曖昧さ回避
DCコミックの登場人物についてはサイボーグ(DCコミック)を参照。
概要
サイバネティック・オーガニズム(CYBernetic ORGanism)の略。広義では自動制御系の技術(CYBernetic)と生命体(ORGan)を融合させたものを指し、現実でも広義ではインプラント・コンタクトレンズ・ペースメーカー・機械式義肢など、身体の機能を人工物(電子機器)に代替したものもサイボーグに含まれるが、実際にそう呼ばれる事は差別につながりかねないため殆どない。
筋電義肢(義足)・人工臓器などで、医療分野を中心に幅広い研究が進んでおり、フィクション作品におけるサイボーグに近づきつつある。詳細は外部リンクを参照の事。
2022年9月には、電子デバイスと制御装置を取り付けた「サイボーグ昆虫」の開発が発表されている。
日本におけるサイボーグという言葉は『サイボーグ009』を発端に広められたとされ、現在は超人的なスポーツ選手の比喩に用いられたり、フィクション作品の題材やドキュメンタリー、バラエティ番組のタイトルとして用いられるなど、現代では一般への用語としての認知度も高い。
フィクションにおけるサイボーグ表現と技術設定
先述のように、石ノ森章太郎の『サイボーグ009』では、サイボーグ化によって身体機能を強化された超人的なキャラクターが描かれた。しかしそれとは裏腹に、人ではなく兵器の扱いを受ける事に対する葛藤・コンプレックスが描かれ、後年には多くのサイボーグが登場する作品において踏襲され続けている。
その反面、技術的設定などは曖昧な作品が多く、生物に機械を組み込んだだけの表現が多いが、難解かつ詳細な概念・技術設定を解説し、ゴーストなどの思想的側面も登場させて一大ジャンルを築き上げた『攻殻機動隊』や、コナミのゲーム『メタルギアライジング』のように、義体にはどのような技術が使われているかを、実在する技術・力学・物理学の観点を交えながら詳細に設定・解説している作品も少なからず存在する。
サイボーグ化の経緯は個体によって様々(延命措置等)で、皮膚が外骨格(装甲)並びに筋肉の機械化が多い反面、臓器系統の機械化は最小限なのが多い。そのため、摂食が可能な個体が多い。
『サイボーグ』と『アンドロイド』との違い
サイボーグの原点は「生物の機械化」であるのに対し、アンドロイドは人間の姿形によく似せた「人間型ロボット」となる(さらに厳密に言えば男性の人型ロボットを指し、女性の場合は『ガイノイド』と呼称する)。
しかし20世紀ごろの映画などにおいては、サイボーグとアンドロイド(ガイノイド)の違いが非常に曖昧だったこともあり、考証不足や、「サイボーグ」という用語の一般的浸透度の高さによる営業的側面でのタイトルへの使用といった誤用もあった。
例を挙げれば、
機動刑事ジバン | ジバン(田村直人)は人間を素体としたれっきとしたサイボーグだが多くの文献や挿入歌で『ロボット』と表現されてしまっている。また劇中でも田村直人=ジバンだと見抜かれないためか、ジバンと田村は別人という事になっておりジバンはバイオノイドが現れる度に怪人を撃退する謎のロボットという認識を周囲の人間がしている |
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特警ウインスペクター | 上記と同様にサイボーグをロボットだと表現している事がある。 |
ターミネーター | 純粋なロボットであるT-800などを「サイボーグ」と劇中で呼称している。ちなみにT-800自体はサイボーグとは逆に機械のボディに人間そっくりの生きた外皮を被せた生体アンドロイドである。 |
スターウォーズ帝国の逆襲 | ドロイドのC-3POがサイボーグだと自己紹介している。 |
ロボコップ | サイボーグであるロボコップは「ロボット警官」と劇中で呼称されている。※ |
サイボーグ(洋画) | シリーズの第一作のヒロインはサイボーグだが、第二作、第三作のヒロインはアンドロイド。 |
僕の彼女はサイボーグ | ヒロインはアンドロイドでありガイノイドを自称する。 |
ドラゴンボール | 「人造人間」というカテゴリー(海外版ではAndroid表記)の中にサイボーグやアンドロイド、バイオ生物が混在。 |
ニケ(勝利の女神:NIKKE) | 美少女型ヒューマノイドのニケはサイボーグだが、出自や生身の少なさからアンドロイドと混合される事が多い。 |
ウォーズマン | ロボットではなくサイボーグなのだが劇中ではロボ超人としてカテゴライズされてしまっており多くの文献でも長年混合されてた。(スピンオフでもロボット刑事を自称している)。 |
※ただしロボコップの場合はサイボーグである事実を隠蔽するため、オムニ社が「ロボット」の名称を冠しているので、誤認ではなく意図して呼ばれているものである。
サイボーグは「人外」なのか?
時にサイボーグは人外ジャンルの一つとして扱われることもあるが、たとえ外見が機械化していてもその本質は「人間」であるため、「人外」という言葉を用いるのは不適当ではないかという意見も少なくない。ただし機械化の割合が増えていった結果、人間らしい表情・姿を失っていたり、多眼(単眼)、多腕、多脚等の異形的な特徴を持っている場合には、サイボーグであっても人外という表現が用いられる事もある。
しかし改造を重ねて生身が少なくなった場合を想定すると、「人(の機械化=サイボーグ)と機械(事実上のアンドロイド化)の境い目はどこなのか?」、人は何を持って人と言えるのか?という、テセウスの船に類する哲学的な話になってくる。
上記「009」も、彼ら(自分たち)は人なのかもはや機械(人外)なのか、という問いがしばしば描写されている。
フィクション作品におけるサイボーグ一覧(一部)
※冗長化や可読性の低下を招くため、イラストや記事が存在しない人物の記載は極力控えて下さい。
いわゆる「怪獣」については「サイボーグ怪獣」の記事へどうぞ。
※1 公式では「サイボーグ」という表現はないが、義手も広義のサイボーグにあたる。
※2 ただし平成シリーズからは殆ど登場せず。
※3 公式では「サイボーグ」と呼ばれていないが、生体と機械の融合もサイボーグにあたる。
※4 作品世界でのサイボーグの総称。
※5 拳銃頭のサイボーグの総称。単行本帯コピーでは「異形×ハードボイルド」という表現が使用された。
※6 作中では「アンドロイド」と称されているが、ファンからは「サイボーグ」と呼称。
※7 作中の描写からしてサイボーグではなく強化外骨格の可能性が高い。
※8 作中ではインプラントと呼称。
※9 敵として登場するサイボーグの殆どは量産型汎用サイボーグのため、本来の性別は不明。
※10 2期以降含む。
※11 作中では「アドア」と呼称。
関連項目
改造人間 - 生物の特徴を入れたバイオニック系サイボーグの別称。
デザイナーベビー - 受精卵の段階から意図的に改造する技術。
ミュータント - 改造の結果が本来の意図から逸脱したケースはまれにこう呼ばれる。
サイバロイド - ある意味でサイボーグの究極進化タイプ。人格や感情を残したまま脳まで機械化された存在達。元々は漫画家・石ノ森章太郎による造語。
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サイボーグを主人公にした実写テレビドラマ
- 『600万ドルの男』(オリジナル英語版)
The Six Million Dollar Man Opening and Closing Theme (With Intro) HD Surround
- 『地上最強の美女バイオニック・ジェミー』(オリジナル英語版)
'The Bionic Woman' Opening Theme HQ - FULL ORIGINAL