「ウルトラ戦士の心なんて、何万年も前に捨てたよ。俺は宇宙最強の力が欲しいだけだ!」
データ
身長 | 55m |
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体重 | 6万t |
年齢 | 15万歳以上 |
人間態 | 『ウルトラマンジード』第23話のネタバレ注意 |
担当声優 | 宮迫博之(雨上がり決死隊)(劇場版2作) |
小野友樹(ウルトラゼロファイト、ウルトラマンジード、スーパーヒーロージェネレーション)(ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀) | |
高塚正也(玩具「ドラマチックサウンド DXウルトラマンベリアル」、HEROES' VS) | |
藤原啓治(ウルトラ怪女子) | |
舞台版キャスト | 校條拳太朗、石渡真修(SHINKA) |
概要
『大怪獣バトルウルトラ銀河伝説THE MOVIE』にて初登場。
基本的に善人しかいない光の国で、悪の道に堕ちた唯一のウルトラマンであった(後にもう一人いた事が判明したが、こちらは悪に堕ちた経緯の関係で光の国が関知していない)。また、ウルトラ戦士唯一のレイオニクスでもある。
これまで悪のウルトラマンといえば、宇宙人や怪獣が変身した偽物やコピー、人工的に作られたウルトラマン型のロボット、ウルトラマンとは呼ばれない存在などが一般的だが、ウルトラマンベリアルは正真正銘M78星雲ウルトラの星出身のウルトラマンだった。
しかし現在では正義の心を完全に失っており、目的のためなら部下や操る怪獣をも捨て駒として平然と犠牲にするなど、極めて狡猾で残虐な性格をしている(ただし、一部の有力な部下達に対してはそれなりの情と信頼の念を持っていると思われる描写がある)。
また、強力・凶悪な怪獣宇宙人達を自身に心酔させて組織を作り上げるなど相手を惹きつける不思議な魅力もあるらしく、悪のカリスマとしての一面も持っている。ただ、ウルトラシリーズ内における他の悪のカリスマと比べると王者・超越者的な視点が薄く、わりとチンピラ・ヤクザに近い振る舞いや言動が多い。そのおかげか割と視聴者の共感しやすい面もあり、作品内外問わず不思議な魅力を発揮している。
元々ウルトラマンケンことウルトラの父に勝るとも劣らない戦闘力を秘めていたためか、並み居るウルトラ戦士達を(後述の武器付きではあるが)格闘戦だけで次々となぎ倒し、今まで無敗だったウルトラマン80も(タッグ戦とはいえ)初めて敗れた。また、武器なしでも下手な光線なら素手で防ぎ、並大抵のパンチやキックも全く寄せ付けない防御力も併せ持つという、数多のウルトラ戦士が一斉に立ち向かっても敵わない無敵のウルトラマンと化している(さすがに数万全員を一度に相手取ってはいないが、ここまでの描写は破格である。なお、1体の怪獣が複数のウルトラ戦士相手にここまで無双したのは『ウルトラマン物語』のグランドキング以来だがベリアルはその数倍のウルトラ戦士を相手にほぼ無傷で無双している)。
また、レイブラッド星人からレイオニクスの因子を受け継いだためなのか、怪獣を操ることはもちろん、自身の体を怪獣の肉体と同調させることまで可能としている(ちなみに、他のレイオニクスは怪獣を操って戦わせるのが精々であり、このような肉体の同調までは行えない。ベリアルが何かしら特殊な体質の持ち主なのか、レイブラッド星人から直接レイブラッドの因子を大量に注ぎ込まれたことが原因なのか、はたまた彼の所持しているギガバトルナイザーに何か秘密があったのか、真相は不明である)。
なお、ギガバトルナイザーが強すぎるためか、よくギガバトルナイザーが本体とネタにされるがそれは大きな間違い。上記のようにベリアルは、万全の状態のウルトラ戦士を何人も、その優れた格闘能力で圧倒している。つまり、優れた名刀は優れた剣豪が振るってこそ力を発揮するのと同じように、レイオニクスの因子を受け継いでいることに加えて、ギガバトルナイザーを使いこなせるくらいベリアルが強いのである。
おおとりゲンの記事でも触れているが、如何に優れた武器でも、使用者本人の実力が低ければ無用の長物にしかならないのだ。
こうした非常に強力な存在故、真っ向から対抗できる存在は非常に限られており、現在確認できているのは、古傷を攻撃されるまで互角以上に渡り合っていたウルトラの父、一度封印した存在であるウルトラマンキング、宇宙最強の肉体の持ち主ウルトラマンゼロ、実の息子であるウルトラマンジードの4名のみとなっている。それ以外では数多の宇宙で戦い続けてきたダイナ、ウルトラ6兄弟でもトップクラスの実力者であるゾフィー・タロウが単独である程度健闘できた程度、といえばその凄まじさがわかるだろうか。
その経歴から、(自業自得であったとはいえ)自身を故郷から追放した光の国や宇宙警備隊を激しく憎悪して何度も襲撃しており、特に後述の出来事がきっかけでウルトラマンゼロに対しての執着が強い。
強大な力を渇望し、その結果周囲からの孤立を招いて、最終的に悪への道へと転落していったベリアルの姿は、同じく強大な力を渇望して一度は道を踏み外しかけるも、多くの仲間たちに支えられて正義の道へと踏みとどまり、やがて英雄への道を歩んでいったゼロの姿とは完全に対照的なものとなっており、ある意味でゼロとは対になる存在、若しくはゼロが歩むかもしれなかったもう1つの可能性とも言えるだろう。
同様にウルトラマンジードも(その誕生の経緯もあり)、ベリアルが闇落ちしなかったIFの存在と言える。
また、自分を差し置いて出世を遂げ、最終的に宇宙警備隊の隊長の座にまで登り詰めたウルトラの父に対しても未だに一方的な恨みを抱いているらしく、ジードのフュージョンライズ形態の1つであるマグニフィセント(ウルトラの父の力が使われている形態)を目にした際には、「ケンには恨みがある。容赦せん!!」と吐き捨てていた他、最終回で実際に相まみえた際には20時間に及ぶ戦闘の末、ウルトラの父を追い詰めており「お前のもがき苦しむ様を見たいと思っていた! 何万年もの間ずっと!」と根深い憎悪を告げている。
作品(監督)において少々キャラクターに違いがあり、初登場の映画ではウルトラマンの心は捨てたと平然と述べたり、『ジード』では部下を一切省みない残虐にして狡猾、それでいて孤独なキャラクターとして描かれた一方、映画『ベリアル銀河帝国』や『ウルトラゼロファイト』では、その力だけではなく人格にも心服した忠臣たちと信頼関係を築いたり、ウルトラマンゼロに「お前だってウルトラマンだろうが!」と言われて動揺したり、なんと『ウルトラマン列伝』では最終的に忠臣達と「オレ達の守るべきものを探しに行く」と覇道を謳歌していた。
一応、これらの作品の間では時系列が空いてもいるため、ベリアルの心情の変化と考えることもできなくはない。また、ジードで明かされた孤独と憎悪に苦しんでいた精神を考えると、精神的に不安定なところがあったと読めるかもしれない。
与えた影響
『オーブ』以降の作品では、本人に由来する力やアイテムがほぼ毎年登場し、そのどれもが、(ジードを除いて)「簡単には制御できない代わりに、一度でも使いこなせれば強力なパワーになる」というものばかりである為、ファンから「悪だとしても根っこは頼れる先輩ウルトラマン」「ベリアルは身内である息子には甘いがそれ以外には厳しい」と評価されることも少なくない(そもそもジード以外の戦士にとっては闇の力自体がそもそも管轄外なのだが)。
これは敵サイドにおいても同様であり、エンペラ星人を超える強さと、闇に身を置く者であれば比較的容易に扱えるという意外なコントロールのし易さから、その力は色々なヴィランに目をつけられている。
倒されて以降も強大な力の源になり続けているあたり、かつて魅入られたエンペラ星人と同様、彼の影響力は死後もなお健在であることが窺える。
容姿
悪のウルトラマンというだけであって、黒一色に染まった身体に複雑な赤いラインが走るという非常に禍々しい体色をしており、カラータイマーは紫色に変色している。目は赤みがかった黄色(またはオレンジ)で、その目付きも異様なまでに釣り上っている。この特徴的な目はベリアルを表すモチーフとしてしばしば使われており、息子であるウルトラマンジードにもこの釣り上がった目が受け継がれている。なお、ベリアルとジードは目の裂けている方向が逆。更に、口が大きく裂けている。
体格は筋肉質で、手は鋭い鉤爪状になっており、後頭部から背中にかけ背鰭のようなものが走っており、全体的に半獣型のスタイルをしている。また、この後頭部からの背鰭の形も息子のウルトラマンジードと一致している。
この背鰭や牙をイメージさせるデザインはサメがモチーフだという。
ある程度ウルトラマンの要素は残っているとはいえ、これらの特徴からは、もはや光の国出身のウルトラマンとは思えない程の異形の姿をしている。
だが元からこの姿だったわけではない。詳細は後述。
必殺技
デスシウム光線
両腕を十字状に組んで右手の掌から放たれる暗黒必殺光線で、いわゆるスペシウム光線系統の技。
ゼロのゼロツインシュートを凌駕する威力を持ち、光線技の撃ち合いで押し返してダメージを与えた。
カイザーベリアル時代に初使用し、『オーブ』最終回にて通常のベリアルで放つ姿を初めて披露した。また、『ジード』最終回でのベリアルの回想シーンでは、ある意味での同胞と言える存在に対して放ち、通常形態初の単独撃破を果たしている。
また、『ジード』第17話では突き出した腕から同様の光線を放っている。
アーリースタイル時代ではまだ闇の力は混ざっていないものの、この時点で赤い電撃を纏った基本的なスタイルは確立されていたようである。
『DARKNESSHEELS-Lili-』では、リリ・アーカイヴと一時的に融合し、光の力を宿した状態でも使用。ホーリーデモンズに大ダメージを与え、後述するベリアルクローへと繋げた。恐らく、光と闇の両方の力が備わった光線になっていたと思われる。また、この時にはベリアルの隣にリリのビジョンが現れ、2人揃って光線技の発射ポーズをとるという演出があった。
ウルトラ念力
『巨影都市』で使用。市街地の車を浮かせて初代マン達にぶつけた。
赤い光弾
エタルダミー版が手から繰り出していた謎の破壊光弾。
腕からの光線(正式名称不明)
『DARKNESSHEELS-Lili-』にてリリ・アーカイヴと一時的に融合したベリアルが腕を突き出して放つデスシウム光線のようなビーム。なお、この時のベリアルは半身が発光している。
実は、第1話でもゲオザークと戦闘した際に、止めの一撃としてこれと思しき技を使っている。
ベリアルクロー(正式名称不明)
『DARKNESSHEELS-Lili-』で使用。
鋭い爪で敵を切り裂く。ホーリーデモンズに対してデスシウム光線の締めとして使用し、引導を渡した。
カイザーベリアル時代の爪攻撃『カイザーベリアルクロー』に相当する技だと思われる。
ギガバトルナイザーを使って繰り出すもの
設定上はベリアルでなくともある程度は使用可能と思われる。
ベリアルジェノサンダー
ギガバトルナイザーから放たれる稲妻状の必殺光線。ギガバトルナイザーを敵に押しつけて稲妻を直接流し込むパターンもある。
非常に破壊力が高く、ザラブ星人を殺害したほか、ウルトラの父の古傷に命中させて形勢を逆転させたり、ゴモラにダメージを与えるなどしている。
『ウルトラファイトオーブ』ではレイバトスもギガバトルナイザーからこれと思われる光線を発射している。
オーブのフュージョンアップ形態の1つであるサンダーブレスターの名前の1つとなっている。
ベリアルショット
ギガバトルナイザーから放たれる光弾。
ベリアルデスサイズ
ギガバトルナイザーから放たれる鎌状の光線。複数の相手を一度に薙ぎ払う事ができる。
『ウルトラマンジード』における回想シーンでは、複数のウルトラ戦士を切り裂いたり、ウルティメイトゼロを一撃で通常のゼロに戻したりしていた(この時、ウルティメイトイージスおよびウルティメイトブレスレットが破損してしまい、ゼロは戦闘能力を大きく制限されることになってしまう)。
地球再臨時には、ジードと戦闘していたゴドラ星人をこれ一発で爆殺した。
ベリアルウィップ
ギガバトルナイザーから放たれる光のムチ。
メビウスを縛り上げて放り投げ、ウルトラの星から放逐した。しかしこれが裏目に出る事になってしまった。
ベリアルブラックホールサンダー
上空にブラックホールを作り出して敵を吸い込み、四方八方からベリアルジェノサンダーで攻撃するコンボ技。劇場版公開後に一般公募された技であり、今のところ映像内では使用していない(ただし、『大怪獣バトルRR』の付録カードとして商品化されている)。
暗黒の戦士の誕生と2度の反乱
ウルトラ大戦争
前述のとおりベリアルは、元々M78星雲のウルトラ戦士だった。
そのころは現在の姿のように赤と黒の体色ではなく、ウルトラマンらしい赤と銀の体色をしていた。
この姿のベリアルは、「アーリースタイル」と呼ばれる。
非常に優れた戦士であったらしく、3万年前のウルトラ大戦争(ウルティメイトウォーズ)においては、ウルトラマンケン(ウルトラの父)やゾフィーの父らともにエンペラ星人率いる怪獣軍団と戦い見事撃破するという武功をあげる。
しかし敵に対しては一切容赦せず徹底的に叩きつぶす考えを持っているなど、この頃から闇に魅入られる素質は持っていたようであり、そんな極端な思考故に周囲からは浮いた存在であったらしいことが後年の作品で示唆されている。
この経緯については、(諸事情で一部経緯が異なるものの)後述する作品で掘り下げられている。
皮肉にも(光の国のメンツからではないとはいえ)周囲から認められ、ケンを越えうる力を手に入れたのは闇堕ちしてからである。
『ウルトラ銀河伝説』
ケン「この星は、お前の故郷だぞ!?」
「故郷…?フン、知らねぇな。そんな物滅ぼしてやる…俺は、お前らへの復讐の為に帰って来たんだ!!」
その後、順当に出世を遂げて宇宙警備隊隊長へと就任したケンへの嫉妬や、エンペラ星人の闇の力への羨望、「自分は周りから見下されている」といった認識の仕方(ベリアルもその武功に対してそれなりの恩賞は受けていたと考えられるが、恐らく性格面で難があることを仲間たちから危険視され、組織の要職には就けなかったものと考えられる)など様々な要因が重なり、更なる力を求めてウルトラの星のすべての力の根源であるプラズマスパークのコアを奪おうとするが、強力なパワーに耐え切れずに失敗してしまう。
重罪を犯した事により光の国を追放され、失意のうちに宇宙を彷徨っていたところを、強大な闇の力を持つレイブラッド星人に目をつけられ、彼の力を受けて異形かつ暗黒の風格漂う現在の姿に変貌してしまった(なお、意外にもベリアルは自分からレイブラッドの力を欲したわけではない。力の譲渡はレイブラッド星人による一方的なものであり、レイブラッドの因子が体に入り込んできた際に、ベリアルは苦しみながら「やめろぉぉぉ!」と絶叫している)。
それ自体が強力な武器になるギガバトルナイザーを授けられ、「ベリアルの乱」と呼ばれる大反乱を起こした後、ウルトラマンキングの手によって宇宙牢獄に封印された
数万年後、ゴーストリバース事件で宇宙を漂っていたギガバトルナイザーを偶然拾ったザラブ星人の手によって脱獄し(なお、復活を手助けしたザラブ星人は直後にベリアルに殺害されている)、ウルトラマンタロウを始めとするウルトラ戦士達を圧倒的な強さで次々と倒し、プラズマスパークコアを奪って光の国を凍結させてしまう。
そして、怪獣墓場で100体もの怪獣軍団を蘇らせ、辛うじて難を逃れた初代ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンメビウスや、事態を察知して駆けつけてきたウルトラマンダイナ、怪獣使い(レイオニクス)のレイと最後の戦いを繰り広げるが、修業を終えて真の戦士となって駆けつけたウルトラマンゼロに敗れる。
その後、怪獣墓場の怪獣達の怨念を取り込んで百体怪獣ベリュドラと化し、再びウルトラ戦士達に襲いかかるが、レイのある行動によって合体している怪獣達のコントロールが利かなくなり、身動きが取れなくなったところへゼロのプラズマスパークスラッシュを受けてトドメを刺された。
しかし、実は生き延びてどこかの小惑星に飛ばされて意識を失っていたベリアルが息を吹き返して映画は幕を閉じる。
何人ものウルトラ戦士を圧倒した割に、怪獣軍団との戦闘や、第1形態時の時点でゼロと一対一で戦った際に途中から自分よりもはるかに年下な上に経験が浅いはずのゼロ一人によって逆に追い込まれている。後年の展開を含めて考えると、いかにゼロがベリアルに唯一まともな攻撃を浴びせられた宇宙最強の肉体の持ち主とはいえ、ベリアルの方が圧倒的に強いはず。
理由があるとしたら、
- 『ゼロを若輩者と侮った』
- 『武器に頼りすぎた』(基本的に本作では武器を用いぬ場面がなかった)
- 『長年牢獄に入っていたために多少のブランクがあった(冒頭の戦闘で無双していた様子を考えるとさすがにこの理由はないだろうが…)』
なども考えられるが……あまり突っ込むべきじゃないかもしれない。
もっとも、この時は突然の参入者に圧倒的な強さで軍団を蹴散らされ、動揺していた可能性も否めない。挙句に優先的にギガバトルナイザーの排除にもかかられていたこともあり、強みを真っ先に潰されての敗北と見ることも出来るだろう。
また、以降の作品と比べると今作では口数がそれほど多くない。
復活、ゼロとの死闘
『超決戦!ベリアル銀河帝国』
「疼く…疼くぜ、この傷が…!見ろ、これはお前につけられた傷だ…ウルトラマンゼロ!」
ゼロに敗れた後、何らかの原因で迷いこんだ別宇宙(アナザースペース)を侵略しようとしていたヤプールに遭遇し、その覇権をめぐって激闘を繰り広げる(ステージショーでの展開)。
ウルトラ戦士への怨念の力でヤプールを撃破したべリアルはヤプールの手下であった暗黒参謀ダークゴーネと鋼鉄将軍アイアロンを配下に置き、帝国機兵レギオノイドやウルトラマンゼロの戦闘データを基に作り上げた帝国猟兵ダークロプスの大軍勢を率いて、アナザースペースの主要惑星を次々に制圧。遂にはベリアル銀河帝国と呼ばれる強大な宇宙帝国を作り上げ、銀河皇帝カイザーベリアルと名乗りアナザースペースや光の国だけでなく全ての次元の宇宙に魔の手を伸ばそうと侵略を開始した。
この時期は戦はほぼ手下に任せきりではあったものの、前作の敗北から新たに鍛え直したのかギガバトルナイザーなしの真っ向勝負でゼロと互角以上の戦いを繰り広げていた。かつてモロに食らっていたウルトラゼロキックを完全に防いでいるほか、ゼロツインシュートに対してはデスシウム光線で真正面から打ち勝つなど、格闘能力、光線の扱いが更に巧みとなっているのが窺える(むしろ後述するようににベリアル本来のファイトスタイルはその爪を生かした近接戦闘であり、ある意味本来のベリアルのポテンシャルを最大限に活用したと考えると、武器がなくなったと同時に基本に立ち返った分逆に隙が無くなったとも取れるか)。
この野望を追ってアナザースペースに到達したゼロと仲間達と激しい戦いを繰り広げ、遂には超銀河大帝アークベリアルとなって全てを滅ぼそうとする。
しかし、仲間との絆が生み出したウルティメイトイージスを纏ったゼロの力によってカラータイマーを砕かれ、でゼロの名を叫びながら今度こそ完全に死亡した。
ベリアルだけでなく、アイアロンやダークゴーネといった有力幹部も軒並み戦死したため、ベリアルの築き上げた帝国は完全に崩壊することとなった。また、光の国へと侵攻したダークロプス部隊も、宇宙警備隊をはじめとするウルトラ戦士たちの奮戦により全滅し、ベリアルの侵略計画は大失敗に終わった。
ただし、その後も残党がアナザースペースで暴れていたらしく、『ウルトラマンサーガ』の冒頭でゼロがレギオノイドの大軍と戦闘する描写がある。
『ウルトラゼロファイト』
「久し振りだなぁ…会いたかったぜぇ…?ゼロ、お前も俺様に会えて嬉しいだろう…?」
ゼロに敗れたべリアルの魂は怪獣墓場に流れ着き、暗黒魔鎧兜アーマードダークネスと一体化し、暗黒大皇帝カイザーダークネスとして復活。生前はエンペラ星人の力に惹かれていた彼が、エンペラの鎧で復活を遂げるとは、何とも奇遇なものである。
そしてバット星人グラシエや凶悪宇宙人を集めたダークネスファイブを使役して、ゼロや仲間たちに襲いかかる。
「お仲間は逝っちまったぜぇ?俺の…いや、お前の手に掛かってな…!」
ゼロに鎧を貫かれ倒されたかと思われたが、実はそれこそがベリアルの真の目的であり、隙をついてゼロの体を乗っ取り最凶のゼロダークネスとなった。
ゼロダークネスはマイティーベースを一撃で八つ裂きにするなど凄まじい強さを見せ、グレンファイヤーやミラーナイトを殺害し、ジャンボットやジャンナインをもバラバラに砕いて活動停止させるなど、これまでよりも類を見ない程暴虐の限りを尽くして、一度はゼロを絶望させる。
しかし、ゼロがシャイニングウルトラマンゼロとして覚醒した事で体から叩き出されてしまい、その光の力で消滅してしまう。
……が、シャイニングウルトラマンゼロが時間を巻き戻して仲間達を復活させたのと同時に、べリアルもその影響で本来の体を取り戻して復活してしまった。
そして、ベリアルは、ゼロの強さの本当の秘密が「自分の守るべきもの」であることを知ることになる。
ゼロ
「お前は持っているのか? 守るべきものを…。
何故奪うだけで、守るものを持たないんだ…?
お前だって…ウルトラマンだろうが!!」
「守るべきもの…
貴様の強さはそれか、ゼロ!
俺は更に強くなり、全ての宇宙を手に入れてやる!!」
その後はダークネスファイブとひと悶着ありながらも、更なる強さを手に入れるために彼らと共に行動をして「守るべきもの」を見つけるために宇宙を放浪する旅に出る。
なお、ウルトラゼロファイトでは自らアーマードダークネスを着込む、ダークネスファイブの面々がエンペラ星人配下と明言された連中と大体同じ面子など、非常にエンペラ星人リスペクトが強い構成となっている。もしかすると、ひっそりとかつて惹かれた存在の真似をして楽しんでいたのかもしれない。
『大怪獣ラッシュ』
その後、スライの調べてきたプラズマギャラクシーの怪獣ハントの情報に興味を惹かれ、向こうの宇宙でダークネスファイブの面々と共に日々ハンティングに勤しんでいた模様。
またこの頃に伏井出ケイと接触しており、仲間に加わっていた事が判明する。
ちなみに公式ホームページの「ジェントの部屋」によると、仲間たちと好き勝手にハンディング(もとい暴れ回っている)為、ジェント氏にとっては新たな悩みの種となっていたようだ……。
受け継がれる闇の力
『決戦!ウルトラ10勇士!!』
『ウルトラマンギンガS』の世界観に襲来した新たな敵エタルガーの幻覚エタルダミーとしても登場(そのため、本物のベリアルではない)。こちらでも宿敵:ウルトラマンゼロと激突する。
知る者には嬉しい限りの激しい激突を繰り広げ、『ウルトラ銀河伝説』に見劣りしない活躍をした。
だが最後はストロングコロナゼロのウルトラハリケーンで投げ上げられた所へガルネイトバスターを撃ち込まれ、続けてルナミラクルゼロのミラクルゼロスラッガーで切り裂かれ、おまけと言わんばかりにシャイニングウルトラマンゼロのシャイニングエメリウムスラッシュの連続攻撃の前に敗退した。
なお、このベリアルの存在は「ウルトラマンが平和な星を滅ぼすはずがない!」というヒカルの台詞を最も否定していると言える(ベリアル自身は平和な星を滅ぼすどころかその宇宙まで危機に追いやった程である)。
『ウルトラマンオーブ』
ベリアル自身は登場しないが、ベリアルのウルトラフュージョンカードが登場している。
ウルトラフュージョンカードは、魔王獣を封印したウルトラ戦士たちの力の宿ったカードということになっているが、どうやらベリアルのカードだけは例外らしく、登場時には既に惑星侵略連合のリーダー:メフィラス星人ノストラの手に渡っており、どのようにして生成されたのかは不明である。
第7話で少女ハルカの見た予知夢では、このベリアルのカードがガイの手に渡ろうとしているかのような様子が描写されていたが…?
その後、第10話にてジャグラスジャグラーが大魔王獣マガオロチ復活のために不可欠な力として欲していた「黒き王」のカードである事が判明。魔人となったジャグラーがメフィラス星人ノストラを殺害して奪い取り、新たな所有者となっている。
第11話ではジャグラーの手によってマガオロチを封印していた結界を破壊するために使用されてしまい、最強最悪の大魔王獣復活を許してしまうことになる。
第12話では、カードは玉響姫の手に渡っており、ゾフィーのカードと共に、マガオロチ打倒の最後の切り札としてガイに託される。
闇属性のカードであるためなのか、当初はオーブリングでリードすることができなかったが、目の前でマガオロチが玉響姫の霊体を消滅させたのを目の当たりにしたガイの怒りの感情に呼応するかのように突如リードが可能となり、サンダーブレスターへの変身が可能となった。
しかし、ベリアルの闇の力はあまりにも強大であり、オーブでも完全にその力を制御することはできず、サンダーブレスターは周囲の被害を顧みず相手を倒すまで傍若無人な戦いを繰り広げる狂戦士と化してしまった。
それが祟って第15話のギャラクトロン戦では敵の体内に取り込まれていたナオミを救い出そうともせずに攻撃を仕掛け、結果としてナオミに瀕死の重傷を負わせてしまう。
ガイはこの事実に自責の念を感じ、以降は決してベリアルの力を使わないことを固く決意し、闇を制御できる力を求めて再び放浪の旅に出ることになった。
その後、第17話にてかつて関わりのあったある人物の顛末を知った事がきっかけで闇を恐れない決意を固め、遂に制御する事が可能になった。
最終回では、オーブがこれまでフュージョンアップしてきた8大ウルトラ戦士の一人として登場し、他のウルトラ戦士達と共にマガタノオロチにデスシウム光線を発射した。あくまでカードに宿っていた力の一部がイメージとして出現したものではあるが、ベリアルが地球を守るために他のウルトラ戦士共々怪獣へ向けて光線を放つという、これまでのシリーズからは考えられない光景を生み出すこととなった。
ちなみに、ゲームのフュージョンファイトではダイナ(ミラクルタイプ)とのフュージョン形態であるサンダーミラクル、アグルとのフュージョン形態であるサンダーストリームが登場している。
3度目の反乱、息子との邂逅
『ウルトラマンジード』
「息子よ…迎えに来た。父、ベリアルの元へ来い」
主人公のジード=朝倉リクの父親という衝撃的な設定が発表され、ファンの間で激震が走ることとなった(ただし詳細が判明するまではSNSやTwitter等で噂になっていた)。
もっとも、ウルトラの父やゾフィーの父と同期である事を考えれば、(長らく幽閉状態にあり、しかも一度死んで蘇ったとはいえ)別に子供がいてもおかしくない年齢ではあるのだが……
本作では、(ある一件から取り戻したと思われる)ギガバトルナイザーを手に再び宇宙警備隊に戦いを挑み、“サイドスペース”と呼ばれる別宇宙の地球で「クライシス・インパクト」という宇宙規模の大爆発を引き起こして宇宙の破壊を目論んだ。
元々かつての怪獣墓場での戦いより強くなっているうえ、ギガバトルナイザーを再び手にしたためか終始無双状態であり、ウルティメイトゼロを一撃で倒してしまっている(物語のキーアイテムであるウルトラカプセルも、この戦いを終わらせるために急きょヒカリに開発を急がせ、導入されたものである)。
ちなみに、ベリアル本人が地球に襲来してきたのは回想シーンではあるが、今回が初である(『決戦!ウルトラ10勇士!!』でのエタルダミーを除く)。
彼の企みは、最終的にウルトラマンキングの介入により失敗、地球も一度は崩壊するほどの甚大な被害を被ったものの、キングの手によって修復され、最悪の事態は阻止された。
ベリアル自身も爆発に巻き込まれた影響からか肉体を失い、とある銀河の一部に作り出した異空間を拠点として潜伏していたが、肉体を再び手に入れようと目論み、ストルム星人(伏井出ケイ)に自らの力の一部を分け与えながら、ウルトラカプセルを集めさせていた。
同時に、伏井出ケイの発言により、ジード(朝倉リク)は、彼が妻を得て設けた子供ではなく、ケイの提案に乗り自らの遺伝子を預けて作らせたデザインベイビーである事も分かった。
ベリアルから見れば、リクは息子というよりはクローンに近い存在なのだが、自身は「親子」であると認識しており、本人と対峙した際には終始頑なに自らが父親であると主張していた。ステレオタイプの悪役の様に自分の道具や代替品扱いしていない辺りは、どれだけ堕ちてもウルトラマンと言うべきか。
ただし、その息子のことをきちんと「リク」や「ジード」と呼ぶことはなく、「我が息子」「私の息子」としか呼んでいない。その点においては一見優しく接しているように見えて、どこまで彼を「自身の遺伝子を継ぐ息子」以上の「一個人」として見ていたかは怪しいところもある。
とは言え、下記に詳細は記されているがジードの反抗に対する態度と寛容さや自分の息子として生きる宿命と業を語る様には親子愛自体はある模様。ただ、愛の形が歪み切っているだけである。
その後、ケイはリクから強奪したウルトラカプセルをベリアルへと献上しようとするが、鳥羽ライハの妨害を受けてゼロのウルトラカプセルを落としてしまったことで結果的にカプセルを6つしか回収することができなかった上、自身と交信していた際に電波を逆探知されて潜伏していた拠点をAIBに探られてしまい、要請を受けたウルトラマンゼロが偵察にやってきてしまうという事態になってしまう。
ケイは拠点の場所を突き止められたことから、せめて回収可能な分だけでもベリアルに献上して根城を変えようというつもりだったらしいが、ベリアルには聞き入れられず、功を焦るあまり計画が破綻しかねない失態を犯してしまったことを逆に咎められてしまう。
ベリアルは失敗を贖わせるためケイに収集した全てのウルトラカプセルを自らの中に取り込むよう命令し、彼の体内に強大な闇の力が宿る事となった。
その後、ウルトラマンゼロが異空間の探索に訪れたが、ベリアル自身は何とかうまく隠れおおせたらしく、これ以上の探索を諦め異空間唯一の入り口を「嫌がらせ」と称し出入りできないように縮小させてから帰還するゼロを見ながら、「まもなく俺は強大な力を手に入れる。その時、お前は真の絶望を目の当たりにするだろう」と不敵な言葉を述べていた。
同じころ、リクは名付け親である朝倉錘から、「近い内に君はお父さんと会うだろう。戦って君が負ければ世界は終わってしまう」と意味深な言葉を告げられているが、その時はすぐに訪れることとなった。
第16話で、完全復活を遂げたベリアルはゼロによって封じられた異空間の歪みから脱出し、とうとう地球に降臨する(ベリアルが地球で戦うのはクライシス・インパクトのみだったが、本編に本格的に登場するのはこの回が初めてである)。
登場の際は世界が暗雲に覆われ、以前と変わらぬ圧倒的な力を振るう様も相まって完全に最終回のような雰囲気を作り出していた。
本人曰く「息子を迎えに来た」とのことだが、ジード=リクにその気がないことを知るや、抵抗するジードを徹底的に痛めつけた。かけつけたゼロビヨンドにはやや押されていたが、ベリアルデスサイズで吹っ飛ばして大ダメージを与えた(下がるように言われて尚も戦おうとしたジードにペースを乱されたとはいえ、ゼロビヨンドが相手の攻撃で明確にダメージを受けたのはこの回が初めてである)。
そして、ベリアル融合獣:キメラベロスへと自らフュージョンライズすると、ジードを体内に吸収、体内にジードがいるために迂闊に攻撃できないのを良いことにゼロビヨンドの追撃も振り切ると、そのまま月面へと飛び去り、そこでジードを完全に自身と同化させようとする。
なお、この時にはリクに父親らしい優しい言葉を投げかけており(「息子よ、会いたかったぞ……」と言って抱き締める、「戻ってこい、父の所へ。俺はお前を独りにはしない」と語りかけるなど)、和んだという視聴者も。もっとも、これはジードを取り込もうとするための一種の精神攻撃であり、自身の前歴からするに全く嘘という訳でもなさそうだが、本心からそう述べていたかと言われると、前述の理由もあってやや疑わしい所もある。
ジードの力を吸収したことで一度は大幅なパワーアップを遂げ、駆け付けたゼロをも苦戦させる(ジードを取り込んだため、精神世界では洗脳させたジードにイメージのゼロと戦わせ、現実ではジードにキメラベロスをコントロールさせて戦わせた)が、キングの力で送り込まれた鳥羽ライハの説得によりリクが正気を取り戻したことで同化に失敗、ジードの復活を許してしまう。
その後、レッキングバースト発射の反動を利用されてジード諸共月面から放逐され、地球へと落下。今度はジードのフュージョンライズ形態による連続攻撃を受け(ジードが人々からの声援を受けて奮起していたこともあり)、終始優位に戦いを進めていた先ほどまでとは打って変わって防戦一方になってしまう。
そしてロイヤルメガマスターの力を得たジードに、なおも揺さぶりをかけるも真っ向から反論されてしまい、最後はロイヤルエンドを浴びせられ、その驚異的な力に驚愕しながら爆散、自分の遺伝子から作られた息子に倒されることとなった。
「どれだけ俺を否定しようと、お前はベリアルの息子!生きている限り、俺の名前からは逃れられん!」
リク「逃げるつもりはない!この体があなたから作られたものでも、この魂は僕のものだ!」
「変えられるものか! 運命を!」
リク「変えてみせる!! 僕の運命は僕が決める!!」
……しかし、キメラベロスが倒れる直前に赤黒いオーラが空に向かって逃げていたことや、尚且つその戦いを見ていた満身創痍の伏井出ケイからよく似たオーラが漏れ出ていたこと、ゼロビヨンドが2度目の戦闘で口にした「何度も生き返りやがって」というセリフから今後も再び復活する可能性も否定できないという声もあった。
そして、その不安は的中することとなった。
第23話で実はジードに敗北した後は石刈アリエに憑依していた事が判明。ケイがベリアル消滅後もフュージョンライズ出来ていたのは、アリエに憑依したベリアルから力を与えられていた為だった。
エンペラ星人とダークルギエルの怪獣カプセルを回収しつつ、ケイの体を漆黒の刃で突き刺してストルム器官を摘出すると、アリエに憑依した状態のまま口から飲み込む形で取り込み、直後にアリエの体から離れ姿を現した。そして成層圏にて、遂にエンペラ星人とダークルギエルの怪獣カプセルを使いアトロシアスへの強化変身を果たした。
第24話では、地球に巨大な幻影を投影し、まもなく自分が完全体となること、その暁には、己の力を光の国に示すため地球を消滅させることを宣言。成層圏にとどまったまま、ストルム器官の内部にあったカレラン分子を用い、自身の体内にリトルスターに近いものを生成、これをストルム器官の位相反転機能で闇の力に変換し、自身を強化していた。これが原因で、地球どころか宇宙そのものが再び崩壊しつつあることが判明したため、AIB立案のカレラン分子分解・ベリアル異空間放逐を目的とした作戦が実行される。
ゼロの陽動に乗り、不完全な状態ながらも地球に再び襲来したベリアル。その空は、前回以上の暗黒に包まれていた。ベリアル本人の力もさることながら、カプセルとはいえ、彼の闇堕ちの原因となったエンペラ星人の力の大きさを改めて実感した視聴者も少なくなかったことだろう。
地球に降り立つと、出だしから必殺技で応戦するゼロビヨンドの猛攻をものともせずに終始優勢に立ち、カレラン分子分解酵素入りガスを搭載した宇宙船モードの星雲荘を撃墜して弱体化作戦も失敗させた挙句、ゼロビヨンドに大ダメージを与え通常形態に戻して完勝。とどめを刺さんとしたところでジードに乱入され、前回とは打って変わって因縁の対決に突入する。
戦闘中もなおキングの力を吸収し続けた結果、ジードクローとキングソードの二刀流状態のロイヤルメガマスターすら簡単に撃破し勝ち誇るが、ゼロにカレラン分子分解酵素を星雲荘のユニットごとカラータイマーに突き立てられこれ以上の強化を封じられる。
それでもなお余裕の態度を崩さず、ゼロにとどめを刺し完全に戦線から離脱させるも、さらにそこに別宇宙からウルトラの父が飛来。彼との交戦となり、ドーム状のバリヤーに封じられ、上空を覆う黒雲も全て払われてしまう。
そのまま内部でほぼ一日にわたってウルトラの父がフォースフィールドを維持することに苦しむ様を見届けた後、ウルトラの父の体力が限界を迎えたこともあり、ついにバリヤーを破壊、ウルトラの父にとどめを刺さんとした時、再びジードが出現、対決の最中にシャドー星人ゼナが一体化したゼガンが現れジードとともに上空に異空間を構築した。
自身をそこに封じる作戦であることに気づき、ゼガンをアトロスバーストで瞬殺(ゼナは脱出して無事だった)、立ち向かってきたジードの攻撃もことごとくあしらい圧倒、あと一歩のところまで追いつめる。
しかし、なおも諦めずに立ち向かわんとするジードにキングの力が応えたことによりジードが5人に分身するという想定外の事態となり、全5形態の必殺光線「ジードプルーフ」を同時に食らったことでギガバトルナイザーを破壊された上に通常形態に戻されてしまう。
そのままプリミティブのジードに異空間に連れ込まれ、その中で激闘を繰り広げる。
精神世界では、リクにベリアルの過去の記憶、思念、怒りや悲しみ、恨みと言った膨大な負の感情が伝わってきた。
しかし、リクはそれをすべて知った上で、かつて自分がされたように殴りかかってきたベリアルを抱き寄せ、涙を流しながら言葉を投げかける。
驚き、戸惑うベリアル。
リク「何度も何度もあなたは生き返り…深い恨みを抱いて……」
そして、リクの言葉に呼応するかのように、ベリアルの体からレイブラッドの怨念が抜け出し、ベリアルはかつての姿=アーリースタイルの姿へと戻っていく。
リク「疲れたよね? もう、終わりにしよう……!」
「わかったようなことを言うな!」
真摯にその魂の安息を願うリクの言葉を振り払い、デスシウム光線をジードの渾身のレッキングバーストとぶつけ合うも、最後は息子の気迫が勝り、ついに競り合いに押し負け、大爆発とともに肉体を喪失。
その魂も異空間に永遠に封じ込められることとなり、自らが生み出した息子の手で今度こそ引導を渡された。
「ジィィィィィドォォォォォ―――ッ!!!」
リク「さよなら……父さん」
ベリアルが最後の最後に発した言葉。
それは、かつて肩を並べた男でも、何度となく拳を交えた宿敵でもなく、己の血を継ぐ息子の名だった。
そして、リクもこれまで「ベリアル」と呼び捨てにしていた父親を最後に「父さん」と呼ぶことができた。
父がこれまで抱えてきた様々な思いを汲み取り、それを否定することなく受け止めたことで、最後の最後、一瞬ではあったがリクとベリアルは本当の親子の関係になることができたのかもしれない。
ちなみに、ジードへの態度はゼロや他のウルトラマンと比較すると終始大らかだったと言え、同化に失敗した後も自分に逆らう彼に怒りや憎悪を向けることなく、むしろぶつかり合いを楽しむ節すら見せた。
ただ取り込んだ後に起こった出来事は上述したような今までのベリアルの前歴を考えると「拒絶される」「宿敵の力を借りた姿になる」「何かの存在に認められる」と皮肉の連続のような展開となっており、特にロイヤルメガマスターの姿を見てキングに認められたことを察した際にはかなり動揺した様子を見せていた。
その後、アトロシアスとして再度襲来した際にはゼロとの会話でジードについて「どうやら反抗期のようだ」と語っており、ジード出現に際しても「俺の血を継ぎながら敵対する愚か者め!!」と言い放つなど、その『反抗期』すら楽しむ様子を見せており、最終局面に近づくにつれ、息子を己の野心の邪魔と感じつつもどこか敵と割り切れない複雑な様子も見せるようになっていった。ジードを唯一「実験体」と呼んだ時ですら、その発言は嘲りなどではなく、「息子のお前が父に勝てるはずがない」という忠告とも取れるものであった。
以上の様子から見るに、あの親子とはあまりにも対照的で悲しい関係となってしまったものの、歪んではいるものの曲がりなりにもジードに対し親子の情や優しさの片鱗を見せており、そういった意味では、ベリアルは「何万年も前に捨てた」と公言していたウルトラマンとしての心を未だに捨てきれていなかった………そういう解釈もできる。(大いなる陰謀でも自分の遺伝子から作られたジードをまだ生まれてもいない段階で「息子」と認識した辺り、本当にジードを「息子」だと思っていたようである。)
メイン監督の坂本浩一は、『ジード』結末を『ウルトラ銀河伝説』から続くウルトラマンベリアルの物語の最終章と位置づけており、以前のようなチンピラっぽさは抑え、悪の帝王にふさわしい威厳ある雰囲気を持たせたと述べている。
こちらもゲーム限定のフュージョンライズ形態であるトライスラッガーが登場している。
更なる因縁
『ウルトラマンR/B』
ベリアル自身は死亡しているため登場しないが、ベリアルのルーブクリスタルが登場している。属性は「闇」。
美剣サキが初代ウルトラマンのクリスタルと共に所持していたが、紆余曲折あって
湊兄弟の手に渡り、続く第15話ではウルトラマンルーブへの強化変身に用いられた。
その劇場版である『セレクト!絆のクリスタル』では、リクの口からその存在が語られるも、その時の言い草は「かつて存在した悪の帝王」よりも「もう会う事は決してない父親」という、どこか寂しいものであった。
『ウルトラマンタイガ』
直接登場はしていないものの、ボイスドラマにおいてとあるウルトラ戦士とジードとの間にある意外な共通点が話題に挙がった際に彼の名前が出てきている。
また、本編においても第15話でチブル星人マブゼが培養合成獣スカルゴモラを作り出すためにベリアル因子を利用したことが語られている。かつて自分の因子を使って地球に災厄を齎したベリアルが、死後に自分の因子を逆に利用されることになるとは何とも皮肉な話である。
第23話「激突!ウルトラビッグマッチ!」にはニセウルトラマンベリアルが登場。
この時点で「ベリアルはジードに倒されたはず」と言及されており、宇宙人達の間ではベリアルが今は亡き存在である事が周知の事実となっているようだ。
また、ゼロの言動からベリアル因子を利用しようとする存在が他にもいるかもしれない事が示唆されている。
『ウルトラマンZ』
リクがデビルスプリンターを語る場面での回想シーンに登場。『ウルトラ銀河伝説』における脱獄直後のタロウ戦の場面と思われる(ただし、一応前述のオメガ・アーマゲドンの時期にも一度光の国付近で宇宙警備隊と応戦しているため、ここでタロウと戦った際の場面なのではないかとも考察されている)。
また、この時にデビルスプリンターの正体がベリアルの細胞の一部である事が明かされ、死後もベリアルの影響力が根強く残っていることが改めて示されることとなった。光の国でも当然の如く危険人物であるウルトラメダルは製造されなかった(ベリアルのウルトラカプセルはジードの背景を考えるとストルム星人がベリアルの遺伝子や細胞を利用して制作したと思われるが)。しかし、とある経緯を経て怪獣メダルという形で陛下のメダルこと「ベリアルメダル」が製造され、良くも悪くも物語を大きく動かす鍵となっていく。
そして物語後半以降、ベリアルは更なる衝撃的な形でゼット達と関わる事になる…。
ジード最終回後
『ウルトラマンジード』でのベリアルの最期は今までの倒され方と異なり、あのベリアルにようやく理解者が現れるというある種の感動的な展開となった為、ファンの間で「もうベリアルは復活しないで欲しい派」と「どうせまたすぐに復活するor復活して欲しい派」とで、二手に意見が分かれた。
前者の理由としては、もっともな要因として「折角ベリアルが報われた最期を送ったのに、また復活するとなるとジードの物語の意味が無くなるから」というのがある(改心まではしないダークヒーロー路線ならOKという派閥もある)。
後者の理由としては、「メタ的な意味でも人気が高いから」「何度も復活して来ているので、また蘇っても可笑しくない(『ジード』の物語で描かれたベリアルの最期は息子に倒されたうえで異次元に封印されたという形となる)」「やっぱりベリアルはゼロと決着を付けて欲しいから」などがある。
ちなみにEXPO等でのショーでの復活が描かれたりはしたが、EXPOの場合は明らかにIFの物語を突き進んだ後、復活したベリアルに対して改めて本編に近い対応を行ったために、最終回から直接続いたタイプの物語とは異なるものとなっており、ショーでもベリアル復活の可能性の是非については明確に描かれていないと言える。
また劇場版『ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル』における、リクの口から語られる回想では疾うに過去の存在であるかの様に演出されており、リクの気持ち的には復活する様な警戒はないのかもしれない。
他にも、先述の通りベリアロクという形で間接的にも登場しており、ある種の代役とも言えるようなキャラもこの先登場すると思われる。
何れにせよ、今後の展開を待つしか無かったのだが…
明かされる未来、変わる運命
『UGF大いなる陰謀』
「俺は、必ずこの光の国を治めるに相応しい大物になってやる…そしたら、俺と…」
ウルトラ大戦争を描く第2章にてアーリースタイルの姿で登場。当時のケンやマリーとの関係が掘り下げられている事に加え、地味にアーリースタイルが映像作品で戦闘を行ったのは今回が初である。この時点ではギガバトルナイザーなどの武器は特に使用していないが、自身の爪を生かした格闘戦や手から放つデスシウム光線、稲妻状の光線を放つベリアルサンダーなど、基本的な戦闘スタイルは確立されていた模様。戦闘時の構えがプリミティブ形態のジードと似ているとも指摘されている。また、怒りでベリアルの影響が強く出たジードと同じく、力を渇望した際に目が赤く光る描写があった。
以前から語られていた通り、この頃から過激で傲慢な一面を見せており、敵を容赦なく倒そうとするその姿勢をケンから咎められたり、己の実力を過信するあまり、物事が自分の思い通りに運ばないと途端に機嫌を損ねて八つ当たりをしたりと、他の光の国の戦士とは明らかに異質で浮いた存在として描かれていた。
また、マリーに対しては一目見て「いい女だ…俺にふさわしい」と妙に上から目線な好意を抱いていた(一応彼女の意思を無視して強引に手に入れる形ではなく、自分の口から思いを伝えようとはしていたのだが)。
なお、上記の台詞からおそらく、マリーと付き合うのは身分の高い彼女の相手として相応しい地位を手に入れてからと考えていたと思われ、恋愛に関しては意外と慎重であったことが分かる。だが、残念なことに当のマリーはケンと身分なんて関係ないと言わんばかりに愛を育んでいたのだが…
公私含めてある意味若い頃から少々苛烈な人物であったともとれるか。
ただし、本作で描かれた過去は後述する理由で一部描写に関しては正史と異なる部分がある。
ウルトラ大戦争においてはケンと共に怪獣や宇宙人と熾烈な戦いを繰り広げていたが、戦意を失った相手を制止も聞かずに容赦なくデスシウム光線を放って殺害した事でケンと一悶着起こしている(ただし、脅されていたとしても自分たちから戦争を仕掛けておきながら危険になったら一転して命乞いをするのはあまりに身勝手とも言え、仮にもエンペラ星人の手下を見逃すのは甘いとするベリアルの考えも一理ある)。さらに言うと、その2体は卑怯な手を平気で使う宇宙人なので、戦意を失ったふりをして、見逃してもらったところを奇襲しようとした可能性は十分にあり得る。
その後、ケンと共にエンペラ星人と対決。その圧倒的な力に苦しめられるも、マリーが持ち運んで来たウルティメイトブレードを受け取ったケンがエンペラ星人と実質相討ちにまで持ち込み、何とか大戦争を生き残る事には成功する。しかし、この出来事が暗黒皇帝の闇の力、そして見事それを撃退したケンの秘められた力を垣間見るきっかけともなっていた。
やがて、光の国を自分の力で治めた暁にはマリーに思いを打ち明けようと意気込んでいた所でケンが宇宙警備隊の初代隊長に選ばれた上にマリーと次第に惹かれ合っていく姿を同時に目の当たりにし、実力は自分の方が上だと思っていた親友に追い抜かれていく劣等感を徐々に抱いていき、彼との訓練中に本気の攻撃を仕掛けるも咄嗟の一撃で吹き飛ばされてしまい、逆に謝られて余計にコンプレックスを深めていく危うい面も見せ始める。
上でも述べられている「周囲から見下されているように感じていた」ということの真相は、実力自体は評価されていたものの、同時にその内面の危うさから周囲からは一種の問題児のように扱われており、これが彼に誤った認識を植え付けてしまったとも解釈できるだろう(あるいは、基本的に善人しかいないという光の国の状況を踏まえれば、周囲としては本当に心配していたのだが彼が拗らせたコンプレックスにより勘違いされてしまったということかもしれない)。
ここまではほぼ正史と同じだったが、イレギュラーの存在であるアブソリュートタルタロスの「お前の運命を変えたくはないか?」という囁きを耳にし、それを切っ掛けに彼が本来歩むはずだった運命が大きく狂い始めることとなる。
「そうだ、力だ…力さえあれば欲しいものは思いのまま…俺の運命が変えられる……!」
ある時、遂に『誰にも負けない力』『ケンを越える力』への渇望が最高潮にまで達し、プラズマスパークコアを盗み出そうとするも失敗。若き日のゾフィーや他の宇宙警備隊員らに止められるも返り討ちにするが、ケンにはデスシウム光線をバリアで防がれてしまい、そのまま逃げるように光の国を自分から抜け出してしまう(正史ではコアの奪取に失敗した直後に駆け付けた宇宙警備隊員に逮捕される筈だった。また、コアに手を出したその日が正史と同じ時間軸だった保証も無いため、これに関しては「本来存在しない筈のタルタロスがその時間軸に現れた時点で何かしらの歪みが生まれていた」という考えもある)。
ケン「ベリアル、何故だ!?何故コアに手を出した!?」
「黙れ…!お前の正しさが、俺を苛立たせるんだよぉっ!!」
苛立ちから発した台詞から察するにどことなく自分のやり方が正道から逸れているという自覚はあったようだが、多少の経緯は異なれど最終的には光の国から出る事となり、ここから彼の運命は大きく捻れ出す。
辿り着いた先にて数万年後の未来からやって来たタルタロスと現実世界ではここで初めて遭遇、そこで程なくしてレイブラッドと出会って闇の戦士となること、幾度となくゼロにその野望を打ち砕かれること、そして最期には自身の遺伝子から創られたウルトラマンであるジードに引導を渡されることなど、自分の全ての未来をタルタロスから見せられることになり、結局力を手にしても何一つ野望を達することなく死んでいくという事実を突きつけられる。
「フフフフ…フハハハハッ…!これはお笑い草だ…力を手にした結末が、自分の息子に討たれる未来とはな…!」
流石のベリアルもこの絶望的な未来を知らされた際には自虐気味に笑いながら落胆するが、そのままタルタロスの「私と一緒に来い。お前の運命を変えてやろう」という誘いに乗り、彼の軍門に下ることになる…。
ちなみに、ジードの事を「自分の遺伝子から創られた」としか説明されていないにもかかわらず、上記のようにクローンではなく「自分の息子」と何の迷いもなく認識していることから、「後の親子愛の片鱗が垣間見える」「やはりどこまで堕ちてもウルトラマン」、という感想も聞かれる。
こうして本来の歴史から外れた並行同位体として、レイオニクスとなった未来の自身とは異なる存在と化したこのベリアルは、EPISODE6で正史の世界(時系列的には「第1章」及び「ニュージェネクライマックス」の後にあたる)に出現。モルド・スペクターとジュダ・スペクターとの戦いで消耗していたウルトラ兄弟たちをアーリートレギアと共に強襲する。相手が既に消耗していたことや、タルタロスにアブソリューティアンの力を授けられたことでこちらの戦闘力が大幅に増強されていたこともあり、兄弟たちを圧倒、駆け付けたウルトラマンゼロとも互角以上に立ち回る。
この際ゾフィーには「スターマークなどつけて偉くなったな」と皮肉り、駆け付けたゼロとは初対面にもかかわらず本能的に嫌っていた。
一方、変則的な形でレイオニクス化する前のベリアルと対面したゼロは、彼の歪んだ性格が持って生まれた物だった事を悟り辟易している。
なお意外な事にゾフィーの事を覚えていたのは「ゾフィーが若手の中では突出していたから」か「ゾフィーの父がケンの親友だったという設定を拾った」と言われており、後者の場合小馬鹿にしたような口ぶりだったため「偉くなった甥をからかう親戚のおじさん」のように見えるという感想も聞かれる。
アーリートレギアと共に彼と戦うが、タルタロスから「ザ・キングダムへと向かうぞ」と告げられ、それに従う形でトレギアともどもその場から撤退した。
その後、最終話にも再びトレギアと共に登場。トレギアと共にその場にいたウルトラ戦士たちに向けて光線技を放って撹乱し、ユリアンを捕らえてその場から撤退しようとするタルタロスのための時間稼ぎに貢献した。
本来の歴史では「陛下」と呼ばれるほどの悪のカリスマとなったベリアルだが、この同位体はタルタロスに与えられた力で粋がり、彼に従う下僕という印象が強い。本人は単に面白そうだからという理由で誘いに乗っただけで「別にお前の手駒になったわけじゃねぇけどな」らしいが。
ただ、レイオニクスのベリアルもレイブラッド星人の「誘惑」と「与えられた力が切っ掛け」で悪事を働くようになった経緯を考えると、誘惑してきた相手がタルタロスに代わっただけでその点は別に大差無い(と言うより第一次ベリアルの乱では本人の復讐心だけでなく明らかにレイブラッドに光の国を滅ぼす様に命令されていたり、レイに対して「レイブラッドの恥晒し」と蔑むなどレイブラッドの下僕の様なシーンもいくつかある)。
そもそも彼がカリスマを本格的に発揮し出すのはゼロに敗れ、文字通りゼロからのスタートとなったアナザースペースでの戦いからである。
言うなればまだ悪の道を歩き出したばかりであるが故だろう。
こうして、タルタロスの干渉によって未来を知り、アーリースタイルのまま本来の歴史とは異なる形で悪の道を歩み始めたベリアルが登場。最終的に並行同位体という形でベリアルは同じく死亡して一度は表舞台から退場したトレギア共々事実上の復活を果たすこととなった。
これから時間を掛けて正史と同等かそれ以上の存在に成長するのか、それともタルタロスの腰巾着の様な立場で終わってしまうのか、ゾフィーの言う通り「我々の知るベリアルでは無い」為、色んな意味で注目される。
ウルトラマンデッカー/アスミ・カナタ役の松本大輝氏は、ギャラファイの特番番組「濱田龍臣の新・ウルトラEYEULTRAGALAXYFIGHT振り返らナイト」でアーリーベリアルの過去を見た際にベリアルの話は切ないですね!という感想を零している。
『UGF運命の衝突』
引き続き登場。ついに息子ジードと直接対決となる。
プロローグではタルタロスに連れられトレギアと共にザ・キングダムを訪れる。そこでアブソリューティアンの出生と光の国を奪おうとしている理由が、『自分達の国の寿命が尽きる前に光の国を新たな拠点にする』と言う事を聞き『勝手な奴らだぜ』と吐き捨てた(もっとも直後に「光の国がどうなろうと俺には関係ない」と発言もしているが)。その後、アブソリュートディアボロやアブソリュートティターンと一触即発となりそうになったが、タルタロスに制され、トレギアと共に更なる強化としてアブソリュート粒子を増幅してもらった。
本編ではグア・スペクター相手に消耗したニュージェネレーションの面々を、トレギアとともに強襲し、ジードと相まみえた他、自身に斬りかかってきたゼットからベリアロクを強奪した。
その後はザ・キングダムに突入してきたビクトリーと戦闘を行っている。
当然実力自体は高いのだが、本来の獲物ではないベリアロクを使いだしてからは、攻撃がベリアロク一辺倒(ベリアル自身の戦闘スタイルが全く生かされていない)になり、前作以上に強化されているにもかかわらず、ビクトリーやゾフィーとのタイマンでもやや押され気味と、明らかにベリアロクが邪魔になっている。
尚、変則的な形だが、初めてジード以外のニュージェネレーションヒーローズと本格的な対決となる。
そして、惑星ブリザードでのウルトラ戦士達とアブソリューティアンの全面対決では、ゾフィーとタイマンした後、再びデルタライズクローとギャラクシーライジングとなったゼットとジードと交戦する。
しかし、前回と違いゾフィー含め3人とも万全の状態であった事と、自身はビクトリーとの戦闘で消耗していた事に加え、ベリアロクが使いこなせていない事が仇となり、ゾフィーはおろか、ゼットとジードのタッグにすら前回とは打って変わって劣勢となってしまう。そして……
ベリアロク『暫く使われてきてやったが……お前は『つまらん』』
『何だと!?』
ベリアロク『お前とは似た存在の俺様だから解る。お前の心の奥底にあるのは……』
『何!?黙れ!!お前に何が解るってんだ!!!』
無様な戦いを見せ続けられた事でベリアロクに見限られてしまった上、自身の心の奥を覗き見ようとすることに怒り、自ら放り捨ててしまった事で、ベリアロクは再び元の持ち主であるゼットのもとに戻ってしまう
更に、ベリアロクがゼットに『元の持ち主としての意地を見せてみろ』と闇の力を増幅させた事で、デルタライズクローが更なる強化形態へと覚醒。
自分と似た存在に『つまらない』と言う屈辱の言葉を浴びせられた上、対してその持ち主は並行世界の自身の闇の力を得て更なる強化を果たし、状況的には元の時間軸におけるケンのウルティメイトブレードに続いて2度も剣にまつわる覚醒を目の当たりにするという痛烈かつ皮肉な展開となってしまった
しかし、デスシウムライズクローに敗れ満身創痍となったベリアルに手を差し出したのは、並行世界での自分の息子であるジードだった。
ジード「ベリアロクの言おうとした事……なんとなく解るよ。だって、僕も父さんの遺伝子を……」
「黙れ!!!俺はお前の親父の『並行同位体』!!息子なんて作った覚えはねぇ!!!』
ジード『父さん……』
あくまでも自分はジードの知るベリアルとは別人である事を強調し、差し出したその手を払い除けその場を去ってしまう。その姿を見送ったジードは、どこか寂しげに父の名を呼ぶのだった…
その後、ザ・キングダムへと戻るも『ウルトラマンもアブソリューティアンも必要ない。俺は俺のやり方で力を手に入れる』と宣言しタルタロスの軍門から抜ける事を決意。その際、タルタロスが隠していたギガバトルナイザーとトレギアアイを強奪し、トレギアアイをトレギアに渡し『お前はどうする?』と尋ねるも答えなかったトレギアを残して何処かへと去っていった。
最終的に再び自分自身の力で悪の道を歩むこととなった並行同位体のベリアル。本来の世界の自身同様、ギガバトルナイザーを手に入れることはできたが、タルタロスによってレイブラッド星人の力を手にしても破滅する未来が待っている事を理解している筈なのだが、果たして……?
外伝作品
『AnotherGenesis』
より凶悪な姿で描かれており、自力で宇宙牢獄を脱獄し、光の国を破壊、復讐を果たした後、闇の中へと消えていった。その後の動向は一切不明。この作品自体が2012年に第1部が完結して以来全く続報が無く、実質打ち切り同然の状態のため仕方ないが……。
彼の破壊活動により、本来は正義の戦士であったウルトラ戦士たちの運命が大きく狂ってしまうこととなる……。
こちらでは現在のベリアルにみられるような良くも悪くも人間的な感性・人格がある存在としては描かれず、むしろ邪悪の化身の如き存在として描かれている。
『大怪獣バトルウルトラコロシアムDX』
何らかの原因でギガバトルナイザー共々復活。
ウルトラマンゼロは復活したベリアルに対抗するために歴代ウルトラマンと特訓を重ね、三度目の決戦でベリアルを打ち倒し、ギガバトルナイザーは封印された。
なお、この作品は『ベリアル銀河帝国』発表前の作品である為、時系列は不明である。少なくとも、ゼロの正体が判明している為、ウルトラ銀河伝説より後の時代ということはわかるのだが、何分ベリアル本人がジードで倒されて異空間に封印されている以上、分岐しているパラレルと見ることもできるのだが果たして…。
『ウルトラ怪獣擬人化計画』
一応ウルトラ戦士という扱いなので、怪獣を擬人化する本企画においては擬人化の対象にはなっていない(最近、間接的にではあるが実現してしまったが)。しかし、ゲスト出演という形で本人が登場したことがある。
『ウルトラ怪女子』
怪獣墓場にあるモンストリアと呼ばれる世界を訪れ、地球侵略をたくらむ怪女子(=少女の姿になった怪獣)たちに協力を申し出る。しかし、テンペラー以外には名前を覚えられていなかった上、「悪の道に足を踏み外したダメトラマン」、「中途半端」、「おっさんに用はない」などと散々ディスられたため、最後は「怪獣の癖に女の子になりやがって!意味がわかんないじゃないか!!」と元も子もない発言をした挙句、「よくも仲間外れにしたな!ウルトラの母に言いつけてやる!!」といじめられっ子のような捨て台詞を残して飛び去って行った。
『feat.POPComiccode』
上記の「ウルトラ怪女子」の諸設定をさらに発展させた姉妹作品。
結局登場はしなかったが、著者の風上旬氏はTwitterでの読者からの質問に対し、「擬人化の世界にベリアルも存在している」「ベリアルは(出てくる)可能性がかなりある」という発言を残しているため、設定上はちゃんと存在している模様。
『ウルトラかいじゅうえほん』
児童(と大きなお友達)向けの絵本シリーズで、陛下はゴモラのちからこぶ、はしれギンガに登場されておられる。役所としては前者は酒呑童子、後者はディオニス王となっている。
更には長年の宿敵のゼロが主役となるゼロとまめのきでは、メインヴィランの恐ろしい巨人のポジションで魔王ベリアルというとてもお似合いな肩書で登場し、王女ユリアンを捕らえるといういかにも魔王な所業をしている模様。
そして自身が主役となるベリアルとくものいとでは原典の主役となるカンダタの役所でご登場なさっている。
『ダークネスヒールズ』
『DARKNESSHEELS_THE_LIVE』
『ジード』で完全に倒されたと思われるベリアルが、惑星テリオのヒュース・アーディの実験として復活させられる。
しかしその姿は逆立った黒髪を持ち、ベリアルの体の模様を思わせるスーツを身に着けた人間となっており、巨人への戻り方も見失い大きさも地球人と同じ程度になっている。
『DARKNESSHEELS-Lili-』
「勝ち残ったものが!今を正しいと言えるのさ!そいつが光の者であっても闇であってもな!!」
「…力こそ すべてだ!!!」
本作では事実上の主人公として活躍する。
物語開始時点で、バトルナイザーの存在を知り惑星フースに流れ着いていた。
その星で勃発していた上級市民と下層民との争いに割り込み暴れていたが、リリ・アーカイヴという暴動鎮圧部隊の少女と出会ったことで物語が動き始める。
人間態の姿は舞台版と同様逆立った髪だが、顔には本来の姿時の目のような模様があり、服装は大きく胸元が開いた黒い服に、カイザーベリアル時のような大きな赤いマントを羽織っている。なお、マントで分かりにくいが本来の姿と比べ体は細身であり、アーリースタイル時に近い体格をしている。また、顔の方も目つきや髪型を除けば息子に近い印象でずいぶんと若々しい印象である。
かつての悪の帝王のような威厳は薄く、若干チンピラっぽい感じである。というより、登場当初のベリアル及びアーリースタイルの頃からチンピラの様な振る舞いだったので、ある種の原点回帰とも言えるか。
また、空腹でパンにがっついたり、カミーラから顔面パンチを受け気絶したり、デリカシーのない発言をしてヒロインのリリからビンタを喰らったりとコミカルな印象を受けるシーンが多い(列伝時代の性格に近い)。
なお、後に発売された単行本に掲載された作者資料によると、舞台のビジュアルに近い髪を逆立てた物と逆に下したものを見せ、「逆立てた方がいい!!」との意見を受け方向性が決まり、そこに作者が気に入っているベリアルの眼を模した顔の模様が加えられそこに円谷プロから皇帝感のイメージのリクエストを受けたが、作った結果やさぐれた魔王となったが、すんなりOKを貰ったことが語られている。
力の大半を抑えられている状態だが感情が高まった時のみ本来の姿に変身が可能。ただし、本来の姿を維持できる時間は3分間が限界。
「力こそがすべて」「邪魔をする者は誰であろうと叩き潰す」という思考は健在だが、本作ではそれに加えて状況にただ流されるだけの者に強い嫌悪感を抱いているという設定が加えられ、たとえ弱者であっても現状を変えようと必死に抵抗する者にはある種の敬意のようなものを持っているらしいことが示されている(作中ではその例としてかつて怪獣墓場で対峙したZAPの面々が取り上げられた)。
彼がかつて対峙したレイもジードも「呪われた宿命に抗った者」という共通点がある。
ヒロインのリリに対しては、光の力を持っていることを早い段階から察しており、本気で彼女のことを始末しようと考えていた(初登場時の行動も彼女を助けようとしたわけではなく、彼女を殺そうとしたが故のもの)。しかし、共に行動するうちに次第に彼女のことを憎からず思う感情が芽生えていったらしく、終盤にホーリーデモンズに埋め込まれた無惨な姿を目の当たりにした際には、(変身後であったため直接の表情は窺えないものの)「…リリ!」と驚愕したような反応を示していた。
その後の戦闘でも、彼女を奪還すべく奮戦し、「お前を殺したくして仕方がないから早く出てこい(意訳)」と彼らしい文句で説得し、カミーラのフォローや他のダークネスヒールズの面々の援護もあって何とか彼女を奪還することに成功。その後はリリから光の力を授けられ「最悪の気分だ」とボヤきながらも、ホーリーデモンズを撃破した。
戦いを終えた後は、光の力を失ったリリに対し、「今のお前には興味がわかん」と一度は突っぱねたが、同時に「光の力は少しでも残しておくとまた増えるから、また潰しに来る」と、遠回しにではあるが、彼女にまたいつの日かどこかで会うことを仄めかす発言をする。
そして、別れ際に彼女と……
『ULTRAMAN(漫画)』
本編には登場していないが、スマホゲーム『BE ULTRA』にて彼をモデルとしたウルトラマンスーツが登場。敵か味方か?と触れ込みがあるが…どう見ても悪役としか思えない。
『ウルトラマンフェスティバル2019』
「フン…お前、気に入らねェな… 俺様がブチのめしてやるよ…!」
『ウルトラマンジード』の一件で復活できなくなっていたはずだが、息子であるジードのピンチに理屈をかなぐり捨てて突如復活、黒幕であったトレギアを撤退に追い込んだ。
『ウルトラマンライブ プレシャスステージ』
配下のガッツ星人の手引きで父親に嫌われていると思い込んだタツヤ少年の心の闇を利用し、復活を遂げた。
口では親子愛を下らないと評しているが、(父親としての自覚は少なからずある為)「子供に何をしてあげられるかではなく、どんな姿を見せてあげられるか重要。今からでも遅くはない。息子が誇れる男になれ!」とセブンに説教された際には激昂していた。
タツヤ少年が水晶玉を使って召喚したウルトラ戦士達の合体光線に一度は敗れるが、強い執念によりアークベリアルとなってウルトラ戦士たちを蹴散らす。最期はロイヤルメガマスターのロイヤルエンドを浴びて変身解除され、ジードに抱擁されて消滅した。
『ウルトラヒーローズEXPO THE LIVE ウルトラマンゼット』
「ウルトラマンZ」の前日譚的な内容であるライブステージに登場。
レッキングバーストに含まれる光エネルギーにより己の中の闇が消え去り、光の戦士として蘇ったとのこと。しかしながら姿は闇堕ち後の姿のままである。
性格も荒っぽい点を除けばきれいな性格であり、因縁の深いウルトラマンゼロに対し 「今まですまなかった」 と頭を下げ謝罪。当然の如く 「気持ッッち悪ぃッ!!」 と気持ち悪がられた。R/B兄弟からクリスタルを介して力を借りている事に礼を言われた時には 「おう、好きに使ってくれ」 と寛容に接していた。しかし、戦友であるウルトラの父を本名の「ケン」と呼ばない為、ウルトラセブンからは訝しげに見られた。
罪滅ぼしのためにデビルスプリンター撲滅任務に協力を持ちかけたが、その正体はベリアルの配下であるバット星人であり、ジードを新たな闇の王に仕立て上げるべく暗躍していた。
終盤には本物のベリアルらしき幻影が現れ、ジードに前に進むよう鼓舞した。
ウルトラヒーローズEXPO2021ニューイヤーフェスティバル
『ウルトラマンZ』の後日談である本作では大いなる陰謀に登場したベリアルアーリースタイルが登場。
並行同位体のベリアルがジードと対面するのは初であり、気配だけで自分の息子であると認識していた。
ウルトラ戦士達を倒すべくアブソリュートタルタロスによって呼び出され、ジードギャラクシーライジングと戦い、一度はアブソリューティアン陣営に勧誘するが、断られるとタルタロスに呼び出されて撤退した。
NEW GENERATION THE LIVE ウルトラマントリガー編
STAGE2の冒頭でタルタロスに率いられて登場した。ベリアロクを装備したゼット・オリジナルと闘ったがその後逃走した。何気に公式のメディアで初めてベリアロクと闘った作品であり両者何か思うところがあったらしい。
ウルサマ2022ボイスドラマ「ぼくがぼくらしくいるために」
ジードの夢の中で語りかけてくる存在として登場。
ジードに『どうして父さんは悪の道を選んだのか?』と問われ、『俺様はただ相手を屈服させられるほどの圧倒的な力が欲しかった、そこに善悪などない』と答えると、納得のいかないジードの『ウルトラマンは正義の使者なのに何で?』と言う言葉に『ウルトラマンは神でもなんでもない。自分もジードも一つの生命体に過ぎず、生命体だからこそ誰しもが悪意を持っており、同時に善意も確かに持っている。結局は己の中の道は選ぶ動機にはなっても他人によって決められるものではない。自身の行動が善なのか悪なのかは結果論でしかない、肝要なのは、自身の選択に対する責任を自覚する事であり、後悔はその外側にあるもの』と自分なりの理論を説いた。
ベリアル『この先も、お前は多くの選択を迫られる。その時にどんな答えを導き出すにしろ、覚悟を決める事だ。お前はお前らしく好きに生きろ……死ぬまでな。』
最後にそう警告とも激励ともとれる言葉を伝え、息子に背を向けて消えて行くベリアル。
ジードはそんな父に対して『親子ってあんな風に語り合うものなのかな?』と、夢の中とは言え初めて父と闘い以外で親子として語り合った事を感慨深く感じると共に、父のその言葉を深く胸に刻み、自分が信じ選んだ道をこれからも進みづける事を誓ったのだった。
ジード『父さん。僕は前に進み続けます。それが、僕が僕らしくある為の方法だから……気が向いたら偶にでいいので見ていてくださいね。』
ウルトラマンニュージェネレーションスターズ
第17,18話でジードとゼロが者かによって破壊されたウルトラの記憶を復活させるためこれまでの事を振り返っていた。ある意味因縁を持つ相手そしてベリアルの事を思う中、ジードはベリアルの息子という宿命から逃げないと決めると決意、その時今回のキーアイテム『ディメンションナイザー』が反応してベリアルのディメンジョンカードが現れベリアルの記憶が解放された(そのためか前述のボイスドラマのように父として彼への不安を伝えたと思いジードとしては彼なりの父としての息子への警告、ゼロから見ればジードの前を担当したオーブとゼットからジャグラスジャグラーについて情報交換を行いオーブから彼へのライバル、ゼットから師であり頼りになる防衛組織の隊長として情報交換を行いオーブは、自分の旅の原点がジャグラーと共にあったことを思うと、ゼットはその関係性を腐れ縁腐れ縁と評していおりその後、ジャグラーの記憶が認識されたためおそらく自分もベリアルの関係も腐れ縁と思ったと考えられるだろう)。
その他
ウルトラマンフェスティバル2017で行われた企画「帰ってきたウルトラ怪獣大研究会」では、ゲストの飯田里穂と遠藤ゆりかから「良い人そうには見えないけど、外見はカッコイイ」と評されていた。
巨影都市では街に出現した巨影の一つとして登場。初代ウルトラマンと憎っくきケンの息子が同時に放った光線をいともたやすく素手で弾き、初代マンの顔を掴んでビルに叩きつけるヒールの鑑とも言うべきムーブを我々に見せつけられた。さすがは陛下!しかし、あと一歩の所で例の青くて赤いアイツの邪魔が入り、三戦士の必殺光線を受けて敗北された模様。
なお、巨影都市世界の地球にご降臨なされた理由は不明のままで、というか本当にベリアル陛下ご本人であったかどうかすら不明。
ネットでのご活躍
べリアルは映画だけでなく、Twitterやブログ、ニコニコ動画でも大暴れしている。
ブログやTwitterでは、自身の生活や出演映画の宣伝、4コママンガを連載したりとコミカルな一面を見せている。(例:VSカーンデジファー?)
また、
ウルトラ戦士の名は基本(わざと)間違える。
ウルトラ戦士やそれ以外のヒーローにモザイクをかける。
タイトルにもモザイクをかけ、自分の名前に変える
などなど、徹底的にウルトラ戦士とそれに連なる存在を嫌い、露骨な(もとい子供じみた)嫌がらせをしている(『ベリ銀』公開当時配布された大怪獣バトルRRのプロモーションカードの裏面は解説文ではなく、陛下からのメッセージが書かれており、文面は上記のノリそのまんま)。
なお、本編でも『ジード』にて配下の伏井出ケイに、自身を主役に、ゼロを悪役にそれぞれ仕立て上げて事実を湾曲した小説「コズモクロニクル」を書かせて、ゼロを憤慨させている(公式が上記の出来事を意識してこういう展開にしたのかは不明)。
そんな彼を敬愛し、忠誠を誓ったファンたちは「べリアル様の僕」「べリアル銀河帝国民」と呼ばれる。
そして銀河帝国民たちもべリアルのことを尊敬をこめて「べリアル陛下」と呼んでいる(ツイッター活動時、陛下から出題されるなぞかけに対し面白い答えを返したり有益な情報を伝えるとゴールド帝国民の称号を授与されていた)。
しかも彼のPVまで出ている。ただし、皮肉にも歌詞は息子を思わせる内容となっている。
その他
前述したように「守るべきもの」を探し始めた経緯もあってか、近年のヒーローショーなどでは単純な悪役以外の役回りも多くなっている(もちろん純粋な正義の味方ではないが)。
また、ネット上でのようなコミカルで憎めない一面を見せる事も多い。
『ウルトラマン列伝』や『新ウルトラマン列伝』にてダークネスファイブ共々ナビゲーターとして登場した際も、コミカルな一面が目立った。
『ジード』では元の冷酷な性格だったが、これについてはこれまでの戦いでダークネスファイブが戦死し、「守るべきもの」を失ってしまったからではないかという説がある。
後年の玩具やゲームでは、ウルトラ戦士ではなく(これまでのニセウルトラマンと同様に)怪獣扱いされる事も多い。
例えば『ウルトラマンX』にて商品展開されたサイバーカードに『サイバーウルトラマンベリアル』という、パッと見るとベリアル陛下の新形態にも見えるカードが存在するが、ウルトラ戦士のカードには『サイバー』とは付かないため、怪獣と同じ扱いという事になる。
また、『ウルトラマンオーブ』にて商品展開されたウルトラフュージョンカードでは、通常のウルトラマンベリアルがウルトラ戦士扱いなのに対し、カイザーベリアルは怪獣扱いされている(よってカイザーベリアルのカードではフュージョンアップできない)。
このため、『ウルトラマンフュージョンファイト!』では通常のベリアルでウルトラ戦士と戦うと、こちらが悪役なのに「トックン」扱いになるという奇妙な光景が見られる。
なお、後にルーブノキズナ弾で追加されたキズナボーナスには、ジードとベリアルの組み合わせで出るものがあるのだが、上述したような関係からか他の親子ウルトラマンで出る「親子のキズナ」ではなく「邪悪の遺伝子」という専用のものになっている。
更に『ウルトラマンデッカー』の商品展開で、本編で出る可能性が低いかもしれないウルトラディメンションカードにも、3種類のベリアルのカードがリリースされている…のだが、見慣れた通常形態のはウルトラヒーロー側のカードなのに、カイザーベリアルやアトロシアスのは怪獣カードとしてであるなど、これまたオーブの時のような事になっている。
トレーディングカードゲーム『バトルスピリッツ』ウルトラ怪獣超決戦にて陛下は最高レアリティ(XXレア?なんだそりゃ?)のXレアとして登場。レベル1、2の効果でトラッシュにある名前に星人や怪獣と名の付く怪獣をノーコストで召喚できる。
新世代ヒーローズ以降のシリーズでは現行戦士が過去のヒーローの力をお借りするのはそう珍しくない事だったが、その第1号であるオーブから最新ヒーローであるウルトラマンゼットまでの戦士が、ベリアルの力を使おうとすると初回は何らかの抵抗に遭うというジンクスがある。このジンクスに遭わなかったのはそもそもベリアルの力を使用しなかったトライスクワッド(タイタスはジードレッドであれば使用済み)と実の息子であるジードだけである。
演者ネタ
息子
初登場した『ウルトラ銀河伝説』公開前の宣伝として行われた『めちゃイケ』とのコラボ企画に出演した際、岡村隆史扮するプレッシャー星人からのネタフリに対して、「俺は貴様とは違い、嫁も子供も居るんだ(汗)」と当時は独身だった岡村を弄りながら狼狽した事がある(その後、2020年に岡村も結婚している)。
もちろん、これはあくまで声優の宮迫博之が実際に妻子持ちであった事と絡めたジョークだったわけだが、まさかこの7年4カ月後に本当になってしまうとは、この時誰も夢にも思わなかった事だろう…(ちなみに宮迫の長男の名は偶然か否か「陸(リク)」である)。
ちなみに、この時つるの剛士は「ベリアル(嫁と子どもが)居るんだ…」と言い、坂本監督は苦笑していた(ちなみに坂本監督は後に『ウルトラマンジード』のメイン監督も担当している)。
実際には上述の通り、ベリアルに嫁は居なかったのだが。
しかし宮迫はよりによって『ジード』放送年の2017年に不倫が発覚したため、「ベリアルが不倫した事で生まれた息子がジード」等とネタにされる事となった。とんだ風評被害である。
また、同じ年には二代目声優の小野友樹が7年前に結婚していたことを自身のブログで報告しており、こちらも「おのゆーが結婚したことで生まれた息子がジードだったんじゃないか」とネタにされる事になった。
なお、役者交代自体は下記のことや不倫が影響していると思われることが多いが、実際には2012年当時の宮迫が癌治療中であったためであり、直接的な理由ではないことはお終えておこう、
裏事情
『日曜もアメトーーク!』の2018年5月20日放送分の『ウルトラマン芸人』では「リク」という名前ネタとジードでの声優事情についても言及され、後者の際に宮迫が「諸事情ありまして…」と言った際に麒麟の川島(ウルトラマンシリーズに関する知識はないが、スーパー戦隊シリーズに関する知識はある)「あっ、プライベートでベリアルな部分があったからですね!」と言われている。…ベリアルってそういう意味だっけ?(ちなみに、ネタにされたMCの方はグレーゾーン的な意味で「オフホワイトや」と弁明していた…)。
宮迫自身は、今後ベリアルをまた演じる事についてはそこまで否定的な気持ちは持っていなかったようだが(『ジード』最終回後のTwitterでの反応など)、2019年6月に4年半前の2014年12月に反社会的勢力への闇営業を行っていた問題を起こした為、今後彼がベリアルを演じる可能性は極めて低くなったと考えられる。
余談
タグ「ウルトラマンベリアル」入力の際、ベリアルがややマイナーな単語であるため、変換候補の順位が低いことがあり、「ウルトラマン」+「べ(平仮名)」+「リアル」に分かれて変換されてしまうことがある。登録の際は間違いがないように確認されたし。
後にウルトラの父と結婚したウルトラの母(ウルトラウーマンマリー)とも面識があった事から、一部のファンからは「三角関係だったのでは?」と言われており、その後、実際に『大いなる陰謀』ではマリーに一方的な好意を抱いていたことが判明している。これが闇に染まる原因の一つだった事もあって、「辛すぎる」とベリアルに同情するコメントも多く出た。
ウルトラマンデッカーで主人公アスミ・カナタ/ウルトラマンデッカーを演じた松本大輝もギャラファイの特番番組にて同シーンを見た感想として切なくないですか?と同情するコメントを出している。
また、若い頃のマリーの声と『ジード』に登場したレムの声が同じであったことから、「ベリアルはかつての自分の想い人の声をそっくりそのままレムの声として使ったのではないか?」という疑惑も持たれるようになっている(もっとも、実際に作ったのはストルム星人である)。
『ウルトラマンギンガS』に登場した神山長官が「ウルトラマンがいつ地球の脅威になるか分からない」と発言するシーンがあるが、(M78星雲出身のウルトラマンでは)ある意味彼がその先駆けと言えるだろう。
また、『決戦!ウルトラ10勇士!!』で礼堂ヒカルがアレーナに対し「ウルトラマンが平和な星を滅ぼす筈がない!!」と反論するシーンがあるが、同作におけるベリアル(ダミーであるが)の参戦はそれに対する痛烈な皮肉とも取れる。
ベリアルがクライシス・インパクトで使用した超時空消滅爆弾のミニチュアは、『ウルトラマンマックス』でケサムが使用した惑星破壊爆弾の流用。
『ウルトラマンジード』のベリアル融合獣への変身シーンでは閉じていた目が開くというパイロット版『ウルトラマンネオス』以来となる演出が存在している。
伏井出ケイ役の渡辺邦斗氏がクランクアップした際には、少し不貞腐れながら花束を渡しており、それを見てたスタッフや龍臣プロは微笑ましそうに笑って見ていた。
見た目のインパクトから派手に見えがちだが、アーリースタイルを含め、実は2024年現在、全ウルトラ戦士の中で最後の無装飾であり、最後の2色のみのウルトラマンである。ちなみに平成ウルトラマンでは無装飾のウルトラマンは片手で数えられるほど珍しく、ほとんどがOVシリーズ、TVシリーズではコスモスのみである。
また、頭部のデザインも目を除けが意外とシンプルだったりする。
当初は黒と赤が反転したデザインだった。
またウルトラ銀河伝説とジードでベリアルを演出した坂本浩一監督によるとベリアルのキャラ性には坂本監督の世代でもあるスターウォーズのメインヴィランであるダース・ベイダーのような強くてかっこいいヒールがいると話が盛り上がることからウルトラ銀河伝説の頃からベリアルを強く見せたかった思いがありジードのストーリー中盤の16.17話では初めて地球に降り立つため強者としての格を見せるためにあえてベリアルが降り立つ場所のところにゴミ箱のミニチュアがあったり手前のビルに布団が干したりなど生活感のある景色のある場所にベリアルを着地させたと語っている。
関連タグ
ウルトラマンジード ベリアル親子 ウルトラマンベリアルメダル
レイオニクス ギガバトルナイザー ベリュドラ アークベリアル アーリースタイル
因縁の相手
最大の宿敵
- ウルトラマントレギア…同じく戦友との劣等感から悪の道に進んだウルトラマンであり、後にベリアルとは出身地も同じである事が判明。
- 「フュージョンファイト!」でベリアルとタッグを組ませると『光を捨てたウルトラマン』のキズナボーナスが発生する。
救星主のブラジラ:かつては正義の戦士でありながら、邪悪な存在となってしまった悪役繫がりだが、傲岸不遜かつ独善的で極端に身勝手なブラジラよりはまだベリアルのほうが同情の余地があるだろう。