被害者たち「ゲーフリ、よくもこんな基地外特性を!」
概要
ポケットモンスターではゲーム内のトレーナーやジムリーダーと戦って己のポケモンと絆を深めるストーリーモードの他に、プレイヤー同士で育てたポケモンをぶつけどちらが強いかを競うレート対戦がある。
その対戦において重要な要素の一つが特性であり、それを理解して指示を出すことが勝利へと繋がるのである。
中には対戦では役に立たないもの(にげあし、はっこう、スロースタート、みつあつめ、よわき、たまひろい)もあるが、そのなかでも一部、明らかに強力な特性も存在する。
一覧
一般(五十音順)
あまのじゃく
第5世代初登場の「能力変化のアップ・ダウンが逆になる」ひねくれ特性。
ばかぢからやリーフストームといった「使用後に反動で能力が下がってしまう技」が積み技になってしまう。
いかくやミラーアーマーのデバフ反射を喜んで受け、トリックルームが切れるギリギリの状況でルームサービスを発動させて敢えて素早さを上げるなど活用方法はさまざま。
バフをかけるダイマックスわざと相性が良くないのが弱点。
なおこの効果はマックスレイドバトルのバリア破壊にも適用されてしまうため、この特性を持つポケモンのマックスレイドバトルはとにかく鬼畜として有名。
いたずらごころ
第5世代初登場の「変化技の優先度が+1になる」特性。先制でおいかぜをして素早さ操作にはじまり両壁(ひかりのかべ、リフレクター)を貼る、相手を状態異常にする、積み技などサポートとしては超強力な特性。エルフーンやヤミラミの害悪ぶりは有名。
世代を追うごとに先制技を封じる特性や技、サイコフィールドの登場、あくタイプに対するいたずらごころ持ちの変化技無効、変化技が無効のおうごんのからだの登場と徐々に弱体化しつつはあるものの、味方へのサポートとしては依然強力な特性。「特性がいたずらごころである」ことを逆手にとってあくタイプを釣る戦術も編み出されている。
いろめがね
第4世代初登場の「「こうかはいまひとつ」の技のダメージが2倍になる」特性。むしタイプなど無効タイプがないタイプの技と相性がよく、1/4の相性でないと等倍になってしまう。第9世代のテラスタルとの相性もいい。
おうごんのからだ
第9世代初登場の「相手の変化技を受けない」サーフゴーの特性。
こいつの存在は変化技主体の起点作りポケモン涙目であり、第9世代の対戦での地位を大きくあげる要因になっている。
ただしかたやぶりやフィールドに展開する変化技は防げない抜け穴は色々あるので完璧で無敵という訳ではないのはご愛敬。また味方が放つ補助の変化技も無効化してしまうため、ダブルバトルでは特に注意が必要。
おやこあい
6世代から登場したチート特性の筆頭。効果は「連続攻撃・全体攻撃以外の攻撃が2回連続で出る。但し2発目の威力は半減する」というもので、ポケモンの歴史上最も壊れた専用特性。これのせいで
・グロウパンチを放つと攻撃力が2段階上昇
・タイプ一致すてみタックルで高耐久・タスキ持ちポケモンをも落とす
・特殊型にすることでてつのトゲ・ゴツゴツメット持ちさえ機能させなくする
・ふいうちを透かすためにしんそくをしたカイリューがカウンターで4倍返しされた(固定ダメージ技は半減しないため)
・第2回ポケモン竜王戦においてドーブルが変身で味方のメガガルーラになることで地獄絵図を作り出し、対戦相手の小学生を号泣させる
といった数々の暴挙を犯し、ガルットモンスターの名をほしいままにした。
あまりにも強すぎたため、第7世代で2回目の攻撃の威力が1/4に弱体化することに。それでも「だいたいの技が2回攻撃」という効果自体が強いうえに「おやこあいカウンター」は第7世代でも据え置きだったのでまだまだ強力な部類だった。
だが第8世代でついにメガシンカが全廃。これによりガルットモンスターは終焉を迎えることとなった。
かげふみ
第3世代から存在している「この特性を持つポケモンがバトルフィールドにいる限り、相手の交代や逃走を封じる」対戦はもちろん、ストーリーでもやられると非常にウザい特性。
第3世代当時はソーナンス系統同士が当たってしまえば延々とバトルが終わらないという問題も起きていた。
第4世代からはこの特性を持ったポケモンにはかげふみが効かない仕様となったので、これを利用すれば逃げることも可能になった。他にも交代効果のある技やきれいなぬけがら、だっしゅつボタンを使えば交代が可能。第6世代からはゴーストタイプにも無効となったが、それ以外のタイプには十分恐怖の対象である。
似たような特性に浮いていないポケモン用のありじごく、はがねタイプ専用のじりょくがある。こちらは同じ特性同士がかち合っても有効。
かそく
第3世代から存在している「毎ターン終了時に素早さが1段階上昇する」というシンプルかつ強力な特性。ポケモンは素早さの数値1が違うだけで先手後手が決まってしまうゲームなため、この「素早さが上がり続ける」効果がいかに恐ろしいか。
第8世代で素で素早さ200という超速モンスターが出現してしまったため、この特性の重要度もかなり増してきている。
ちなみに例の超速モンスターさんもバトンタッチで上がった素早さを引き継げば恩恵を受けることができる。
かたやぶり、ターボブレイズ、テラボルテージ
第4世代(後者2つは第5世代)初登場の特性で技を出す時、相手の特性の影響を受けない効果を持つ。
この特性にかかればばけのかわもてんねんもがんじょうもふしぎなまもりもクリアボディもマルチスケイルもハードロックもファーコートやこおりのりんぷんも簡単に貫けるし、ミラーアーマーやマジックミラーにおびえる必要もないが隠せないのが最大の欠点。
第9世代からは変化技限定で後攻になる代わりに変化技限定でかたやぶり効果がついたきんしのちからも登場した。こいつの場合は強制後攻がむしろ足枷になっている感が否めないが。
またとくせいガードを持たせるとかたやぶり効果を無効化することができるため、完全に無敵ではなくなった。だが持ち物である以上は火力や防御面、素早さを諦めることになるし叩き落とせば無効化できるので、この持ち物でかたやぶり対策をするのであればそれなりのスペックを要求される。
かわりもの
第5世代初登場の特性で「バトルフィールドに出た時点で目の前にいるポケモンに変身できる」というメタモン専用特性でメタモンの評価を激変させた強力な特性。
そもそもへんしんという技が姿や技だけでなくその時点の能力変化もコピーできる仕様なため、ザシアンに変身すればふとうのけんを実質2回発動した状態のザシアンが現れることになる。弱点はみがわりをされたりすると不発に終わってしまうこと。最近はこの対策でみがわりを覚えたザシアンがちらほら。
第9世代からはザシアン、ザマゼンタの特性は最初の1回限りと制限される、テラスタルオーガポンには変身できないなど完全にこいつを意識したと思われる調整が施されている。
ダブルバトルやトリプルバトルでは目の前にいるポケモンに変身する仕様なため、シングルバトルに比べると扱いが難しい。
がんじょう
第3世代からあるものの、強力な特性となったのは第5世代から。
従来の一撃必殺技無効に加え「HPが満タンの場合、一撃で倒される技を受けても必ずHPが1残る」ようになった。この仕様変更により、レベル1のポケモンががむしゃらでボコボコにしたうえでかいがらのすずやリサイクルで回復をひたすら繰り返すという対策しないと延々とハメられる害悪戦術が流行ることに。
第8世代のランクマッチでレベル50統一となったのはこれが原因だとか。
それでもかたやぶりや行動不能になる状態異常持ちのポケモンにでも遭遇しない限りは行動が保障されるという効果は十分強力で、起点作りやカウンター、ミラーコート、メタルバーストで突っ込んできたポケモンの処理などを行って仕事が終わったら終わったでイバンのみで行動を早くして一矢報いるといった使い方が可能。
また、ヌケニンが何らかの手段でこの特性に書き換えられると特殊な手段以外では倒せなくなる逆マジックガード状態になる。
きもったま、しんがん
第4世代初登場の「ゴーストタイプにもノーマル、かくとうタイプの技が当たるようになる」特性。
サザンドラ+ギルガルドのコンビ(通称サザンガルド)の相性補完を貫ける他、ねこだましやばくおんぱ、ハイパーボイスといった有用なノーマル技をゴーストタイプに怯えずに撃てるようになる…とただでさえ優秀な特性だったが、第8世代からはいかくを無効化するようになった。
シナリオ攻略や捕獲要員の特性としても非常に優秀。
第9世代からはいかく耐性をするどいめに置き換えたガチグマ(アカツキ)の「しんがん」も登場。
きよめのしお
第9世代初登場の「状態異常にならない+ゴースト技のダメージを半減させる」キョジオーンの特性。
前者の時点で十分ヤバい効果だが、こいつはその上にゴースト技耐性を持つ。(塩だけに)盛り過ぎで起点作りポケモン涙目である。
キョジオーンはこれ以外の2つの特性も十分優秀だがこいつの存在は特に大きく、さらに超優秀な専用技の存在もあってサーフゴー共々対戦環境でよく見かけるポケモンの一角となっている。
例によって防御系特性なのでかたやぶりに弱いのはご愛敬。
さいせいりょく
第5世代初登場の「自分が手持ちから引っ込むと、最大HPの1/3を回復する」特性。
交代を回復として使えることからサイクル戦でマラソンを仕掛けることができる。
この特性を生かしたサイクル戦対策のためにステルスロックやまきびしを仕掛けるケースも多くなったが、第8世代になってあつぞこブーツが登場。ホウオウにとっては火力を取るか安全を取るかのうれしい悩みとなっている。
すいほう
第7世代初登場のオニシズクモ一族専用の特性。「ほのおタイプの技で受けるダメージを半減する」、「やけど状態にならない上にかたやぶりで強引にかけても回復する」、「自分が使用するみずタイプの技の威力を2倍にする」の特性てんこ盛りセット。複合した効果を持つ特性はだいたいデメリットもついてくることが多いが、この特性はなぜかそういうデメリットがないという意味では破格。
オニシズクモ自身が良くも悪くもこの特性頼みな性能ゆえに環境とまでは至ってないが、ダブルバトルでなかまづくりを使用して味方のカイオーガ達にばらまかれるとすさまじいことになる。
すりぬけ
第5世代初登場の「両壁やしんぴのまもり、(第6世代から)みがわりを無視して攻撃できる」相手のサポート戦法を無に帰せる特性。
優秀だが所有者がサポート気質なポケモンが多めという難を抱えていたが、第8世代にて600族のドラパルト一族が通常特性として所有。防御性能に難を抱えるポケモンの天敵となっている。
たんじゅん
第4世代初登場の「能力変化が2倍になる」特性。則ち積み効率が倍になる。下げ幅も同じく倍になるためデバフ持ちには滅法弱いが、短いターンで能力を引き上げる事が出来るのは魅力的。所有者の一種であるココロモリは素早さ以外の種族値が低水準ながら、豊富な積み技とこの特性の組み合わせによりレートバトルでも活躍が見込める存在となった。
また、シンプルビームを使えば一部を除く他のポケモンも一時的にこの特性になる。基本的には他の有用な特性を消すために使われる技だが、ダブルバトルやトリプルバトルで味方に使ってから積ませることで火力お化けや要塞を生み出す、ロマンあるコンボが可能。
ちからもち、ヨガパワー
第3世代から存在する「攻撃の実数値が2倍になる」おやこあいすら霞むぶっ壊れ特性。メガシンカ全廃の現在でもマリルリやホルードがよく使われている。この特性を持つ一般ポケモン勢の攻撃実数値が50、60と控えめだったからまだよかったものの、第6世代で攻撃種族値3桁のメガシンカ勢が手に入れてしまった。
これで攻撃ランクが6段階上昇ともなれば、中途半端な硬さのポケモンは軒並みぐちゃぐちゃに潰される。
なお適用範囲を削り、倍率を少し削ったかたいツメ、がんじょうあご、きれあじ、(パンチグローブ込みの)てつのこぶし、代償付きのはりきり、ちからずくも十分優秀で、こちらは攻撃種族値100越えのポケモンにも採用されている。
特にはりきりはじゅうりょくを絡めればターン制限付きだが命中不安を克服できる。
てんねん
第4世代初登場の「相手の能力変化を無視する」積みポケキラーな特性。
下降も無視してしまう欠点こそあるが、ある程度の硬さと回復技さえあれば生半可な火力では倒れない程度に硬くなれる。
第8世代の禁止伝説ありルールではただでさえ火力が高いのに登場と同時に攻撃力が1段階上昇するザシアンや彼女に変身してさらに攻撃力を1段階上げたメタモンが大暴れしていることもあって、耐久を底上げしたヌオーの採用率が上昇している。
てんのめぐみ
第3世代から登場している「追加効果の発動率が2倍になる」特性で白い悪魔を悪魔たらしめている悪魔の特性。
素の追加効果発生率が高ければ高いほど効果は高くなり、3割で怯む技がトラウマになること間違いなし。
りんぷんやおんみつマントといった追加効果を無効化するものには弱い。またチャージビームは特定条件を満たすとバグによるオーバーフローにより発生確率が下がってしまっていたが、第9世代で修正された。
ハードロック、フィルター、プリズムアーマー
第4世代(プリズムアーマーは第7世代)初登場の「『こうかがばつぐん』の技で受けるダメージを3/4に軽減する」特性。
4倍弱点の場合は軽減されるとはいえ3倍なのであまり恩恵を感じないが、2倍弱点しか持たないポケモンの場合はかなりしぶとくなれる。これであえて弱点を受けてじゃくてんほけんを発動させるのが主な使い方。第9世代ではテラスタルでネックだった4倍弱点を消すことができるのも◎。
プリズムアーマーの場合はさらにかたやぶりを無効にする効果も持つため、第8世代の禁止伝説ありルールでは黄昏ネクロズマの採用率がかなり上がっている。
ばけのかわ
第7世代初登場のミミッキュ専用特性。「1戦闘につき1回だけ、技によるダメージを無効にする」上にフォルムチェンジに関係するためにかたやぶり以外の特性に関与する技・特性の効果を一切受けつけないという地味に嫌な能力を備えている。なのでかたやぶり系統以外の特性や同効果を持つ技以外はたとえ1試合に1回だけの超強力な攻撃でも皮さえあればノーダメージで受けられてしまう。
あまりに強力過ぎたため第8世代では化けの皮で受けると最大HPの1/8のダメージを受けるようになり、実質きあいのタスキが持てないようになった。それでも他の要素は据え置きなため、大技を1回だけ最大HPの1/8で受けられると考えれば十分ぶっ壊れの部類。
ガラルマタドガスのかがくへんかガスもフォルムチェンジ絡みという点が功を奏して無効なため、やっぱりぶっ壊れ特性には変わりない。
第8世代初登場のコオリッポ専用のアイスフェイスは第7世代のこの特性を物理限定にして、あられ(ゆき)が降り始めたタイミングで復活できるようにしたような特性。
ファーコート、こおりのりんぷん
第6世代初登場の防御系特性。「物理技のダメージを半分に抑える」というシンプルながらも強力な特性。第8世代からはモスノウ一族専用の特殊技版こおりのりんぷんが登場した。
前者の特性を持つトリミアンやアローラペルシアンは防御種族値60と数値上では決して硬い部類ではないが、この特性のおかげで物理にはめっぽう強い。
後者の特性を持つモスノウは特防種族値90と高めの数値ながら弱点が多く、4倍弱点を2つ持つためそこでバランスを取っていると思われる。
だが、この特性が本当の意味で恐ろしいのは弱点が少なくて防御種族値が(実質を含め)3桁のポケモンの手に渡った時。こうなると上がってない方のステータスを突くか、かたやぶりや特殊な手段にすがるしかなくなる。
そして第9世代。モスノウにテラスタルを切ることで4倍弱点を消し、マジもんの特殊要塞と化すことができるようになった。
ふしぎなまもり
第3世代初登場のヌケニン専用の特性。「弱点タイプ以外の技でダメージを受けない」という点ではぶっ壊れだが、HPが1固定で弱点が結構多めなヌケニン本人のスペックの都合で忘れた頃にやってくる恐怖こそあれど環境破壊とまでは至っていない。むしろヌケニンだからこそ存在が許されているといっても過言ではない。
この特性が本当の意味でぶっ壊れとなるのは、一部の弱点が少なくて高耐久のポケモンがこの特性をトレースで手に入れてしまった時。こうなるともうヤバいを通り越して泣きたくなる。どくどくの取得者が大幅に減った第8世代ならなおさら。
ポイズンヒール
第4世代初登場の「毒・猛毒状態の時に毎ターン最大HPの1/8が回復する」という特性。特にグライオンは一度毒にかかってしまえば持ち前の耐久力もあって非常にしぶとい。火傷や麻痺など「アイコンとして表示される」他の状態異常にならないという点も優秀。ただしたたりめやベノムショック、特性ひとでなしの乗った技には要注意。キノガッサは毒に弱いため特に注意しよう。
なおこの特性が発動していても猛毒ダメージの蓄積効果はきちんとカウントしているので、ターン経過後に特性を消されてしまうとそれまでの蓄積した毒のカウントが使用者に襲い掛かる。
マジックガード
第4世代初登場の「攻撃技以外のダメージを受けない」特性。
適用範囲が広く、状態異常だろうが技の追加効果だろうが反動だろうが天候だろうが設置技だろうがアイテム効果だろうが受け付けない。直接相手の技を防ぐわけではないため、かたやぶりの影響も受けない。ただし、みがわりやはらだいこ、だいばくはつといったHPコストは踏み倒せないし、わるあがきの反動も受ける。
この特性一つでほとんどのきあいのタスキ潰し手段を無効化、交代時のリスクも減らせるなど安定性が増すだけでなく、天候パーティに混ぜて(あるいは対抗させて)意表を突いたり、わざと毒・やけど状態になった上でサイコシフトでばらまいたり、いのちのたまによる火力上昇が代償なしになるなど攻撃的な使い方も出来る。
マジックミラー
第5世代初登場の「相手の変化技を跳ね返す」特性。変化技主体の起点作りポケモンに対する牽制になるが、一部の変化技は跳ね返せない。詳しくはこちらの動画を参照。
マルチスケイル
第5世代初登場の「HPが満タン状態の時、受けるダメージを半分にする」特性。これを盾にじゃくてんほけんを発動させようとするのがおなじみのテクニック。ステルスロックに弱いのが欠点だが、回復技で再びHP満タンにすることで復活することもできる。ルナアーラのファントムガードはこの特性にかたやぶり無効がついた上位互換。
ムラっけ
第5世代初登場の特性。
「ターン終了時に能力1種が2段階上がり、他の能力1種が1段階下がる」という効果。ランダムながら能力が2段階も強化されるのは脅威。第7世代までは回避率と命中率も対象だったために運が良ければターンが経過すれば経過するほど手が付けられなくなる。
第8世代で回避率と命中率が対象から外れたとはいえ、現段階でも十分害悪な特性の一種。
わざわいの〇〇
第9世代初登場の「自分以外の特定能力を3/4にする」四災専用特性。こいつの恐ろしいところは能力ランクに左右されないという点と各々の能力傾向と相性抜群であるという点。シングルバトル以外だと味方も災いに巻き込まれるのが最大の欠点だが、それを利用して(ディンルー、チオンジェンは)じゃくてんほけんなどを他のポケモンよりも軽めのリスクで能動的に発動させるなんて手も可能。
ちなみに同じ特性同士でかち合うと特性の効果が消えてしまう。
〇〇メイカー
第7世代初登場のカプ神の特性で、第8世代から一部の一般ポケモンにも配られた。
「バトルフィールドに出た時にフィールド技を展開する」という極めて強力な特性。第7世代ではカプ・レヒレ以外のカプ神はメインウェポンの強化、レヒレは持ち前の耐久と「状態異常を無効化する」効果が非常に相性がいいのでそれぞれ対戦で大活躍した。第8世代で配られた一般ポケモン組も鎧の孤島で解禁された相性のよい教え技を武器に大暴れしている。
第9世代初登場のミライドン専用特性「ハドロンエンジン」はエレキメイカーに未来パラドックスポケモンの特性「クォークチャージ」を足したもの。
欠点としては良くも悪くもフィールドに頼り切りなところがあるので、フィールドの取り合いに負けたら途端に不利になることとアイアンローラーをはじめとしたフィールドを取り払うわざに弱いこと。
禁止伝説専用
おわりのだいち、はじまりのうみ、デルタストリーム
第6世代初登場のゲンシグラードン、ゲンシカイオーガ、メガレックウザの専用特性。それぞれ晴れの上位互換でみずタイプ技を無効化させる「おおひでり」、雨の上位互換でほのおタイプ技を無効化させる「つよいあめ」、ひこうタイプの弱点を等倍にする「らんきりゅう」を発生させる効果を持つ。これらの恐ろしいところは彼らがバトルフィールドに出ている限り効果が続くこと、そしてこれらの特性でないと上書きができないこと。
ただ、いくら強力でも天気なのでノーてんき(エアロック)によって打ち消せてしまうのが欠点。
じんばいったい
バドレックスのきんちょうかんとそれぞれの愛馬がもつ「自分が相手を倒す度こうげきorとくこうが1段階あがる」しろのいななきorくろのいななきを同時に発動できる。
2つのいななきが強力なのはもちろんのこと、がんじょうで耐えられた際のイバンのみやオボンのみを封じられるので相手の作戦を潰すことも可能。おまけにかがくへんかガスやいえきでも消せないため、一度無双を許すとなかなか止まらない。
「すいほう」の項でも書いたが、メリットのある特性が2つ以上重なればそれだけでも強力なのだ。
テラスシェル
第9世代の禁止伝説・テラパゴスのテラスタルフォルム時(非テラスタル時)の専用特性で、HPが満タンのときに受けるダメージは全て「こうかがいまひとつ」になる。
効果はもちろんのこと、コピーやスキルスワップが無効という点でもチートな特性。ただしあくまでも「いまひとつ」になる効果なため、いろめがね相手では等倍になってしまう。また防御特性共通の悩みでもあるかたやぶりにも弱い。
ダブルバトル限定
かがくへんかガス
第8世代初登場のドガース系統が持つ「バトルフィールドにいる限りフォルムチェンジに関係しない特性を無効にするガスをバトルフィールドにばらまく」特性。
シングルバトルではせいぜい特性頼みのポケモンを牽制するくらいでしかないが、ダブルバトルではデメリット特性を持つポケモンの補助として活躍。冠の雪原以降のシーズンではレジギガスのダブルバトル使用率上昇に大きく貢献した。
最大の難点は特性所持者が倒されるとガスが消えてしまうこととガスが消えてしまうと消されていた特性が復活し、所有者のデメリット特性が発動してしまうこと。そのためレジギガス達ハンデ特性持ちと組ませる場合、いかにドガース系統を守りつつ種族値の暴力で暴れるかが肝心となる。
かちき、まけんき
第5世代(かちきは第6世代)初登場の「自分以外の技や特性の効果で能力を下げられると特攻(攻撃)が2段階上昇する」特性。
いかくに強いのはもちろん、すてゼリフやおきみやげの牽制にもなる。ミラーアーマーを逆に利用して強化なんていうドMな戦法もとれる。
シングルでは能動的に発動できないことから牽制にしかならないが、それでもいかくが飛び交うダブルでは発動機会にそれなりに恵まれる。
あまのじゃくと異なりばかぢから等の反動による能力低下や味方からの能力低下には反応しない点には注意。
せいぎのこころ
第5世代初登場の「あくタイプの技を受けると攻撃が1段階上がる」特性。
シングルでは発動が相手依存で、あく技使いが居なければ全く意味が無いが、ダブルバトル以上なら味方に殴ってもらうことで発動可能。
そしてこの特性の真骨頂は、一撃受けるごとに攻撃上昇が発生する点にある。あく技には健在な味方の数だけ連続攻撃するふくろだたきが存在するため、ダブルバトルなら4段階、トリプルバトルなら積みの上限である6段階一気に上昇する。しかもふくろだたきは威力が期待出来ない技なので、攻撃が低い味方に使わせればほぼノーコスト。
あく技に耐性のあるかくとうタイプの所有者が多いのも嬉しいポイント。
のちの世代で弱体化し、「チート」とまではいかなくなった特性
いかく
第3世代初登場の、「場に出た際に相手の攻撃を1段階下げる」特性。ダブルバトル以上なら複数体に効果がある(全体ではなく、トリプルバトルで端に出した場合、対角線上の相手ポケモンには効果が及ばない)。
シンプルかつ強力な効果に反して発動条件が緩く、下手なデバフ技より確実に、かつ効率よく相手全体を弱体化させられるため、ダブルバトル以上では必須級の特性。更に実は何らかの方法で特性がいかくに書き換わったタイミングでも発動するため、いかくを連続発動して相手を無力化するギミックすら可能。
あまりに強かったためか、世代を経るにつれいかくをピンポイントで無効化する特性やデバフ撒きをバフに逆利用する特性、そもそも発動させなくする特性が追加されていったため考えなしにいかく持ちを出す事が出来なくなり、汎用性は落ちた。
そもそも最近の世代では攻撃の威力インフレが激しく、いかくで1段階下げた所で焼け石に水であることも往々にしてあったりする。
はやてのつばさ
第6世代初登場のファイアロー一族専用の隠れ特性。
「ひこうタイプの技の優先度が+1になる」という飛行弱点ポケモン涙目な効果を持つ。バトルディレクターの森本氏も調整に手間取ったと語る程に危険な代物で、この特性の影響でひこう弱点のポケモンは軒並み環境から消え失せることに。
他にも「耐久型にして先制はねやすめで回復して強引に受ける」なんて芸当もできた。
さすがにぶっ壊れ過ぎていたため、第7世代以降はHPが満タン状態ではないと効果を発揮できないように仕様変更された。
そのためはねやすめを交えた耐久型は事実上封じられ、初登場当時のように「考えもなしにブレイブバードを撃てば勝てる」とまではいかなくなった。
それでもファイアロー自身はダブルバトルでそこそこ使われており、あるべき地位に落ち着いたといえる。
へんげんじざい、リベロ
第6世代初登場の「技を繰り出す直前に自分のタイプがその技と同じタイプに変化する」
特性。常にタイプが変化し続けるため使いこなすのが難しい特性だが、使いこなせば攻撃技が常にタイプ一致となるため非常に強力。外したり透かされてもタイプ変更は行われるため、防御として使うことも可能。
常に環境に食い込んできた強力な特性だったが、第9世代にてついに場に出た最初の1回しか発動しないという大幅な弱体化を受けてしまった。
そのため攻撃技が常にタイプ一致にならなくなり、より戦術的な変化を要求されるように。
ある意味チート
しれいとう→きょうえん
共に第9世代初登場の「シャリタツとヘイラッシャ同時に場にいると合体してヘイラッシャの能力が上がる」特性とカラミンゴの「登場した時の味方の能力変化をコピーする」特性。
普通に合体すれば実質2VS1を強いられるしれいとうだが、シャリタツがこらえて相方のとんぼがえりを食らい、相方をヘイラッシャに交代。合体後にくろいヘドロでシャリタツを毒殺することで合体をすぐに解除。その直後にきょうえんカラミンゴを出せば全能力2段階上昇のポケモンが2匹並ぶことに。
ぜったいねむり
第7世代初登場のネッコアラ専用のある意味チート仕様な特性。常に動けるねむり状態「ゆめうつつ」になる効果。
このゆめうつつの仕様がある意味チートであり、
アイコンとして表示される状態異常はかたやぶりであろうとシャットアウト。
エレキフィールド上でも寝ていられる。
というとんでもないことになっている。
ネッコアラのスペックとすでに眠っているのでねむるが使えない、ねむり状態に特効を持つ技に弱い等で対戦環境を破壊するまでには至っていないものの、上記の通りゆめうつつの仕様がぶっ壊れているのでこちらに記載した。
トレース
第3世代から存在する「相手の特性をコピーする」特性。
フォルムチェンジに関わる特性およびこだいかっせい、クォークチャージ、どくくぐつなど一部トレースできない特性も存在するが、基本的にはほとんどの特性に変化することが可能。野生ポケモンの特性チェックとしても役に立つ。戦術面では相手依存で正直安定しないが、大体の特性に変化できるという意味ではある意味チート。
はがねのせいしん
第8世代初登場のニャイキング専用特性。「自分含めた味方のはがねタイプの技の威力が1.5倍になる」上に効果が重複するある意味やべー奴。
こいつの本領発揮はやはりレイドバトルだろう。ただでさえ攻撃範囲、性能共々優秀なアイアンヘッドがさらに凶悪になってしまう。
そのせいで「この特性のニャイキング以外は参加お断り」なレイドバトルもたまにある。
参考
ポケモン廃人が厳選した『強すぎる特性ランキングTOP20』【ポケモン剣盾】