えたトゲパワワを吸収することで暴走形態となり、その圧倒的な力でプリキュア達の時間を止めてしまうが、はなは朦朧とし混濁していく記憶の中で「わたし」と「みんな」への応援の言葉をつぶやく。
はなによる必死の応援を受け、プリキュア達は自らを鼓舞して立ち上がり、トラウムは無数のオシマイダー軍団を発注するが、みんなの思いを受けて時間を取り戻した他のプリキュアが駆けつけてきて総勢55人のプリキュアオールスターズがここに集結。プリキュアたちは怪物どもを歯牙にも掛けずに蹴散らしていく。
だが、トラウムは怒りと憎しみを増大させることで強さを増していき、流石のエールも怯えを隠せなくなるが、歴代のプリキュアから大切な思いをそれぞれ教えられ励まされ、先輩プリキュアの思いを受け取って共感させたエール達は新たなるアイテム・プリキュアミライブレスを生み出す。
そして、新しい浄化技の「プリキュア・オール・フォー・ユー」によって暴走したトラウムを浄化し、当のトラウムはかつてルールーを目覚めさせた時のことを思い出し、今のルールーからは「また、お会いしましょう」と言われ、トラウムは何か吹っ切れたように柔和な微笑みで返した。
トラウムが離脱した後、従前より焦りを見せていたリストルがついに動き出し、トゲパワワの増大によって世界中が荒廃し、ハリーの故郷のハリハリ地区も病魔によって滅ぶという未来の世界をはな達に見せる。
リストルは明日を夢見ても裏切られるだけだと主張するが、それでもなおプリキュア達は未来を諦めず、その気持ちがはぐたんへと伝わる形でミライクリスタル・ホワイトは「ミライクリスタル・マザーハート」へと進化し、その力でマザーハートスタイルへとフォームチェンジしたプリキュア達は絶大な力でリストルを退ける。
その光の中で、キュアエールは謎の少女と邂逅し、その少女から「未来を守って」とはなに願いを託され、プリキュア達は現実世界へと戻ってきていた。
迫られる未来への選択(第40話〜第45話)
そんな大事件の後待ち構えていたのは浄化されプリキュアの味方になることを決めたトラウムだった。
彼の口から、なんとクライアス社が当初探し求めていたプリキュアがキュアトゥモロー……現在のはぐたんだと聞かされ驚く一同。
キュアトゥモローは3人の仲間と共にプリキュアの剣で立ち向かったが最終的に追い詰められ、なんとか救出したハリーと共に現代のはぐくみ市へ来る最中、ミライクリスタル・ホワイトに秘められたマザーの力を使い果たし赤子になってしまったのだ。
一方、クライアス社の方もミライクリスタル・マザーハートをはぐたんが覚醒させたことを確認したことで、この赤ん坊がキュアトゥモローの成れの果てと知ることになる。
クライアス社の狙いは遂にはぐたんに絞られ、戦況は大きく動くことになる。
事態が大きく動き出したのはクライアス社だけではない。プリキュア側も同様であった。
クライアス社がなりふり構わなくなったと同時に、ドクター・トラウムは会社から離反。ルールーに対して自分の思いを伝え、複雑な気持ちながらもルールーはそれを受け入れ、全てが終わった後にいつかハリーとはぐたん同様未来に戻ることを決意する。
そのことを聞かされたえみるは、ルールーとの別れが避けられないことで心を苛み一時的に声を失ってしまう。だが、ルールーが「えみるが教えてくれた音楽を未来に届けたい」という夢を持っていることを知ったえみるは、友のために自分は未来へつなぐ歌い続けることを決意し再起した。
そんな中、アンリはリストルからクライアス社のスカウトを受けて心揺らぐ中、不幸にも交通事故に遭い左足を動かせなくなってしまう。
一度は絶望するアンリだが、応援に来てくれたファンが悲しむ姿を見て思い直し、「足が動かなくても自ら輝く未来に進みたい」という強い気持ちを胸にミライブレスの力を受け、一度限りの夢幻のプリキュア・キュアアンフィニへと覚醒する。
それはひとときの夢に過ぎなかったが、アンリはそこに未来への希望を見出し、動かなくなった下半身とともに、それでも「なりたい自分」をまたゼロから探すと宣言する。
崇高とも言えるアンリの姿に強い影響を受けたのが、ほまれだった。
1人の人間としてアンリに負けないように、自分も「掴みたい未来」から逃げてはいけないと覚悟を決める。そして今まで曖昧にしていた「恋」の思いに正面から向き合い、ハリーに告白。結果は失恋ということになったが、仲間達の支えもあって恋した気持ちは未来へ繋がると勇気を得ることができた。
さあやは、女優活動としての当面の目標としていた母と同じ作品に出演する機会をついに得る。そこでさあやは自分が医者になるという「新しい夢」を得たために女優活動をこれで終わりにしたいと母やライバルに宣言する。紆余曲折あったがさあやの覚悟は伝わり、新たな道を祝福された。
そんな中、クリスマスの夜に猛オシマイダー化したジェロスが現れてプリキュアと戦闘になるが、ジンジンとタクミが現れてプリキュアと力を合わせてジェロスを浄化して、ジェロスもジンジンとタクミと和解するのだった。
輝く未来を掴むために歩み出すプリキュアとその仲間達だが、ジョージ・クライが見つめる先にあるのは未来の希望を踏みにじる絶望。
決戦の時は刻一刻と近づいていく。
クライアス社との最終決戦(第46話〜第48話)
仲間達が自分の未来を見出していく中で、はなだけまだ未来について明確なビジョンを抱けていなかった。
それでも、もはやはなは未来に不安を抱くことはなかった。素晴らしい仲間達との出会いによって、はなはどんな未来がやってきても幸福はつかみ取れるという自信を得たからだ。
そして年は明けて2019年。ビシンから「時間を止めた未来世界のトゲパワワに変化が起きて、このままでは時間が動き出す」という報告を受けたジョージ・クライは、プリキュアの活躍により時間軸が変化して未来に影響を及ぼしていることを察する。
その後、ジョージはプライベートと称してはなの前に現れ、警戒するはなに対して未来世界の真実を語る。
その内容とは、「ある少女」が願い続けた「夢と希望に満ち溢れ、花咲き乱れる理想の楽園」が完成したことで人類の文明は栄華を極めるが、人々は楽園に満足せずもっともっと幸福になりたいという欲望が世界にトゲパワワを蔓延させ、最終的に文明は破滅し宇宙の時間が止まってしまったという絶望の未来史であった。
何度救っても結末は変えられなかったことで全てを諦めたジョージは、人類が自滅するよりも先にトゲパワワの力で時間を止め、その中で幸福な夢を永遠に見れるように管理することだけが人類への救済だと極端な思想を持つようになったのだ。
そして、ジョージははなに「今が幸福だと思うならば、それを永遠にするべきだ」という警告を言い残して去る。
2019年1月6日未明。このままでは未来の時間が動き出すと判断したクライアス社は、最終決戦の計画を発動させ、世界の時間を止めるという暴挙に出る。
ビシンもリストルも今や自分の故郷に未練はなく、ジョージの狂気じみた計画に異を唱えることもなく協力する。
のびのび町の沿岸に巨大な怪物と化したクライアス社の社屋ビルが召喚されるが、それでもミライクリスタルの加護を受けるプリキュアや、元クライアス社員の離反者たちが怯むことなく立ち向かう。
ジョージは自分に抵抗する存在を排除するために無数の猛オシマイダーを召喚し、ビシンとリストルもそれに続き、時間が止まった世界の中でプリキュアとクライアス社との最後の戦いが始まる。
その激しい戦いの中、リストルはハリーによる身を呈した説得を受けてようやく心を取り戻し、そのリストルによってビシンもまた矛を収める。
しかし、戦いの最中にはぐたんがジョージに人質として捕まってしまい、彼女を取り戻すためプリキュアは元クライアス社の離反者達の助力を得て、怪物化したクライアス社の内部に乗り込む。
ビルの内部ではジョージによる周到な罠が張りめぐされており、キュアエールは鳥かご状の檻に閉じ込められ、残る4人のプリキュアもジョージの圧倒的な力により痛めつけられる。
ジョージはエールに「未来を諦めると誓えば仲間を助ける」と取引を持ちかけ、エールはそれを受け入れかけるが、4人はそんな選択をエールにさせるわけにいかないと諦めない心でジョージの猛攻を跳ね除け、檻を壊してエールを助ける。しかし、その直後にジョージの反撃によって4人は異空間に幽閉されて時間を止められる。
エールとジョージがタイマンで向かいあう構図となり、ジョージはエールに「2人だけの永遠の幸福な世界で生きよう」と誘うが、当のエールは「永遠なんていらない!」と強く拒否する。
ジョージによる無慈悲な攻撃を受け続けて変身が解除されたはなだが、それでもまだ諦めずに立ち上がろうとする。
ジョージは聞き分けのないはなに対し、「まっすぐに理想を語る君のことを人々は冷笑し、やがて異端として排除する」と定められた運命を予言して未来を諦めるように説得するが、はなは「たとえ嘲笑われてもバカにされても、みんなの未来を応援することはやめない」と未来の自分への約束の言葉を述べる。
その決意は溢れるアスパワワを生み出し、彼女をプリキュアへ再び変身させる。
そのアスパワワは異空間に閉じ込められていた仲間達と共鳴し、彼女達もまた時間を取り戻して閉鎖空間から脱出し、エールのもとに全員集合する。
ジョージは自分の思いがどうやってもはなには通じないことに絶望し、自らの体内にトゲパワワを過剰摂取し、巨大な怪物へと暴走する。
はなが守ろうとしたこの世界と人間達すべてを消し去ろうと暴れるジョージだが、プリキュアの諦めない心はアスパワワとなって周囲に広がり、町の人々の時間を動かし、意識を取り戻した人々は街を守るために戦うプリキュア達の姿を見て彼女達を応援する。
プリキュアのアスパワワと応援する人々のアスパワワは1つになり、それはプリキュアに無限の力を与えるだけでなく、そのアスパワワは地球全土に連載的に拡散していき、未来を夢見る心が少しでも残っている人はそのアスパワワによって次々とプリキュアへと覚醒していく。
そして、プリキュアになった人々は未来を守るため、始まりの5人のプリキュアと共に「みんなでトゥモロー」の掛け声をかける。全人類のアスパワワによって発動された浄化技によって、怪物化したジョージ・クライは敗北する。
戦いは終わり、オシマイダー化していたクライアス社の社屋ビルもまた崩れていく。
だが、ジョージを探して街を彷徨ったエールは、崩れゆくクライアス社ビルの中で無気力にうなだれていた彼を発見する。
このままビルと運命を共にしようとしてたジョージにエールは「一緒に未来へ行こう」と彼を連れ出そうとするが、ジョージは「僕は未来を信じない」と拒否する。
だがはなは言う。
「未来を信じていないなら、どうしていつもわたしに『またね』って言うの」
その言葉を捨てられていなかったことにジョージは何かを気づかされ、一筋の涙を流す。
そして、泰然とした態度を取り戻した彼は微笑みを浮かべながら、いつもの言葉を口にする。
「君は本当に素敵な女の子だね。またね」
それと同時に、ジョージの姿はかき消えていたが、エールは彼が消える瞬間に「ボクも、もう一度……」との言葉を耳にしていた。
そして、海から登った朝日が町を輝き照らす。世界の時間は再び動き出した。
輝く未来を抱きしめて(第49話)
ジョージ・クライが倒されて時間の流れが動き出したのは2019年の世界だけではない。ハリーやはぐたんの故郷である未来世界でも時間は動き出していた。
つまり、「未来から来た者たち」があるべき場所へ帰る時がやってきたのだ。プリキュアチームは今日限りで解散するという意味でもある。
かつて、ジョージは「この世界の滅びは運命づけられている」と予言していた。プリキュアがいなくなった後、この世界はどうなるのだろうか?
否、その心配はない。必要な時が来れば彼らは必ず現れるだろう。
あの時多くの人々がプリキュアに覚醒できたように。そして、まだ見ぬ新しい戦士の登場があったように。
そして、希望に満ちた未来を勝ち取ったはなたちは、はぐたん達との辛い別れを乗り越えて前へと進んでいく。
……はぐたん達との別離から11年後、西暦2030年。
「はぐくみ市」には、「ある少女」が願い続けた「夢と希望に満ち溢れ、花咲き乱れる理想の楽園」などが作られることはなかった。
代わりにそこにあったのは、よくも悪くも当たり前に存在し人々の活躍で少しだけ科学技術が発展した普遍的な世界だった。
クライアス社が作られていたハリー達の住む未来世界とは、歴史の流れが大きく分岐したのである。
なぜなら、「ある少女」はプリキュアとして1年間の物語を通じて「理想の世界」を願ったのでなく、どんな時も人々が「理想の自分」を信じることができる可能性を願い続けるように努めたのだから。
はなは25歳の若さで「アカルイアス社」の社長に就任し、社員たちの可能性を信じつつ多くの事業に邁進中。
ところが、秘書のふみとに警告されていた通り臨月でありながら仕事していたため突然陣痛が始まり、さあやが勤める「はぐくみ市あざばぶ総合病院」に搬送される。
世界大会で優勝直後知らせを受けたほまれ、遅れて両親と花束を持った夫も病院を目指して街を駆ける……。
一方その頃、とある研究所ではミュージシャンとして多忙な日々を送っていたえみるは研究者に呼ばれ、心と体を成長させるアンドロイド・ルールーを紹介される。
2人は面識のないはずだが、ひとたび『キミとともだち』を合唱すればもう友達。凸凹コンビの親友は世界線を超えて新たな友情を紡いでいく。
はながさあやとほまれの応援を受けて産みの苦しみに苛む中、はぐくみ市の人々は各々夢と希望に満ち溢れ輝かしい姿を見せている。
そんな中、遠い未来世界ではキュアトゥモローとハリーがのびのびタワーにて佇んでいた。
トゥモローは何かに気づいたかのように空を仰ぎ、「ママ…」と呟く。
すると、どこか遠くから赤ん坊の泣き声が聞こえた。
はなは一人の女児を無事出産した。その子は、はぐたんと瓜二つの顔をしていた。
「ずっと前から決めていた名前がある」と、その赤ん坊は「はぐみ」と名付けられる。
「よろしくね、はぐたん」
こうして本当の「家族」となった「はな」と「はぐたん」は、輝く未来を抱きしめて新しい人生を歩んでいく………。
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