概要
首都 | ロンドン |
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面積 | 24万2495平方キロメートル |
人口 | 6708万1234人(2020年6月) |
通貨 | スターリング・ポンド |
公用語 | 英語 |
国家元首(職) | 女王 |
政体 | 議院内閣制 立憲君主国 |
グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(グレートブリテンおよびきたアイルランドれんごうおうこく、英語:United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland、読み:ユナイテッド・キングダム・オヴ・グレイト・ブリテン・アンド・ノーザン・アイルランド、略称:Britain、U.K.、通称:イギリス、英国)は、ヨーロッパ西部に位置する立憲君主国。1815年6月のウィーン体制成立以来列強の1つである。ユニオン・ジャックと言われる国旗はイングランド・スコットランド・北アイルランドの旗を合わせたもので、ウェールズの旗は国旗が作成された時点で既にイングランドの一部と言う扱いだった為、ここには含まれていない。
イギリスはブリテン島のイングランド、スコットランド、ウェールズと、アイルランド島北部の北アイルランドの4地域で構成される。事実上の盟主であるイングランド以外の3地域には独自の議会と行政府があり、教育制度なども地域ごとで異なる。
イギリスの国名は「イングランド」のポルトガル語のイングレスに由来し、それが日本語でエゲレスからイギリスと発音されるようになり、漢字では「英吉利」として表記されて「英国」の語源となった。その為スコットランド人をはじめ、イングランド人以外の連合王国の人を「イギリス人」と呼ぶと「俺はイングランド人では無い。」などと叱られる事があるので、国名の慣習には要注意である。
イギリスの首都はロンドンであり、他の主要都市としてバーミンガム、マンチェスター、グラスゴー、ポーツマス、エディンバラ、リバプール、ベルファスト、ブリストル、オックスフォードなどがある。
イギリスは政治・金融・工業・医療などでも強大で国際的な影響力を有している。国際連合安全保障理事会常任理事国であり、公式核保有国の他にも経済協力開発機構加盟国・欧州評議会加盟国・G7及びG20参加国・NATO加盟国である。
イギリスは民主主義・立憲君主制・議院内閣制など近代国の基本的な諸制度の発祥国であり、ピューリタン革命・名誉革命・産業革命など様々な歴史的事象の舞台であった。公用語の英語はイングランドの発祥である。
歴史
古代
紀元前9世紀から紀元前5世紀頃にケルト人がブリテン島に広まりケルト系部族国家が成立したが、ローマ帝国がブリテン南部を支配下に置いた。5世紀頃にブリテン島南部が侵入したゲルマン人に征服され、イングランドの母体となった。一方のスコットランド・アイルランド・ウェールズはケルト系部族の地域として残った。
中世
イングランドは7王国と呼ばれる国家群に分かれて集合離散を繰り返したが、886年11月にアルフレッド大王のウェセックス王国が統一した。1016年10月にクヌート大王のデンマークによって「北海帝国」と呼ばれる領土に組み込まれた。その後一時ウェセックス系の王朝が復古するが、1066年12月にフランスのノルマンディー公ギヨーム(後のウィリアム1世)に支配されてノルマン朝、1154年10月にフランスのアンジュー伯家のヘンリー1世が王として迎えられてプランタジネット朝が成立し、1283年6月にエドワード1世はウェールズを征服した。
1337年11月にフランスの王位継承問題にエドワード3世が介入して、イギリスとフランスの長きに渡る対立の原因となる英仏百年戦争が勃発した。最終的にイングランドは敗北して大陸での立場を失い、1455年5月に王位継承争いでランカスター家とヨーク家による薔薇戦争が勃発し、1485年7月にヘンリー7世が即位した事でテューダー朝が成立した。
近世
1517年10月に大陸でルターの宗教改革が始まり、ヘンリー8世の離婚問題に対してローマ教皇クレメンス5世が離婚を無効にした事で、これに反発したヘンリー8世はローマ教皇庁と決別してイングランド国教会が成立した。この頃の1603年4月にイングランドはアイルランドを占領した。
1558年11月に即位してエリザベス朝を開いた処女王のエリザベス1世は、海外への植民地獲得の切っ掛けを作り始める。ハプスブルク家のスペインと対立し、1588年にアルマダ海戦でスペイン無敵艦隊を撃破し、1600年12月に東インド会社が成立した。
一方でスコットランドは何度もイングランドとの間で侵略と独立を繰り返したが、エリザベス1世が王位継承者を誕生させずに崩御した為、1603年3月にスコットランド王ジェームズ6世がイングランド王ジェームズ1世として即位し、イングランドとスコットランドは同君連合となってステュアート朝が成立した。しかし次のチャールズ1世は、国教会システムを無理に自治的な長老派のプロテスタントが多いスコットランドに持ち込もうとして対立と混乱が起こり、この際の課税騒動と議会無視をきっかけに「イギリス内戦」(清教徒革命)とも呼ばれる内乱が勃発した。クロムウェルによって1649年1月30日に国王は処刑されて共和制が敷かれるが、1658年9月3日にクロムウェルが亡くなると、王政復古が起こってチャールズ2世が即位した。しかし後継者問題から名誉革命が発生し、ジェームズ2世は大陸に追い出された。
近代
1707年5月にイングランドとスコットランドはグレートブリテン王国として合同し、ハノーヴァー朝が成立して議院内閣制が開かれた。世界各地に植民地を拡大させたが、アメリカ大陸で独立戦争が始まり、1783年9月にパリ条約が締結されて合衆国が正式に独立した。1800年8月に合同法が成立し、1801年1月にグレートブリテン及びアイルランド連合王国が成立した。
1789年7月にフランス革命が発生し、対フランス封じ込め態勢をとってナポレオン戦争で度々戦い、トラファルガー海戦やワーテルローの戦いでナポレオンを負かした。1814年9月に開催されたウィーン会議に参加し、植民地の確定を決定してウィーン体制が開始された。18世紀に産業革命が始まって人類文明に巨大な変化をもたらし、資本主義経済を膨張させて労働者問題も発生した。
1837年6月にヴィクトリア女王が即位し、このヴィクトリア朝時代の19世紀から政治運動チャーティズムが盛り上がり、議会政治・自由選挙・民主主義が発達し、自由貿易も広まった。イギリスは世界中にインドをはじめとする数多くの植民地を所有し、阿片戦争で清朝から香港を租借。帝国主義が吹き荒れる国際情勢の中で工業力も背景に大英帝国として最盛期を迎え、世界の約4分の1を支配下に置く超大国となっていた。同時に南下政策を進めるロマノフ朝のロシア帝国と対立し、グレート・ゲームを繰り広げた。
幕末の日本にも影響をもたらし、親フランス派の江戸幕府に対してイギリスは倒幕派を支援した。永らくどこの国とも同盟を結ばない「栄光ある孤立」を続けていたが、ロシア対策のために方針を改め、1902年1月に日英同盟を成立させて日露戦争にも関わった。またアメリカ・ドイツの台頭が目立ち始め、国際的地位が揺らぎ始めた。
20世紀
1914年6月のサラエボ事件を機に第一次世界大戦が勃発すると、イギリスは協商連合側として参戦した。同盟側のオスマン帝国にロレンス大佐を使って謀略戦を仕掛け、アラブ人の独立運動を煽ったが、同時にユダヤ資本から資金調達のためにイスラエル建国を約束する矛盾した取引をし、さらに中東をフランスと分割統治を目論み、パレスチナ問題の遠因を作った。最終的に戦勝国となり、パリ講和会議で主導的立場となり、ベルサイユ体制を敷いた。
1919年1月にアイルランドで独立戦争が始まり、1921年12月に北アイルランド以外のアイルランド自治が認められて英愛条約が締結され、グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国が成立した。
1929年10月に世界恐慌が発生すると経済不況を受けるが、ブロック経済対策でこれを対処した。1931年12月にウェストミンスター憲章が制定され、カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・南アフリカなどによる「イギリス連邦」が成立した。しかし植民地は収益よりも投資額が多い「お荷物」となり、7つの海を股にかける大海軍の維持に喘ぐようになる。
ヨーロッパ大陸ではヒトラー率いるナチスドイツが勢力を拡大させ、イギリスのチェンバレン首相は宥和政策で対処しようとしたが、ヒトラーに足下を見られ、1939年9月にドイツはポーランドに侵攻。イギリスはフランスとドイツに対して宣戦布告し、第二次世界大戦が勃発した。しかし、フランスは北半分をドイツに占領されて親独政権に変わり、ロンドンにシャルル・ド・ゴールによる亡命政府自由フランスが設置された。ウィンストン・チャーチル首相は対独戦で強力的に臨んだが、ヨーロッパでドイツに戦うのはイギリス一国のみで、バトル・オブ・ブリテンを仕掛けられ、さらに1941年12月に大日本帝国が大東亜戦争(太平洋戦争)を開始し、アジア・太平洋方面のイギリス植民地は奪われて大東亜共栄圏に組み込まれてしまい、イギリスは追い込まれた。
ソ連が独ソ戦でドイツを追い込み、アメリカも参戦して枢軸陣営を追い込み、チャーチルはルーズベルトと対ファシズム・領土不獲得・民族解放を記した大西洋憲章を発表。1945年2月にヤルタ会談でアメリカ合衆国・イギリス・ソビエト連邦は戦後処理を決め、その年に枢軸国は敗北した。
戦勝国となったイギリスは安保理常任理事国となったが、新領土・賠償金も無く、さらに日本が植民地解放を推したために世界各地のイギリスの植民地は独立機運が高まって国力低下から維持も困難となったため、植民地のほとんどを手放した。帝国の栄光は幕を閉じて世界の覇権の座をアメリカに譲った。
ソ連を筆頭とする共産主義陣営との「冷戦」が始まり、チャーチルはアメリカでの演説で「鉄のカーテン」を発表した。1949年4月にアメリカと北大西洋条約機構を発足させ、1952年10月に核兵器を保有した。クレメント・アトリー首相は「ゆりかごから墓場まで」を掲げた福祉国家を進め、石炭・鉄道・通信を国有化したが経済活力は盛り上がらず、1970年代には「英国病」と呼ばれるほど経済は悪化した。1979年5月にマーガレット・サッチャーが首相となり、新自由主義のもとにサッチャリズムを展開した。上述の国有化を一転して民営化して大胆な改革を進め、フォークランド紛争にも対処したが、失業者を増加させてしまった。冷戦後のイギリスは欧州共同体(EC)に加盟する事となってヨーロッパ連合に加盟したが、イギリスの通貨のポンドは残った。また北アイルランドではIRAによる独立運動が続いてテロが相次いだが、1998年4月に和平合意がなされた。
1997年5月に保守党から労働党に政権が移り、トニー・ブレアが首相に就任して、文化政策「クール・ブリタニア」を目指した。さらにスコットランドに議会を創設して自治権を与えることで、独立論をガス抜きしようとした。
21世紀
2001年9月にアメリカ同時多発テロが発生し、イギリスは対テロ戦争の有志連合に加わった。2002年1月にEUで共通通貨「ユーロ」が始まったが、イギリスは導入せずにポンドを残し、移動の自由を保障するシェンゲン協定にも署名しなかった。
2014年9月にスコットランドで独立の是非を問う投票が実施されたが、反対派の勝利によって回避された。2016年6月に移民問題などからEU離脱論争の「ブレグジット」が巻き起こり、こちらも投票に至る大事となった。その結果、なんと離脱賛成票が上回ってしまい、EU離脱がほぼ確定した。残留支持だったキャメロン首相は7月13日に辞任してこの影響は世界に広がり、日本でもドル・ユーロ・ポンドよりも安全という理由で円が買われ、急速な円高や日経平均株価を1000円以上下げる暴落を引き起こした。
しかし政府・国民も方針・計画性に混乱が広がり、構成国でも分離独立論とEU加盟論が再燃した。連合王国解体の危機だけでなく、国際社会での政治的・経済的・軍事的なパワーバランスすら崩壊する事態が現実味を帯びてきており、混迷の行方は未だ続く様相にある。
後任の首相にはキャメロン政権の内務大臣だったテリーザ・メイが任命された。メイはサッチャー以来2人目の女性首相であったが、メイも混乱をまとめきれずに辞任し、後任のボリス・ジョンソンが庶民院の解散総選挙で勝利し、2020年2月にブレグジットに踏み切った。
地理
グレートブリテン島とその周辺の島々からなり、北部のスコットランドは南部のローランドと北部のハイランドに大別される。ローランドにはスコットランド首都のエディンバラ、工業都市グラスゴーといった大都市があり、農業も比較的盛んな一方でハイランドは荒野や荒れ地が多く、18世紀に至るまで王権ですら統率しきれない部族・領主が跋扈していた。ネッシーで有名なネス湖があるのもハイランドである。
島の南部を占めるイングランドはウェールズ・スコットランドに比べると起伏が少なく低地が多い。国内を南北に分ける場合はハンバー川・トレント川(北海が切れ込んでいるような場所)を境とすることが多い(例:ヨーク大主教管区とカンタベリー大主教管区)。北部で良く知られている地域名として、羊毛・毛織物・石炭の大産地であるヨークシャーと、綿糸工業の中心地であったランカシャーという産業革命を牽引した2地域が挙げられる。工業都市のリバプールやマンチェスターはランカシャーに位置する。また、ピーターラビットで有名な湖水地方は、スコットランドとの境界にほど近い。
中部は古くは「マーシア」(辺境)と呼ばれたように、森が多い人口の少ない地域であった。ウェールズとの国境にほど近い工業都市バーミンガムなど、比較的近代になって発展した町も多い。ただし古くからランカシャーへ向かう街道沿いなどは開けていた。
南部は首都のロンドンを擁する大都市地域である。古くは「オランダに行く方が早い」とも言われたノーフォーク(イースト・アングリア)や、島で最高位の主教座たるカンタベリーをようするケントなど、大陸との窓口となってきた地域であった。一方でウェセックスをへてコーンウォールに向かうにつれて景色は長閑になり、アーサー王伝説にゆかりの深い土地も増えていく。
西部のウェールズ(カムリ)は山がちなケルト系の文化を擁する地域である。イングランドとのつながりも深い首府カーディフのある南部と、やや辺鄙な北部に大別される。
北アイルランドはベルファストの街を中心としたアイルランド島北部の地域である。アイルランドの地域区分ではアルスターと呼ばれる地域の過半を占める。海峡を挟んでスコットランドとのつながりも深い地域である。
イングランド・ウェールズ・スコットランド・北アイルランドの4つの地域から成り立っているイギリスだが、内実は中央集権の国であり、政治的・経済的にも首都であるロンドンへの一極集中が甚だしい。
国際関係
1946年1月の第1回国際連合安全保障理事会以来同理事会常任理事国であり、その他に2020年2月に1973年1月以来長らく加盟していたヨーロッパ連合から正式に離脱を決定した。イギリス帝国時代に比べて影響力は低下したものの、今なおイギリス連邦の盟主として強力な外交力を持つ。一方で同じ英語圏のアメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドと共にファイブ・アイズの枠組みを形成し、機密情報を交換している。
アメリカ合衆国
1785年6月に外交関係を樹立し、親密な同盟関係にある。両国は軍事研究・諜報機関の他に文化的にも類似性を共有しており、同じNATO加盟国で大規模な軍部隊をイギリス国内の基地に駐留させている。近年はイギリスの首相とアメリカの大統領は親密な友人関係にある事がしばしばであり、歴史的事情からアメリカとイギリスの関係は特別な関係である。
日本
1854年10月に外交関係を樹立し、この時に日英約定が締結された。1907年7月に綿糸企業のコーツが日本に進出するなど深い経済関係を有し、その一方で1902年1月に日英同盟を締結して1923年8月まで存続させた。第二次世界大戦では日本と敵対関係に発展したが、戦後早い段階で関係を改善して同じ議院内閣制の立憲君主国として、今日まで強固な両国関係を保持している。
フランス
ブルボン王朝時代から対立しており、1815年6月にワーテルローの戦いが勃発した。1940年6月にシャルル・ド・ゴール率いる自由フランス政府がロンドンに亡命し、フランス国民にレジスタンスを呼び掛けた。フランスではイギリスへの敵対感情が強く、ドイツに与してイギリスに味方する勢力もあった。このように国家規模が近く、どちらも強烈な文化的アイデンティティを持つという事もあって歴史的にライバル意識が強いが、嫌い合ってる訳では無い。
中華人民共和国
1950年1月に外交関係を樹立し、冷戦時代には対立していた。両国には1840年6月のアヘン戦争・1856年6月の第2次アヘン戦争・1947年3月の冷戦での対立・香港の地位・その他の問題を原因として歴史的に複雑な様相を呈する一面もあるが、その他の場面では良好な両国関係にある。
政治
政体は議院内閣制の立憲君主国であり、上院(貴族院)と下院(庶民院)の両院制による議会民主制政治を取っている。世襲貴族と功績による一代貴族からなる貴族院はほぼ形式的な存在であり、議会の実権は普通選挙で選出される庶民院に集中する。議会は多党制を取っており、主に保守党と労働党の2大政党が交互に政権を取り合っている。
日本・アメリカのような他の法律より優越し改正が制限された硬性憲法は持たず、司法が違憲審査権で議会の立法を制限する事も無い。必要とあれば議会はあらゆる法律を改正してイギリスの制度を一変させる強大な権限があり、これを議会主権という。ただし歴史的に維持されている法律としてマグナ・カルタや権利の章典などがあり、これに実質法律と見なされる様々な慣習(慣習法)を加えてイギリスでは憲法と呼ぶ。
国王は形式的には行政権を首相(連合王国首相)と内閣の代行を通じて行使しているが、慣習法の一部として実質的な政治権力を行使しない慣例になっている。実質的な行政権の最高責任者である首相は議会の多数党の党首を国王が任命し、常に議会の信任を受ける責任を負う。内閣は首相によって組織される。
政党
貴族院
庶民院
- 保守党
- 労働党
- 自由民主党
- 民主統一党
- スコットランド国民党
- シン・フェイン
- プライド・カムリ
- 社会民主労働党
- 同盟党
- 緑の党
- リスペクト
- 無所属
王室について
イギリス王室は王朝が何度も交替しているため確たる建国の起源は定まっておらず、建国記念日は決めていない。ギネス記録によれば君主国としての歴史は日本・デンマークに次いで古く、その歴史は世界第3位の約980年である。現在の王室はウィンザー朝で、女王エリザベス2世が即位している。
軍事
イギリス軍は1707年5月にグレートブリテン連合王国の軍隊として、イングランド軍とスコットランド軍の合併によって発足した。組織としては「陛下の軍隊」という立場である為、「王立軍」となっている。公式核保有国でもあるが、核ミサイルは潜水艦搭載のものだけで、スコットランドの海軍基地にある。イギリス海兵隊「SAS」の最強伝説は有名である。軍事に関してはやたらと伝統にこだわったり、アレな兵器を開発した歴史があまりにも多い事から英国面などとネタにされる事も多いが、実は今でも世界屈指の軍備を備えており、現在でも国連軍を組織する際はアメリカに伍して中心的な役割を果たす事が多い。
社会
1968年10月以来北アイルランドの独立運動で度々内戦・テロが発生していたが、2005年7月にIRA側から終戦宣言が出された為、現在に至るまで大きな紛争は起きていない。
文化的には多くの文学の名作、近年はポピュラーミュージックやロックバンドで世界的人気のバンドを多々輩出している。食文化ではお菓子やお茶の評判が高い反面、料理のマズさは昔からジョークにされる程有名。世界中から観光客・留学生・労働者・移民を受け入れている為、人種的に多様な国へと変容している。ただしこれは主にロンドンのような大都市の話であって、田舎の方は保守性が保たれている。
EU離脱
1973年1月以来ヨーロッパ連合の筆頭加盟国でありながら、ユーロではなくそれよりも価値の高いポンドを使い続け、人の移動の自由を保障するシェンゲン協定にも署名しないなど、ヨーロッパ連合内で独自路線を進んでいた。2008年9月に発生したリーマンショックの影響で不況が波及し、ヨーロッパ連合での負担・規制・移民・失業者・労働者などの問題に不満が高まった。さらに中東難民の急増とテロの脅威から、先述の通りブレグジット論が高まって投票が実施され、賛成多数を得て離脱が決定した。
スコットランドでは独立論が再燃し、さらに北アイスランドも離脱してアイルランド共和国への統合論、ウェールズやロンドンでも独立論が起こった。
イギリス国内では、離脱支持派の方針と計画性が不透明な点から官民双方で混乱が広がり、投票やり直しの声も高まっていたが、COVID-19の世界的流行によりこうした動きは下火になり、北アイルランドの国境問題といった課題を残しながらも正式にEUからの離脱を完了した。
経済
ヨーロッパではドイツに次いでフランスとほぼ同規模の経済力を有する国であり、現在1人当たりのGDPは日本・フランスと同水準である。世界トップクラスとは言い難いが、十分に富裕国と言える。
19世紀まで「世界の工場」として比類無き繁栄を享受したが、度重なる戦争による経済的疲弊・人件費の上昇に伴う製造業の国外流出で1960年代から1970年代にかけて大不況に見舞われ、「英国病」・「欧州の病人」とまで蔑まれた。しかしヨーロッパ連合加盟以降外資系企業の積極的誘致・金融業の発達・外国人労働者の受け入れ・北海油田の開発などの努力によって経済が立ち直り、再び強大な経済力を有する国になった。イギリス経済はロンドンの金融業と商業に依存している部分が強く、ロンドンと地方の経済格差が大きな問題になっている。
イギリス出身の人物
王族
リチャード1世(イングランド王) … 日本では獅子心王の名で知られる。
メアリー・ステュアート(スコットランド王国の女王)
エリザベス2世(現在のイギリス女王)
ダイアナ妃(イギリスの元王族)
政治家
ロバート・ウォルポール … 初代首相
ウィンストン・チャーチル … 第二次世界大戦当時の首相
マーガレット・サッチャー … イギリス初の女性首相
トニー・ブレア … イラク戦争時の首相
ゴードン・ブラウン … 先々代首相
デーヴィッド・キャメロン … 前首相
テリーザ・メイ … 歴代2人目の女性首相
軍人
ロバート・スコット … 南極圏発見を僅差で逃してしまった探検家として有名
フランシス・ドレイク…海賊にして海軍提督
文化人
- ウィリアム・シェイクスピア … 劇作家、詩人
- チャールズ・チャップリン … 映画俳優・監督、コメディアン
- アーサー・コナン・ドイル … 作家
- ビートルズ(ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター) … ロックバン
- チャールズ・コボーン 歌手 コメディアン
その他
- ナイチンゲール:看護師、統計学者
スポーツ選手
- デビッド・ベッカム … サッカー選手
イギリス発祥の作品
音楽
文学
映画
テレビ番組
関連キャラクター
ドールズフロントライン
ロックマンシリーズ
Fateシリーズ
他の記事言語
イギリスを舞台とするサブカル作品
架空の関連組織
必要悪の教会 | ヘルシング機関(王立国教騎士団) | ワイト島分遣隊 |
---|---|---|
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ナイツオブクィーン | エイリス帝国 | クロスフィールド学園 |
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Kingsman | 時計塔 | |
キングスマン | TYPE-MOON | |
このタグが付けられる作品の例
- イギリスに関連した物・人物・風景などを描いたイラスト。
- イギリスで制作された作品や、同国を舞台とする他国の作品の二次創作。
- 「Axis Powers ヘタリア」の擬人化キャラクター → アーサー・カークランドのページを参照。
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