ラーメン
らーめん
概要 🍜🍥
戦後に中国の麺料理に詳しい人達(日清戦争の帰還兵や、満州から引き揚げた日本人、辛亥革命後の中国の留学生など)が日本国内にもたらしたとされ、それを日本式に改良した。
そのため原形となった麺料理とは違う、独自の体系を有する。
麺は中国から輸入されたものだが、いつのまにか中国とは違う日本独自の発展を遂げ、国民食と呼ばれるまでに。
今や大陸・台湾に逆輸入され日式拉麺の名で人気だとか。一説では「チャルメラ」が絶大的な支持を受けており、日本には無い独特のフレーバーが発売されているとか。
ラーメンから派生したものとして、ざる蕎麦の要領で食べる『つけ麺』、濃厚で少ないスープに麺や具材を絡めた『まぜそば』というものもある。つけ麺はラーメンと同じ材料で作れるうえに食べやすいため、客の回転率が高い=売上が上がると言う説もある。
ちなみにドイツ語に「Rahmen」という単語が存在する。額縁を意味するほか、柱と梁を剛接合している構造を指す土木・建築用語でもある。
日式拉麺の特徴
- スープが並々と注がれている。(麺一玉がちょうど埋まる量)
- 具やスープの味が多彩。
- スープの出汁の取り方が独特。
- 麺の製法がほとんど固有化している。
- ちじれ麺や平麺などの種類があり、スープとの相性が考慮されている。
……などなど。
スープの出汁は香味野菜をベースに、鶏がら・魚介・とんこつを主に使い、西洋のスープのベースである「フォンド・ボー」のように長時間にわたって煮出していくのがほとんどである。
具は焼豚(チャーシュー)、ネギ、もやし、わかめ、なると、メンマなど。特に肉類・なると・メンマは、ラーメンの具材としてもっとも想起されやすい。
そして現在では御当地ラーメンという、各地で独自の進化を遂げたラーメンが全国に存在する。
一絡げに“ラーメン”と言っても、もはやその広がりはただの麺料理に止まらず、既に「ラーメン」というジャンルとして確立してしまっているのだ。
ラーメンの原型
本来中国のラーメン(特に坦々麺など)は、現在でいうところの「油そば」に近い、ほぼ汁気の無い代物である。
というか汁はあくまで麺の煮汁でしかなく、それ自体を飲んで味わう物としては扱われていない。例えるなら、鯛の兜煮みたいなもの。
もとは「長く伸ばした麵」と言う意味の単語なので、長い麵の形に切ったものは中国での拉麺には当てはまらない(現地ではそうしたツッコミもある模様)。
一説には、開拓時代の北海道札幌市に出来た中華飯店で提供された「肉絲麺(ロースーメン)」が日式拉麺の原形の一つともいわれ、店で働いていた華僑の料理人の「好了(ハオラー)=出来上がったよ」の掛け声をヒントに、肉絲麺をラーメンと改名して大ヒットしたことに起因する説もある。
そもそも「中国の麺料理=ラーメン」と安易にイメージをしがちな我々日本人だが、かん水入りのあの黄色い麺を使ったラーメンはあくまで中国麺料理の一種でしかない。
中国でかん水入りの麺は甘粛省蘭州市の「蘭州拉麺」が代表的で、2017年に本場から東京に進出した店がある。
日本的に言うと、うどん・蕎麦・そうめん・冷麦を一緒くたにしているに等しい。うどんと冷麦はともかく、そばは原材料が違うので、いかに現地の人から見て。
ちなみに韓国ではラーメンはもっぱら「インスタントラーメン」を指す事が多い。
そもそも、日本人は料理一品に対して中国人の様に「どちらかがメイン」という様な概念はなく、例えば丼の様に「下地であるご飯と上に乗る具材が併さってこそ丼と呼べる」という様に全体を重要視する傾向があるため麺やスープなどに対して一切の妥協なく凝った作りになるのである。
歴史
意外にも古く、日本で最初に中華麺を食べたとされるのは、あの水戸黄門で有名な徳川光圀であったとされる。
江戸時代初期の万治2年(1659年)に、明国から日本へ亡命してきた儒学者・朱舜水が、水戸藩に招かれた際の所持品の中に、中華麺を作る際に使う道具を持っていたという記録がある。
更には元禄10年(1697年)において、光圀が隠居していた西山荘を訪れた僧や家臣らに対し、中華麺がふるまわれたという記録もあり、新横浜にあるラーメン博物館にはこの説に基づき復元した拉麺もある。
その後、日式拉麺は明治時代以降には、中国からの帰省者が伝播して「支那そば」「南京そば」といった名称で、中華料理店の登場と共に日本に根付いていった。
北海道では、辛亥革命を契機に渡来した中国の留学生や労働者がもたらしたともされ、前述のラーメンの語源の逸話があるように、札幌市周辺でいち早くラーメンが根付いていった。
関東大震災以後は、被災者へ格安でラーメンを提供する者が続出し、被災者の再就職先として屋台を牽いてのラーメン販売が推奨されたほどとなった。ここを契機に、ラーメンは全国の大都市を中心に普及し、これに伴ってバリエーション豊かな味付けや具のトッピングが進化していく。
ご当地ラーメンの基盤は、この頃には仕上がっていた訳である。
太平洋戦争敗戦後の闇市などでも、ラーメン屋台は人気の飲食店として、明日をも知れぬ人々の活力源や再就職先なって戦後復興を支えていった。
庶民食となったのは戦後で、何を隠そう日清食品のチキンラーメンの存在が、日本国民に「ラーメン」という単語と料理を日本文化に刷り込むことに一役買っている。
インスタントラーメンの登場こそ、日本人がラーメン馬鹿になった原因でもあるのだ。
2017年になって京都相国寺鹿苑院 (ろくおんいん) 内にて保管されていた蔭涼軒主の日記『蔭涼軒日録』の中に、長享2年(1488年)に材料として小麦粉とかん水を使う「経帯麺」という料理を調理し来客に振舞ったという記述が確認された。
御当地ラーメン
東北
- 青森……味噌カレー牛乳ラーメン
- 岩手……納豆キムチ味噌ラーメン・磯ラーメン
- 山形……冷やしラーメン・鶏モツラーメン
- 福島……喜多方ラーメン・白河ラーメン
近畿
- 京都……京都ラーメン
- 奈良……天理ラーメン
- 和歌山……和歌山ラーメン
中国・四国
- 広島……尾道ラーメン・広島ラーメン・広島つけ麺
- 徳島……徳島ラーメン
- 高知……鍋焼きラーメン
注意
「実際には『支那(シナ)』とは中国の王朝である『秦(シン)』の音写だが、大日本帝国を建国した後の長州閥関係者が人種差別の意図をもってシナと言う表現を使い続けた事で「日本でのシナ」と「英語圏のチャイナ」は全く別の意味を持つ言葉になってしまった。
中国が侵略者である日本を撃退した後の中国が(中華民国、中華人民共和国。両方の時代共通)「日本国と交流をもつ上で侵略を正当化する差別の言葉として使われ続けたシナと言う表現を日本が使い続ければ、お互いの友好を築く事が難しいから日本側は使わないようにしてほしい」と言う事から中国と言う表現を使うことになった。
更に現代では人種差別、侵略正当化の言葉として日本が「シナ」と言う表現の悪用したと言う事を知った上で人種差別のために使う日本人が居るのでますます使う事がダメになっていった。
現代で支那そばの呼び名をあえてつかうところは、昔から使ってたからという理由のところも多いが(かいけつゾロリなどの初期作品ではメンマのことを「しなちく(支那竹)」という表記はあった))、特に平成以降においては、男性肉体労働者の愛好するラーメンという食べ物に一種のフーリガン・マイルドヤンキー的精神が加わったことに起因する場合があり、「ラーメン屋にありがちな華僑系の店でないことの証明」「愛国主義の表明」などとして一種の差別的糸をもって用いられる事が多い。
中国でも、日本のラーメンを味わって逆輸入として「日式拉麺」として売り込んでいる例もある。
特に、豚骨ラーメン(二郎系含む)やシーフードラーメンは珍しい例として注目されているようだ。
中国人から見ると日本の餃子は理解しがたいものであるが、日式のラーメンは邪道かと言うとそんなことはなくむしろ中国人からのウケは良く、とあるバラエティ番組では中国出身者が口を揃えて(蕎麦の様な敢えて啜る日本式の食べ方を含めて)「(日本の)ラーメンは好き」と評したり、トリビアの泉では中国料理人の間で日清のシーフードヌードルが「一番美味いカップ麺」に選ばれるなど、お互いのラーメン事情に関しては好意的である。
但し、三種の基本である醤油・味噌・塩味に対しては中国人から見れば在り来たりで物足りないとのことで、本来の中華料理の製法にないとんこつラーメンなどのこってり系の方が好まれる傾向にある。
関連するキャラや作品
作品
- 『クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ~拉麺大乱~』
- 『だがしかし』:ラーメンの駄菓子「ブタメン」について語るシーンがある。
- 『闘将!!拉麺男』
- 『猫ラーメン』
- 『博多豚骨ラーメンズ』
- 『ラーメン大好き小泉さん』
- 『ラーメン天使プリティメンマ』:『げんしけん』に登場した作品(劇中劇)、のちに単体で漫画化されている。
- 『ラーメン発見伝』
- 『ラーメン赤猫』
好物なキャラクター
※派生料理を好物とするキャラクターもここに含める。
関連イラスト
- オリジナル(料理だけ)
- オリジナル(人物あり)
- 版権
関連タグ
醤油ラーメン 味噌ラーメン 塩ラーメン とんこつラーメン チャーシューメン にんにくラーメン
インスタントラーメン カップラーメン / カップ麺 / カップヌードル
ラーメン&キャラクター
関連特集
歴代グルメ系イラストでもトップクラスの特集回数を誇る。
さすが麺馬鹿大国ニッポン。