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蜘蛛の編集履歴

2023-04-12 05:37:13 バージョン

蜘蛛

くも

クモ目に属する節足動物のこと。糸を出す8本脚の捕食者。

🕷概要

鋏角亜門クモガタ綱のうちクモ目に属する節足動物のこと。

英語は「spider」(スパイダー)、学名「Araneae」(アラネエ)は古代ギリシャ語でクモを意味する「Aráchnē」(アラクネ)に由来する。


頭胸部と腹部(実際は「頭部と胴部」に相当する「前体と後体」)の間がくびれた体や、8本のに特化した鋏角(上顎)が特徴。腹部からを繰り出し、基本的に8つのを持つ。鋏角と第1脚の間にある触肢は短い脚のような形で、これは原始的な種類ではやや発達のため、10本脚にも見える。


フィクションやデフォルメでは顔と脚の部分が別だったり、脚を腰や腹部から生えるように描かれることが多いが、実際は全て頭胸部にまとまる。


それ以外の外見的特徴は種類により様々で、大きさは1mm未満から10cm以上、体色は地味な茶色から鮮やかな虹色まで多岐にわたり、同種が雌雄により姿形が著しく異なるものもいる(この場合は雄が雌よりも小型か鮮やかなケースが多い)。


5万種以上が知られ、鋏角類の中ではダニ(約5万5,000種)の次に多い。


を張って昆虫捕食するイメージが一般的であるが、網を作らず、待ち伏せや地表を徘徊する種類も多い。

混同

昆虫などと並んで「」と呼ばれるが、同じく節足動物であること以外全く別である。

昆虫の体は「頭・胸・腹」の3パーツで6本脚と触角を持つのに対し、クモを含むクモガタ類の体は「頭胸・腹」(実際は「頭・胴」)という2パーツのみ、そして触角は無く、8本脚である。


ウミグモという同じ8本脚が特徴的な海洋生物が存在するが、こちらは同じ鋏角類であること以外全く別で、クモのような牙や丸い腹部を持たない。


生態

ほぼ全てが陸棲で、1種のみ水中を主に生活する。陸棲・水棲関わらず全てが空気呼吸で、腹部の書肺や気管を介して行われる。


ほぼ例外なく肉食で、餌は主に昆虫などの小動物。ジョロウグモタランチュラ等の大型の種類は、たまにネズミ等の小型の脊椎動物を餌にすることもある。センショウグモケアシハエトリの様に、他種のクモを専門に捕食する種類もいる。

固形物を摂食できず、代わりに消化液を吐き出して獲物を体外消化し、液体状に消化された成分を吸い込む。

一方、などをすする様子が散見し、1種のみだが植物成分を主食とするものも知られている。


網を張って飛来した虫を受動的に捉えるものや、通りすがりの獲物を待ち伏せるもの、あらゆる場所を徘徊して獲物を探すものが多い。他にも巣穴から伸びるセンサーの糸にかかった虫に襲い掛かるものや糸の先端に粘液を付けて振り回して獲物をくっつけるもの網を前脚に持たせて獲物を覆い被さるもの等、やや特殊な捕食方法も見られる。


一部の小型種や子グモは糸をタンポポの綿毛の様に使って、風に乗って遠いところへ散っていく。この移動手段は空を飛ぶ風船を彷彿とさせ、バルーニング(Ballooning)と呼ばれる。


繁殖

雄はペニスに該当する器官を持たず、繁殖での配偶子のやり取りは交尾ではなく、生殖器を直接繋ぎ合わせない「交接」である。

雄は触肢に精子を蓄える「触肢器」を持ち、腹部付け根の生殖孔から排出した精液をそこに蓄えてから雌を探す。受け入れた雌にはまたそれを使って精子を雌の生殖孔へ注ぐ。さらに雌には「貯精嚢」と呼ばれる精子嚢があって、精子はしばらくそこへ留まる。

交接の前に雄が雌に一連の求愛ダンスを披露するものも多い。雌がその気でなければ雄を襲って食べてしまうもともあるため、雄にとって命かけである。


卵は雌の糸で卵嚢にまとめられる。雌がこれに留まらず、卵嚢や孵化したての仔グモを巣穴で保護したり、身に付けて行動する種類も多い。


雄が交接の後、雌へわが身を提供するクロゴケグモ(「黒の未亡人」を意味する英語名「Black widow」の由来)、が孵化してしばらくするまで母親が密閉された空間で世話をし、その後が子蜘蛛に食われるカバキコマチグモイワガネグモ等、特異な生態を持つものがある。


分類

前述の通り、クモは節足動物であるが昆虫ではなく、鋏角類に属するクモガタ類の一つである。クモガタ類の中ではウデムシサソリモドキ等が比較的クモに近い類で、牙状の鋏角や2対以下の書肺が共通する。


クモは主に次の3大系統に分かれ、それぞれの著名な種類は次の通り。


古蜘蛛(ハラフシグモ)亜目

最も原始的なクモ。腹部が体節に分かれ、出糸器官が腹部の真ん中にある。

原蜘蛛亜目

古蜘蛛亜目と似た原始的な体型だが、腹部の体節のなさと末端に付く出糸器官は後述の新蜘蛛亜目に共通。

新蜘蛛亜目

一般的なクモが属する。牙が左右から噛み合うように動く。ほとんどの種類は1対以下の書肺を持ち、気管をもつものも多い。


一般的な扱い

クモの巣が印象的なのか様々な神話伝承のモチーフとなっている。


媒体では不気味で恐ろしい有毒生物としてのイメージが強く、果ては攻撃的で人も躊躇なく嚙み付くとされている。「クモ恐怖症」(アラクノフォビア)というのが存在するほど、現代はクモが苦手な人も少なくない。

  • しかしその実態はほぼ風評被害である。人命に関わる程の毒を持つ種類は確かに存在するが、僅かでしかない。ほとんどのクモの毒は人体に対して非常に弱く、毒牙が皮膚を貫けるかすら問題である。
  • そして何よりクモから人への咬害は受動的な防衛手段であり、人から過剰な刺激を受けない限り自発的に噛む事はない。人間からの刺激を受けると、すぐに身を隠せないであろう大型種であれば先に毒牙を上げて威嚇するものが多いが、小型種の場合はまず精一杯逃げるのがほとんどである。

なお、人間にとっては害虫であるたちを積極的に捕食する事から、クモは益虫として代表的な存在でもある。

  • しかし、殺虫剤や農薬に弱い種が多く、不十分な農薬散布を行うとクモだけ全滅し、害虫がかえって増殖することがある。

コウモリと同様、地域や時間帯で縁起の良し悪しにばらつきがあり、日本では朝に見かける蜘蛛は神様の使いで縁起が良く、殺してはいけないという言い伝えがあり、一転して夜の蜘蛛は縁起が悪いとされる。

  • また、午前に現れた地域によっては財布や懐に入れる所もあるという。

一方、西洋では基本的に不気味なものとして扱われるが、背中に十字架模様のある蜘蛛は神聖とされ、殺してはいけないと伝えられている。

『辛坊強さ』や『女性グレートマザー』の象徴とされる事もある。


アメリカ土産の『ドリームキャッチャー』という悪夢から身を守り、善い夢を捕まえるこのお守りは、蜘蛛の巣を模した物で、元はネイティヴアメリカンが蜘蛛の神『イクトミ』からのお告げによって作られた物が始まりとされている。


アイヌ文化ではヤウシケプ(網を編むもの)と呼ばれ、

網を張って悪い魔物を捕まえる神様だから殺したり追い払ってはいけないといわれている。


クモをモチーフとしたキャラクター

神話・伝承・妖怪

海外

スーパー戦隊シリーズ

仮面ライダーシリーズ

メタルヒーローシリーズ

ウルトラシリーズ

その他特撮

アニメ

ゲーム

星のカービィシリーズ

ポケットモンスターシリーズ

漫画


関連イラスト

クモ少女タランチュラの体

蜘蛛トライバルっぽいやつ蜘蛛


関連タグ

節足動物 鋏角類 クモガタ類

サソリ:クモと並んでメジャーなクモガタ類。

ウデムシサソリモドキ:近縁。

ウミグモ:クモの名が付く別グループ。

 益虫 害虫 web

蜘蛛の巣/クモの巣 蜘蛛糸/蜘蛛の糸


別表記

くも クモ スパイダー

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