海賊(ONEPIECE)

かいぞく

海賊とは、少年漫画『ONE PIECE』において海賊旗を掲げ略奪や冒険を行う航海者達の事である。

概要

作中では航海者の内、海賊旗(髑髏の描かれた旗)を掲げた集団を総じて「海賊」と定義しており、そこに略奪行為などの具体的な犯罪行為の成立は必要とされない。海賊旗を掲げた瞬間、その者は略奪、奴隷、殺人などの被害に遭っても文句は言えない人権を失った犯罪者の立場となる。また、海賊の中には国際統治機関世界政府の組織である海軍により指定を受け懸賞金を掛けられた凶悪犯(賞金首)も多数いる。彼ら海賊は24年前の“海賊王”ゴールド・ロジャーの公開処刑を境に爆発的に増え、大海賊時代という一時代を築いている。

読み切り版との違い

ONE PIECEの雛形と言える読切作品「ROMANCE DAWN」では、これら海賊を更に二種類に分類し、1つをモーガニアと呼ばれる一般市民からの略奪行為を行う典型的な海賊、もう1つをピースメインと呼ばれるモーガニアの海賊を対象に略奪行為を行う義賊的な海賊としている。

しかし、連載版に伴い、この設定はオミットされている。

ONE PIECEにおける「海賊」

基本的には、どのような実態であれ、他船や市民からの略奪行為によって金品を得る犯罪者、もしくはその集団がONE PIECEにおいては「海賊」と定義されている。船を使って島と島の間を移動する者が海賊とされ、島一つに収まっている場合は山賊やギャングなどと呼ばれる。

海賊の特徴

殆どの海賊は海賊団と呼ばれる集団を結成して航海をしており、航海上で立ち会った先々の島や、航海上で発見した船舶を襲撃して収入を得ている。

ただし、必ずしも海賊の収入な船舶への襲撃によって得られるとは限らず、四皇は「ナワバリ」とした島々の住民からみかじめ料をもらい、その見返りに島の護衛を行なうことで収入を得ており、他にもカジノの経営などの違法行為によって収入を賄っていることもある。

ルフィたち麦わらの一味の場合は、敵海賊団への襲撃や所有者不明の財宝を探し当てて保有することでそれらを行なっている。

しかし、世界政府によって「海賊」と定義された者の中には、犯罪に手を染めた訳ではなく、単に知的好奇心によって航海を行った者も含まれている。

特に歴史の本文(ポーネグリフ)と呼ばれる歴史の記された石を探し回ることは重罪とされ、これを探し求める者は、例えそれ以外のどんな犯罪を行なっていなくても「海賊」と見做される。

この為、定義によって海賊とされた者は、自身のことを探検家や考古学者としか認識しておらず、世界政府がそこまでして自分たちを排斥しようとする理由が分からず、政府への不信感や抵抗を強めることもある。

その為、政府に無許可で航行を行う人間を海賊として定義して差し支えない状況である。

海賊の懸賞金

基本的に海賊と認定される者は、海軍及び世界政府によって懸賞金がかけられる。

ただし、注意点として、海賊にかけられる懸賞金とは戦闘能力そのものを表しているのではなく、世間に与える「危険度」を表しているとされる。

つまり、高い戦闘能力を持つ海賊は、暴れた際に巨大な被害を与える為に高い懸賞金がかけられるが、それ以外にも、世界を滅ぼしうる兵器を復活させうる「考古学者」や、大量殺人兵器を開発しうる「技術者」なども、その知識や技術が高い危険性を持つとして、高い懸賞金がかけられる。逆に四皇の大幹部であっても防衛主体であり遠征に出ない者は政府への脅威度が低いと見做され懸賞金が安くなる傾向がある(といっても億越えだが)。

また、懸賞金においては一つの目安となる「格」があり、1億ベリー越えからは明確に高い実力を持つ大物海賊として扱われ、10億ベリー越えからは世間に甚大な影響を与える大海賊として扱われるようである。

特に、10億を超えるかどうかはかなり大きな目安であり、主人公であるルフィは、15億ベリーもの懸賞金がかけられたことで四皇に並ぶ「五番目の海の皇帝」として称えられていたこともある。