量産型と試作型
同じ規格・仕様にて、量産すなわち大量生産される工業製品のこと。試作および先行量産の過程で不具合を確認する過程で欠点や量産に不向きな点などを洗い出し、それらをクリアした上で、完成品として大量生産に足ると判断されたものが量産型である。
また、量産機同士でもロットにより微妙に品質にバラつきはあり(工業製品としては好ましくはないのだが)、量産開始後も不具合の解消、部品等の変更、もしくはさらなる生産性の向上などを理由としてしばしば改良されるので、生産時期により仕様が異なる場合はよくある。
概念的に言えば予算にしたがって生産ラインを構築しそのラインで製造されたものであれば、製造機数がたとえ1機のみであっても「量産型」であるし、数が複数あっても研究開発費で製造され正規の生産ラインで作られたものでない機体は「試作型」である。量産機とほとんどおよび全く同じ構造をしていても広義の試作機として「全規模開発機」「増加試作機」と扱われる(これらは部品が共用できるため供与に回されることもある)。「先行量産型」というものは正規の予算で作られてはいるが機能の検証が済んでおらず、特に戦時などの場合早急に戦場に送るため先行開発された既存機体の部品を組み合わせてとりあえず戦える状態として送り出されるため、間に合わせの部品で構成されキメラ的外観となり、そこに魅力を見出すファンも多い。
フィクションにおける扱い
フィクション、特にロボットアニメ等では試作型が主役機を務め、量産型は相当性能が劣化した廉価版として、ひどい時はやられメカとして描かれていることがしばしばである。
試作型が強力、もしくは量産型が弱体なことの設定上の理由付けとしては「思ったより生産コストがかかったので仕方なく機能を削った」「思ったより操縦が難しかったので、誰にでも扱えるように性能を抑えた」「政治的理由」などがある。また「特定のパーツが量産できない、あるいは劣化」「技術の雛形としてあえてコスト無視した」という理由づけをする事例も。
もっともライバルの乗る機体は量産型の強化カスタム機というパターンはよくある。量産型であったとしても、主要キャラや強敵・ライバルが乗る際はスポット的に大活躍することがある。
フィクションにおける例
『機動戦士ガンダム』シリーズ
・ジム
・ボール
・ザクⅡ
・グフ
・ゲルググ
・ジムII
・ネモ
・マラサイ
・バーザム
・ネロ
・ジェガン
・メッサー
・バタラ
・ジェニス
・クラウダ
・マヒロー
・メビウス
・ジン
・ゲイツ
・ダガーL
・ガガ
・アデル
・ガフラン
・ドラド
・ダナジン
・モラン
・グレイズ
・百錬
その他
・サク
ガンダムタイプの量産型
・ジェモ
・Zプラス
・リゼル
・フリント
その他
スーパーロボット大戦OGシリーズ
量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ(通常型・タイプTT)
量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改(先行試作型・タイプC・タイプG・タイプN)
その他
妹達(とある魔術の禁書目録&とある科学の超電磁砲) ※クローン人間
ボンバーファイターTYPE-90(ボンバーマンB爆外伝)
高性能な量産機の例
VF-1A(超時空要塞マクロス」)
- 最強であるVF-1Sとの性能差は誤差レベルである。下記のドラグーンとドラグナーの関係と違い、S型が強化された際はA型も同じだけ強化されている。( なお映画版ではエース専用装備が登場したのでS型とA型の差が増えたが、S型の強化は「威力は高いが扱いの難しいビームキャノンを装備する代わりに誘導ミサイルの搭載量は減っている」ため、単純にS型の方が優遇されたというわけでもない )。
- 理由としては、共通パーツが8割を占めているためで、一部パーツを除いて機体同士の使いまわしが可能となっており、その恩威でVF-1シリーズの性能差を埋めることができたのである(現にA型のボディにS型のヘッドを搭載した簡易S型(AS型)という機体も登場している)。VF-1シリーズは生産の関係上同型機が複数存在しているため、パーツの使いまわしができたといえる。もっともこれは、マクロスの進宙式に間に合わせるための苦肉の策といえたのだが。
- ただし続編シリーズでは一部を除いて「主人公部隊のみが新型機を使用」するケースが多い。これは新型機の供給が安定した時代になったからと言えなくない。
オーガスII(超時空世紀オーガス)
- オーガスが二つの機体を繋げた急造機体だったのに対し、最初から可変機として設計しなおされたので無駄が無くなり軽量化に成功=機動力と剛性が上昇している。(合体ロボ?知らん)
- ただし高性能過ぎて一般兵には使いこなせないと言う事でリミッターを設定、オリジナルより性能が抑えられ結果的に『ガンダム』のジムに近い立ち位置とされてしまったのは残念なところ。ただしオルソン専用機はこのリミッターが外されており、主人公機より強い味方機となっている。
- 余談だが続編OVAのタイトルは『オーガス02』なので混同しないように。
ダイビングビートル(装甲騎兵ボトムズ)
- そもそも主人公も量産型に乗っているので、ある意味例外判定か。第2部の主人公機であるマーシィドッグは「使い慣れているドッグ系に乗りたい」と言う理由で選ばれた旧式機であり、味方のダイビングビートルの方が高性能な新型機である。
- なおロボット物でなければ「旧式機+ベテラン主人公( 脇役の方が高性能機 )」は良くある設定である( 例:原作版『青の6号』。所謂「機体の性能差を知恵と勇気( と長年の勘 )で乗り越える」のは( 根性論好きな )日本人の好むシチュエーション )。尤も大概のロボット物だと( 少年を主人公にする関係で )ベテランパイロットと言う時点で脇役確定だが。
ドラグーン(機甲戦記ドラグナー)
- ドラグナー3機の良い所取りをした器用貧乏ならぬ器用万能機。その後D-1と2が改造され「カスタム」となる事で高性能化することに( それでもドラグーンは1より砲撃力が、2より格闘力が強いだろうが )。一方、3は最後までカスタマイズされなかった( 電子戦機なのでソフトウェアのアップデートだけで済まされ、武装や外見の変化が無かった )。
- ドラグーンはオタク業界における高性能量産機の代名詞となっており、その強さと優秀さはリアルロボット量産機の立ち位置さえも変えてしまうほどだった( 登場は上記の三作品の方が早いがフルスペックの量産機という意味では本機が初 )。主人公の乗り換えが当たり前となった現代のロボットアニメでは量産機が「前半の主人公機より高性能」と言うのは良くある設定となっている。
- ただし劇中では演出の都合でグン・ジェム隊にあっけなく斬り刻まれるなど、「やられメカ」扱いとなってしまっていた。が、それはモブパイロットの話で、熟練パイロットでは互角に渡り合う活躍を見せている。
- じつは設定上ではドラグナー三種のように各方面に特化したカスタム機も存在する。
リーオー(新機動戦記ガンダムW)
- ガンダム開発者が設計したトールギスが乗り手を選ぶじゃじゃ馬だったため、それをデチューンして設計されたモビルスーツ。モブが搭乗したこの機体は基本雑魚扱いであるが、性能の高いトールギスをベースにしているため「搭乗するパイロットの技量次第では手強いモビルスーツになる」という特徴があり、ゼクス・マーキスやガンダムパイロット達がこの機体に乗った場合はかなりの猛威を振るっている。というかゼクスに至っては初対面のウイングガンダムをドーバーガンで撃墜し、その後無傷で堕落させることに成功、「第1話にして雑魚MSに撃墜された主人公機」として「ウイングガンダム不遇伝説」が始まった。
- ぶっちゃけ主人公のヒイロ・ユイもウイングガンダムよりリーオーに搭乗している時の方が戦果を多く挙げている。それ故真の主人公機とすら呼ばれる事も。トレーズ・クシュリナーダも搭乗したことがあり、その時は最新鋭のモビルドールを容易く撃破するという戦果を挙げている。まさに「モビルスーツの性能の違いが、戦力の決定的差ではないということを教えてやる!」を主人公側で体現してしまった脅威の量産機である。
- とは言っても物語中盤から登場した最新鋭の技術を余すことなく投入したモビルドール、ビルゴにはさすがに歯が立たなかった……かと思いきや、物語終盤ではモビルドールの特性を逆手に取ったガンダム開発者がOSを書き換えたことでリーオーでもビルゴを圧倒できるようになってしまった。
- 続編のEndlessWaltzでもヒイロとデュオ・マックスウェルが搭乗し、ヒイロはこの機体で張五飛のガンダムナタクと短時間ながらも互角にやりあうなどその性能の高さは健在であることを証明した。
ムラサメ(機動戦士ガンダムSEEDDESTINY)
- 一言でいえば、物語前半のZGMFシリーズより活躍している。量産機の癖にオプションなしで単独飛行能力を持つというΖガンダムモd……超高性能モビルスーツで、その戦果はルナマリア・ホークとレイ・ザ・バレルの駆るザクウォーリアを大破させ、しばらくの間ミネルバはシン・アスカのインパルスガンダムしか出撃できないほどの痛手を負わせた程。さらに三機がかりとはいえアスラン・ザラのセイバーガンダムですら仕留めきれなかったカオスガンダムをあっさり撃墜させるという快挙まで成し遂げる。しかもこれらの戦果を挙げたパイロットはいずれもオーブのモブ兵士である。はっきり言ってあれ?ガンダムいらなくね?と思うほど強い。ZGMFシリーズとは何だったのか(尤も勢力が違うので…ってザフトよりオーブの方が軍事技術が上と言う事か!)。
GN-X(ジンクス)(機動戦士ガンダム00)
- ガンダム=太陽炉搭載機として他のあらゆる機体を圧倒する世界観で、衝撃的な登場をした太陽炉搭載型の量産機。それまで性能差があったからこそ少数で全世界を敵に回せてたソレスタルビーイングにとって、同性能且つ数が上回るこの機体は天敵と言っていい存在であり、この機体の登場を境に主人公勢力の長い受難が始まっていく。
- とげとげした外見に四ツ目という禍々しい外見をしているが、実は性能は優秀且つ堅実というギャップ萌えキャラのような機体。堅実な武装、ガンダムと同等以上の本体性能に加え、量産機としても優秀なのがこの機体の特長であり、コアユニットを中心としてユニット毎に組み上げる方式で極めて整備性が高い。どこぞのアーマードコアのように部品交換のみで次世代機にアップグレード出来てしまうほど優れた規格化が施されている。
- なおいわゆるガンダムのデザインとはかけ離れているが、作中設定では「太陽炉搭載型MS=ガンダムタイプ」とされるので少なくとも劇中の設定ではガンダムタイプである。
- 当初のこの疑似太陽炉はGN粒子の安定化が不十分であったために毒素垂れ流しであったが、アニメ二期以降は改善された。それどころか純正の太陽炉よりも時間あたりの粒子生成は上回ったりしているので、永久機関でないという点を除けば戦闘におけるスペックは疑似太陽炉の方が純正より上である。
- 二期では上位機種としてアヘッドが量産配備されたが、アロウズ壊滅後は同組織の暴虐の象徴として歴史の闇に葬り去られ、劇場版ではGN-Xシリーズの改良発展型が登場している。
シズラーシリーズ(トップをねらえ!)
- あのガンバスターの量産型だけあってスペックそのものは下手なスーパーロボットよりも遥かに上。設計を見直して余計な機能を省き、ガンバスターからの小型軽量化に成功。実用性ではガンバスターを上回っているらしい。担当技術者曰く「ガンバスターはオーバースペックでしかない」とか。
- しかし悲しいかな、コスト比を考えた実用性よりも、コスト度外視のオーバースペック機による単騎無双の方が有効なのがフィクションの世界。最終決戦では一万機以上が失われ、ユングの乗っていた機体もブラックホール爆弾内部の圧力に耐えることが出来ず、果しなき流れの果てに旅立つガンバスターを見送ることしかできなかった。
EVA量産機(新世紀エヴァンゲリオン)
パワーズ・モデル(蒼穹のファフナーEXODUS)
- ファフナーの搭乗には適性が必要な上、齢を取れば適性自体が低下してゆくためにフェストゥムのコアを搭載した正規のファフナーはパイロットの確保が難しいシロモノであった。しかし本モデルは搭乗員を増やすためのシステムを詰め込んだことで、誰でも人類存続のためにご奉公することができるようになった。性能面も向上し、かつて主人公機を破壊したスフィンクス型程度ならまともにやりあえるほどである。同化対策も万全である。
- なおここで言う同化対策とはいつものフェンリル(自爆装置)のことである。同化の際に自動で起爆するのはもちろん、隊長機は遠隔で部下の自爆装置をできるという外道仕様。また、誰でもと言ったがその方法は適性がなくてもドーピング漬けにして無理矢理搭乗するというものである。本機種は大量生産型と言うより大量動員型であり、搭乗のハードルを下げたことで本当の意味での同化対策を十分に発揮できていないのである。そもそもネーミング元のパワー(能天使の一種)からして人も最も近いがゆえに最も堕落しやすいという存在。どうしてこうなった。
- こんなシロモノでも戦闘力自体は原型機から比べたらずっと強力になっているのが泣ける。
AVS-98(機動警察パトレイバー・コミック版)
- 主役機である98式AVイングラムの量産型という位置づけ。汎用レイバーとしてコストカットと居住性改善を優先しすぎた結果散々な性能となった試作廉価機の反省から、あくまで98式AVの基本性能は備えた警察用レイバーとして設計された。
- アニメでは件の試作廉価機の形式となっている。
- 当初、増設される特車二課第三小隊用の機体として製造されていたが、諸般の事情から第三小隊の開設が棚上げに。そのためいい加減旧式化していた第一小隊の96式改の更新用に回された。
- 配属されて間もなく、第二小隊相手に散々っぱら暴れてみせた特車二課因縁の相手グリフォンと対決することに。古賀の2号機はあっさりやられてしまうも、石和の1号機はグリフォン相手に対等以上の格闘戦を演じた。最終的に水路に転落、水中活動能力が無いためグリフォンを取り逃がしてしまうが、「アウトロー気質の主人公たちとそこに配備されたクセのあるワンオフ機」というありがちな図式に対する「エリート集団の駆る量産機」が活躍するという量産機フリークにはたまらないシーンのひとつである。
インベードアーマー(カービィロボボプラネット)
メタルクウラ(ドラゴンボールZ)
- 激突!!100億パワーの戦士たちに登場するゲストキャラ。一個体でも、当時宇宙最強とまで言われた弟のフリーザやそれと同等のクウラ自身を倒した超サイヤ人と互角以上に繰り広げられるほどの戦闘能力を持ちながらも、アンドロイドとしてのスペックそのものも中々なもので、「瞬間移動により亜空間を自在に跳躍できる機動性」、「長期戦下でも支障が生じないほど膨大な稼働機関」、「メインコンピューターとのデータ送受信を通じて行われる解析・再生・強化機能」と多方面に対応。総合的な戦闘能力では悟空とベジータの2人を相手にしても苦戦させるほど。
- 更にそのアンドロイドを扱っている機械も見事なもので、100体以上というほどの高度な生産性を有しており、加えて、全てメインコンピューターを通じて操作されている為、先ほどの送受信によって蓄積したデータを全ての量産機に共有できるにとどまらず、(軍略的目線で言うならば)秩序を乱すことの無い完璧な統率性や、撤退さえすればどれほどの損害が生じても仕切り直しが可能な点もあり、意外にも量産機としては理想的な質と量、そして安定性をこれでもかという程に兼ね備えているとも言える。
キルサイス(ゾイドワイルドZERO)
- 真帝国の主力となったカマキリ型の小型ゾイド。
- カマキリ特有の両腕の鎌による近接戦闘能力、高い飛翔性能に加え、タイムボムによる破壊工作が可能で、後に光学迷彩を搭載した機種も登場した。更に、当然ながらマシンブラストの使用が可能な上に、金色の指揮官モデルは、無人状態のキルサイスを操る事で人手不足を補える。
- 小型故に装甲こそ脆いものの、上記の性能から数をそろえれば、下手な中型ゾイドを圧倒する。
降下兵(ARIEL)
- 銀河帝国で広く使用されている機動兵器の総称。様々な機種が量産されている。
- 作中で銀河帝国から地球侵略業務を請け負ったゲドー社は、予算面の理由から主に中古の旧式機を使用せざるを得なかったが、銀河帝国と地球の間に技術力の差がありすぎたため、地球側が技術の粋と原子力空母10隻分の予算を注ぎ込んで建造したワンオフ主人公機「ARIEL」はほとんどの戦闘で勝利することができなかった。
- なお、ARIELが唯一勝利した戦闘で使用された降下兵は、廃品のパーツを寄せ集めてでっち上げられた代物である。
ジェイアーク級戦艦(勇者王ガオガイガー)
- 「赤の星」では10隻以上が量産されたが、「青の星(地球)」では建造不可能。そもそも主人公機ガオガイガーでさえ「緑の星」が建造したジェネシックガオガイガーの劣化コピーにすぎない。
ゴーグ(巨神ゴーグ)
- 作中では無敵だったが、設定上は宇宙人の作業用機械に過ぎないとされている。
ドラえもん(ドラえもん)
- ご存知『ドラえもん』の主人公。22世紀のトーキョーマツシバロボット工場で量産された子守用ネコ型ロボット。量産型に限らず最強のロボット議論では必ずと言って良いほど名前が挙がるキャラクターであり、彼自身のスペックだけに着目しても「大砲の弾として撃ち出されても平気」、「大爆発をまともに受けても身体が原型を留めている」、「溶岩の熱さにも耐えられる」、「真空の宇宙空間や太陽の至近距離、暗黒かつ高水圧の深海底等、過酷な場所でも生身で問題なく活動可能」、「地球を数秒で一周する速度で吹き飛ばされ、そのまま地面に激突してもほぼ無傷」、「光線よりも素早く反応し、瞬時にひみつ道具を取り出してその光線を跳ね返す」、「ドラえもんが生まれた22世紀よりも未来の技術で開発されたバリヤーを頭突きで粉々に破壊する」等の描写があり、非常に頑丈なボディかつ高い身体能力を誇る。
- 特筆すべきは彼が持つひみつ道具(『ドラえもん道具カタログ』にて「ドラえもんには最初から四次元ポケットに数多くのひみつ道具が収納されているのでお買い得」と説明されている。その為、ひみつ道具は正真正銘ドラえもんの標準装備と言える)であり、それらの効果を加味するとドラえもんの攻撃力と防御力が飛躍的に上昇する。ひみつ道具の中にはあらゆる攻撃を回避出来る道具、時間を完全に停止させる道具、惑星及び銀河を破壊出来る道具、3時間だけ凄まじい幸運に恵まれる道具、あらゆる災難を回避出来る道具、自分の存在を相手から一切認識されなくする道具、世界を自由に改変出来る道具、これらの道具を無限に複製出来る道具等が存在し、更には全知全能の力を行使出来る道具さえ存在する。
エターナルズ(MCU)
- 1人1人がバランスブレイカー級のチートキャラであるにも関わらず、MCU版の設定ではコズミック・ビーイング(宇宙的存在)であるセレスティアルズにより大量生産された合成体(擬似生命体)。しかも、10年以上22作に渡って繰り広げられた「インフィニティ・サーガ」のラスボスであるサノスも、この中の1体に過ぎない可能性が示唆されている。
実在の量産型について
実在の兵器や製品では、量産型が試作型に総合的な性能が劣る事はほぼない。と言うよりフィクションにおける「試作型」は、現実では試作機と言うより「実験機」と言う方が正しいのではないかとの意見がある。
はじめから採用する気の無い機能を試作機に搭載する意味は無い(要は大衆車の試作としてラリーカーを造る奴は居ない。…とある酔狂な自動車メーカーが最近ラリーカーを作るために市販車を作ってしまったがそれはかなり稀な例)と言う事である。実際、フィクションの試作機にはそれまでにない新技術を大量に突っ込み、そして不具合を起こさないと言うありえない例が多数見受けられる。
また、現実の試作機では試験項目以外の部分には在庫品である在来機のパーツを多数流用し、コストダウンを図ることも多く、武装も施されない。前進翼試験機X-29にはF-5の胴体やF/A-18のエンジンを転用している。実用化が成った場合はそれらは専用設計のものに置き換えられるし、武装を施すために整理や改設計もなされるため、試作時のままということはない。
試作型で発生した使い勝手や信頼性の問題が改善され、性能的にも試作型の弱点が改良されて、はじめて量産型として採用される。言い換えれば、試作型が一切問題無しに動き、量産可能となる方が奇跡であり、そもそも一発で成功出来るぐらいなら試作する必要も無い。
もっとも、試作機をすっ飛ばして最初から量産に入り、問題が出たら後付けの改修で対応する、という「クック・クレイギー・プラン」という考え方もある。これは巧くいけば開発時間を大幅に短縮でき、結果としてコストも圧縮できる…という考え方なのだが、大規模な不具合が発生した場合生産設備から作り直さないといけなくなる。実例としては戦闘機にF-102・F-106、旅客機にCV880・DC-8などがあるが、全くの新機種の場合リスクが大きすぎ、失敗時のコストと時間のロスが膨大になる。これが上手くいくのはEF65のように新技術をほとんど投入せず、設計の多くを先代モデルから引き継いでいる場合である。
なお、工業製品でも巨大で製作に時間のかかるものや生産数が限られるもの(ロケットや建築物など)については試作を終えて量産に入った後もワンオフに近い生産体制をとらざるを得ず、量産型とされていても一個体ずつ改良は施されており、仕様は細部まで同一ではない。
典型的な例は船舶(軍艦など)で、造船所が違えば船体長や総トン数、機関の形式などが異なるのは当たり前である。中には煙突の本数すら違っていたり、二番船以降は機能が削られる事例も少なくない。後述のつがる型巡視船がその例で、同型はそうやの量産型のはずだがそうやの砕氷機能はなく、また長年にわたって建造が続けられたため初期と後期ではまるで別型の船という有様である。
そういう意味では船舶に真の量産型は存在しないと言えるかもしれない。
現実における例
※前者がプロトタイプ、後者が量産型。
103系電車・113系電車(日本国有鉄道)
- 昭和29年頃から出現し始めた私鉄高性能電車群に対し、国鉄も負けじと昭和32年、全金属軽量車体・客用扉両開き片側4扉・全電動車・3.2km/h/sの高加速度・3.5km/h/sの高減速度・定格速度68km/h(弱メ界磁40%)・蛍光灯装備・扇風機装備という超性能電車モハ90系(→101系)を製造する。ところが、まず増大した消費電力の前に給電系がパンク、更に「車両ばかりを高性能化しても首都圏の通勤ラッシュの解消には程遠く、信号など地上設備などの改良・整備も必要」という結果になった。この為、101系では付随車を挿入して性能を低下させた状態で運用した後、後継となる通勤型電車は短距離特化の103系が開発されるが、その分巡航速度については眼をつぶることになった。
- 後、常磐線・鹿児島本線の交流電化に伴い、交直流電車401系/421系が開発されるが、どちらも従来の国電区間よりも駅間が長い区間への投入になるため、こちらは加速度に眼をつぶってそれなりの巡航速度を与えた性能とした。この直流専用版が111系だが、すぐに新型モーター「MT54型」が採用されたため、こちらを採用した113系へとマイナーチェンジする。
- つまり、101系の所定の性能が実現していれば優等列車以外には大抵の用途に満足できる万能高性能電車となるはずが、国鉄の実情から実現できず、結果、101系で実現するはずだった性能のうちいずれかを妥協した103系と113系に分化した形になる。その結果、103系と113系はそれぞれ国鉄電車第1位・第3位の大量生産車となった。
- 101系で断念された万能高性能電車の無念は、国鉄が散った後その後身となるJR東日本において、E231系として結実する。
EF60形電気機関車二次型以降(日本国有鉄道)
- 電車の近代化が進む一方で機関車の方は大増殖したEF58・EF15が使われ続けていたが、新性能電気機関車として、それまでのツリカケ駆動からクイル式という駆動方式を採用して大胆に軽量化を図ったED60形が製造され、更にこれを基礎として東海道本線などの長距離運用につくためのF級ハイパワー機・EF60形が製造された。……が、クイル式は構造上耐久性に難があることが判明し、結局二次車以降ではツリカケ式に戻すことに。
- この時の基本構造が、軽量化の対策を施したEF62形を除く新性能F級機に使い倒されることになり、国鉄電機の決定版とも言えるEF65形・EF81形まで大増殖を続けることになる(EF66形は流石に当時のハイパワーを受け止めるために少し違った構造をしている)。
- その後も国鉄・私鉄問わずツリカケ式以外を採用して刷新を図ろうとする度何らかの不具合が出てツリカケ式に戻すという流れが繰り返され、現在のJR貨物の最新電機に至るまで主力はツリカケ式。この事は所謂日本面の宿命とも言うべきか。
文化面における量産型
管理教育確立後の日本では軍隊式管理で個性を削り、社会に出て従順な組織の人間であることを美徳とする教育がすべからく定着していった。そういった"量産型"教育により一時は「時間を守る日本人」のようにメリットが強調されたものの、その後バブル崩壊と日本社会の停滞を経て、ただの愚民化政策ではなかったかと批判されるようになった。
しかし時既に遅く、こうした風潮は21世紀の若者文化にも及んでおり、宣伝に踊らされて動く同質的な人々をなじる「量産型〇〇」のような言葉が生まれている。
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量産型やは(pixivユーザー)