遠くの星から来た男が 愛と勇気を教えてくれる
概要
ウルトラシリーズ第9作。
円谷プロダクション製作の特撮テレビ番組で、1980年(昭和55年)4月2日から1981年(昭和56年)3月25日までTBS系で毎週水曜日19:00~19:30に50話が放送された。2007年(平成19年)1月27日の『ウルトラマンメビウス』第41話にて、後日談とも言えるエピソードが放送された。
第1話の「ウルトラマン先生」というサブタイトルが示す通り、主人公が中学校の教師、防衛チームUGMの隊員、そしてウルトラマンの三足のわらじを履いて奮闘する姿を描く。また、作劇の変化により、ハードなSFストーリーや『ウルトラマンタロウ』を彷彿とさせるコミカルなストーリーなどが多彩に展開された。SEには『タロウ』のものが多く使用されている。
ちなみに『80』が放送開始された9年前の同じ放送時間帯の4月2日は『帰ってきたウルトラマン』が放送開始した日でもあった。本編第39話の8年後の1989年1月7日を以て昭和時代は終わりを迎えることから、この作品が昭和ウルトラシリーズのトリを飾る作品となる。
本作で使用されたBGMの一部は『ザ☆ウルトラマン』の流用。その後、『ウルトラマンネオス』でも使用された(一部作曲家や版権、音源元も異なる『バトルホーク』も使用されている)。
収録がバトルホーク同様に東宝スタジオを使用している関係か、効果音は『メガロマン』からの流用も多い。
沿革
誕生まで
実写のウルトラシリーズは『レオ』で一旦終了となっていたが、『ザ☆』の放送を機に実写シリーズの制作・放送を求める声が相次いだ為、新実写作品の制作が決定。「80年代の新たなウルトラマン」の意味を込めて「ウルトラマン80」と命名される。
このとき、「ウルトラマンを復活させる意義とは何か」というテーマが掲げられ、円谷プロは従来作品と同じ路線を希望したが、TBS側からはプロデューサーを中心に「80年代のウルトラマンが今までと同じでいいはずがない」といった意見が固まり、当時の社会情勢等も勘案した結果、子供達にとって身近な存在である教師設定が導入されるに至る。「教師モノ」であるため誤解されがちだが、企画自体はかの有名な『3年B組金八先生』よりも『80』の方が先であり、決して安易に「先生ドラマ」ブームに便乗した作品ではないことを明記しておく。
もっとも、企画当初、主人公は小学校教師の北条猛で、他のウルトラ兄弟と客演する構想もあった。しかし、企画中に始まった『金八先生』のヒットは『80』にも少なからず影響を与え、主人公は桜ヶ丘中学校の教師という設定に変更された(ちなみに金八先生の最初の勤務先は「桜中学校」だったりする)。
ちなみに、桜中学シリーズの原作者である小山内美江子女史は『ウルトラQ』第28話「あけてくれ!」の脚本を執筆し、円谷英二氏自らメガホンを執ったという逸話もある。
相次ぐ受難
教師編を中心に数々の名エピソードを生み出したが、数字の面では苦戦が続き、(綺麗な言いかたでは)試行錯誤と路線変更が繰り返された。特に上記の「学校の教師」という設定は、生徒役の子役の(リアルな)学業との兼ね合いから、収録の日程やロケが極度に制限されるなどの困難を最後まで克服できず、結局1クールで断念せざるを得なかった。スタッフ内でも教師という設定には賛否両論で、物語の幅を狭めかねないのでやめようという意見もあったという。
さらに、こうした度重なる試行錯誤と路線変更も結局功を奏したとは言い難く、平均視聴率は10.0%と前作『レオ』の10.9%を下回る結果となってしまった(裏番組に『ベルサイユのばら』→『鉄腕アトム』と『メーテルリンクの青い鳥チルチルミチルの冒険旅行』→『がんばれ元気』といった布陣があい、視聴率の競合が生じたことも一因。なお、『メーテルリンクの青い鳥』は視聴率が平均8%と『80』に及ばず、半年で打ち切りになっている)。
こうした試行錯誤と路線変更は放送局であるTBSの意向によるものが大きかったとされており、思い通りの作品が作れなかった挙句に視聴率も振るわなかったことに不満を抱いた円谷プロは、TBS側との関係が急速に悪化していき(一時期は円谷プロの幹部の出入り禁止まで申し渡されたほどであった)、この『80』を以てウルトラシリーズのゴールデン枠での放送は終了を余儀なくされた。
しかし、スポンサー(および放送局)と関係が拗れてしまったことはこの後、新作の製作・放送にも大きな悪影響を及ぼすこととなった。
『80』の放送終了後、ウルトラシリーズは1996年放送の『ウルトラマンティガ』まで15年にわたってテレビシリーズの新作を製作・放映することができなかった上、M78ワールドを舞台としたストーリーに至っては、25年後の2006年放送の『メビウス』まで展開する事ができなかった(後者に関しては、海外における複雑な利権関係等別の事情もあるので、一概にこれだけが原因であるとも言い切れないが)。
また、この頃のTBSはウルトラシリーズ以外の他の子ども向け作品もゴールデン枠から排除する方針を取るようになっており、同時期の『仮面ライダースーパー1』も後半は中途半端な時間帯へと移動させられ、放送があった金曜19時台の枠も2年後に消滅した。
いずれにせよ、ゴールデン枠での放送ができなくなった事で、ライバルであるアニメ作品と放送枠の確保を巡って競合する運びとなり、これが結果として21世紀以降にTBS枠及び4クール分割無しでの放送ができなくなる事に繋がっていき、シリーズの放送枠の大幅な縮小をもたらした遠因にもなってしまった。
放送期間のズレや作風の迷走という事情がよく取り沙汰されるが、それ以外にも『80』には放送局との色々なしがらみがあったとも考えられ、これがネックとなり公式も長い間扱いに苦慮していたと思われる。
当時は大人の事情など数々の受難に振り回される事となってしまったが、結果的には意欲的であると共にバラエティに富んだ稀有な作品となり、後年には再評価も進み多くのファンを獲得している。
あらすじ
熾烈を極めた怪獣や侵略者との戦いが過去のものとなって平和が続く中、桜ヶ岡中学校に新人教師・矢的猛(やまと たけし)が新しく赴任してきた。1年E組を受け持つことになった彼は、一所懸命をモットーに教壇に立つが、怪獣復活を確信して個人的に調査を続けていた。彼こそ、M78星雲から秘密裏に地球へ派遣されていたウルトラ戦士「ウルトラマン80」だった。彼は、人間の負の感情がマイナスエネルギーが怪獣を生み出すということに気付き、それを根本から断つために、教師として働く事を決めたのである。
やがて、5年ぶりに出現した怪獣クレッセントを倒した80=矢的は、地球防衛軍特捜チーム・UGMのオオヤマキャップにその慧眼と熱意を見込まれ、UGM隊員と教師という、2つの職業を掛け持ちしつつ、地球と人類に迫る様々な脅威に立ち向かう事となる。
ウルトラマン80(キャラクター)
ウルトラマンレオの後任として地球に派遣されてきた若き宇宙警備隊員。
高い実力を持ち、作中において他のウルトラ戦士から助太刀されたことはほとんどなく(第49話でのプラズマ&マイナズマ戦でユリアンに助けられたのが唯一の事例)、劣勢に立たされることはあったが、ウルトラ兄弟、昭和ウルトラマンでは唯一、本編で怪獣・宇宙人を相手に全勝(後述)という快挙を成し遂げている。
劇中では語られていないが、彼は功績次第でウルトラ兄弟の仲間入りが認められるウルトラ兄弟候補生だったという設定がある。後に『メビウス』においてこの設定が確たるものとなり、上記の優れた戦績が認められたのか、晴れてウルトラ兄弟の一員となっている。
戦闘スタイルは非常にスピーディーかつアクロバティックで、強力なキック技を得意とする。
また、ウルトラマンのような豪快な投げ技も多用する(レッドキング三代目との戦いでは怪力自慢の相手にお株を奪うような豪快な投げ技を披露した)。
ぐんぐんカットは「右手をグーをにして突き上げながら回転する」ものだが、この時の回転は他のウルトラ戦士達の様に滑らかではなく、カクカクカクと小刻みに動く(映像上では時計回りで回転しているため、80自身は反時計回りで登場している事になる)という特徴がある。
巨大化バンクはもう一つ存在し、ブライトスティックの光で80の姿に変化した矢的猛がブライトスティックを掲げた方とは逆の腕に上げ変えながら巨大化するというものである。
「本編で唯一全勝」の補足
やたら「80は強い」と持ち上げられる事が多いが、実は映像上では第4話でのザンドリアス親子を相手に(一応)敗北している。ただし、これは両者を仲直りさせるための80の計らい(わざと負けた)であったため、公式では敗北としてはカウントされていない。
それ以外にも、味方怪獣の助けがなければ負けていたかもしれない場面も少なからずあり、味方にも恵まれていたと言える。
ただし、戦歴に関しては劇場作品も含めると80も無敗ではなくなってしまう。
それは大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』にてウルトラマンジャックとウルトラマンエースとのタッグ戦とはいえ、ウルトラマンベリアルに敗北しており、これが80初の黒星となっている。
『ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀』ではアブソリュートタルタロス率いる軍勢に負けはしなかったものの、ウルトラマンゼロが彼に敗れた事でユリアンは拉致されてしまい、ウルトラリーグの面々共々事実上の戦略的敗北となってしまった。
因みにメビウスの客演回で対峙したホーの場合でも、後にミライ(メビウス)がホーの出現に関して「校舎が学校で同窓会を行っていた卒業生たちと80を会わせたくて怪獣を出現させたのではないか」と推測しており、もしこの推測通りならば結果的に80は卒業生たちと再会する事になったのでホーの作戦勝ちに見えなくもない。
尤も、80と卒業生たちを再会させたのはあくまで『校舎』なので、ホーはその実行犯みたいなものではあるが。
データ
人間体 | 矢的猛 |
---|---|
変身アイテム | ブライトスティック |
身長 | 50メートル |
体重 | 4万4千トン |
年齢 | 8000歳 |
飛行速度 | マッハ9 |
走行速度 | 時速1700キロメートル(マッハ1.5) |
水中速度 | 630ノット |
腕力 | 片手で5万トンの物を持ち上げる(両手で10万トン)。 |
ジャンプ力 | 700メートル |
家族 | 幼い頃に両親を怪獣に殺され天涯孤独の身であり、ウルトラマンレッドに育てられた。 |
声 | 長谷川初範、山本修(ウルトラ銀河伝説) |
必殺技
腕をL字に組んで放つ80の代表的な50万度の熱エネルギーを持つ必殺光線。逆L字でも放つことができる。下記のバックルビームとどちらの方が強力なのかについては諸説ある。右拳を握り拳にして赤外線を放つパターンもある。こちらは「ガッツパワー光線」とも呼ばれる。
バックルビーム
腹部から発射される光線80の代表的な50万度の熱エネルギーを持つ必殺光線。逆L字でも放つことができる。下記のバックルビームとどちらの方が強力なのかについては諸説ある。右拳を握り拳にして赤外線を放つパターンもある。こちらは「ガッツパワー光線」とも呼ばれる。
バックルビーム
腹部から発射される光線。サクシウム光線が通用しない、あるいは止めを刺せなかった相手に使用することが多い切り札的な必殺光線。ホー、アブドラールス、ジャッキー、ゴラ、ガモス、ロボフォーなどの相手に使用した。
『UGF』客演時には、あのルーゴサイトのゲネシスレクイエムを押し返して撤退に追い込むほどの凄まじい威力を見せた。
ウルトラレイランス
光の槍を相手に投げつける。使用した相手はダロンのみ。
ムーンサルトキック
空中ジャンプし、捻りを加えてキックを喰らわせる。この技で倒した怪獣はギマイラのみ。この他にもウルトラ400文キックなど優れたキック技を数多く持っている。なお、FE3での効果音はまんまコレ。
爆弾キックという蹴りと同時に爆発する技もある。
初代ウルトラマンから教わった必殺技。オリジナルとは異なり、外周に鋸状の刃が無いチャクラム型。バルタン星人六代目との戦いで使われた。
フラフープ光線
光の輪っかを作って輪投げの要領で相手に投げ、スッと消し去ってしまう技。原理は不明。
使用した相手はゲラのみ。
ダイナマイトボール
『戦え!ウルトラ兄弟』では無数の分裂してなお、襲い来るジオルゴンに対して使用した。
ウルトラアローショット
M87光線の構えで青い鏃光弾を放つ。強化版として赤いエネルギー弾を放つウルトラスラッガー投げ、派生型として赤い鏃光弾を投げつけるウルトラダブルアローがある。
ウルトラスパイラルビーム
両腕を合わせて放つ螺旋状の緑色光線。アブドラールスの宇宙船を撃墜した。また、カラータイマーから放つタイマーショット、タイマースパイラルも螺旋状の光線である。黄色いタイプは「リングリング光線」と呼ばれる。
目からビームを放つ。破壊光線や還元光線など様々な効果を持つ。ウルトラ戦士の目から放つビームは大抵透視するためのものだが、攻撃能力を持つものは珍しい。
イエローZレイ
片腕を突き出して放つ黄色の光線。特にメカ怪獣に対して特によく効く。よく似た光線であるリングリング光線とは両手を重ねて撃つ還元光線と言う違いがある。
ロボフォーにダメージを与えた。
ウルトラオーラ
体全体に力を込めて放つ光の矢。霊魂系に対して非常に有効。
ゴースドンを焼き尽くし、トドメを刺した技。
ハンドアップ光線
腕をすくい上げるようにして放つ赤い光線。
アルゴン戦での決まり手となった。
ウルトラショット(ウルトラストレートフラッシュ)
ウルトラマンジャックの物と構えは同じ。両手撃ちで放つ強化版も存在。
フリージィングレーザー
冷凍光線。メカ怪獣の動きを止めるほどの温度の冷気を放つ。発射時には放電が伴う。
ザタンシルバーを凍結させた他、漫画『ジャッカル軍団大逆襲!!』ではジャックのウルトラフロスト、タロウのウルトラフリーザーと共に発射し、ガロウラーを凍らせたが、すぐに脱出されてしまう。
ボディスパーク
拘束したきた敵に対し、体から高圧電流を放つ。
オコリンボールなどに対して使用された。
ダブルスパーク
両腕を交差させて閃光を放つ。
光に弱いアルゴ星人に対して使用し、中々の効き目を見せていた。
スパーク光線
カラータイマーから電撃光線を放ち、敵の周りを空中旋回してダメージを与える。
シューティングビーム
両腕から光波状の光線または赤いエネルギーの矢を放つ。
主にロボフォーやバラックシップなど空中で使用される事が多かった。
ウルトラウェーブ
青い光波エネルギーを放ち、見えない敵を暴き出す。
グロブスクの居場所を割り出した。
ウルトラ高周波
回転させて発生させた高周波で敵にダメージを与える。
高周波を弱点とするガモスにはかなり効いていた。
スパーク光線
相手の周囲を空中旋回して発生させたエネルギー光線で敵にダメージを与える。
ロボット怪獣であるメカギラスに対してかなりのダメージを与えた。
縮小光線
カラータイマーから螺旋状の光線を放ち、対象を縮小化させる。
巨大化してしまったミューを元に戻した。
ウルトラブーメラン
頭頂部から放つとされるエネルギーカッター。劇中未使用。
ウルトラカンノン光線
平和観音像と力を合わせて放つ光線で、ズラスイマーを再び地の底に封印した。
異次元テレポートビーム
腕をL字に広げて回転し、バム星人の四次元空間を消滅させた。
防御技
ウルトラバリヤーに相当する『リバウンド光線』、腕をクロスして敵の攻撃を防ぐ『ウルトラVバリヤー』、鏡状のバリヤーで光線を跳ね返す『ミラー戦法』(『ジャッカル軍団大逆襲!!』などでは「ハレーションミラー」。)、念動力で相手の攻撃を跳ね返す『ディフェンス念動』、纏わり付いた泡などを回転して吹き飛ばす『ローリングウォッシュ』などの防御技を持つ。
カイトストリングス
ゴースドンに対して凧糸を結びつけ、ウルトラ念力で起こした風「ウルトラウインド」で空に舞い上げた技。
ウルトラサンダー
腕をL字に広げる事で避雷針の代わりとなり、引火すると爆発するメダンを落雷から守った。
瞬間停止能力
フィンガースナップで対象の動きを止める。テツオンの動きを止めて体内に潜入する為に用いた。
ウルトラリダクション
体を縮小化させて敵の体内に侵入する。ズルズラーやテツオンの体内に潜入して怪獣化の原因を探った。
透視能力
変身前でも使用可能。
ウルトラマン先生
80が教師として描かれた時期は放送期間の1/4でしかないが、『ウルトラマン超闘士激伝』『ウルトラ忍法帖』『ウルトラマングラフィティ』などといった派生作品では、80は決まって教師として描かれている。
実写作品でも近年は"先生"として描写される機会が増えている。
『メビウス』での客演の際は、「かつての教え子達の同窓会に“招待”される恩師」という役回りで登場したほか、『ウルトラマン列伝』において、基本的に誰でもタメ口を訊くウルトラマンゼロですら「80先生」という改まった呼び方をしているほどである(『Z』のボイスドラマではなぜか呼び捨てになっていたが)。
また、『ウルトラマンタイガ』のボイスドラマでは、かつてタイガが80から勉強を教えてもらっていたことを明かしている他、『ウルトラマンZ』のボイスドラマでも、ゼロがゼットに80から勉強を教えてもらうよう勧めれ、その次の回で80から実際に勉強を教えられている。
元々80は相手に勉強を教えることが得意だったらしく、光の国にも80の教え子は大勢いるようだ。80は地球での仕事に教員を選んだのは、教育を通じて子どもたちから怪獣(の発生原因となるマイナスエネルギー)を生み出す要素を排除することにあったと語っているが、自分の得意分野を生かせるからというのも理由の一つにあったのかもしれない。
ファンアートなど二次創作の分野でも、上掲のイラストのような“先生”役での登場は数知れない。
「ウルトラマンが教師をしていた」という設定はそれだけ印象が強かったということだろう。
本編では様々な事情で長続きしなかった「ウルトラマン先生」だが、それがきっかけで、後年、他のウルトラマンにはない唯一無二のキャラクター(個性)を得たとも言える。
“師匠”とはまた異なるニュアンスで、80は「僕ら(ファン)の先生」なのである。
さて、上記のイメージから品行方正というイメージがあるが、坂丘のぼる氏の漫画「ウルトラマン80サクシウム光線物語」では宇宙警備隊養成センターでの光線技の訓練をサボり、ゾフィーに対して殴りかかるほどの不良青年であった。その結果、光線技が思うように繰り出せず、両親を怪獣に殺されてしまった。その後、ウルトラマンレッドの特訓を受けて会得した技がサクシウム光線という事になっている。無論、これは児童誌設定なので正史での80は真面目だった可能性も無きにしも非ずである。
後のシリーズでの客演
昭和最後の作品と言うこともあり、客演に恵まれなかったが、『メビウス』以降は登場もわずかに増えた。なお、出番そのものが少ないものの、長谷川氏が演者である確率は高く、ウルトラ銀河伝説以外での役者ありでの客演は全て長谷川氏が演じている。
なお、ここでは矢的猛の姿で登場した作品には◎、矢的の姿で登場していないが矢的役の長谷川氏が80の声を担当した作品は●を付記する。
「教え子達に逆に教えられてしまったな…」
詳細は思い出の先生を参照。
ウルトラ銀河伝説
「お前の好きな様にはさせない!」
光の国を襲撃してきたウルトラマンベリアルをジャック、エースと共に迎え撃つが、力及ばず敗北。その後はプラズマスパークを奪われたことで発生した寒波に巻き込まれてしまい、戦闘不能に陥る。
終盤で、ウルトラマンゼロがプラズマスパークを奪還したことで他の住人共々無事復活を遂げた。
ベリアル銀河帝国 ●
ゼロが破壊したダークロプスのコアから、マイナスエネルギーが放出されている事を突き止める。
その後、光の国に大挙して攻め込んできたダークロプスの迎撃に当たるべく、他のウルトラ戦士と共に出動した。なお、本作では『80』30周年企画の一環として、ユリアン共々オリジナルキャストで演じられた。
ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀 ●
「この宇宙で、一体何が起きているんだ…?」
episode1より登場。
「第1章」ではユリアンが会談のため惑星カノンを訪れた際、不測の事態に備えて待機していたが、突如ルーゴサイトが襲来したため迎え撃つ。
星々を滅ぼすコスモイーター相手に互角以上の戦いを展開し、最終的には退却させる事に成功している。
その後、光の国に帰還して状況を報告した後、ネオス、セブン21と共にルーゴサイトの討伐隊を組み、惑星フィードでルーゴサイトと再び相見える。
ルーゴサイトとほぼ互角以上の戦いを繰り広げていたものの、突如アブソリュートタルタロスに連れられて出現したレイバトスが蘇らせたギマイラをさし向けられ、一度は高圧電流を流されて追いつめられてしまう。
しかし、寸でのところでコスモスとジャスティスに救われ、コスモスとジャスティスがネオスとセブン21に加勢したのを見届けると、再びギマイラと対決、最後は投げ飛ばしてダメージを与えたところをウルトラストレートフラッシュで追撃して止めを刺した。
そして再びルーゴサイト戦にて加勢して同時攻撃でサクシウム光線を放ち撃破に成功するも、突如アブソリュートタルタロスの襲撃を受けて動けない隙に抹殺されかけるもコスモス・ジャスティスがバリアを張って庇い爆発するとそこに現れた伝説の戦士により事なきを得る。
その後それまでの経緯をゾフィーに報告する。
「第2章」ではウルトラの父がゼロに精鋭部隊結成の任務を与える場面に立ち会った。
「第3章」ではユリアンの惑星カノンでの会議に付き添うため王族専用宇宙船に搭乗していたが、撃墜され、惑星エビルで辛くも脱出するも自身とユリアン以外は全滅してしまった。
そこに宇宙恐魔人ゼット率いる人工ゼットン軍団の襲撃を受け、迎え撃つ。その後はユリアン、さらにウルトラサインを受けて駆け付けたメビウスらウルトラ戦士と共闘する。戦いではメビウスバーニングブレイブのメビュームバーストとサクシウム光線の同時発射でゼットに攻撃した。
ウルトラマンタイガ・トライストリウムが恐魔人ゼットの相手になった際にメビウスに良い生徒を持ったことを称賛する。
しかしワームホールからゼロが吹き飛ばされ、ユリアンを再び拉致したタルタロスを追おうとしたが、ベリアルとトレギアの光線により足止めされて逃げられてしまう。タイガが追おうとするも敵の居場所がわからない為制止するが、その台詞からもユリアンを連れ去られた悔しさと敵を追跡しようにも足取りを掴む方法がない故に出来ない苦悩を滲ませていた……。
その直後、光の国へ奇襲してきたゲネガーグによりウルトラメダルを強奪される事件が起こったことをヒカリからのウルトラサインで知る。
PV1では該当シーンにて当時のボイスが使用されていたが、本編ではそこも含めた全編にて新規ボイスとなっている。
コスモスのことは、かつてゼロから聞かされて存在だけなら知っていたらしく、彼のことを「慈愛の戦士」と呼び、「ゼロが世話になったな」と礼を述べていた。
余談であるが、長谷川氏も坂本氏が監督を務めた「破裏拳ポリマー」からお付き合いがあり、ちょうど「ウルトラマン80」が2020年で40周年記念でもあったので本作のオファーを快諾した事がインタビューで語られる。
ウルトラギャラクシーファイト運命の衝突
その他の登場人物
演:萩原佐代子
ユリアンの仮の姿で、第43話から登場。星涼子の名は、宇宙船を破壊されて墜落した時のショックで記憶をなくしていたときに、オオヤマによって付けられたもの。
城野隊員の遺言に従い第44話からUGMに参加する。彼女だけ隊服のデザインが違うことや入隊の経緯などから準隊員とされることが多いが、劇中に説明は無い。地球人としての生活に慣れないせいか、テレパシーなどの特殊能力を安易に使ってしまい、地球人と同じ立場で過ごす姿勢を重んじる矢的に窘められることもしばしば。
一方で矢的の恋人気取り(逆玉のゆり輿だなあ)の部分もあり、矢的が他の女性と親しそうにしていると焼きもちを焼くことも。身体能力は高く、それを目の当たりにした城野隊員は、オリンピックに出たら絶対優勝だと発言した。身体能力と柔軟性が高いので水泳や新体操が得意。
UGM
オオヤマ一樹
演:中山仁
元は防衛軍航空部隊特別指揮官で、ジャックナイフ・フライトやマッハ2での垂直降下などの難度の高い操縦も難なくこなすエースパイロット。
当初から登場のUGM極東エリア支部の所属隊員の中では唯一怪獣との実戦経験を持ち、過去5年間現れなかった怪獣の活動の兆しと見られる現象が起きたことに警戒を強め、独自に調査を進めていた。イトウの着任後は本部で総指揮を行うことが基本となる。
イトウ順吉
演:大門正明
前線に出ることが少なく本部のパドックから指令するオオヤマに代わり、前線で直接指揮をする実務派。責任感が強く厳しい面もあるが、気さくな性格で時折コミカルな面も見せる。オオヤマの5年後輩で、見習い時代に単身でエイリアンを捕らえて地球侵略計画を白状させた功績から、ヨーロッパエリアに配属されていた。
イトウ順吉を演じた大門正明は『帰マン』第18話でも別人としてゲスト出演している。
ハラダ時彦
演:無双大介
イトウチーフの加入前は副隊長格を担っていた。元アマチュアボクシングの日本チャンプという設定があり、野外を走り回っているのが似合うと自称する。
兄弟が多いらしく、第26話を最後にオーストラリアゾーンに転任するが、最終回でタジマと共に駆けつける。26歳。
タジマ浩
演:新田修平
射撃の名手でダイナミックショットを愛用し、ハラダとコンビを組むことが多い。第20話ではオコリンボールに襲われ、仮死状態になってしまう。ハラダと同じくオーストラリアゾーンへ転勤となるが、最終回でハラダと共に駆けつける。23歳。
演:石田えり
20歳。父親は宇宙生物学の権威の城野重蔵博士。操縦技術などは男性隊員と互角で、しばしば最前線にも出動する。矢的の学校勤務中に事件が発生し、UGMへの連絡を促すために私服で桜ヶ岡中学校付近に現れたこともある。
UGMヨーロッパエリア基地に存在する女性部隊のキャップを目指していたが、ガラガラ星人にユリアンと誤認されて捕らえられ、矢的を庇って殉職する。
なお、最終回に際し、初代隊員全てが顔をそろえ80の旅立ちを見送るという機会に合わせ科学班製作の「アンドロイド・エミ」が登場する。
フジモリ新八郎
演:古田正志
UGM三期候補生出身で、イケダとコンビを組むことが多い。個人的エピソードがほとんど描かれないため、詳しいパーソナリティは不明の点が多い。
ただし、話のなかで猛が敬語を使い、フジモリが命令口調でしゃべるシーンがあったり、猛のことを「オイ、矢的」と呼び捨てにしていることから、猛よりも先輩であるということが窺える。
イケダ登
演:岡本達哉
UGM六期候補生出身で、性格はいたって能天気。また、その性格ゆえか彼の発言には名(迷)台詞が多い。矢的とコンビを組むことも多く、矢的のことを「先輩」と呼んで慕っている。
やまなみ村の出身で、叔父夫婦もそこに在住。
劇中で地球防衛軍戦闘機、スカイハイヤー、シルバーガル、エースフライヤーの4機全てに搭乗している唯一のUGM隊員である。
桜ヶ岡中学校
矢的の赴任先となった中学校。
『メビウス』では少子化に伴う生徒数減少の影響で廃校になることが決まっていた。
教職員
林憲之介
演:坊屋三郎
外見はいつもひょうきんな姿教頭に注意されることが多いが、教師や生徒たちにはしっかり気を配っており、猛の行動にも理解を示している。
校内で猛のUGM勤務を承知している唯一の人物。
※演者の坊屋は戦前から戦後にかけてボーイズ演芸「あきれたぼういず」で人気を博し、1951年に解散後は俳優に転身。2002年死去。享年92歳。
野崎クミ
演:和田幾子
真面目で少々口うるさくヒステリック。矢的に対しては様々な場面で厳しく当たっている。
内心では猛に共感しているとの設定もあったが、具体的には描かれないまま終わっている。
相原京子
演:浅野真弓
矢的と共に桜ヶ岡中学校に着任、担当は体育。
入学式で見事な体操の腕前を披露し、ピアノ演奏もこなす才女だが料理は苦手。
ノンちゃん/小坂ユリ子
演:白坂紀子
明るく生徒からも人気のある桜ヶ岡中学の若い女性事務員で、姓は「山口」。
後に彼女と瓜二つのUNDA気象班・小坂ユリ子が登場し、矢的は驚くことになる。
1年E組
演:上野郁巳(80)/中村良平(メビウス)
物事をなんでも理論的に考えるインテリではあるがクラスの人気者。
本名もあだ名と同じ字で上野博士(ひろしと読む)。
第12話では転入生の青山ミリー(ビブロス星人)と心の交流を持った。血液型はO型。
『メビウス』再登場時には大学の研究員になっていた。
落語
演:鍛代順一(80)/金と銀(メビウス)
その名の通り落語調で話す。本名は鍛代順一(演者と同じ)。
矢的の担当教科である理科が苦手。血液型はO型。
『メビウス』再登場時には地元の信用金庫に就職している。また、スーパーや塚本と共に同窓会を企画している。
スーパー
演:清水浩智(80)/浅木信幸(メビウス)
家がスーパーマーケットであるためそのままあだ名になっている。
父親と姉・広子の三人暮らしだったが、姉が安心して結婚できるようにと再婚話を受けたふりをした父を誤解したこともあった。
本名は「ススム」。虫歯が多いらしい。
『メビウス』再登場時には家業のスーパーを継いでいた。また、落語や塚本と共に同窓会を企画している。
演:久野みどり(80)/奏谷ひろみ(メビウス)
4人組の中で唯一の女子だが男勝りな性格。
ミスE組である。血液型はO型。
『メビウス』再登場時には既に結婚しており、3児の母親となっている。
塚本幸夫
演:藤原哲也(80)/吉見一豊(メビウス)
不登校だったが矢的の説得で克服する。ギコギラーに襲われた際、守ってくれた80に矢的の姿を重ね合わせ、その後も矢的を80だと信じ続けていた。
『メビウス』では矢的に憧れて教師となっており、母校である桜ヶ岡中学校で教鞭を取っている。物語の冒頭で、自分と同じく不登校になっていた少年:カイを説得している。その後、ふとしたことで再会した落語やスーパーと共に、廃校になることが決まった桜ヶ岡中学校で同窓会を企画する。
中野真一
演:斉藤康彦(80)/紀伊修平(メビウス)
恋人のみどりをライバルにとられてしまった憎しみからマイナスエネルギーを発生させ、ホーを誕生させてしまう。
しかし矢的の説得で目覚め、危機に陥ったみどりを体を張って守った。
『メビウス』再登場時には既に結婚していた模様。また、上記のエピソードを博士、落語、スーパー、ファッションの4人から茶化されるという一幕もあったほか、ホーが出現した際には「おまえ、またやらかしたな!?」と仲間たちから詰問されていた。
大島明男
演:小田敏治
自分は違う星で生まれた宇宙人だと思い込み、この地球には居場所はないと思っていた。しかしアブドラールス出現の折に負傷した際、クラスメート達の輸血によって助かったことで、自分が地球人だと納得した。血液型はO型。
『メビウス』では直接の登場はなかった(ただし、同窓会に顔を出していた可能性はある)。天文学者となっており、オオシマ彗星という新しい彗星を発見している。なお、このオオシマ彗星は『メビウス』の中盤でそれなりに大きな役割を果たすことになる。
岡島アキラ
演:新敷浄
仲間と共にロックバンドに熱中していた。
しかしそれが原因で、ノイズラーが近づいてしまう。
『メビウス』では直接の登場はなかったが、同窓会に顔を出していた可能性はある。
マリ
演:秋元美智恵
博士に好意を寄せているのか、博士とミリーに嫌がらせをする。
『メビウス』では直接の登場はなかったが、同窓会に顔を出していた可能性はある。
主なゲスト出演者
島本須美:スーパーの姉・広子(第4話)
渡部猛:医師(第6話)『ウルトラマンタロウ』のモチロン、ベロン、ドロボン、『レオ』のキララの声を演じた。
佐原健二:城野重蔵博士(第15・27・28話)。⇒東宝特撮・円谷作品の常連。
大林丈史⇒詳細はこちら。第30話に別役で出演。かつてブラック指令を演じた。
幸田宗丸(第26話)⇒三大特撮ヒーローに出演した俳優の一覧参照。
睦五郎(第27話)⇒『電脳警察サイバーコップ』のフューラー役など多数の特撮作品に出演。
南利明(第29話)⇒元「脱線トリオ」。かつてCMでも有名だった。
ガッツ石松、秋元羊介、宍戸勝(現:宍戸マサル)(第32話)⇒ガッツは元ボクシングWBC世界ライト級チャンピオン、秋元は声優としてマスター・アジア等を演じ、宍戸は後に『超力戦隊オーレンジャー』の星野吾郎/オーレッドを演じた。
常田富士男(第35話)
大前均(第35話)⇒詳細はこちら。ドギュー、格闘技怪人、バンリキ魔王を演じた。
信沢三恵子(第36話)
高木均(第36話)
浜田晃(第38話)⇒『仮面ライダーストロンガー』のタイタンを始め仮面ライダーシリーズに出演。
松崎真(第40話)⇒『笑点』の5代目(先代)座布団運びで知られる。
及川ヒロオ(第40話)
桜井浩子(第41話)⇒『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラマンレオ』に出演。
鶴田忍(第42話)⇒『スペクトルマン』に出演。(詳細はこちら。)
きくち英一(第42話)
放映リストと登場した怪獣、宇宙人
主題歌
作詞:山上路夫/作曲・編曲:木村昇/歌:TALIZMAN
「遠くの星から来た男も知っていたんだ涙の味を」
第1期OP。OP映像は『ウルトラマンA』以来の影絵を使用している。なお、路線変更の影響で途中から影絵はイントロ部分のみの使用となり、UGMが活躍する映像や『ウルトラマンレオ』からの流用映像が使用されている。
作詞:山上路夫/作曲・編曲:木村昇/歌:TALIZMAN、コロムビアゆりかご会
「頑張れみんなの ウルトラマン」
第2期OP。第1期の後半と同じ映像構成となっている。
- レッツ・ゴー・UGM
作詞:山上路夫/作曲・編曲:木村昇/歌:TALIZMAN
「レッツ・ゴー・UGM・UGM!」
第1期ED。UGMのテーマソングだが、劇中ではインストゥルメンタル版が使用された。
映像もUGMのメカニックを全面に押し出したもの。
実写版ウルトラシリーズとしては初のEDでもある。
- 地球人だよ
作詞:山上路夫/作曲・編曲:木村昇/歌:TALIZMAN、コロムビアゆりかご会
「明日が君たちを待っているのだ 明日もいいことがきっとあるだろう」
第2期ED。映像構成は前期に同じ。
作詞:満田かずほ/作曲:冬木透/編曲:武市昌久/歌:ぬまたこうじ
「今は青いこの星で 愛する小さな友の為 心を燃やすあいつ」
矢的猛のテーマソング。最終話で使用された。
40周年
2020年4月2日に放送40周年を迎えたことから、円谷プロYouTube公式チャンネルにて本作の無料公式配信が開始された。当時の放送時間と同じ毎週木曜の19:00に1話ずつ更新される(これに伴い、同じ曜日に配信されていた前作『ザ☆ウルトラマン』は金曜に移動)。
『80』ファンからは喜びの声が上がっており、前作同様マイナー扱いだった本作が若い世代にも認知されると共に、再評価を受けるきっかけとなった。
そして、最終回配信の前日には、別企画だが『80』真の最終回と評される客演回『ウルトラマンメビウス』第41話の配信された。
さらに、同年11月22日に配信が開始された『ウルトラギャラクシーファイト・大いなる陰謀』にて、80&ユリアンが揃って登場(ちなみに、監督の坂本浩一氏は、「2020年は『80』が40周年だから何かやりたい」と以前に別のインタビューで答えていた)。80のCVは『ベリアル銀河帝国』以来となる長谷川初範氏本人が担当する事となり、同時にユリアンのCVは人気声優の戸松遥氏が担当した。
同作には、80やユリアンの他にも『80』の怪獣であるギマイラが登場し、今後はザンドリアス、ノイズラーの登場も予定されており、40周年を機に環境が激変し再び注目を浴びつつある。
余談
サブタイトル
後期のサブタイトルがやたらぶっ飛んでいることでも有名。
よく知られたものとしては「ヘンテコリンな魚を釣ったぞ!」「さすが!観音さまは強かった!」「バルタン星人の限りなきチャレンジ魂」「あっ!キリンも象も氷になった!!」辺りだろうか…。もちろんこれだけではないので気になった人は探してみるのもいいかもしれない(?)
不遇?
40周年を迎えた今でこそ再注目されつつあるが、本作を含む第3期ウルトラシリーズは長い間公式から悪意のないスルーを受けることが多々あり、不遇な印象が強かった。
例としては、2016年にウルトラシリーズ放送開始50周年という大事な節目を記念して、NHKで放送された「祝ウルトラマン50 乱入LIVE!怪獣大感謝祭」のアンケートの中でアニメ作品の前作『ザ☆ウルトラマン』共々、昭和シリーズでありながら選択肢から外されてしまうという憂き目に遭っていた。
さらに、アーケードゲーム『ウルトラマンフュージョンファイト!』にも参戦したものの、彼だけ特撮TVシリーズで主人公を務めたウルトラ戦士の中で唯一、自分の力をお貸ししたフュージョンアップ形態やフュージョンライズ形態を用意してもらえていない。ちなみに、これは昭和ウルトラマンでは唯一である(もっとも、これには80がウルトラ戦士の中でもかなりプレーンな存在であるため、初代などの戦士と特徴が被ってしまい差別化しづらいといった事情も絡んでいると思われる)。 なみに当初はウルトラマンゼット・ベータスマッシュのウルトラフュージョン形態に80が含まれる予定だったが、諸事情の都合によりウルトラマンタロウに変更された。
映像作品への客演にもなかなか恵まれず、『ゼロファイト』、『ファイトビクトリー』、『ファイトオーブ』、『ウルトラギャラクシーファイト』第1作などのファイトシリーズでも、昭和ウルトラマンの中では唯一出演できていなかった。
また、バンダイのソフビ『ウルトラ怪獣シリーズ』では怪獣のラインナップが少なかったうえに、2002年にはギマイラの生産終了により定番から消滅。さらに2013年には500シリーズとして仕切り直されたもののサラマンドラのみの発売のうえに後に生産終了。なんと主役のヒーローであるはずの80まで一時は生産終了していたことがある。
そもそも、ウルトラシリーズだけでなく、大抵の特撮ヒーロー番組は「ちびっ子がお父さんになってから息子に見せる」という流れを組んでいる。平成のウルトラシリーズやライダーシリーズは、かつて子供だった世代が親世代となった土台に注目して制作されたが、第3期ウルトラシリーズの場合放映時期が他の昭和ウルトラマンとズレており、リアルタイムで見ていた世代が限られているため認知度が低いという問題点がある。また、第3期の作品は2作品しかなく、それに加えて片方はアニメ、もう片方は実写作品であり、前作が今作との繋がりがない事から、一部では単発で終わったと説明される子もある。
とはいえ、特撮の技術は当時としてはかなりのもので、路線変更の恩恵かストーリーも多彩だったりする。80のアクロバティックなアクションも今見ても見ごたえがあるため、本作のファンは少なくない。
ちなみに『ティガ』の主人公マドカ・ダイゴ役を演じたV6の長野博と『ダイナ』の主人公アスカ・シン役を演じたつるの剛士は幼少期時代にリアルタイムで『80』を見ていたという。
シリーズの空白期を支えただけあって、ウルトラシリーズが「もっとも派生作品が多く作られたテレビドラマ」としてギネスブックに認定された際には、1980年代を背負って他のウルトラ戦士(60年代代表、70年代代表、90年代代表、2000年代代表、2010年代代表)と共に授賞式に登場した。
また、公式が過去作の宣伝に力を注ぐようになった影響で、最近では『80』出身の怪獣であるザンドリアス、ノイズラー、ギマイラの着ぐるみが新規造形され、新世代シリーズにゲスト出演して活躍するなど、少しずつではあるが『80』やそこに登場したキャラクターたちにも注目が集まるようになり、40周年を機に再び脚光を浴びる事となった。
関連イラスト
関連タグ
ウルトラマンギンガ:『80』とは逆に高校生がウルトラマンに変身する作品。
ウルトラマンレオ→(ザ☆ウルトラマン)→ウルトラマン80→(ウルトラマンUSA)→(ウルトラマンG)→(ウルトラマンパワード)→(ウルトラマンゼアス)→ウルトラマンティガ
3年B組金八先生:先述の小山内女史が過去のウルトラシリーズで2作脚本を描いていたり、前々作の子役レギュラー(杉田かおる、新井つねひろ)が参加したりと縁が深い。
超音戦士ボーグマン:同じく教師がヒーローに変身するアニメで、2クールも教師を務めた。
地球戦隊ファイブマン:同じく教師がヒーローに変身する特撮作品。
電磁戦隊メガレンジャー 仮面ライダーフォーゼ:こちらは後日談となる作品で主人公が教師になっている。
仮面ライダーBLACKRX:放映後長らく新作TVシリーズが製作・放映されなかった仮面ライダー。こちらは「クウガ」まで10年作られなかったが、視聴率は決して悪かったわけではなくその理由には色々と複雑な事情があった。
地獄先生ぬ~べ~:少年ジャンプに連載されていた怪奇漫画で、『80』、『ボーグマン』、『ファイブマン』が果たせなかったコンセプトを完遂。
ポケットモンスターXY:以前に登場した仲間が殆ど登場しないアニメ作品。