なかでも恐るべきは英国面だ。英国面に堕ちしモノは、決して光明面(じょうしきてきなちから)には戻ってこない。
その代わりに、フォースの英国面に堕ちしモノは、理解し難い不思議な特殊能力を発揮するともいう……どうしてこうなった
―― とあるジェダイの騎士
英国面とは?
英国面とは英国人特有の変態的表現技法の一つとも呼ばれる。
着眼点及び思想的には正しいアプローチを行っているものの、技術的ハードル等の対処方法などに諸外国の技術者とは異なる、一風変わった対応をすることから、出来上がりが「なぜこうなった」と首を傾げられるシロモノとなる。
国内での独自開発工業製品であればあるほどその傾向が強まるため、特に兵器に現れやすいが、自動車など民生品にも英国面が色濃くでる場合がある。
他国が匙を投げたような技術、あるいは考えようもしなかった技術をモノにしてしまう場合もあるが、その多くは…あれ?誰か来たようだ。
英国面となる理由
英国面と認定されるものにも色々なパターンがある。
発想がぶっ飛んでいるもの
英国人的な発想で作られたもののこと。
航空母艦や弩級戦艦、VTOL機ハリアーなどその分野の先駆者となった例も多い(後述)のだが、中にはあまりにぶっ飛んでいて実現しなかったものもある。
何らかの技術的欠陥を抱えているもの
発想としては面白いのだが、技術的に追い付いていなかったり、明らかな運用思想の誤りや設計ミスを含むもの。
独特な外観を持っているもの
性能を重視したせいか、独特の外観を持つお世辞にもカッコいいとは言えないもの。ただし、それゆえに人気を呼んでいるものもある。
必要なときに間に合わなかったもの
イギリス軍も欠陥兵器ばかり作っているわけではない。性能もデザインも優れているものもちゃんと作っている。間に合わなかったけどな……
発想・外見・機能などは(割と)普通だけど使い方がおかしいもの
比較的おとなしめなものを作っても、肝心の使い方で一発やらかすこともあるので油断できない。
ダイナミックに仕様変更をしたもの
どこの世界や業界でも初期案や試作機から仕様が大きく変わるというケースはあるが、イギリスに於いては、第一号機とは全く別物になったのに同じ名前を引き継いでいるとか形状・仕様ばかりか名前まで変わってしまうとかの、「どうしてこうなった」と突っ込みたくなるような凄まじい仕様変更が起こることも稀によくある。
その他
英国人独特のセンスが発揮されているもの。
具体的な英国面の例
軍事編
陸軍
- 3.7インチ無反動砲:砲尾に6本の排気管と複雑な発射機構を持つ。
- AT105 サクソン装甲車:異様に古めかしいデザインの装甲車(主に前線への兵士の送迎などに用いるために開発された)。しかし古めかしいデザインとは裏腹に民生品を多用しており修理が容易だったり、車体下部にはIED対策がされてあったりと地味に優秀なクルマである。
- BISON:コンクリートで出来た装甲車、というか「移動トーチカ」。重すぎて肝心の移動性能が著しく低い。
- FV4004コンウェイ/FV4005砲戦車:IS-3への切り札として開発された支援戦車。何を血迷ったのかセンチュリオン中戦車にコンカラー重戦車の主砲である120mm戦車砲を全周旋回方式で搭載。この時点で相当なキワモノだが、それでも飽き足らなかったらしく、今度は120mm砲を某戦車ゲームでお馴染みの183mm砲に換装(しかも自動装填装置付きで試作一号車は一切覆いがなくむき出し)するという暴挙に出た。いずれも構造的に無理があったようで試作の域を出ず実戦配備には至らなかった。その姿は当に英国製KV-2。
- FV4401 プロトタイプ:自動装填装置付き120mm無反動砲を2門持つ空挺駆逐戦車。 空挺戦車に火力を求め過ぎである。 しかもコンパクト性を重視しすぎて乗員はたったの一名...戦えるわけないだろ、いい加減にしろ!
- HB 876:航空機による散布を想定した地雷。…なのだが、周囲に生えた金属製の脚で自立するという恐ろしくキモいデザイン。今にもカサカサ動き出しそうなその姿は要検索…いや、素直に言おうグロ注意と。考えたやつ絶対アーマード・コア大好きだろ。
- L85:英国紳士の誇る棍棒、もしくは銃剣の柄。詳細は単独記事へ。
- Mk.VI軽戦車(対空型):砲塔に対空機関銃を横に4連装で搭載。
- No.1手榴弾:イギリス初の手榴弾。実戦ではさっぱり効果を発揮しなかった。ドイツ兵曰く「木の板で防げた」「木の板で弾いたの見て投げ返すの余裕でした」。
- TOG1重戦車:第二次大戦中に、第一次大戦の戦況を想定し「将来の大戦争」にふさわしい戦車として開発されてしまった試作超重戦車。前大戦で塹壕だらけになった北フランスのような戦場に備え、高い超壕能力と歩兵輸送能力を目指していた。そのため全長が10.1mとドイツ軍の超重戦車マウスより長い。それも必要以上にむやみに後ろに長い。開発元は特別車両設計委員会と呼ばれる人たちで、彼らは世界初の戦車であるMk.I戦車の開発陣や開発企業、前大戦で活躍した爵位持ちの将軍たちの集まりである。つまり誰も開発を止められなかった。彼らは英国的ユーモアの発露から「The Old Gang = 古いろくでなし」と呼ばれ、TOGはその頭文字である。
- TOG2重戦車:特別車両設計委員会による第二の試作超重戦車。TOG1の発展型であり、車長も相変わらず10mと無駄に長い。最高時速は驚きの13km/h。菱型戦車の最終進化形態といっても過言ではない超壕能力と兵員輸送能力を備えており、しかも足回りは電気駆動と、その方面では非常に完成度の高い車両であったが、世界は既に航空機の対地攻撃能力の発展や、ドイツやソビエト連邦等での戦車の恐竜的進化により、塹壕戦の時代は終わっており、既にチャーチル歩兵戦車が量産されていたこともあって老将軍たちの浪漫の塊は量産されることなく戦車博物館送りになった。一応17ポンド砲を積んでいるので装甲貫通能力は高い。まさかこの馬鹿でかい重戦車の砲塔がクロムウェルの車体に載せられることになるとは… →チャレンジャー巡航戦車も参照。
- アーチャー自走対戦車砲:バランスをとるため元車両と砲の向きが正反対だったり、生産し始めた頃には同じ17ポンド砲を搭載するチャレンジャーもファイアフライも既に量産・実戦配備されていたりとツッコミ所多数。が、実戦に投入してみると、ぶっ放したらすぐに一目散に逃げることができるので、一撃離脱戦法を取ることが多い自走対戦車砲としてはある意味理に適った構造であることが判明した為、なんやかんやでイギリス以外にも供与されて1960年代まで使わていたりする。
- アパッチデサント:攻撃ヘリの機外に歩兵を乗せて輸送。普通は非戦闘時に負傷者や墜落機の乗員を回収する際に他の輸送手段が無い時にするのであって、襲撃の際の輸送手段として使うものではない。
- インディペンデント重戦車:いわゆる「多砲塔戦車」を世界中に勘違いさせて流行させたきっかけ。当然イギリスでも高すぎデカすぎで碌に量産されなかった。
- Mk.III 中戦車:小さくなったインディペンデント。これでもコスパが悪く試作車両3両のみ。
- ウェルバイク:パラシュート投下用の折りたたみ式バイク。
- パーシヴァル ハリアー:「ハリアー」でもパーシヴァル社の製品はパラシュート投下用の折りたたみ式オフロード車。早い話が四輪版ウェルバイク。
- オスプレイボディーアーマー:ロシアといった東側諸国でさえアメリカと同じヤード・ポンド法規格(インチ幅)を採用する中、互換性の無いメートル法規格(センチ幅)のウェビング(装備取付用の帯)を採用。サイズが合うポーチでない限りは流用が不可に。Mk.3への改良の際にヤード・ポンド法規格へと変更している。
- カーデン・ロイド豆戦車:いわゆる「豆戦車」を世界中に(ry なお「戦車」と言い張って輸出しておきながらイギリス軍は始めから偵察車両・機関銃運搬車と割り切っていた模様。
- カルチベーターNo.6:塹壕掘削車。自らが掘った土で身を隠しながら敵陣に突撃する兵器。英国式地底戦車(?)。但し紙装甲。
- スターストリーク地対空ミサイル:三発の子弾の運動エネルギー(と450gの弾頭)で敵機を撃ち落すレーザー誘導ミサイル。誘導する徹甲榴弾。日本の三式弾、アメリカのコンティニュアス・ロッドと同じ流れで登場した近地対空ミサイル。近SAMなのにロケット部分が多段式の上、弾頭はダーツ型の子弾が3発入っており、第2段ロケット燃焼後に切り離されて投射される。……という、合理的ではあるんだが紅茶でお茶漬けつくってサーロインの切り身を突っ込んだようないかにも英国面らしい構造。……だが2022年にウクライナ・ロシア戦争で携行式のスティンガーミサイルとともにウクライナ軍に大量に供与され、ロシア空軍相手に見事に毒牙(子弾の通称がまさにこれ)を剥いた。
- ジャンピングタンク:ロケットブースターでジャンプして塹壕を跳び越えるというビックリドッキリ戦車。どこのメタファイトですか。ちなみにバレンタイン歩兵戦車がベース。ただしいきなりバレンタインにロケットを付けるのは怖かったようで、ユニバーサルキャリアーで試験して見事に転覆した写真が残っている。そりゃ大抵の戦車・装軌車両は空中での安定性なんて考慮して設計されていないからね。
- 銃剣突撃:これ自体は普通の戦術だが、装備の近代化や非正規戦の増加もあり昨今やる軍隊は少ない。にもかかわらずイギリス軍は21世紀に入ってまで年に一回以上のペースでやらかしている。
- 巡航戦車シリーズ:アメリカから導入したクリスティー式サスペンションを搭載した戦車群。
- Mk.I 巡航戦車:巡航戦車とは名ばかりの軽多砲塔戦車。まだ作ってたのか。
- Mk.V カヴェナンター:ラジエーターの配管が車内を通っている走るサウナ。故障頻発で練習用に格下げ。
- Mk.VI クルセイダー:カヴェナンターの代わりに実戦投入。ラジエーター問題は解決したが搭乗員がたった3人、砂漠地帯では故障頻発、にもかかわらず主戦場が北アフリカ戦線という有様。「連続36時間重大な故障が発生せず稼働すればそれは奇跡」とまで言われた。
- Mk.VIII キャバリエ、Mk.VIII セントー:クロムウェルのエンジンと主砲が生産開始当初は集まらなかったため代用品を搭載した劣化版。
- Mk.VIII チャレンジャー:クロムウェルに17ポンド砲を搭載するために開発された戦車。防水対策がいい加減だったためノルマンディー上陸作戦に参加できず、その後はM4シャーマンベースのファイアフライの影に完全に隠れてしまった。ちなみに17ポンド砲が積めるのは上述のTOG2重戦車の砲塔をそのまま流用したからであり、改造しているとはいえ第二次大戦最速の小型巡航戦車の車体に世界最長の変態重戦車の頭を乗っけてしまった稀有な例でもある。
- FV4101 チャリオティア:またの名をクロムウェル重対戦車砲。戦後、クロムウェルにセンチュリオンの20ポンド砲を搭載した駆逐戦車。しかし砲塔が車体以上に紙装甲、20ポンド砲に対して砲塔が狭い、車長が砲手兼任のため指揮が執り辛い、携行弾数たったの25発と、平時に作ったのに戦時急造戦車のような結果になってしまった。
- ステンガン:生産性のみを極限まで追求した、いかにも安っぽい外見のサブマシンガン(特にMk-II)。当然性能もあまり良くなかったが、安価に大量生産することが可能でその簡素さ故にレジスタンスでも容易にコピーを作ることが出来るほどだった。
- センチュリオン:第二次世界大戦中のイギリス陸軍最後の巡航戦車で、世界初の主力戦車。比較的快速な巡航戦車と防御力の高い歩兵戦車を統合するために企画された。17ポンド砲を搭載し、走攻守のバランスに優れた戦車で恐ろしいことにコンセプト以外は技術的に何ら新機軸を採用していなかったという。長年迷走し続けてきたイギリスの戦車開発だったが、その教訓と技術の蓄積は無駄にならなかったということか。開発に手間取り輸送中にドイツが降伏したため本格的な戦闘は経験しなかった。大戦後は朝鮮戦争などに投入され、優秀な戦車という評価を受けている。後述するオリファントも同車の改造車で、その優秀性があるからこそ改造されたといえる。
- センチネル巡航戦車:巡航戦車。豪州の工場でも量産できる簡易戦車として製造された。65mmの鋳鋼製正面装甲、40km/hのスピードが出て生産性や稼働率も悪くない足回り、そして火力面では25ポンド野砲や17ポンド対戦車砲を装備可能で大戦末まで見ても英国戦車最強の攻撃力を誇る……が1943年に僅か70両弱で生産中止され、製造車は訓練場送り。米国から供与されたM4シャーマンを使えば良い、との判断であるが、西部戦線ではM4の攻撃力不足に泣く羽目になる。...ただしある意味一番問題なのは、車体の前方機銃にかぶせる装甲カバーの形状かもしれない。
- 対戦車擲弾投射器PIAT:第二次大戦に使用された対戦車グレネードランチャー。構造は迫撃砲なのでバズーカ等と違ってバックブラストはないものの、バネで発射するため装填に一苦労。なお、装填された弾は固定されていないので下を向けると落っこちる。
- 第二次世界大戦における、榴弾が撃てない2ポンド砲とそれを装備した戦車:榴弾が撃てないためドイツ軍対戦車砲の餌食に。一応、後に専用の榴弾が開発された。
- チーフテン:歩兵用対戦車兵器が発達する中、時代遅れとなっていった重戦車のものに等しいコンセプトで開発量産された主力戦車という名の不条理。実戦投入時の戦果こそ芳しくないが、その防御力と火力はソ連と衛星国で構成されたワルシャワ条約機構に脅威という名のストレスを与え続けた。余りにも大きすぎて乗せられなかったコンカラー由来の120mm砲の代わりを新規開発した以外は既存技術のみで構成されている。このようなコンセプトで開発されたのは、偏に巡航戦車の度重なる失敗を教訓としたからであり、結果的にこれが正しいことは後の世界各国における戦車開発の方針が証明する格好となった。
- チャーチルガンキャリアー:チャーチル歩兵戦車の車体にやっつけ感満載の四角い戦闘室と3インチ高射砲を搭載した駆逐戦車。 やっつけ具合はこちらの画像を見ればわかるだろう。 見た目はもちろん性能もイマイチだったのか、24輌がつくられただけで実戦投入されなかった。
- チャレンジャー1:既存技術頼りの極めて堅実な設計と、当時としては最新鋭の複合装甲を併せ持った、いい意味で英国面陸軍部門代表格。この複合装甲の信頼性は高く、当時のNATO加盟国の戦車兵たちが「実戦では何に乗りたいの?」と問われた際に「チャレンジャーに乗りたいよ」と答えた者が最多だったという逸話が生まれた要因になった。戦果の方も湾岸戦争で十二分に打ち立てている。複合装甲の性質上、曲面的なデザインがほぼ不可能だったので平面を多用した角ばった外観となったが、逆にこれが世代交代という点においてはヴィジュアル的に極めて高い効果を発揮してくれた。
- チャレンジャーに装備された120mmライフル砲:元西側諸国のうちイギリス以外は120mm滑腔砲を装備する中、一国のみ分離装薬式ライフル砲に拘っている。そのため、砲弾に他国との互換性がない。更新しない最大の理由は予算不足である。
- テトラーク軽戦車:大型転輪4つを並べた玩具のような外見の戦車で、第一転輪を装輪車のように履帯ごとステアリングして方向転換していた(当然自動車式の丸ハンドルで運転できた)。
- 猫爆弾:猫は水を嫌うのでパラシュートと爆弾を背負わせて洋上の敵艦めがけて投下すれば敵艦めがけて降りていくという発想で造られた爆弾。実際に試験も行われたが猫が気絶しただけで終わった。当時の資料を読むとそもそも猫がどうやってパラシュートを操作できるのか考えた形跡がない。
- ネズミ爆弾:ネズミの死骸に爆薬を埋め込んだもので、ドイツ国中のボイラーを爆破する極秘兵器として第二次世界大戦中に製造された。ボイラーのかまの前に死骸が転がってたら火の中に投げ込むだろ?という発想で、石炭やボイラーの近くにレジスタンス工作員がこっそり設置し、ドイツ人が知らずに火に投げ込むと爆発するというもの。ドイツへの密輸がバレて失敗したが、これを機にドイツが不必要なレベルで警戒を敷いたため「労力を使わせた」という意味では一応成功。
- ニセモノの都市:都市をドイツ軍の空襲から守るために郊外に造られた木枠と布でできた都市のニセモノ。このために街や軍の偽物を作る専用の部隊が創設され、ジャスパー・マスケリンという奇術師が指揮を執った。実際に、ドイツ軍は騙されて一週間ほど偽物の都市を爆撃し続けたらしい。
- ニセモノの軍団:上のマスケリン軍団(通称"マジックギャング")が、かのロンメルに対して北アメリカ戦線で実行した作戦。張りぼて戦車を作ったり、ダミーの線路・パイプラインを敷いたりして攻撃方向や時期を偽装。結果、もっと攻撃は後だと判断したドイツ軍はロンメルを帰らせてしまい、イギリスが奇襲に成功した。
- パックルガン:25.4mm口径のフリントロック点火方式の手動回転型リボルバーカノン。ロンドンの法律家ジェームズ・パックルが発明し、1718年5月15日に「ディフェンス」という名前で特許を取得。1722年の公開試射では7分間に63発、単純計算で毎分9発とこの当時の歩兵の主装備であるマスケットの発射速度(新兵で毎分2発、熟練で毎分3~5発)の2~4倍で口径も一回り大きかった。しかし拠点防衛用の連発銃が当時のドクトリンにそぐわなかったことや、開発者のパックル本人が「キリスト教徒には球形の銃弾を、異教徒には殺傷力の高い四角形の銃弾を」という余計なことに拘ったこともあり実用化されなかった。
- ハフナー ローターバギー:直接牽引して飛行できる、ジャイログライダー+ジープの合体車両。ある意味パラジェット・スカイカー(後述)のご先祖様かも知れない。
- バレンタイン歩兵戦車:歩兵戦車。性能は凡庸だが安価で作りやすかったため大量生産された。しかし、使い勝手が良かったためか、アーチャー自走対戦車砲やジャンピングタンクなどの珍兵器のベースとなった例がいくつかある。
- ヴァリアント歩兵戦車:重装甲かつ軽量の戦車という難題を(戦時で余裕が無かったためとはいえ)開発経験の浅い会社に任せた結果がこれである。最大装甲厚114mm重量27tとカタログスペックだけ見れば成功に見えるが、しわ寄せが操縦席に来て変速レバー、クラッチ、ブレーキペダルがしこたま重く(しかも位置的に操作しづらく)一歩間違えれば負傷の危険さえあり(ブレーキペダル、変速レバーが跳ね返ってきて操縦手を殴打する)、初試験で21km走っただけで「もうやめよう」という話になりそのままボツになった。その後は戦車技術学校で問題点を洗い出させるための教材として使われた。この研修については「朝早くから始めないと終わらないぞ(意訳)」という言葉が残されているとか……
- ヴィッカース A4E10:主砲を縦に連装した軽戦車。ただし砲手は一人。
- ブラックプリンス歩兵戦車:上記チャレンジャーが開発が遅れているのを見かねたイギリス軍が「じゃあチャーチル歩兵戦車を改良するついでに17ポンド砲を乗せてしまおう」と開発したスーパーチャーチル。ところがチャレンジャー以上に開発が遅れに遅れ完成は1945年5月、ドイツは既に敗戦済み。おまけに整地で最高速度18km/hと超鈍足。当然開発は中止され、これがイギリス最後の歩兵戦車となってしまった。
- ブルーピーコック核地雷:不発防止のために電子部品をニワトリで保温する核地雷。原発建設計画と偽って西ドイツへの配備が予定されていた。さすがにいろいろと問題があるため計画倒れとなった。ちなみに狙ってやったのかは分からないが機密解除されたのが4月1日だったため、当時は誰もこの兵器の実在を信じなかったという。
- ブローパイプ地対空ミサイル:射手がジョイスティックを使って手動操作で誘導する必要がある。
- ホームガード:第二次世界大戦時に本土決戦に備えて組織された民間軍事組織。正規軍が戦線を構築するまで時間を稼ぐのが目的だった。下記のホームガード・パイクやスミスガン、ノースオーバーなどのビックリドッキリメカの元凶。正規軍ではないが便宜上陸軍の項目に入れておく。
- スミスガン:本土決戦用の簡易対戦車砲。車輪の中央に防御板と対戦車砲を複数付けた兵器。人力パンジャンドラムとかいうの禁止。使用時には90度横に倒す。確かに理屈としては素早く移動して素早く据え付けられ、車輪が台座になるわけだから砲も360度旋回できる、割と合理的な発想な気もする。しかし残念ながら砲としての性能が低かった。ちなみに考案したのはオモチャ職人。
- ブラッカー・ボンバード:ホームガードのいつもの珍兵器の一種。要するにでっかいPIATで大体説明できる。PIATの問題点はそのままに、さらにはでかくて取り回しが悪い(もっともこいつは設置型だが)。
- SIP手榴弾:ホームガードに配備された対戦車用手榴弾、もとい火炎瓶。当然こんなものが戦車の脅威になるわけがなく、テスト役を任された戦車部隊いわく「別に恐怖は感じなかった」。発火剤にリンを用いているため水中で保管する必要がある。そして本土決戦に備えイギリス各地の市街地で水を貯めた箱などに詰め込んでそこら中に保管した結果、戦後「どこにしまったかわからなくなった」SIP手榴弾が不発弾扱いであちらこちらから発掘された。
- ノースオーバー・プロジェクター:SIP手榴弾を発射するための簡易ランチャー。筒に黒色火薬とSIP手榴弾を入れて発射する。早い話「特攻野郎Aチーム」で出てきた手製ランチャーを想像すればいい。黒色火薬の推進力なので射程はお察し、そして三脚が壊れやすく扱いにくい。
- No.74粘着手榴弾:一応対戦車用の兵器。ニトログリセリンを入れたガラス容器に接着剤で覆い、カバー、柄、信管を取り付けた代物。カバーを外して敵戦車にくっつけ、遅延信管を作動させて起爆する。爆発の衝撃で装甲の内側を剥離させて乗員を殺傷することが狙いだったと思われる。しかし試験では泥などで汚れた戦車にはくっつきにくく、逆に使い手の衣類にくっつく事故が多発し、ズボンを脱ぎ捨てて逃げ出す羽目になったホームガート隊員もいたとか。何故か正規軍でも運用され、アフリカ戦線ではドイツ戦車をいくらか撃破したという。
- 簡易装甲車:ホームガード隊員の自家用車を鉄板で覆って装甲化した急造の装甲車。似たような物は他国の抵抗運動組織などでも作られている。
- ホームガード・パイク:鉄パイプに銃剣を溶接した本土防衛用の槍。志願者が想定より多すぎたためまともな武器が足りず、「素手よりはマシだろ!」とばかりに用意された間に合わせの武器の一つ。
- ロングソード:同上の理由で用意された間に合わせの武器の一つ。騎士道華やかなりし時代の遺物であり、本来この時代には武器ではなく骨董品として扱われているべき品である。近所の教会や博物館から借りてきたか、個人のコレクションや先祖伝来の品、またはレプリカを持参したと思われる。
- ゴルフクラブ:同上の理由で用意された以下略。
- ジャック・チャーチル:英陸軍の軍人。「軍人は常に剣を携えるべし」の信念の元、あろうことか近代戦のまっただ中で剣と長弓を持っての突撃を敢行(んで長弓での攻撃でスコアも挙げている)。お前絶対ファイアーエムブレムの世界から迷いこんできただろ! その他にもビルマ在住時に自転車で2000kmほど離れたインドはカルカッタまで無線通信を習うためだけに行ってきたりもしている。ちなみに戦後に河川逆流を利用して川でサーフィンを行った。
海軍
- CAMシップ:第二次大戦中、護衛空母が揃うまでの繋ぎとして用意した商船改造空母……みたいなもので、正式名称はカタパルト装備商船。船首に設置したカタパルトに戦闘機(水上機ではない。というかイギリスに水上戦闘機という概念はまだなかった)1機をくくりつけただけで、それ以外は全て商船のまま。つまり飛行甲板がない。発進した戦闘機は当然ながら帰って来れず、パイロットが帰るためには危険を承知で機体を捨てて脱出しなければならなかった。さすがにそれは問題だったのですぐに後述するMACシップに置き換えられた。日本にも速吸という似たコンセプトの船があったが、こちらは空母戦力の補助が目的で水上機も積めた。
- MACシップ:CAMシップの問題点を踏まえて建造された商船改造空母。こちらは飛行甲板を設置して空母らしい外見になったが、小さすぎるため搭載可能な艦載機はわずか4機、船によっては格納庫さえなく艦載機を常に露天係止。全てはベースが穀物輸送船やオイルタンカーという小さな船がベースになっており、貨物や油の輸送能力も残されていたせい。それでもソードフィッシュという良き艦載機(低速軽量な複葉機のため小さな飛行甲板でも発着できる)に恵まれたこともあり繋ぎ役としての役割は充分に果たし、護衛空母が揃ってからは元の商船に戻された。要するに改造空母ではなく「対潜哨戒機を発着させられるタンカー」と考えた方が良い。
- エクスプローラー級潜水艦:過酸化水素を使用した非大気依存機関により浮上せずに25ノットもの速力を発揮した。が、エンジンがどかんどかんと爆音を出しながらすさまじい金属臭を発生させ、いちいち浮上して乗組員を避難させなければならないという代物だった。
- 航空母艦ウォリアー:コロッサス級10番艦。 大戦中に建造し始めたが竣工したときには終わっていたのでカナダに売却される…はずだったが、元々温暖なインド洋での活動を想定し暖房装置のいくつかを省略してしまっていたため『いや暖房なしは困るって!』と姉妹艦と入れ替わりで帰国。その後は甲板にゴムを敷き詰めてランディングギア要らずが実現できるか試験したりした。
- 航空母艦フューリアス:大型軽巡洋艦を改装した世界初の空母。ただし初期は飛行甲板が前にしかなく、着艦は命がけのアクロバット。具体的には艦の斜め後方から艦橋を追い越すようにアプローチし、機体を横滑りさせて斜めに飛行甲板へ滑り込み、甲板で待機していたマッチョな乗組員たちが人力で押さえつけて停止させるという方法(速度の遅い複葉機だから可能だった)。元々は発艦後に陸上基地へ着陸することになっていたが、まだ飛行機の航続距離が短い時代であり、「それじゃ陸の近くでしか飛ばせないじゃないか」ということで現場が自主的にこうした曲芸を編み出したらしい。パイロット達が余りにも危険な挑戦を繰り返し死者も出たため、第1次改装では仕方が無く後部砲塔も撤去して飛行甲板を設ける。しかし改装後も巡洋艦時代の艦橋が中央部に鎮座する異形の艦が出来上がった。その為着艦時に艦橋から生じる乱気流とパイロットに対する圧迫感が与えられ続け、結局は着艦が命がけだった上に着艦した航空機を前方の発進用の飛行甲板移すのが難儀した。結局第二次改装において艦橋も撤去され漸く一応の全通型空母として完成した。ただし二段空母として……→運用実態は赤城に続く
- キング・ジョージ5世級戦艦:4連装砲塔が故障しまくった。しかも計画では4連装3基のはずがトップヘビーすぎて第2砲塔を連装に変更したため、じゃあ3連装2基でいいじゃねぇかという事態に。2番艦「プリンス・オブ・ウェールズ」はマレー沖海戦で日本軍によりあっけなく(といっても行動中の戦艦を航空機が撃沈したのは初めての事例)撃沈。
- クイーン・エリザベス級航空母艦: アイランド状の艦橋が二つある。一つは航海用、もう一つは航空管制用。
- グラスホッパーLCT-R:上陸用船艇の甲板にロケットランチャーをありったけ積んで文字通り弾幕を張る上陸支援用兵器。
- コロッサス級戦艦:イギリス最後のド級戦艦。前級の改良型なのだが、普通なら前から艦橋→マスト→煙突の順になるところを何を血迷ったのか艦橋→煙突→マストの順にしてしまった。そのためマストにある射撃指揮所に煤煙と高熱が当たり続け常時仕事を妨害すると言うド級以降の戦艦としては致命的な欠陥を持つ。写真の方も何とも言えない残念感がある。しかもこの配置、次級のオライオン級戦艦にも継承された。しかも英国製超弩級戦艦の1番艦である。因みに、実は最初の弩級戦艦であるドレッドノートの配置とほぼ一緒でもあるのだが、その間にいる戦艦の配置は普通である。
- 戦艦金剛:日本が技術導入を兼ねて英国ヴィッカース社に発注した超弩級巡洋戦艦。オスマン帝国が同社に発注した超弩級戦艦レシャド5世(英国海軍に接収されてエリンに改名)を元に、イギリス海軍のよる設計上の制限が課されず自由に設計ができたため、極めてバランスの取れた優秀な戦艦が完成した。……だったら、自国の戦艦もそうしとけよ(さすがに気づいたか、後に金剛型に準じた主砲配置を持つ巡洋戦艦・タイガーを就役させているが)。尚、主砲は当初30.5cm(12in)50口径連装砲塔5基を予定していたが、砲身のブレからくる命中率の低さや高初速のため砲身命数が極めて短いという欠陥を抱えていたことから、総重量差が殆どない35.6cm連装砲塔を4基搭載されることになった(まさしく英国面一歩手前である)。ただし事はこれで済んじゃいないんだがな!(以下日本・大日本帝国陸海軍編に続く)。
- ジョン・アーバスノット・フィッシャー提督:イギリス近代海軍の創始者。弩級戦艦や航空母艦に携わるが、以下のような兵器も造らせる。
- M級潜水艦:30.5cm砲搭載の潜水艦。対Qシップ用。30.5cm=12inchと弩級戦艦並の主砲を持つが再装填の為には浮上していなければならないなど潜水艦の武器である秘匿性はゼロ。
- 大型軽巡洋艦「グローリアス」「カレージアス」「フューリアス」:ハッシュハッシュ・クルーザー。フィッシャーの夢であるバルト海侵攻の為のバルト海沿岸砲撃任務専用艦で、水深の浅いバルト海でも活用できるように喫水線の低い軽巡洋艦に超ド級戦艦並の主砲を搭載。フューリアスに至っては大和型戦艦搭載の46㎝砲より口径が僅かに小さい18インチ砲二門を搭載。純粋にはモニター艦の為に搭載している砲門数が4門、もしくは2門と異常に少ないが停泊しての動かない地上目標砲撃に有効。しかし当然ながら海戦では確率論的に命中する弾数がそもそも実用レベルにならない、というかモニターにしか使えない大型軽巡洋艦を保有する意味は? と持て余して結局は空母に改造されたが、そのうちの一隻グローリアスは唯一の「戦艦に撃沈された艦隊型空母」となる皮肉な結末に。
- 巡洋戦艦「インコンペアブル」:50cm砲搭載・全長300m超と大和より巨大だが、装甲は紙。構想のみ。
- スカイフック:非空母艦艇でのハリアー運用支援システム。クレーンでホバリング中の機体をつかむ。対潜巡洋艦として計画されたインヴィンシブル級が軽空母として竣工したので不要になった。
- セイウチ:飼いならしてドイツの潜水艦を攻撃させようとしたが当然中止。
- 水平射撃へのこだわり:イギリス海軍の戦艦は、水平射撃を行うため平甲板のうえ、艦首が直角に切り落とした形状(スターン・バウ)となっていた。このためネルソン級、キング・ジョージ5世級戦艦などの凌波性は最悪で、波が来れば砲塔は水浸しのうえ冬には凍り付く事態に。他国が採用しているクリッパー・バウを採用したのはなんと最後の戦艦ヴァンガードになってから。もちろん実戦に出ることはなく、「王室専用ヨット」とまで揶揄される事態に。
- 装甲空母:肝心の飛行甲板が損傷したら空母は置物だ。装甲化しようぜ! 甲板が重くて格納庫の高さが取れない? いいんだよ、予算が分捕れなくて艦載機の数は揃わないんだから。
- デアリング級駆逐艦:イギリス海軍の最新鋭防空駆逐艦。非常に独創的な形をしている。また電力不足が問題となっている。
- トライバル級駆逐艦ズビアン:
- 「英国海軍さん、トライバル級駆逐艦9番艦"ヌビアン"が失ったのってどの部分だっけ?」
- 「ええと、艦首だね」
- 「同12番艦"ズールー"が失ったのは?」
- 「艦尾だね」
- 「もひとつ質問いいかな このトライバル級駆逐艦"ズビアン"とかいうの…どうやって建造した?」
- 「…君のような勘のいいガキは嫌いだよ」
- というわけで第一次世界大戦中に建造された、損傷した二隻の駆逐艦をつなぎ合わせて作られた駆逐艦。沈んだりはしなかったらしく、逆にドイツ海軍の潜水艦を一隻沈める戦果を挙げている。
- ネルソン級戦艦:前に16インチ砲が集中配備されたためにトラブル頻出。おまけに肝心の16インチ砲が曲者。前に集めたせいで前方が重くなり操舵性が悪く、歴代艦長からは「このような艦は設計すべきでない」と具申されたりした。ロドネイがドイツ戦艦ビスマルクをタコ殴りにするなど、一応ビッグ7の中では最も活躍した。
- バッター:旧日本海軍を良くも悪くも象徴するものとして語られることのある海軍精神注入棒(バッター)であるが、発祥は当時の日本海軍が手本としたイギリス海軍である。何のことかわからない、って? いわゆるケツバットですよ。
- ハバクック氷山空母:パルプを混ぜた特殊な氷・パイクリートで船体を作る格安空母。かの「怪しい伝説」でも検証されたことがある。自分で軍艦を設計して戦わせるゲームである『鋼鉄の咆哮』では敵のボス艦として登場。史実計画艦と同じく、攻撃を受けても一定期間で氷を再生成して体力を回復する。
- ボートに乗った鍛冶屋:ハンマーで武装した鍛冶屋で部隊を編成してドイツの潜水艦を攻撃させるという案。当然中止。
- ホールマン投射機:船舶の蒸気タービンのスチームを使った対空迫撃砲。
- 水雷衝角艦ポリフェムス:砲を一切搭載せず、衝角に魚雷発射管を一体化させて体当たりしながら至近雷撃をぶち込むロマン溢れる戦闘艦。ただし海戦ではなく投錨している状態の敵艦船に夜襲をかけ、確実に沈めるためである。攻撃後に素早く離脱するらしい…が、どう考えても無理難題である。
- 超弩級戦艦ヴァンガード:イギリス海軍最後の超弩級戦艦。戦時建造艦であったためか設計は既存艦の拡大流用、主砲も廃物利用という既存技術の寄せ集めだったという。主砲、対空砲、装甲、速度などの総合能力では前級のキング・ジョージ・V世級戦艦を上回り、歴代戦艦の中では最もトータルバランスが優れることから「イギリス海軍史上最良の戦艦」という評価も受けている。就役したのは第二次大戦後の1946年で、1960年に退役するまで一度も戦闘を経験しなかった。
- ユーライアラス:1800年代後半の木造蒸気フリゲート艦。薩英戦争の際の英国艦隊旗艦だったのだが、生麦事件の賠償金を現物で弾薬庫の前に置いていたため2時間もの間片付けるために何もできず、ブリッジに砲弾が直撃して艦長・次席司令官が戦死。 おまけにユーライアラス自身も大破し、艦隊は事実上勝利をあきらめ横浜に敗退する羽目になった。どう考えても舐めプの結果です本当に(ry。 ついでにこの戦闘結果はニューヨークタイムズ紙で驚きをもって大きく報じられた。やめたげてよぉ!
軍用航空機
- 3Vボマー:戦後のジェット爆撃機3機種 ヴィクター/ヴァリアント/ヴァルカンのこと。特にヴィクターとヴァルカンがデザイン的に目立つ。ヴァリアントは…特徴がないのが特徴。
- ハンドレページ(BAe) ヴィクター:3Vボマーの一角を成すジェット爆撃機。高高度からの核攻撃という本来の任務が不要になったため、空中給油機に転用された……が、
- ブラック・バック作戦:フォークランド紛争で実際に実行された作戦。往復12,600kmという当時としてはとんでもない長距離爆撃を実行するために、爆撃担当のバルカンに給油するために仲間のヴィクターに給油して、さらにそのヴィクターも仲間のヴィクターに給油して……を繰り返し、2機のバルカンのために11機のヴィクターを飛ばして「一定間隔で空中給油機を飛ばしバルカンをサポートする」という空中給油リレーを行う羽目に。ちなみにこの作戦、7回やって5回は完遂している。大変効率の悪い作戦で、なんでこんなの何度も実行したのかと疑問に思うが、イギリス側は敢えてこんな非効率な作戦を遂行してまでもフォークランドを渡す意志が無い事をアルゼンチンに示せれば良かったので問題は無いようである。
- ハンドレページ(BAe) ヴィクター:3Vボマーの一角を成すジェット爆撃機。高高度からの核攻撃という本来の任務が不要になったため、空中給油機に転用された……が、
- BAC ライトニング:英国最後の純国産超音速機。エンジンを上下に並べる、主翼上に増槽。通称子持ちシシャモ。
- シーライトニング:上述のライトニングを艦上戦闘機にしようとした計画。上述の特徴はそのまま可変翼になった。
- BAE ニムロッド:初のジェット旅客機「コメット」ベースの対潜哨戒機。爆弾庫などを増設するため非与圧の区画を胴体下に増設した結果、胴体断面がダルマ型の特徴的な外見になった。MR.2以降は対空ミサイルも搭載可能。
- PACロケット弾:イギリス海軍が開発した対空ロケット弾。先端にパラシュートの付いたワイヤーを展開して敵機を引っ掛ける仕組みだった。
- SPECAT ジャギュア:三菱F-1とよく比較される戦闘爆撃機。フランスとの共同開発だが、英国空軍仕様では対空ミサイルを翼上のパイロンに装着する。
- アームストロング・ホイットワース アーゴシー:フレイターの後継機のターボプロップ輸送機。メーカーが変わったのに相変わらずボーイング747が作画崩壊したような外見。しかも尾翼が双ブーム方式に変わったのでコレジャナイ感がパワーアップ。
- アウトワード作戦:発火装置を搭載した気球を飛ばしてドイツを空襲する作戦。英国式風船爆弾。
- アブロ シャクルトン:対潜哨戒機。主に正面からの見た目。またエンジンが色々とクセモノ。
- アブロ マンチェスター:双発爆撃機。搭載したエンジンが2つのロールスロイス製『ケストレル』V型12気筒エンジンを合体させクランクシャフトを共用した、『バルチャー』X型24気筒エンジンと言う曲者。トラブルが続出したため、結局『マーリン』搭載の4発機「ランカスター」に落ち着くことに。
- アブロ ランカスター:4発の重爆撃機。機体そのものは(割と)普通だが長大な爆弾槽を備えていたせいで、後述のグランドスラムを筆頭にアレな爆弾を幾つか搭載させられた。
- アラン・アーノルド・グリフィス:王立航空研究所で軸流ジェットエンジンを研究しているが、ボールトンポールより先にVTOLのために主翼に大量のリフトファンを搭載する特許を出願。
- ウェストランド P.12:単葉直協機ライサンダーに後部機銃を無理矢理搭載した結果、ドゥランヌ式タンデム翼という奇怪な形状になった。
- 運用要求330:上記3Vボマーの核攻撃を支援するためにソ連の防空網をマッハ3で突破する超音速偵察機計画。要は英国版ブラックバード。しかしあまりに野心的過ぎ、強力なエンジンがなかったためやたらエンジンが多くなってしまい、メンテナンスを筆頭に開発段階で問題が噴出しまくり開発中止に。
- アブロ 730:エンジン8基搭載の8発機。見た目は主翼・尾翼のついた巨大ミサイル。一応開発経験は後のコンコルドに生かされたらしい。
- ハンドレページ HP.100:エンジンを10基搭載した10発機。
- ヴィッカース SP4:HP.100をも上回るエンジン16基搭載の16発機。そして見た目はデルタ翼の巨大ミサイル。
- 英国飛行船工場 R101:旅客用飛行船。初期の状態があまりにも悪かったため、(何故か)軽量化の前に船体拡張工事をして、ペイロードを稼いだ。軽量化は、船首の間を補完する副縦通材を出来る限り取り除いた事など。ジェット機の様な特徴的な水平及び垂直安定板により、改修後は非常に鋭い操縦ができたとされている。 ディーゼルエンジンの特性上、ガソリン(ペトロール)を燃料とするエンジンより出力が少なかった。R101は社交場があり、その関係上自重が普通の飛行船より重かった。そのためペイロードは拡張前約35t、拡張後約49tであった。(目標が60t)。その他にも気嚢からのガス漏れも発生した。
- エジレイ オプティカ:ヘリコプターの代用として考案された観測機。卵型の全周ガラス張りキャビンを持つダクテッドファン推進の小型機という、どういう発想をすれば思いつくのかすらわからない、あまりに個性的な外見の軽飛行機。
- 空中聴音機:これ自体はイギリスに限らずレーダーが発達する前は各国で敵機を探知するために当たり前のように使われていたが、イギリスには固定式のどでかい聴音機がいくつもある。
- グロスター ミーティア:イギリス空軍初の実用ジェット戦闘機。ジェットエンジンを搭載していることを除けば、機体自体は革新性皆無の極めて凡庸なものだった。ドイツ軍のMe262に対抗すべく、1944年7月には運用が開始されたものの、加減速が緩慢で姿勢制御が難しく、とても戦闘機相手に戦えるものではなかった(それでもV1ロケットの迎撃にはそこそこ活躍した)。1945年5月に新型エンジンを搭載し、ようやく実用に足る性能を持ったが、第二次大戦には間に合わなかった。その後、オーストラリア空軍が朝鮮戦争に投入したが、MiG-15に性能で圧倒されており、多くの被害を被った。ただし、その凡庸な性能が功を奏し、従来のプロペラ機からの機種転換が容易だったため、各国が初めて導入するジェット戦闘機としての需要が高く、1954年まで製造され、商業的には成功した。
- ただし、ミーティアの名誉のために言っておくと、初期の機体設計の欠点から来る不安定さを除けば、だいたい同じ欠点は程度の差こそあれMe262も持っている(実際、低空での加減速性能が悪いため、離着陸間際をP-51やテンペストに狙われて撃墜されたこともあるし、そのためにドイツ軍はTa152HをMe262の低空での援護機として配備したりした)。そしてこれはジェットエンジン、ガスタービンエンジンの構造上の宿命である。要するに、イチかバチかの大逆転をかけて新基軸兵器を投入するしかなかった枢軸国と、すでに勝ちがほぼ確定していた連合国の差である。
- グロスター ミーティアF8「プロ―ン・パイロット」:英国国内で旋回時のG対策にパイロットが伏臥位(うつ伏せ)で操縦するための専用操縦席を何故か「改造」ではなく「機首に増設」した結果、機首が変な形に伸びてカッコ悪いデザインに。対Gスーツの登場で没になった。
- 航空機用VLS:普通は主翼に懸架するなりカーゴ内から投下するなりするのだが、なぜか空気抵抗などで色々と面倒な垂直発射を採用している。さすがに設計のみ。
- コルディッツ・コック:第二次大戦中にドイツの捕虜収容所にされていたコルディッツ城から脱出するために、捕虜となっていたイギリス兵が製作したグライダー。収容所の図書室にあった本を参考に、屋根裏に作った隠し部屋で製造されたが、完成前に収容所が連合軍によって解放されたため飛行する事はなかった。ちなみに後にチャンネル4の番組企画で当時の材料を使った実物大レプリカが製作され、実際にコルディッツ城の屋根から飛ばす実験を行い、塀の外までならちゃんと飛べることが証明された。
- ショート シーミュー:小型対潜哨戒機。上記ガネットと正式採用の座を争ったが、これも非常に独特な形状をしている。なお、操縦性は最悪だとか…
- ショート スカイバン:小型輸送機。「スカイバン」の名の通り荷物を積みやすいように機体断面がミニバンよろしく四角い。非与圧式だからこそできた芸当であるが、風切り音が非常にうるさかったらしい。ちなみに日本も海上保安庁で使用していたことがあり、箱ふぐとか弁当箱とか呼ばれていたそうな。
- ショート スタージョン:対潜哨戒機/雷撃機。元々標的曳航機として開発が始まったが後に雷撃機/哨戒機として設計変更される。が、その際にバクの鼻のような奇っ怪な機首となる。Wikipediaの記事では「無残でグロテスクな外観」とか書いてある始末。
- ジョン・ウィリアム・ダンの複葉機:こともあろうに複葉全翼機だった。 お前はナイトレーベンか。 こんなのが英国最初期の航空機だった時点で英国の空は既に紅茶に染まっていたと言えよう。
- ショート スペリン:ジェット爆撃機。両翼にターボジェットエンジンを2発縦置きにしたエンジンポッドを取り付けている。なぜそこまで縦置きに拘る。ちなみに設計そのものは、採用を却下されるほどに保守的だったりする。
- スーパーマリン シミター:艦上ジェット戦闘攻撃機。開発が順調だったバッカニア配備までのつなぎ役となってしまい、同機が配備されたらお役御免…となるはずだったが、バッカニアが「燃料満タンだと飛び立てない」という問題点を抱えていたためバッカニア用の空中給油機として1966年まで現役を務めた。
- スーパーマリン スピットファイア(グリフォン搭載型):機体そのものに問題は無かったのだが、エンジンをロールスロイス・グリフォンにした途端に元から短い航続距離が更に悪化。それどころかグリフォンのパワーに機体強度が追い付けなかったという、もっとヤバい欠点まで生じてしまい、挙句の果てにこの欠点は最後まで放置された。結果、グリフォン搭載型はピーキーな機体になり、失敗作とみなすパイロットまで出るように。だが性能の高さは本物だったため、戦後まで現役を続けている。言ってしまえばロボットアニメのエース専用機みたいなもの。
- スーパーマリン スパイトフル:スピットファイアの後継として開発されたレシプロ戦闘機。レシプロ戦闘機の極限に近い高性能機だったが、終戦には間に合わずミーティア筆頭にジェット戦闘機に台頭され、ごく少数の生産で終わってしまった。
- スーパーマリン ナイトホーク:対飛行船用の迎撃機。主翼が四葉式。見た目が超ごつい。ジブリ映画に出てきそうなくらいにごつい。最高速度は計画値の120km/hに対して97km/hしか出なかった。高度3000mまで上がるのに1時間以上かかる。一応は航空機としてはAPU(電源用の補助エンジン)を初めて積んだ偉大な機体、のはずなのだが…
- スイングアーム式脱出装置:機体に装備した脱出用アームでパイロットを文字通り機外に投げ飛ばす。オメガ11もビックリ。
- センチネル R.1:ボンバルディアのビジネス機をベースとした地上監視機。機体上下に付いたレーダーのお陰で個性的な外見に。
- タラント・テイバー:当時最大サイズの巨大三葉爆撃機。しかし初飛行で下段エンジンで離陸→上段エンジンも点火、という方法を取った結果、バウンドしながら離陸したあと頭から地面に突っ込むという実にアクロバティックな挙動で墜落。...ちなみに事故原因の一説には初飛行を監督したRAE(王立航空協会)が勝手に機首に搭載させた1000lbのバラストが原因とも言われている。何故載せさせたし。
- デ・ハビランド シーヴィクセン:英国初の艦上ジェット戦闘機。双胴式な上にコックピットが左右非対称、レーダー手席がいかにも狭そうな外観。
- デ・ハビランド バンパイア:上記シーヴィクセンの前身。シーヴィクセン同様双胴式の独特のスタイルが特徴。ちなみに日本も研究用に買った。
- デ・ハビランド モスキート:第二次大戦時に開発された爆撃機。夜間戦闘機型、偵察機型などのバリエーションが存在する木造機である。「The Wooden Wonder(木造機の奇跡)」もしくは「空飛ぶ家具」。木造故の軽快さから逃げ足が非常に速かったため、損耗率がとんでもなく低かった。
- ネビル・シュート:兵器開発者兼小説家。下記のものに加え、火炎放射装甲車コカトリス、トラプレーン滑空魚雷などを開発。上記のバーンズに煙幕グライダーの開発を任せている。
- パーシヴァル P.74:ロートダイン同様チップジェット方式を採用したヘリコプター。独特の見た目・チップジェット式という変態機構・そしてエンジンのパワー不足で浮上すらできなかったという、英国紳士の生き様を体現したかのようなヘリ。
- バーンズ・ウォリス:兵器開発者。トールボーイ/グランドスラムの生みの親。その他にも煙幕グライダー「スワロー」や、フロート式飛行場「リリー」(こちらは後のメガフロートに通じると言えなくもなさそうだが)なども考案している。骨の髄まで英国面に染まりきった人物の一人。ちなみに爵位を持ち、ウォリス卿(Sir Barnes Wallis)と呼ばれるところも英国面ぽい。
- トールボーイ(5t爆弾)/グランドスラム(10t爆弾):通称「地震爆弾」の異名をとる対重装甲目標用爆弾の先駆け。とにかくでかくて重い。専用爆撃機が必要なほど。自由落下中に音速を超え山やコンクリートを貫通、トンネルやUボート基地を破壊する。
- 跳躍爆弾:水切りの要領で飛距離を伸ばした自由落下型爆弾。意外にもうまくいった。魚雷によるドイツのダム破壊は上流に魚雷防御網が設置されて不可能だったため、ダム湖の水面を反跳してダムに到達するアップキープを開発(ダムバスターズ)。艦船攻撃用のハイボールもあるが、実戦で使用されることはなかった。
- ちなみに専用の爆弾でなくても一応反跳爆撃は可能(アップキープ爆弾はダムを水中爆破する仕組みになっていた)で、地中海ではイタリア軍が、太平洋ではアメリカ軍が輸送船狩りに用いて戦果を挙げている。
- ハーキュリーズ W.2“スヌーピー”:アメリカ製の輸送機C-130を魔改造した気象観測機。愛称こそスヌーピーだがゴテゴテと気象観測用センサーを取り付けた機首部は蚊の口吻を連想させる。
- ハボックMk.Ⅰタービンライト夜間戦闘機:アメリカから輸入したA-20爆撃機の機種にサーチライトを取り付け、これで夜間に襲来するドイツ軍爆撃機を照射しようとした。しかしサーチライトで重量が増加した為に武装出来ず、ホーカー・ハリケーンとペアを組み、照射はタービンライト、攻撃はハリケーンと役割分担をした部隊が編成されたが、あくまでも机上の理論で、昼間でも難しい編隊行動が夜間で上手くできる訳はなく、戦果は一機に終わった。(しかも誤照射で友軍爆撃機も共同撃墜しちゃってるので実質プラマイゼロ)
- ハボックMk.Ⅱタービンライト夜間戦闘機:上記の改良型。まだ造ろうとしてました。
- ビッカース・アームストロング タイプ559:対超音速爆撃機用の迎撃機の開発要求「運用要求F.155」に対してビッカース・アームストロングが提出したプラン。カナード付きデルタ翼にBACライトニングよろしくジェットエンジンを縦置きで2発搭載、ダメ押しでロケットブースターも追加装備。んでもってミサイルは何を考えたのか胴体上部に搭載するという無茶苦茶なデザイン。
- ビッカース ウェリントン:金属素材を竹細工の籠のように編み、上から布を張った「大圏構造」と呼ばれる構造を採用した爆撃機。頑丈かつ軽量だったが生産性が悪かったり機密性に問題があったりと短所も少なくなかった。しかし何かと使い勝手がよく、爆撃機としては旧式化して一線を退いてからも、対潜哨戒機や輸送機、練習機として終戦まで活躍した。いわばでかいソードフィッシュ。
- ファイアストリーク:航空機搭載用の赤外線追尾ミサイル。弾頭が機体後部にある、後方の方向舵は機体前方に置いたアクチュエーターでロッドを介して制御する、そのアクチュエーターの動力源は機体後部のコンプレッサーで作った圧縮空気、部品にヒ素化合物を使用しているため取り扱い時は防護服必須という「ミサイルという名の突っ込みどころ」。とどめに雲の中では敵機を追尾できない。しかし普通に防護服無しで運用され、装着時にはライトニングの空力性能が向上するという事から一部では引退まで現役で使われた。
- レッドトップ:ファイアストリークの後継機。予冷却は不要だがその代わり今度は予熱が必要になる。同時期のサイドワインダーと違い全方位ロックオン不可能。そしてやっぱり雲の中では敵機を追尾できない。
- ファイアフラッシュ:イギリス初の空対空ミサイル。排気のプラズマで誘導装置が動作不良を起こすことを警戒した結果、変な形になっている(機体前方にロケットエンジンが2つくっついている)。
- SRAAM:上記のミサイルに限らず当時のミサイルはとにかく命中精度が悪かったので発射母機側が発射後もミサイルが対象を確認し続けられるような、発射前の操縦を重視するようになっていったのだがこれに対しホーカーシドレー・ダイナミクスの技術者は、「パイロットがミサイルの思い通りに動くより、ミサイルがパイロットの思い通りに動くほうが良い」というまあ発想自体はまともな、いかなる状況下でも正常にロックオンし続けられるミサイルの開発しできたのがこいつ。ロシアのR-73に先駆けて推力偏向機構を搭載してるためキツい角度で撃っても敵機に喰らい付いていく変態機動を行える………のだが安定翼以外の空力面が存在せず、推力偏向に全ての飛行制御を頼っているため、燃料が尽きると直進しか出来なくなるというミサイルとして致命的な欠点がある(空対空ミサイルは常にブースターを噴かし続けている訳ではなく、ブースターで加速して燃料が尽きた後は加速の勢いのまま滑空する形になる。当然その間も普通は標的に向かって制御されながら飛んでいく)。結局AIM-9Lが導入されたので少数しか配備されなかったが、ミサイルの構造そのものは簡素で、ほとんどの航空機にわずかな改造を施すだけで搭載が可能という利点があった他、培われた技術は後にASRAAMの開発に生かされているなど完全に無駄だったわけではない。
- フェアリー アルバコア:下記ソードフィッシュの後継。外見はソードフィッシュより近代的だが所詮複葉機であり、優れている点も大した差ではなく、それどころか操縦性と信頼性はソードフィッシュより下だったため先に引退。
- フェアリー ガネット:艦上対潜哨戒機。機体は太い胴体に「Z字型」に折り畳める逆ガル翼という形状で、「世界で最も醜い軍用機」というあだ名あり。ただ性能そのものは問題なかったようで、イギリスの他にもオーストラリア、西ドイツ、インドネシアに輸出された。
- また早期警戒機型も開発されており、こちらは哨戒機型の退役後も長く運用されたが、イギリスが財政難のため通常のCATOBAR空母を手放す羽目になったためにお役御免となった。しかし、これが後のアルゼンチン相手の紛争で思わぬ出血をイギリス艦隊に齎す一因に...。
- フェアリー スピアフィッシュ:重量10tの雷撃機。空飛ぶグランドスラム、或いはブリティッシュスカイレイダー。
- フェアリー ソードフィッシュ:通称「ストリングバッグ」。使い勝手の良さから第二次大戦を通して活躍した万能複葉機。
- グロスター グラディエーター:上に同じく第二次大戦で使用された複葉戦闘機。一応、複葉機同士の最期の空中戦の勝者にもなっている。
- フェアリー バラクーダ:単葉になった艦上雷撃機。初期型は操縦系統のガス漏れで操縦士を気絶させる欠陥あり。そして見た目が恐ろしくゴツい。
- フェアリー ロートダイン:ヘリコプター。ローター(プロペラ)の先端にジェットエンジンをくっつけてそれで回転させる。
- ブラックバーン AD スカウト:一次大戦中に開発された対飛行船攻撃機...だったもの。胴体を複葉翼の上翼に沿って配置したため下半分がガランドウになり非常にアンバランスな外見になった。そして搭載予定だった無反動砲が結局試作機に搭載されなかったため、非武装の「変な飛行機」で終わってしまった。
- ブラックバーン C.A.15C「単葉機と複葉機のどちらが優れているか」を検討するために製作された、胴体は共通で単葉型と複葉形の2種が作られた実験機。ちなみに結論は「どちらも一長一短である」。
- ブラックバーン バッカニア:低空侵攻用ジェット艦上攻撃機。キーワード参照。
- ブラックバーン ビバリー:レシプロ輸送機。戦後にもなって降着装置に固定脚を採用(その代り不整地離着陸性能は高い)。後部に貨物ドアを持つが飛行中は開けられず空中投下を行う場合は貨物ドアを外して飛行する。そして、これまた今一つな外見。
- ブラックバーン ファイアブランド:戦闘雷撃機。しかし改造に手こずってる間に戦争が終結。
- ブラックバーン ブラックバード:複葉雷撃機。生産性を重視し大部分が直線で構成された四角い機体を持つ。離陸後に車輪を、魚雷投下時に車軸を捨ててしまう構造になっており、着艦はソリで行う。
- ブラックバーン ブラックバーン:複葉式偵察機。名前からしてややこしいがどう考えても縦横比がおかしいというか作画崩壊したような外観、コクピットはエンジン上部と突っ込みどころだらけのデザイン。
- ブラックバーン ボウタ:元々は1130馬力のトーラスエンジンを搭載して軽爆撃機として実戦配備されるはずが、「トーラスエンジン? ボーフォート(ボータの競合機)に使うから無理ぽ」と空軍に言われてしまったため、仕方なく880馬力のパーシュースエンジンを使う羽目に。ところが、いざ実戦配備に就いてみれば、エンジンがやはり馬力不足で鈍重過ぎるわ、原因不明の墜落事故は多発するわ、元々操縦性が悪い中で終いには防御用の銃火器を旋回しただけで操縦困難に陥るわ、見た目もブサイクだわ、と良いところがまるでない機体に仕上がってしまった。しかも、後に、機体の設計に欠陥があったため墜落事故が起きたと判明する。加えて、そんな事態になるなど予想もしなかったために、イギリス空軍はこの機体を約1250機も事前に発注してしまった!(なお、その内の680機はキャンセルされたが、時既に遅く、580機が完成していた……)結局、1944年に全機退役となり、噂では、工場で機体を完成させたら、そのままスクラップ場へ運ばれたそうな……。ディファイアントやスキュア、マンチェスターですら名機に見えるほど、ボウタは金と資材の無駄遣いになった。
- ブリストル フレイター:レシプロ輸送機。外見はデッサンが全力でイカレたボーイング747。
- ブリティッシュファントム(F-4K・M):F-4戦闘機の英国向けバージョン。技術育成と燃費向上(とイギリスの意地)のためにエンジンがJ79ターボジェットからR.R.スペイターボファンに変わっている。ターボファン化したので燃費は良くなったけど最高速度は低下しさらに仕様変更でコストもクソ高くなった。序にエンジンの重量も増えたのでミサイルを積まないとバランスが崩れるのでバラストを積む必要がある。ちなみにエンジン直径がJ79より太くなったのでエンジンを少し斜めにして積んでいる。なお日本ではブリティッシュファントムという渾名が定着しているが、イギリスでは搭載エンジンから「スペイファントム」と呼ばれている。
- ホーカーシドレー アンドーバー:YS-11によく似たターボプロップ旅客機HS748をベースに開発された戦術輸送機。元々地上高が高いにもかかわらずC-130みたいな普通の貨物用ランプを設けたため、ランプが地上に届かない。では貨物の積み下ろしはどうするかというと、主脚を曲げて尻を下げてやる。いくらベース機のSTOL性能がいいからってそこまでしなくても……
- ホーカー タイフーン:一応成功した戦闘爆撃機として有名だが、搭載したエンジンが曲者。H型24気筒のネイピア・セイバーエンジンはV型12気筒エンジンを180度バンクにした上でそれを上下二段に重ねた怪物的な代物で、戦前の時点で2400馬力を出せたもののバルチャーと同じく双子エンジンのトラブルに付きまとわれ、エンジンパワーに当初は機体が耐えきれなかったなど、戦争後半まではトラブルだらけだった。後に主翼などを再設計してテンペストになった。
- ホーカー トーネード:先述の『バルチャー』を搭載した戦闘機。かの名機ホーカータイフーンの兄弟機(エンジンが違うだけ)だが、生産ラインが完成しそうになった瞬間バルチャーが生産中止になってしまったため、量産されることはなかった。
- ホーカー ハリケーン:単葉戦闘機。見た目は普通の単葉機だが機体は一部布張り、最初期型のプロペラは固定ピッチ式(ただしこれはスピットファイアも同じ)という前時代的な構造。しかし簡潔な構造で軽量かつ頑丈、そして量産しやすかったため、なんだかんだで改良を重ねて1万機以上製造された。第二次世界大戦で最も多く敵機を撃墜した英空軍機もこのハリケーンである。
- ハリケーンの一部の派生型:機体の一部が鋼管帆布張りの前近代的な作りだが使い勝手がよく、「偉大なNo.2」と呼ばれ大量に生産されたハリケーンだが、バレンタイン歩兵戦車と同じくスリップ・ウイング・ハリケーンなどの珍兵器に改造された例が幾つかある。
- ホーカー ハリケーンMk.ⅡB:ハリケーン戦闘機に7.7mm機銃を12丁と500ポンド爆弾を積み込んだ戦闘爆撃機。通称「ハリボマー」。
- ホーカー ハリケーンMk.ⅡD:ハリケーンの地上攻撃仕様。やたら頑丈なドイツ戦車を確実に倒すため40㎜機関砲を二丁搭載、という魔王専用Ju87もビックリの超対戦車攻撃機。
- スリップ・ウイング・ハリケーン:脱着可能な主翼を胴体の上に装備して、複葉機になったハリケーン。2枚の翼を活かして短い滑走路から離陸し、離陸したら上の翼は捨てて単葉機として飛ぶというコンセプトだった。
- ボールトンポール デファイアント:前に機銃を撃てず、重くてノロい旋回機銃搭載単発戦闘機。操縦席後背の砲塔は爆撃機の密集編隊を防御砲火の死角から攻撃するためのもの。
- ブラックバーン ロック:上に同じく。旋回機銃はデファイアントと互換性無し。それどころか元は爆撃機であるため飛行性能はデファイアント以下。
- ホーカー ホットスパー:これも上に同じく。デファイアントの競作。詳細はデファイアントの項目を参照。ちなみにホットスパーとは無鉄砲というくらいの意味の言葉である。「無鉄砲」に「挑戦者」…色々と笑えない。
- 50年代以降のボールトンポール
- P.100:デファイアントで名を馳せたボールトンポール社の、「単発の軽戦闘機」の要求に対する回答。見た目的にはイギリス版震電…なのだが、脱出時にパイロットが推進式プロペラに巻き込まれるのを防ぐため機首部分の下半分が口のように開いてパイロットを放り出す。我が軍には下品な男は不要だ。X-32も真っ青の"口"。
- P.130:F-35Bより先に胴体内にエンジン動力により駆動するシャフトドライブ式リフトファンを搭載する構造だが、二重反転式。
- P.132:主翼と胴体の3箇所にシャフトドライブ式リフトファンを搭載に加えエンジン排気も利用するが、ハリアーのように直接排気を使うのではなく排気によりエアドライブ式リフトファンを作動させる。
- P.136:胴体部に一列に並べられた6発のロールスロイスRB108を用いたリフトジェット式。
- P.140:VTOL旅客機。浮上時にメインエンジンの動力でリフトファンを稼働させて上昇する「コア分離型ターボファンエンジン」を採用する計画だった。当時の技術ではそんなもの夢のまた夢…ではあったが、コア分離型ターボファン自体は現在JAXAが研究を続けている。人類には早すぎる技術を躊躇なく採用してしまうのも英国紳士らしさなのかもしれない。
- P.141:まだ懲りずにコア分離型ターボファン搭載のVTOL旅客機を企てていた。しかも今度はメインエンジンにロールス・ロイス RB108を14台、リフトファン24基、ダメ押しでリフトエンジン用に両翼端にRB108を合計8台。
- P.144:6人乗り小型VTOL機。2発のロールスロイスRB144から圧縮気で駆動するリフトファンを4基搭載。自重しろボールトンポール。
- リー・ライト:Uボート捜索用の航空機搭載型サーチライト。海戦型タービンライト。Wikipediaの記事いわく「開発は遅れたが、Uボート乗りにとっては果てしなく遅れてほしい兵器だった」。
その他軍事
- MI5(SS)・MI6(SIS)といった諜報機関とその作戦
- ジャスパー・マスケリン:北アフリカ戦線で活躍したマジシャン。ニセ戦車やニセ軍艦にニセ都市やイルミネーションされたスエズ運河でドイツ軍を翻弄した。
- エイドリアン・カートン・デ・ウィアート:英国軍人。ぶっちゃけジャック・チャーチルの同類、或いは英国版舩坂弘。異常な生命力・回復力・バイタリティに加え貴族出身ゆえのコミュニケーション能力もあって兵士というよりは外交官紛いの活動を行った。
- 多種兵器研究開発部(DMHD):イギリス海軍の兵器開発部門。海軍の中でも特にアレな人間の集まりとして定評があった。人呼んで「悪巧み策士部隊」。ある意味英国面を凝縮したような組織と言えるかもしれない。一般大衆から応募したSF的アイデアの中から役立つ可能性がある物を見つけ、具現化するのが仕事。
- マンセル要塞群:海上要塞。第二次大戦中にテムズ川河口周辺に多数設置された。海軍が造船の要領で建造したポンツーン型のものと、陸軍が建築物として建造したものの二種類がある。陸軍のものは高床式・分散構造の独特の設計であり、戦後に石油プラットフォームの建造に生かされた。終戦後は放棄されたが現在でも多数が現存し、そのうちの一つの海軍 フォート・ラフス要塞はモンテ・カッシーノ帰りの海賊放送屋に占拠され、独立国家シーランド公国を宣言した。
民間航空機
- BAC マスタード:イギリス版スペースシャトル。同じ機体を3機重ねる(2機はブースター役)という奇っ怪な仕様。
- アームストロング・ホイットワース AWP.22:アームストロング・ホイットワースが計画した超音速旅客機。M字翼という史上類を見ない形状の主翼を採用する予定だった。計画のみ。
- アビエーション・トレーダーズ カーベアー:英国発の作画崩壊B747第三弾。「空飛ぶカーフェリー」としてDC-4を改造してB747に似た機首をポン付けした。
- シェルバ・オートジャイロ W9:あまりにも完成度の高いデザインの試作ヘリコプター。
- ブリストル ブラバゾン:大型レシプロ旅客機。二重反転プロペラを用いているがその駆動方法が2台のエンジンで前段と後段のプロペラを別々に駆動するというマンチェスター筆頭の双子エンジン機も真っ青の仕様。
- ブリテン・ノーマン トライランダー:傑作小型汎用機「アイランダー」の輸送能力を強化するためにエンジンを3発化した機体……だが、プロペラ機であるにもかかわらず第三エンジンをDC-10などのように尾翼に搭載したため非常に奇怪な外見となってしまった。1機だけだが日本でもローカル線で運用された実績あり。
- ホーカー・シドレー トライデント:ボーイング727に似た形状のジェット旅客機。ストレッチ型はメインエンジン3発に加え、さらに補助エンジンとしてロールス・ロイス RB162を追加で搭載している。先進的な装備を床下に詰め込みすぎ、ノーズギアが60cmほど中心線からずれているのはご愛嬌と言ったところ。
航空機用エンジン
- MiG-15のエンジン:ソ連で開発中だった当時のMiG-15は、機体設計こそドイツ譲りの後退翼で順調だったが肝心のエンジンは発展途上で、研究者のほとんどを西側に引き抜かれてしまったソ連はエンジン開発に手間取っていた。 そんな中、イギリスのロールスロイス社から設計者のミコヤンが招待された際、ビリヤードで勝った褒美として当時不足していた食料と引き換えにターボジェットエンジン「ニーン」35基と「ダーウェントMk.V」25基を供与。 リバースエンジニアリング大得意のソ連がこれをコピーできない筈がなく、まもなく完成したMiG-15は西側にとって大きな脅威となった。 アメリカ「なんてことしやがったんだ!」
- ちなみに当時最高機密の一つであったタービンブレードの素材は明かさなかったが、ソ連の技術者は工場視察中に切削くずを靴底にくっつけることでサンプルを入手したらしい。 最高機密ならそもそも工場視察させるなっての。
- アームストロング・シドレー ダブルマンバ:上記フェアリーガネットのエンジン。ターボプロップエンジン「マンバ」を2台くっつけて双子エンジンに仕立てあげ、その上で二重反転プロペラを駆動するという非常に奇怪なエンジン。
- ロールス・ロイス RB.162:VTOL機のリフトエンジン用に開発された小型ターボジェットエンジン。コンプレッサーのブレード(羽根)にプラスチックを用いている。
- ロールスロイス・グリフォン:ロールスロイスが大戦中に開発した液冷式航空機エンジン。かなり早い段階でスピットファイアへの搭載が決まっていたのだが、問題を抱え過ぎて搭載が遅れに遅れてしまい、問題解決後は2000馬力級にまでパワーアップした出力が裏目に出て上記のような事態に。
- ロールス・ロイス製ジェットエンジンの命名規則:RR製のジェット/ガスタービンエンジンは「(エンジン内の気流が)川のようにスムーズ」という意味を込めてイギリスの河川名(英仏共同開発のアドーアはフランスの河川名)から命名がなされているが、これは「パワージェッツ W.2」エンジンの開発において研究の主導者でありながら外装水冷タービンなど自らの設計に頑なに固執し、実用化を滞らせたフランク・ホイットルへの皮肉という意味合いも含んでいる。
鉄道編
- グレート・ウェスタン鉄道:「レールの幅(軌間)を大きくすれば上に乗る機関車のボイラーや動輪を大きく出来るし速くて安定して走れるんじゃね?」という発想から標準軌(1,435mm)の1.5倍近く広い7フィート4分の1インチ(2,140mm)の広軌を採用。まとまった規模の鉄道としては世界最大である。
- ロムニー・ハイス&ディムチャーチ鉄道:上記グレート・ウェスタン鉄道とは逆に381mm(日本の軽便鉄道でメジャーな762mmの半分)というまとまった規模の鉄道としては最小の軌間を採用した鉄道。一応これより狭い軌間の採用例もあるにはあるが、「本格的に公共輸送を行う鉄道」としては同鉄道が最小である。
- HST(イギリス国鉄):日本の新幹線に触発されて開発された、高速ディーゼル列車。一応成功。
- ダージリン・ヒマラヤ鉄道:インドのイギリス統治時代に建設された山岳鉄道。「トンネルを掘ると高くつくし面倒だ」という理由でトンネルを一切使わずひたすら地形にそって標高差を突破するという手法を採用した。このためカーブがやたらめったら存在する。
- ブライトン海岸鉄道/ブライトンのダディー・ロングレッグス(足長おじさん):空前絶後の海上電車。海中にレールを敷き、台車から伸びる支柱で海上の客室を支持する。
- クラス230気動車:退役したロンドン地下鉄の車両を改造したディーゼルカー。電車を気動車に改造するというだけなら他国にも例があるにはあるが、この車両の場合は他国で見られるような「モーターを外してディーゼルエンジンで車輪を回すように改造するのではなく、「ディーゼル発電機を後付して電気式気動車に改造する」という手法。
- APT(イギリス国鉄):英国製の車体傾斜装置を搭載した試験車両。発想は間違ってなかったが故障頻発で開発中止。
- イギリス国鉄Class23・Class55型機関車:動力近代化の波を受けてイギリスが作った魚雷艇に積んでいたデルテックエンジンを鉄道車両に積んだディーゼル機関車。前者は鉄道用エンジンとしてはまだまだ巨大で複雑なデルティックを小さい車体に収めた結果、ベアリング割れで起きたオイル漏れによる火災、変な配置にしたことによる冷却ファンとシャフトの共振が原因の冷却不足のよるエンジンのオーバーヒート等により、直列エンジン搭載の機関車より1/4以下の距離しか通常運行が出来なかった。よって、1960年代後半の赤字による車両整理で廃車された。一方後者は故障が前者と同様に多かったが、当時の看板特急「フライングスコッツマン」をダイヤ通りに運行できるのがこの機関車以外いないということを理由に、予備エンジン・パーツを大量に用意しつつ、先述のHST登場まで第一線で活躍していた。
- サザン鉄道Q1型蒸気機関車:WW2時、急増する輸送需要に応える為にサザン鉄道にて作り出された戦時設計の蒸気機関車。曲面が少なく、ランボード(車体側面にある足場)や除煙板など無くても運転に支障の出ない装備品は省略、シリンダーは車輪の内側に配置されているので脚周りもスッキリ。もちろん無駄な装飾の類も無いので飾り気のかの字もない。牽引力を確保するための大きなボイラーも鋼鉄から銅に切り替えたりと徹底した合理化とケチ……もとい節約が行われた。同サイズの機関車と比較しても牽引力が高いため、貨物輸送だけでなく、旅客輸送にも投入されたが、その見た目から乗客からは「醜いアヒルの子」、「コーヒーポット」、「フランケンシュタイン」といった不名誉極まりないあだ名を付けられてしまった。なんだかんだで1966年まで走り続けた(貨物輸送では、構造をケチった為ブレーキの利きが悪かった)。
その他
- ピール P50:ギネス認定の世界最小の自動車。コンセプトは「大人一人と買い物袋一つを乗せられるクルマ」。バックギアが無いため後退するときは手で押す。
- スコットランド発の妖怪:「この世で最もエグい妖怪」との評あり。
- TVR:自動車メーカー。「スポーツカーは軽くてハイパワーならそれでよし」という理念のもと、タスカン、サガリス、タモーラといった重くても1100kg程度の車体に400馬力ほどのエンジンを積んだマシンを続々開発。しかし、エアバッグ、ABS、TCSといった電子デバイスはほとんど搭載されていないなど、どれも性能に対して安全もへったくれもない危険極まりない代物だった。とどめにコンセプトカー「サーブラウスピード12」は、SpeedSixと呼ばれる直6エンジンを2つ合わせて7.7LV12エンジンとし、1020kgの車体に最高出力811馬力(最高速度386km/h)のFRというバケモノを開発した。前述の理念を貫き、メーカー最高技術をふんだんに導入するも、前述のスペックに加え、車体がデカいせいで小回り利かないわABSなどの安全装置は一切搭載していないわで、どう考えても市販できるようなものではないという結論に至り、社長自ら販売中止を宣言。後にサーブラウスピード12は社長と面会し、1台だけとあるオーナーに販売されたとか。
- ライトカー・カンパニー ロケット:かつての葉巻型F1マシンを公道を走れる形で再現したスポーツカー。公道を走れるとはいえフェンダーや灯火等の細かい部分を除けば見た目はF1マシンそのまま。バイクのエンジン、ミッションを流用したもののバックギアが無いため前進2段、後進1段の複変速機を追加し前進10段、後進5段というすさまじいミッションを持つに至った。
- 英国のキットカー:自動車の物品税が高かった時代にキットを購入し自分で組み立てれば税金が安く済む、という理由でヒットした。そのうちロータス セブンは英国にとどまらず今なお世界中にファンがいる名車になった。
- スマートゴミ箱:ゴミのついでにスマホのWi-Fiを介して個人情報も収集するゴミ箱。主にマーケティングに使用するために開発・設置された。イギリス版acure。あまりの評判の悪さに即使用中止。
- スコットランド周辺に建設された波力発電・潮力発電・海流発電のプラントの数々
- リライアント ロビン:「労働者のための安価な足」として開発された自動車。「4輪のクルマだから税金ぼったくられるんだ、何ならタイヤ3つにして『屋根付き3輪バイクです』と言い張れば(バイク扱いになって)税金安くなるんじゃね?」という発想で作られたクルマ。車体はFRP製なのに、MINIより販売価格は高価だったが、「車輪が3つしか無いからバイクだ」と言い張った結果、税金はバイクのそれが適用され(つまり安くなった)、維持費は安くついた。そう、維持費だけなら。……「バイクだ」と言い張るために3輪にしたがゆえの代償……それは安定性。とにかくよく横転する。オーナー曰く「ロビンのハンドルを握るときは絶対曲がるな」。
- なお、同等のクラスで4輪を認めてしまったトンチキの結果がこちら。おそらくこれを島国根性と言う。
- ペニー・ファージング(だるま車):「昔の自転車」と言えば度々挙がるスタイルの、前輪がやたらめったらデカイあの形の自転車。要するにチェーン駆動機構がなかった時代に「前輪=動輪おっきくすれば速く走れるんじゃね?」という発想で生まれたシロモノ。見晴らしがいい、速度が出る、スリリングで面白いなどの点がある一方でコケると大怪我待ったなしというヤバ過ぎる欠点を抱えている。
- ビッカース VC-10:ジェット旅客機。4発リアジェット方式というあまりに独特な外見……だが、このエンジン配置が災いして静粛性・燃費に優れる高バイパス比ターボファンエンジンを搭載できなかった(高バイパス比エンジンは直径が太くなるため)。商売としては大失敗に終わり、「前作“ヴァリアント”で得た儲けをすべて食いつぶした」とまで揶揄された。ちなみに旧ソ連にイリューシンIL-62という形でコピーされた。そしてそのコピー先の方がより多く生産された上に長く使われている。
- 前後相対式フルフラットシート:ブリティッシュ・エアウェイズがビジネスクラスに於いて世界ではじめて導入した座席レイアウト。前向きと後ろ向きの座席を交互に配置する。スペースを効率的に使える(=広いシートピッチや専有幅を実現)、乗客全員が通路に直接出られるといった利点がある一方で乗客の半数は後ろ向きに座らせられるという欠点あり。
- 20フェンチャーチ・ストリート:ガラス張りの高層ビル。外壁が凹面鏡状になっており、傍の道路に太陽光が集中。駐車中の車両を破損させている。季節が換わり太陽の位置が変われば問題は解決すると釈明している。
- デ・ハビランド ジャイロン:ターボジェットエンジン。超音速機向けに開発されたがデカすぎ重すぎで不採用。ジェットエンジン版グランドスラム。
- デ・ハビランド ジャイロン・ジュニア:上記ジャイロンの小型版。サイズと重量はジャイロンの約半分。燃費が極悪で長期試験すらできなかったが、ジャイロンよりそれなりは売れた。
- ロンドン・シティ空港:ロンドン東部のウォーターフロント地区に建設された空港。市街地の中に作られた空港のため着陸時には急降下でアプローチする必要がある。イギリス版啓徳空港。さらに市街地にある空港のために騒音対策などの関係で小型機しか発着できない。
- サラブレッド:競走馬でお馴染みの品種であるが、実は速力を追求した結果体質的には結構脆弱な面がある、気性が荒いなどのいくつかの問題点を抱えている。
- パーシヴァル マーガンサー:小型旅客機。「乗客に訴えかける機体」をコンセプトに設計され、見晴らしのいい客室や乗り降りしやすい底床構造、引き込み脚などを採用したもののエンジンに型遅れのものを採用したことなどが災いし商用飛行は実現しなかった。
- デ・ハビランド DH.114 ヘロン:乗員乗客合わせて16人乗りの小型レシプロ旅客機。エンジンに上記のパーシヴァル マーガンサーと同じものを採用してしまったため4発機である。日本の東亜航空に納入された機体は後に魔改造を受けることに…。
- ウィンズケール原子炉:核兵器用のプルトニウム製造のために建設された原子炉。…なのだがその実態は前代未聞を通り越して「おいばかやめろ」レベルの空冷式原子炉というマジキチ炉(ウランをプルトニウムに変えるだけだから大して熱や放射性物質は出さないだろうと踏んだ、らしいが…)。
- マグノックス炉:炭酸ガス冷却方式を採用した発電用原子炉。天然ウランが使えるが効率が死ぬほど悪い、ついでに言うなら毎日燃料棒の位置を変えないと核反応が効率よく起こらないと問題だらけ。もっとも天然ウラン向け原子炉の共通の欠点なのでイギリスだけを悪く言うのも……ちなみに日本では商用原発第一号の日本原子力発電東海発電所がこの炉を採用していた。
- HOTOL:中止された英国版スペースプレーン。
- HAMMERHEAD-i EAGLE THRUST:ディーゼル・エレクトリック方式の電気自動車。独特な外観であるが、非常に優秀かつ高性能である。
- ティレル・P34:かつてイギリスに本拠を置いたF1コンストラクター「ティレル(タイレル)」が開発した、史上初の「6輪車」フォーミュラカー。空気抵抗を減らすために前輪の径を小さくし、そのために減った接地面積を前輪4つにすることで補った。成績は優勝1回、表彰台14回。しかし、前例のないあまりにも変態なサスペンション形式の為、強度が不足しており、走る度にホイールアライメントが狂ってしまうような有様で、仕舞いにはドライバーに乗りたくないとまで言わせしめた。尚チームは構造を強化するなどの根本的な改良を行わず、都度ホイールアライメントを取り直しただけだったと言う。他のチームも真似をして6輪車のテストを行ったが、どれも実戦投入までには至らなかった。最終的に1983年に「タイヤは4つまで」とレギュレーションで明文化されたため、その後6輪車は登場することはなかった。似たような変態マシンが量産されるような事態にならなくてよかった…。ちなみにF1チームはイギリスに本拠地を置いていることが多く、そのせいかこれ以外にもビックリドッキリメカ的迷車、珍車がいくつか存在する。ただしこれらと同じくらい数多くの名車があることもイギリスの名誉の為に書き記しておく。
- ウェンロック&マンデビル:ロンドンオリンピックのマスコットキャラ。他国ではちょっと考えつかないような非常に個性的な姿をしている。
- ブルドッグ:独特の顔つきは闘牛用に改良された結果の産物だったりする。
- シャイヤー(シャイアー):超大型の馬車馬。体重約1.5t・体高約2mの巨体が「世界一巨大な馬」としてギネス認定されたことがある。大型の馬車馬ながらサラブレッドの血も何故か混じっている。
- シェトランドポニー:上記のシャイヤーとは対照的な、体高110cm程度の超小型ポニー。シェトランド諸島の厳しい環境に対応するためにこのような進化をしたと言われている。
- ポーター:品種改良という名の魔改造をされた鳩。鳩胸の中の鳩胸。
- マンクス:マン島原産の生まれつき尻尾のない猫。
- Halley VI:移動式の南極基地。「移動式の観測基地ってできないのかね?」「じゃあ基地にスキー板履いた足付けてブルドーザーで引っ張ってもらえばいいじゃん!」な発想のだが、外観はクマムシのお化け。もう少しマシな見た目に出来なかったものか。
- ブリストル ブリタニア:大型ターボプロップ旅客機。静粛性と飛行性能は優れていたものの開発が遅れまくってジェット旅客機の時代になってしまったため85機の生産にとどまる。
- アブロ 748:双発ターボプロップ旅客機。いろいろと使い勝手がいいせいか、「アンドーバー」や「BAe ATP」などの妙な派生機が幾つか誕生するハメに。
- BAe146:元々はデ・ハビランドで考案されていた高翼式のSTOLターボプロップ旅客機だったが、主翼が上に行ったり下に行ったりした挙句に最終的にはエンジンがギヤードターボファン4発となった忙しい経歴を持つ。
- ハンドレページ ダートヘラルド:試作一号機はレシプロエンジン4発の機体だったが、時代の流れに合わせて量産機はターボプロップ双発機になっていた。
- ロールス・ロイス エイヴォン:初期の軸流式ターボジェットエンジン。開発途中で試作一号機とはほぼ別物となったと言ってもいいほどの設計変更が行われたにもかかわらず、開発開始時の「エイヴォン」の名を引き継いで使用している。
- BAe ATP:双発ターボプロップ旅客機。…であるがその正体は旧式の旅客機であるアブロ 748(HS.748)を劇的ビフォーアフター(胴体延長、エンジンの換装)したものである。日本で言えばYS-11を魔☆改☆造、もといさしずめ「魔設計変更」したようなシロモノだ。
- イギリス料理:朝食とシチューは除く。
- パスタの缶詰
- マーマイト:ビール酵母エキス。「なんかビール酵母とやらは体に良いらしいぞ」→「じゃあビール製造で出る沈殿物食えばいいじゃね?」という、ある意味英国食の発想そのものの物体。他方、イギリスの近代科学文化の発展と二人三脚をやってきたという、英国科学史と関連深い食品でもある(マジ)。ちなみに本国でさえも好き嫌いが分かれ、製造元が「好き派」「嫌い派」のサイトを用意して論争させるというどっかで見たことあるようなことをやってたりする。
- 紅茶に対する情熱:軍用レーションには必ず紅茶が入っているほか、ティータイムに砲撃を休止したり、戦車などに湯を沸かす装置を搭載したり。警察も専用車両を用意したり、担当部署を作るほど。はたまた英国政府が核戦争時に発生する問題の一つに「紅茶の不足」を挙げ、紅茶の備蓄を提言していたりと英国人の紅茶に対する念の入れようは並大抵ではない。ちなみにイギリスへの紅茶の伝来はコーヒーより遅く、コーヒーは17世紀中頃、紅茶は18世紀中頃に伝来した。
- ギネス世界記録:アッと驚くような記録から心底呆れるような記録まで、誰もが知ってる世界一有名な世界一の証明。認定数はイギリスが世界一で、そもそも本社がイギリスに存在している。英国面が英国面たる所以がここに凝縮されている。
- ウィンブルドン選手権:テニスでもっとも権威ある大会。センターコートに英王室の方々をお招きしての「御前試合」もよく行われる。初代女子シングルス王者モード・ワトソンがウェアを白で統一していた故事にちなみ、参加選手は試合中はおろか練習中も純白のウェア・下着着用を義務付けられている。クリーム色やライトグレーといった白っぽい服装はもちろん、洗濯による黄ばみやトイレで用足し後ついうっかりなシミも一切認めない。それもこれも、会場であるオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブが貴族階級向けのクラブであるため。
- ブリティッシュ・レイランド(英国国営自動車産業)とその製造車両
- ブリストル(イギリスの自動車メーカー)
- 公共放送局BBCの悪ふざけ (例:「TopGear」 「銀河ヒッチハイク・ガイド」 「モンティ・パイソン」)
- ドクター・フー:1963年からBBCで放映されている世界最長のSFテレビドラマシリーズ。シリーズものにもかかわらず途中でリメイクなどせずに初期のころから現在までの話が全て地続きで繋がっている。
- ジャパニージー:日本料理を題材とした英国のTV番組。要するにイギリス版「妄想ニホン料理」なのだが……そのあまりにかっとビングな「日本料理」はインパクト満点以上の何かがある。
- ジェリー・アンダーソン:英国の映像プロデューサー。サンダーバードなどを製作。
- クリス・カニンガム:数々のミュージックビデオを手掛ける映像作家。代表作はビョークの「All Is Full of Love」など。
- アラン・ムーア:英国の漫画家。代表作はウォッチメンなど。
- コナン・ドイル:小説家。代表作はシャーロック・ホームズなど。彼自身にはトンデモエピソードが多い。
- ジェイムズ・P・ホーガン:小説家。星を継ぐもののようなコテコテのハードSFを書く一方で疑似科学にはまったり。
- サン紙
- 英国の法律:基本的に慣習法であるため、中世に制定されて現在では意味不明の法律が多い。
- 英国の保険業:「宇宙人誘拐保険」とか、変な保険がいっぱい。
- 英国の統計学:変な統計を年がら年中発表している。ちなみにこの統計学の祖とされる一人が、彼の「クリミアの天使」もしく「小陸軍省」ことフローレンス・ナイチンゲールである。
- 英国聖公会:ヘンリー8世、嫁のキャサリン・オブ・アラゴンと離婚して嫁のメイドのアン・ブーリンとケッコンカッコカリするためにローマ教皇に婚約の取り消しを求めて断られる。ムカついたので勝手に国王を首長とした教会を立ち上げる。むしゃくしゃしてやった、そしておそらく生涯反省してない。神学者や宗教学者からは教義・典礼はカトリックと大差ないけどプロテスタント扱いというよくわからない位置に分類されている。
- オカルトへのこだわり:世界的に知名度の高い西洋の妖怪は多くがイギリス発であるほどにオカルト方面に対してのこだわりが強い。そしてそのこだわりは元植民地にも確実に遺伝している。あと、こだわりが強すぎてこんな例も…
- 幽霊物件:日本を含めた多くの国では「幽霊が出る」「怪現象が起こる」なんて物件はその時点で思いっきり価値が下がってしまうが、イギリスでは「幽霊が出るくらいに歴史ある物件」とかなんとか言われて逆に価値がおもいっきり上がってしまうそうで…。
- SuperDry極度乾燥(しなさい):英国発のファッションブランド。正しく使い方を間違えた日本語をあしらったアパレル製品で世界中で大人気。ちなみにカッコまで含めたのが正式名称である。さあ次は日本進出…といきたいのだが、商標権の問題で日本には持ち込めず、税関で没収の恐れがあったりする。だいたいこいつのせい。
- ネイピア・デルティック:三角形配置の非常に独特な3クランク対向ピストンエンジン。最初は船舶用に作られたが、後に鉄道車両にも積まれた。
- ブラックアロー:イギリスが開発した人工衛星打ち上げロケット。燃料は過酸化水素とケロシン。英国は独自の人工衛星打ち上げ能力を開発したのち、放棄した唯一の国である。
- ブラストドーザー:レア社開発・任天堂発売のN64用ゲームソフト。レアに(当初は最高ランクだった)「ゴールドメダル以上の目標を設定しておけ」と言った結果、同社の品質管理部に英国面が発動。並のプレイヤーではまず出すことが出来ない「プラチナメダル」という鬼畜ランクが誕生してしまった。ちなみに本レベルの誕生には任天堂と任天堂アメリカ法人も"共犯者"として関わっているらしい。
- レア社:ってかレア自体が上記の暴走事故に加え、何を思ったかガチムチのカエルが主人公のベルトスクロールアクションを世に送り出したり某作品では過激なシモネタもメタ発言もなんでもありだったりと、しっかりと英国的遺伝子を保有している様が随所に見られるのだが。
- パラジェット スカイカー:英国パラジェット社が開発したスカイカー(空飛ぶ車)。早い話がモーターパラグライダーで飛ぶクルマ。ちなみに日本のヤマハが共犯。
- メリーゴーランド:イギリス系メーカー製のメリーゴーランドはどういうわけか木馬が上下だけでなく左右にも動くとか。
- 不思議の国のアリス:よく考えて見ればこの作品も色々とぶっ飛んだキャラがこれでもかというほど登場したり、不条理を地で行くような展開や世界観などの面で実に英国らしい要素を幾つか備えている。ちなみに元は知り合いの娘に聞かせるために作った物語である。
- タイタス・クロウ・サーガ:英国にクトゥルフ神話を持ち込んだ結果がこれだよ!!!コズミック・ホラーどころか現代日本のラノベにつながるノリの作品を70年代に仕上げてしまった。日本と言い英国と言い、島国の人間はSAN値がマイナス側にも対応しているというのか…?
- ミステリーサークル:1978年にデイブとダグという、二人組の爺さんが造り始める。以後なぜか世界中に拡散する。
- バンクシー:ロンドン在住と思われる正体不明のアーティスト。美術館や博物館に勝手に自分の作品を展示するなどのパフォーマンスで知られる。
- いくつかのイギリス映画:『ロッキー・ホラー・ショー』・『スペースバンパイア』
- フレッド・ホイル:英国の誇る超つむじ曲がり。
- パノプティコン:英国面的刑務所。
- ブリテン・ノーマン アイランダー:小型レシプロ旅客機。機内に通路がなく乗客はドアを開けて直接搭乗するという自動車のようなスタイル、整備性などを優先し主脚と前脚で同一のタイヤを使用している、異様に間隔の広い主脚、エンジンを左右で逆回転させる(左右のエンジンで互換性がなくなる)ことによりトルクを相殺する…などの一風変わった機構が多いが、それ故「短距離用の旅客機」として非常に使い勝手がよく世界的なベストセラーに。ある意味英国面が良い方向に作用した(珍しい)例。但し上記の通り派生型として「トライランダー」というビックリドッキリメカもあるが…。
- RaspberryPi:ARMベースのマイコンボード。元々教育用に開発されたものだがどういうわけか世界中のコンピュータマニアに大人気のマイコンとなってしまった。
- 産業革命発祥国のくせして合理化や機械化を嫌っているその姿勢:下記の日本とは正反対といえるかも知れない。
- 航空機の地上誘導員:「対ブラスト姿勢」は必見。
- 信頼性はあるが、古い技術にこだわりすぎる傾向:石炭が採れるからと、蒸気機関車から電気・ディーゼル車輌への転換が遅れたり、1次大戦レベルの性能のソードフィッシュを2次大戦終盤近くまで運用したり…
- 巨大オナラマシン:「ドーバー海峡越しにフランスに放屁音を届ける」というわけのわからんチャレンジのために作られた代物。形状は巨大な人間の尻。ちなみにこのチャレンジ、成功したとか。こちらの記事を参照
- ドーバー海峡:今でこそユーロトンネルで鉄道と自動車(カートレイン)は地続きだが、20世紀末に開通するまでは飛行機か船便でしかヨーロッパ大陸とは行き来できなかった。ただこの海峡、しばしば濃霧の発生で船の航行が困難になることがあった。そうしたとき、イギリスでは"The continent isolated"「大陸が孤立」と新聞が書いた。孤立してるのはどっちかというとイギリスの方で、見出しは本来"Isolated from the continent”「大陸から孤立」じゃあないのかなあと。
英国面が世界を変えた例
…なんだか毎回ズレたものばかり作っているようだが、英国的発想が後の世界を変えた例だって幾つもある、とは英国の名誉のために。
- 鉄道:今では道路と共に世界中で陸上での輸送手段として無くてはならない鉄道は、御存知の通りイギリス発祥である。
- 地下鉄:現代で最も優秀な都市交通手段の一つである地下鉄も、発祥はイギリス。但し当初は電化などされていないため、地下に蒸気機関車を走らせるという暴挙に出ていた。また現在は引退した旧型電車はライトなどの配置が左右非対称で、なかにはサイコロの目のように穴が配置されているものもあった。
- ホバークラフト:水中翼船と並ぶ高速船の代表格。民間航路に軍用にと幅広く使われているのは周知の通り。
- セーフティ型(安全型)自転車:ジョン・ケンプ・スターレー、ペダルが無かったから地面を足で蹴って進んだり、スピードのために前輪でっかくした結果コケたら大惨事待ったなしだったりと問題だらけで「金持ちのオモチャ」の領域を未だ出なかった自転車の問題点を解消し、今の自転車を形作った。
- 空気入りのゴムタイヤ:後のダンロップの創業者である獣医師のジョン・ボイド・ダンロップが考案した。こいつの登場のお陰で陸を走る乗り物の乗り心地が大幅に向上。上記の安全型自転車も含めて。今ではゴムタイヤと言ったらよほどのことがない限りこの形である。
- 戦車:「自動車」としての戦車を最初に作ったのも他でもないイギリス。「塹壕突破用の秘密兵器」としてトラクターに装甲と大砲を付けたことが始まり。当時はどう見たって珍兵器の部類であったが、今では陸戦の花型として君臨している。が、当のイギリスは2009年にチャレンジャー2の生産を終了して以来、戦車の独自開発を行わなくなってしまった。
- ドレッドノート級戦艦:それまでの戦艦を文字通り過去のものとしてしまったドレッドノート級(弩級)。まさしく「戦艦の常識を覆した」艦であり、艦の規格以外でも今では「抜きん出たもの」などを表すための慣用句的にも「弩級」「超弩級」という言葉が使われるくらいである。 …ただし、忘れてはならないのが、『それまでの戦艦を』すべて過去のものにしてしまったこと。 つまり他国はおろか、自国の主力戦艦群『も』、さらには建造中だったロード・ネルソン級戦艦まで全部ひっくるめて旧式化させてしまった。 オチまでやっぱり英国面だった。(当然ここでめげることはなく、3年後に超弩級戦艦の雛形であるオライオン級戦艦の起工を発表した。)
- 航空母艦:最初期こそフューリアスのように試行錯誤を繰り返したものの、航空母艦という艦種を世に送り出した栄誉は揺るがないといえよう。特に艦載機の運用を容易にしたアングルドデッキや、ミラー・ランディングシステム、蒸気カタパルトの三大発明は、ジェット化などで急速に高性能、大型化する艦載機に、艦のサイズが追いつけなくなっていた状況を打破し、「現代空母の三種の神器」とも呼ばれている。さらにはカタパルトを使用せずに艦載機のSTOL性を高めるスキージャンプ甲板もまた英国の発明品である。もっとも、これだけの物を生み出しておきながら、本家イギリス海軍が(一時的にせよ)固定翼機を運用できる空母ゼロの憂き目に遭おうとは……
- ボールトンポール オーバーストランド:ボールトンポール製の爆撃機。爆撃機としてはじめて動力で回転する自衛用の砲塔を搭載した。当時は問題も多く使い勝手が悪かったが、後にミサイルが発達するまでは爆撃機の自衛装備として必須になった装備である。
- ホーカー・シドレー ハリアー:ご存知世界初の実用化されたVTOL戦闘機。戦果も充分上げておりその意味では先進的なのだが、実戦デビューは1970年代。そう、フライ・バイ・ワイヤなどという技術はまだなく、複雑怪奇なVTOL機の操縦を全て手動で行っていたのである。とはいえ、ハリアーの成功がなければV-22オスプレイもF-35B型もあり得なかった。
- ヘッジホッグ:対潜爆雷に代わる対潜兵器。対潜迫撃砲。爆雷に比べ多数搭載することができ、命中判定も容易。数多くのUボートや伊号潜水艦を葬った。多種兵器研究開発部(DMHD)のスチュワート・ブラッカー中佐が開発。
- デ・ハビランド DH.106 コメット:世界初の実用ジェット旅客機。「最初のジェット旅客機」というタイトルを手にしただけでなく、現代の大型機で当たり前となっているボギー式降着装置の採用、さらに暗い話ではあるが空中分解事故の影響で後の旅客機の設計や安全の向上、さらに金属疲労の解析などで航空機以外の世界にも多大な影響を与えた機体である。
- ARM:「Acorn RISC Machine」の略で、組み込み機器で圧倒的なシェアを持つCPU。もともとエイコーン・コンピュータのパソコン用に設計されたのだが、コストダウンのためメモリをあまり使えず、RISCなのにコード密度を重視した設計とされた。1990年にアップル社のPDA「ニュートン」用のCPUに採用されたことから、エイコーンのARM部門がスピンアウト、そこから携帯電話のCPUとして快進撃が始まる。後にスマートフォンやサーバ向けに64ビット化され、こちらは普通のRISCの設計に近い。
- スタングレネード
- コークス:石炭を高温で蒸し焼きにして作られる燃料。石炭を燃やすより高温を得られるうえに硫黄分が混入しないことから、製鉄に使われていた木炭を置き換えることに成功した。
- ミニ:いわゆる“クラシックミニ”。横置きエンジン、FF(前輪駆動・前輪操舵)、2ボックススタイルという、その後の小型車のスタイルをほぼ決定づけてしまった。もちろん、いわゆる“大衆車”なのだが、発売当時はあまりに革新的なスタイルから出足が鈍かった。やがて上流階級の方々が、運転手付きの“いつもの車”とは別に、“お忍び”で出かける時のセカンドカーとして自らハンドルを取って乗り回すようになり、「あんな高貴な方々が乗るのなら、良い車に違いない」と、大衆層にも普及していったという、イギリスっぽい逸話もあったりする。
- ティレル019:1990年、F1ハイノーズデザインの口火を切った革命的マシン。特徴的なアンヘドラルウイングは当初「ナマズのヒゲ」と嘲笑されたが、非力なV8コスワースDFRエンジン搭載でありながら、前年にデビューしていた若き天才ジャン・アレジのドライブによりモナコGP2位入賞を筆頭に上位を脅かす快走を見せ、以後のF1マシンのデザインの方向性を決定づけた。ただ、前述のモナコGP以降はピレリタイヤの特性(低温時や市街地コースでは速かったが、気温が高いと「夏バテタイヤ」と揶揄される極端な性能だった)に足を引っ張られてしまい、イタリアGPと日本GPで中嶋悟の6位入賞が精一杯であった。
- ロータス78:1977年にF1に登場し、多大な影響を与えた最初のウイングカー(グラウンドエフェクトカーとも)。マシン側面のサイドポンツーンの底面を翼のような形状にし、その左右両端にサイドスカートを取り付けてマシンと地面の間をトンネル状にする事で、とても強いダウンフォースを生み出した。77年のロータスの快進撃を見た他チームも一斉にウイングカーを採用し、一躍F1のトレンドとなる……が、サイドスカートが破損したり段差で車が跳ねたりするとダウンフォースが失われて事故待ったなしという危険があり、それに加えて70年代後半には大出力ターボエンジンが登場し始めて凄まじい勢いでスピードアップしていたにもかかわらず、マシンの安全性が追い付かなかったため重大事故が多発し、F1では82年を最後に禁止となった。その後もマシン底面を活用したグラウンドエフェクト重視の設計は、手を変え品を変え続けられる事になる。なお、当時のロータスというチーム自体が、F1界における英国面が相当に色濃いチームだった事を付記させていただきたい。
- 医学:ナイフマンことジョン・ハンターの辺りから、吐かす下す瀉血中心の”医術”から、症例と標本による比較・検討重点の”医学”へと遷移していった。下記の予防接種の走りである種痘法発見者のジェンナーはハンターの弟子である。ちなみにハンターは標本の集め過ぎで人生を破綻させたり、自分で実験体となり性病の研究をした結果死亡している。
- 予防接種:これがなければ天然痘は根絶できなかった。
- 紡績機
- ペニシリン:なお発見者はその後生きた細菌を絵具代わりにする絵画を考案。
- 功利主義
- サンダーバード:日本のウルトラシリーズを始めとして世界中の特撮に影響を与えた作品。
- シールドトンネル:フナクイムシ(貝殻がドリルピット状に進化した二枚貝)の巣穴にヒントを得て考案された。
- 進化論:いまだに一部の人々から否定される一方、フランシス・ゴルトンらにより優生学に発展。そして忘れ去られるウォーレス。
- サイクロン式掃除機:日本で開発された紙パック式が世界を席巻する中、ジェームス・ダイソンが渦巻き流による固体分離の原理に目をつけ、徹底した固体分離方式による掃除機を開発、自前のブランドを立ち上げて世界に向けて発売した。キャッチコピーは“吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機”。だが、このコピーがダイソン自身にとっては盛大にケチがつく原因になってしまった。即効で日本のメーカーが真似しようとしたが、従来の紙パック式と同等の吸引力(消費電力1000Wで吸引仕事率300W以上)が確保できず、その日本のメーカーに苦情が殺到、結果としてどのメーカーも吸引性能重視の紙パック式とサイクロン式を併売することになってしまった。そしてその結果、あと照明でもつけたら配電ブレーカー1つ吹っ飛ぶ1200Wを消費しながら吸引仕事率170Wしかないダイソン掃除機は「高い・デカい・低性能」とかつてのアメ車のような評価を受けてしまうオチに。ダイソンが他社のどんな掃除機でも40%まで落ちる!と必死に主張しているが、言い換えれば吸引仕事率400W級の掃除機はその最低ラインでもなお160W相当を発揮してるし、もしハイパワーが欲しくなればダスト処理すればいいだけの話で……。欠点のうち「デカい」だけは何とかしたものの、あとは相変わらず(一応コードレスにはなったが)。そしてついに……。
- 立憲君主制:ジョン欠地王、ローマ教皇に破門された上にフランス・カペー朝に敗れてフランスにおける領地を失い、税収の不足分をイングランドで取り立てたため諸侯の反乱をまねく。結果、君主といえども法に従うことをマグナカルタで確約される。これは後世の議会制民主主義の発展に大きな役割を果たすが本人からすればどうしてこうなった。
- アルファ碁:ディープマインド・テクノロジーズ(Google子会社)が開発したディープラーニングを利用した囲碁AI。攻略するのは難しいと言われていた世界トップクラスのプロ棋士を無敗で三連勝し破る(ただし、その後1敗したため対局結果は4勝1敗)ことに成功し、世界に衝撃を与えた。無論他の囲碁AI相手でも1000局対局行ってわずか1敗というリアルチートっぷりを見せた。
そして海を越える
あるいはイギリスがやらかした失敗から何も学んでいない例ともいう。
※追記に追記が重なり、記事が非常に重くなっているので分離を行いました。
ドイツの場合
独国面の記事を参照
アメリカ合衆国の場合
米国面の記事を参照
そして日本も笑えない
日本面の記事を参照
犬猿の仲のフランスだって
仏国面の記事を参照
ロシア(旧ソ連)だって、かつては同盟国だったんだよ
露国面の記事を参照
露国面ん~? 本家はうちだ!! ウクライナ
露国面のやらかしに書いたうち、軍事関係、特に陸戦兵器はソ連時代、ウクライナのハルキウ(ハリコフ)がその技術開発の中枢だったりする。
- ソ連時代の兵器の魔改造:なんかソ連崩壊後に新規に開発したロシアの兵器より高性能なんじゃないかって兵器がウクライナ侵攻(2022)で勢ぞろい。東側兵器の「口径isパワー」な見た目に西側の精密誘導能力が付加されている。
- STUGNA-P対戦車ミサイル:「トップアタック? 知らねぇな、正面からブチ抜いてやるぜ!!」と言わんばかりの貫通力を持つウクライナ国産移動設置式対戦車ミサイル。実際、口径にもよるがT-90初期型の正面装甲を5km先から貫通する威力がある。だが、遠隔操作は数日の訓練で防衛戦に参加した女性民兵(本業は教師)が入力しても正確無比な命中率。コントローラーはどこぞのゲーム機みたい。いや、明快な操作性は兵器にとって重要なものであることは言うまでもない。
- R-360ネプチューン対艦巡航ミサイル:ロシアの威信の象徴でもあった黒海艦隊旗艦・スラヴァ級ミサイル巡洋艦『モスクワ』撃沈の大金星を上げたウクライナ開発の亜音速巡航ミサイル。だがこいつも1から10まで新規開発ではなく、ロケットエンジンはソ連時代のKh-35巡航ミサイルのもので、発射するランチャーも“いかにも東側型”といった無骨なぶっとい筒。しかし『モスクワ』の被弾画像を見る限り、艦上のミサイルランチャーの誘爆ではなくどうも舷側をブチ抜いてるっぽい。
- 陸軍の異常な能力:ドイツも舌を巻く電撃戦を展開したかと思えば、旧日本陸軍の十八番で陸自もそこそこ得意な浸透戦術で渡河作戦を成功させてみたり。まぁ、この両者を相手にしてそこそこ痛い目も見たアメリカンスキーの教練の賜ではあるが。
イタリア抜きじゃ、寂しいもんな
伊国面の記事を参照
スイスは山に鍛えられた結果がこれだよ!!!
瑞国面の記事を参照
スメタナさんの祖国、ボヘミア改めチェコスロバキアも…
現在はチェコとスロバキア。ただしい発音はチェックとスロバキアなのだが本人たちも含めて誰も気にしていない。日本人が言うなとか言うな。
- タトラ社の製品:悪路踏破能力と耐候性に卓越したトラックを作ることで知られている。っていうか東ヨーロッパ随一。またT11のシャシーなどの簡潔さは極致を行っており、グリルのない独特な形態に多くのファンが魅了されている。路面電車車両「タトラカー」も有名。
- チェコアニメ:民主化以前は人形劇を中心とした作品が多く、商業というより芸術面が強い独特なものだった。
- シュコダ T-25:世界で初めて自動装填装置を搭載した戦車。ただし残念ながら故障が多く計画は中止になってしまった。
- T-72M1モデルナ:T-72の砲塔左右に機関砲をポン付けして対空戦闘能力を付けた。
伍長の地元・オーストリアもやらかす
かつてはチェコスロバキアと同じ国(オーストリア・ハンガリー)だったせいなのか?
- ステアーAUG:ステアー社が開発したアサルトライフル。モジュール・パーツを交換することで多彩な戦況に対応できるシステム・ウェポンの先駆け。SFチックなビジュアルでも知られている。
- ステアーIWS2000:同じくステアー社の対物ライフル。従来の対物ライフルよりも長射程・高精度・高火力にするために試行錯誤した結果、ライフリングのない銃身から15.2mmADFSDS弾をぶっ放すという戦車砲とほぼ同じ構造になった。しかしライフル程度の弾丸では空気抵抗が小さすぎたらしく、発射後に弾丸から装弾筒がうまく外れずかえって弾道が不安定になってしまい計画は頓挫してしまった。
- パイファー・ツェリヅカ :.60口径(15.24mm)狩猟用マグナム弾をぶっ放すリボルバー式拳銃。『世界最強の拳銃』の称号を持つ。が、反動を抑える機構を限界まで詰め込んだ結果、銃自体の重量が増えすぎて拳銃の射撃姿勢で撃つことはほぼ不可能に。
- コリブリ 2.7mm拳銃:とある時計職人が製作した、上記とは逆に世界最小、(多分)最弱の拳銃。大人の手のひらで握って隠せてしまうほど小さく、威力も松の木の板を三センチしか貫通出来ない。
- ルフトミーネンヴェルファー:高圧ボンベの圧縮空気で砲弾を飛ばす迫撃砲。
- ルンプラー・タウベ:エトリッヒ・タウベとも。よくハトの翼を模したといわれるが、実際はハトではなくウリ科の植物の種を参考に設計された航空機。ルンプラー社のライセンス料未納にキレた設計者が特許を放棄したため、著作権フリー状態になり様々なメーカーで生産された逸話を持つ。運動性能は悪かったが安定性が高く練習機として広く運用された。
ベルガエの地でも…
白国面の記事を参照
何度でも蘇る国でも…
- エドモンド・ローマン・オルリック:ポーランド侵攻のさなか、対戦車機関砲を搭載したTKS豆戦車で13両ものドイツ軍戦車を撃破した戦車エース。このとき19歳の見習い士官だったというラノベのような人物で、祖国の陥落後も抵抗運動に参加し、終戦まで生き延びている。
- 10TP:クリスティー戦車を手に入れたかったが、アメリカに頼んでもくれなかった。仕方がないのでスケッチやメモ、広告など、設計図以外の情報で一から開発したクリスティー戦車もどき。
- R型装甲列車:貨車の上にルノーFT-17軽戦車を搭載。履帯に歯車が連結し、ルノーが走ると貨車がキコキコ線路を走る。もちろん任意で降ろすことも可能。
- シミャウィ:10両編成の装甲列車。名前の意味は『勇敢』。その名に恥じず、侵攻してきたドイツ第4戦車師団と交戦し戦車40台あまりを撃破してドイツ軍を退けた猛者。
- Wz63短機関銃:サブマシンガンでありながら、自動拳銃のようなスライドを有する特異な構造を持つ。
- PT-91 トファルディ:スロバキアでT-72から改造されたT-72M1をさらに改造した主力戦車。射撃統制システム、爆発反応装甲、エンジン、トランスミッション、自動装填装置などを自国製のものなどに換装しているため、主砲と本装甲以外はほぼ別物に。ちなみに砲塔側面にポン付けされていた対空機関砲は取り外されている。
- PL-01戦車:現在開発中のステルス軽戦車。ステルス航空機やステルス艦同様に凹凸のない角ばった形状をしているのみならず、主砲にもフラッシュハイダーが付いているという徹底ぶり。なお、イギリスのBAEシステムズとの共同開発。
- PZL M-15 ベルフェゴル:農業用ジェット複葉機(な…何を言っているのかわからねーと思うが、あ…ありのままを話しているだけだぜ……)。ソ連からの要求を受けて開発されたが、燃費が悪く拡張性も無く、しまいにはジェット機のくせに200㎞/hという驚異的に低い最高速度(現在に至るまで史上最遅のジェット機である)を誇ったため、生産は早々に終了。製造された機体は全てソ連に押し付けられた。西側で対抗できるのは多分上述のオプティカ位だろう。
- PZL 104 ヴィルガ:1000機以上が生産された軽飛行機。くの字に折れ曲がったような独特の形状をしたランディングギアを有する。
- PZL-230 スコーピオン:試作攻撃機。エースコンバットシリーズに出てきそうなスタイリッシュなフォルムが特徴。しかし開発は謎の中止となってしまった。ソ連が関係しているとも言われているが、真相は闇の中...。
- スピリタス:説明不要、アルコール度数96度の世界最強のウォッカ…というか酒。これ以上度数が高い蒸留酒は化学的にみてどうやっても作れない(簡単にいえば、これ以上は「蒸留」ではどうやっても水分が入ってしまうので)。ついでにいえば飲んでる時は火気厳禁。
沼地でも…
芬国面の記事を参照
そのお隣でも...
瑞国面(北欧)の記事を参照
その他ヨーロッパ諸国もやらかした。
- M60CZ-10/25E Alacran:M60パットンを改造したスペインの戦闘工兵車。砲塔の主砲を外してその位置にショベルアームをポン付けしているお陰でクソコラのような見た目に。
- ゴールキーパー:GAU-8アヴェンジャーを採用したことで有名なオランダ・シグナール社製CIWS。「えっどこが珍兵器のビックリドッキリメカなの?」と思ってしまいそうだが、実は高価なだけでなく重量がクソ重く最初からゴールキーパーを搭載することを前提で艦船を設計する必要があるという問題点を抱えている。
- IC3:デンマークの特急列車。フェリー搭載を考慮し、高速列車としてはかなり個性的な前面となった。
- タルゴ(タルゴトレイン):スペインの高速客車。急カーブの多いスペインの鉄道路線を走るために一軸台車による連接式という個性的な構造を採用した。
- BIG WIND:ハンガリーで開発された車両で、砲塔を外したT-34戦車の上に二基のMig-21のジェットエンジンを搭載したハンガリー版Progvev-T。ちなみに本業は消防車です(エンジンの排気により大量の水を噴射して消火を行う)。詳しくはこちら
空飛ぶ円盤に定評のあるカナダ
加国面の記事を参照
英国面の正当なる分家、南アフリカ
こちらもかつてはイギリス連邦の一員。
- 南アフリカ国防軍:読んで字の如く南アフリカの軍隊であるが、南アフリカ自体がかなり独創的な兵器を多々開発・配備しているためユニークな装備が多い。
- G6ライノ自走榴弾砲:上記のフランスのカエサル自走砲はしかし、他国でも広く検討・試作され、実戦配備にこぎつけた例もある。G6ライノ自走榴弾砲は、今のところ世界唯一の、装甲された装輪式自走砲である。
- ミーアキャット、ハスキー:それぞれ南アフリカの開発した地雷除去用車両。地雷除去に必要なもの以外は全て取り払った、フレーム丸出しの外装。
- ブッフェル装甲兵員輸送車:ウニモグを魔改造した耐地雷構造の装甲車。妙に背が高い。南アフリカは対戦車地雷に酷いトラウマがあるらしい。
- オリファントシリーズ:センチュリオンシリーズをベースに現代戦に対応させた主力戦車。とはいえ、外装はもはや別物である。
- Mi-24/35 Mk.IIIスーパーハインド:ソ連製の攻撃ヘリMi-24を南アフリカのメーカーが改装したもの。さらに不気味な外見になった。
- ベクターCR21:銃なのに見た目が気持ち悪い。
- NTW-20:口径20mmの対物ライフル
- RDIストライカー12:チューブマガジンや箱型弾倉が一般的な散弾銃でまさかのリボルバー構造を採用した散弾銃。一度に大量の実包を装填できるが、初期モデルは排莢が手動(弾倉の穴から手押し)だったり、装填ごとにゼンマイを手巻きしなければならないなど非常に面倒くさい銃だった。(現在は全て改善済み)
- トルベロ ネオステッド2000:代わってこちらは民生品。ポンプアクションとコンパクトさを維持しつつ、装弾数を増やすにはどうするか、という問いに対し「チューブマガジン1本で足りないなら2本にすればいい」という結論に達したのが本銃。バレルの上にマガジンを2本装備し、装弾は中折れ式、左右の弾倉で撃ち分けることもできる(見た目はともかく)合理的な散弾銃となった。また、最近になってトルコで進化した弟分が生まれた。(ちなみにこのUTS-15、最初はS&Wの依頼により開発されていた)
- ブラスター:車防犯用火炎放射機、路上強盗に備えて車体の底にセットする。数百セット売れたとのこと。
- 膣内装着型レイプ対策装置:タンポン型。そのままペニスに噛みつく。
- モーゼス・マヒダ・スタジアム:スタジアム真上のアーチから下のコートを見晴らせる。
- セロン偵察軍団:ボーア戦争でイギリス軍を翻弄したチャリンコ軍団(主な構成員:農夫)
- 25型蒸気機関車:アパルトヘイトによって国際的に孤立状態だったため石油供給に課題があった南アフリカでは、1950年代後半になっても蒸気機関車が主流であった。そこで開発された25型は、当時の技術の粋を集めた結果、狭軌用機関車としては最高クラスである出力3037馬力(日本のD52形の約1.5倍)を達成し、最高速度も本気を出したら120km/hぐらい出たのではないかと言われている。ただし粘着重量が不足気味で、潤滑油漏れの不具合も重なり空転しやすいという不具合があり、これは最後まで解決しなかった。
- CZ型炭水車:25C型が牽引する専用の炭水車。全長が機関車本体よりも長い18mもある。というのも、25型の運用された路線には時に蒸気機関車の消費する水すら確保できないほどの乾燥地域があったため、対策として機関車ではなく炭水車の方に復水器を搭載しているのである。
- 26型蒸気機関車:別名「レッド・デビル」(Red Devil)。オイルショックによりさらに鉄道の電化・ディーゼル化が遅れた結果誕生した狭軌最強の蒸気機関車。アルゼンチン出身のリビオ・ダンテ・ポルタらよって25NC型(先述のCZ型を運用しないタイプ)から改造され、石炭のガス化燃焼システム(GPCS)を搭載するなどした結果、最大出力5030馬力(日本のC62形のほぼ2倍)、牽引力約4500馬力、推定設計最高速度160km/hという、狭軌なのに標準軌の最新鋭蒸気機関車に匹敵するモンスターマシンになった。しかもただパワーアップしただけではなく、燃費も25型から2~3割ぐらい良くなっている。しかし空転しやすい欠点は25型から解決しておらず、またオイルショックが終わると南アフリカもさすがに電化・ディーゼル化が進んだために結局1両しか改造されず、1992年に運行終了したのであった。
- どうっすかージャパンさーん? 流石にお手あかかってこい、相手になってやる
- なお、同車は別名の由来でもある美しい赤色の塗装と力強さから南アフリカで最も有名な蒸気機関車となったためか引退後も解体されず、2003年以降は保管担当が変わったのもあって静態保存されていたのだが、地元のファンらによる定期的な修繕が続いていたことも相まって、大規模な復元作業を経て2018年に本線復帰している。まさに生ける伝説。
- リビオ・ダンテ・ポルタの改造によって狭軌最強になったはいいものの、代償として運転も整備もめちゃくちゃ難しくなった。どれくらい難しくなったと言うとポルタら設計陣がいなければ本来は起きないはずの問題が生じるレベル。そのため、運転や整備の評価は不評であったとも。これは26型に限らずポルタらが手掛けた機関車に共通する欠点だった。
オセアニアにも…感染していただと!?
こちらもイギリス連邦加盟国がある地域である。
- CACワイラウェイ戦闘機:T-6テキサンをベースにした戦闘機。もちろん無理があり太平洋戦争の緒戦で日本軍機相手に壊滅した。
- プラスチック紙幣(ポリマー紙幣):「いくら偽造対策を施しても原料が紙じゃいずれ偽札造りに技術的に追いつかれる。だったら連中が原料も技術も入手困難なモノで作ったらいいんじゃね?」という発想で、オーストラリアで考え出された。熱に弱く、(紙製紙幣の出し入れを前提としていた)ATMの改良が必要というデメリットがあるが、太平洋・東南アジア諸国を中心に広まりつつある。ちなみに最大の特徴である透明部には偽造防止用ホログラムが施されている。
- ニュージーランド航空:機内安全ビデオ、いわゆる「安全のしおり」が、乗務員がボディペイントで出演したり、ホビットの冒険(しかも映画とタイアップ)だったり、ベア・グリルスが山の中でロケをしていたりと毎回どこかおかしい。
- カンタス航空:オーストラリアのフラッグキャリア。1960年代のジェット化以来一度も墜落死亡事故を起こしていないという脅威の安全率を誇る。他にも、ほぼ全損状態のジャンボ機を会社の意地と名誉をかけて1億ドルをかけて修復・再就航させたり、コロナ禍の需要低迷でA380の退役を決めるも需要回復で退役を取り消し、世界最長路線のロンドン-シドニー線に就航させたりと人々の期待を遥かに上回ることをすることで有名。ある界隈では「さすがカンタス」を略した「さすカン」と呼ばれている。
- コリンズ級潜水艦:オーストラリア初の国産潜水艦。うるさい上によく壊れる。他国のできあいの製品を買った方が良かったと言われる始末。
- アースレース:ニュージーランド製のレースボート。後に某反捕鯨団体の手に渡りアディ・ギル号と命名。
- “環状の輸送補助器具”:要は車輪。そしてオーストラリア特許局はこれに特許を認可した。
- 36バレル プロトタイプ:メタルストーム社が開発した重機関銃。『インクジェットの要領で火薬の起爆を行う機構を使用し、銃身に銃弾と発射火薬を一定間隔で詰めたものを幾重にも並べて点火、短時間で大量の弾丸を発射する』(要するに一つの銃身の中に弾と装薬を等間隔にいくつも詰め込んで前から順に点火する)という独特の発射機構を利用して36銃身にした結果、発射速度162万発/分(=2.7万発/秒)というとんでもないロマン砲になった。ただし装弾数はたったの180発しかなく、一瞬で弾切れになるため実用性皆無。重機関銃というよりデカいショットガン。
インド人にびっくり。もしくはインド人もがっくり
一応パキスタンとともにイギリス連邦加盟国。がっくりの場合はだいたいDRDO(インド国防研究開発機構)のせい
- インダス文明:紀元前2000年の時点で上下水道やダストシュート完備の住宅街に住んでカレーを食べたりチェスをしたりヨガをしたりしていた。
- ゼロ:数学における「0」の概念を確立したのはインド人とされる。
- インド映画
- インド神話
- パキスタンのデコレーショントラック
- デリーの鉄柱:紀元415年に建てられたといわれる、直径約44cm、長さ約9m、重量約10トンの純度99.72%の鉄柱。
- ダマスカス鋼:中東のシリアなどで剣等に二次加工されたものがヨーロッパに出回ったためダマスカスの名がついた。実際はインド製。
- 防弾ターバン:シーク教徒用。どうみてもエピソード6の反乱同盟軍。
- インドとパキスタンの国境警備隊の服装:実弾で戦う代わりに国境のゲートで年がら年中ファッション対決をしてる。
- DRDO(インド国防研究開発機構):じっくりと時間をかけていまいちな兵器を造る。
- インド海軍:艦艇の建造にやたら時間がかかる。途中でドックを空けるために仮の進水式を繰り返す。
中国四千年の歴史の結果がこれだよ!
造りが雑なだけで設計はまともというか、これといって尖ったものがなく普通なものが多い。最近では資金や技術力も上がってきたおかげで他国に先駆けて先進的なものを造ることも。
- チャイナボカンシリーズ
- 微声手鎗・微声短機関銃:独自開発したインテグラルタイプと呼ばれるサプレッサー付き銃。AKをベースに作られサイレンサー(消音器)と呼ぶよりサウンド・サップレッサー(減音器)といえるもの……だが実際にはほとんど効果はなく、むしろうるさかった。
- 強撃5:MiG-19を魔改造しまくった結果、原形を留めていない。
- 強撃6(Q-6):MiG-23とF-111を参考に開発した攻撃機。 しかし肝心のエンジンを自国製に拘った結果ただの劣化コピーになってしまい、当時の技術力では可変翼などの構造も難しく採用されなかった。
- 殲撃7:MiG-21初期型のライセンスを買ったはいいが、ソ連との関係が悪化し改良型のライセンスが手に入らなくなったため(それでもベトナム戦争で北ベトナムに運び込まれるMiG-21を無断でパクって分解・解析していたという話もある)、初期型の小さいレドームのままダブルデルタ翼になるなど独自の発展を遂げる。
- FC-1:殲撃7をベースに、パキスタンの力を借りつつ最新技術をつぎ込んで誕生した第4世代ジェット戦闘機。強撃5や下記の殲撃8以上に原型を留めていない。
- 殲撃8:MiG-21をベースに双発、大型化。初期型は面影が残っていたが改造の末原型を留めなくなった。
- 轟炸6:元はソ連のTu-16のライセンス生産品だが、中ソ対立の影響で上記の殲撃7と同様独自で発展をとげた。ちなみに元ネタはあのB-52やTu-95と同い年。しかもその2機種はとうの昔に生産が終了したのをアップグレードを繰り返しながら使ってるの対して、こいつはエンジン、アビオニクス、兵装全てを最新鋭のものに換装しつつ現在でも量産されてる。空飛ぶ化石というより未だ進化を続ける巨鳥。爆撃機版737と言ったところか。
- 1130型30mmCIWS:中国初の空母「遼寧」に装備されているCIWS。11本の砲身を束ねたガトリングガンで約10,000発/分の30mm弾をばら撒く、アヴェンジャーが裸足で逃げ出すロマン砲。
- 59式戦車:元ネタはソ連のT-55。80年代半ばまで10000輌以上が生産され、うち6000輌が人民解放軍に配備された。ちなみに21世紀に入った現在でも未だ5000輌ほどが人民解放軍で現役らしい。要するに動く化石。
- CM11 勇虎:台湾の魔改造主力戦車。こいつに限らず台湾は戦車(主にパットンシリーズ)をよく魔改造するのだが。M60パットンの車体にM48A5パットンの砲塔(105mmライフル砲搭載)を設置したもので、火器管制はM1エイブラムスに匹敵する先進的な射撃統制システムを備え、さらに砲塔がM60A1・A3より軽量であるため出力重量比が向上し、機動性も高くなっているという。早い話がパットンの皮をかぶったエイブラムス。
- 春秋戦国時代の銅剣と秦の兵馬俑:前者は製造方法が謎、後者は現代の技術ですら再現不可能。なお前漢の時代で既にロストテクノロジー化していた模様。
- 孫子の兵法:それまで運や天に任せていた武力行動を非常に合理的に研究し、編纂した書物。太古の兵法書でありながら現代でも通用する内容も多く、世界の軍隊はもちろん、何故かサラリーマンまで愛読している。
- 先行者とその系統:日本ではどこまでも人に似た外見のロボットが、欧米では昆虫のようなビックドックや小型ドローンが開発される一方、中国ではキャプテンウルトラのハックのようなロボットが開発され、独自に発展している。
- 中華料理:世界三大料理の一角。クオリティでは台湾に引き離された感は強いものの、原産国の意地なのか、追い抜かれた距離を着実に縮めつつある。
- 爆竹:中国の春節祝いと言えばこれ。あちこちから至近距離で火花が上がる様子は迫力満点だが、あの広い中国で一斉にやるため深刻な大気汚染を引き起こしたり、よくガスや車に引火して大惨事になる。
- 自転車製造業:世界に誇る一大産業。元々、堅牢性の高い自転車ばっかり作っていた。90年代後半に経済上の問題で日本から流出してきた職人たちを各部品メーカーが嬉々として迎え入れた結果、製造される自転車の総合性能が爆上がり。一躍、製造数も品質も世界トップに。
- ジャッキー・チェン:香港映画を代表するアクションスター。劇中より撮影で何度も生死を彷徨い、生還している。しかもその様子はEDのNG集で流れる。むしろNG集が本編。
- 中国超人インフラマン:香港人が作った特撮ヒーロー
- BattleshipGirl_鋼鉄少女:一応言っておくと艦これ以前の作品。というか艦これに影響を与えた作品とされている。
- 戦艦少女:艦これをリスペクトした上で独自路線を目指した結果、計画艦とか自国のミサイル駆逐艦とかならまだしも川で浮いてる円盤とか海がないはずのモンゴルの船とか超マニアックな艦船の集まるゲームへと進化した。
- アズールレーン:日本のアニメやゲームが大好きな中国人たちが世界へ送り出したパロディ全開、味方になっても危険な人達が多かったりする非常にカオスな艦船擬人化シューティングゲーム。その愛と情熱は海を越えて日本人にも受け入れられ、それまであった中国文化への認識まで一変させてしまった。それなりに規制の厳しいスマホアプリの業界にいながらエロ方面へのこだわりに定評がある。社長曰く「国籍よりも性癖」。ユーザーもチャイナアプリの危険性を指摘されても「アズレンのユーザーデータぶっこ抜きしてもバレるのは名もない一般市民の性癖だけじゃね?」とか言う始末(ただ、流石に自衛隊には禁止令が出ている模様)。
国名の意味が「豊かな過去をもつ国」イラクでも…
旧イギリス委任統治領メソポタミア。
- アルフセインミサイル:スカッドミサイルの独自改良型。魔改造の結果、空中で勝手に空中分解するので逆に撃墜しづらく、多国籍軍を翻弄した。
- バビロンガン:多薬室砲
- ペシュメルガの手作り装甲車:中の人がオリエンタル美女だったりする。
- ザハ・ハディドの設計した建築物:イラク出身で英国在住の建築家。英国で建築学を学ぶ。彼女の設計した建築物のフォルムはメソポタミア5000年の歴史と紅茶が化学反応したとしか言いようがなく、しばしばデザイン重視のあまり採算性や建築工学を無視するため現場泣かせとして知られる。かつては「アンビルド(建築不可)の女王」とも呼ばれ、建築技術の進歩した現在でも工費は膨張しがち。そしてついに日本の新国立競技場がその生贄となった。
常識と神に打ち勝つ国
旧イギリス委任統治領パレスチナ。
- スーパーシャーマンとその派生型:M4シャーマンでアラブ諸国の主力戦車に対抗するために、M50はAMX-13の、M51は砲身を短くしたAMX-30の主砲に換装(そのため砲塔もカウンターウェイトをつけるなど改造)。火力だけは戦後第二世代戦車並みになった。さらに持ち前のもったいない精神を発揮して再利用しまくった結果が下の通り。
- M60:スーパーシャーマンの主砲を国産の60mm高速砲に換装。 チリ陸軍に売却され現在も現役である。
- ソルタムL33 155mm自走榴弾砲:シャーマン車体の上に箱と牽引砲がそのまま乗っかったクソコラのような外見。
- マクマト 160mm自走迫撃砲:外見は箱がデカくなって砲が短くなったソルタムL33。
- シャーマンMRL:シャーマン車体からジャングルジムが生えている。(正体はロケットランチャー)
- キルション:こちらは対レーダーミサイルが生えている。
- トレイルブレイザー:スーパーシャーマンに大型クレーンを搭載した装甲回収車。クレーンがでかすぎて原形をとどめていない。
- アンビュタンク:まさかの首なしシャーマン。負傷者搬送用の車輌に砲塔はいらないと割り切った結果らしい。
- モンスター標的戦車:シェルツェンを付けた首なしシャーマン。
- メルカバ:イスラエル国防軍曰く「民惟邦本、本固邦寧」、なお異教徒は除く。
- ナグマホン:ドッグハウスと呼ばれる塔型の戦闘室から安全に機銃掃射が行える異様な外見が特徴の兵員輸送車。これが元々センチュリオンだって予備知識なしで判る人は多分いない。
- アチザリット:分捕ったT-54/T-55を改修した「ティラン」をさらに装甲兵員輸送車としてリサイクルした車両。さらにエンジンやサスペンションまで取り替えてしまっている。
- IMI ガリル:国産アサルトライフル。導入初期に兵士がよく銃のパーツを瓶の栓抜きに使って壊したという報告が上がった結果、栓抜きに使うのを禁じるのではなく銃本体に栓抜きとワイヤーカッターを標準搭載した。(現行型では省略されている)
- スカンク:イスラエル国防軍の非殺傷兵器。放水銃から霧状に発射し、浴びると凄まじい腐敗臭が5年間こびりつく。ちなみに天然由来の物質で出来ているので人体にも環境にも優しい。
- ミツネフェット:キノコ…
その他非ヨーロッパ諸国もやらかした。
- K1A1戦車:韓国初の国産主力戦車であるK1戦車の性能向上型。K1は無難(というよりむしろ良い性能の)第2.5世代主力戦車なのだが、北朝鮮がT-72を大量入手したという情報(後で技術開発用に極少数を入手したと判明)に接した韓国はその対抗上、新型主力戦車(後のK2戦車)を開発することになり、その保険として開発された。ということで本来搭載を想定していない120mm滑腔砲を砲塔を新規開発してまで搭載し、更に装甲やべトロニクスにも手を入れる魔改造を行うも、流石に無理が祟ったのか不具合が多発。それでも量産配備と度重なる改修によって、韓国軍戦車部隊の一翼を担っている。
- 光明星:北朝鮮の人工衛星打ち上げロケット(と称するミサイルらしい)。手作業で機体を溶接したりニコイチパーツを組み合わせて製造したことが判明している。
- 北朝鮮軍のT-34:2015年10月に平壌で開催された朝鮮労働党70周年記念の軍事パレードで起動輪と履帯をT-54/55のものに換装したT-34/85が参加...それってつまり主力戦車の一角として実戦配備してるってことだよね?
- ガーヘル313:イランが独自開発したステルス機。
- F-14:過去にイランが導入したが部品供給停止を受け、第一線で維持をする為に部品を密輸入したり維持のために多額の予算を投入、更には独自装備の開発や改修なども行っている。
- 63mトリマラン:インドネシア海軍のミサイル艇。「プラスチックで軍艦造れば軽くてステルス性があるから最強じゃね?」→事故で炎上。それも進水式から一ヶ月足らずで。
- ラジャ・フマボン:フィリピン海軍の護衛駆逐艦。1943年に建造されてから2011年まで艦隊旗艦にして最大の戦闘艦だった。詳しくは米国面の当該記事で。
- EE-T1オソリオ:ブラジルのエンゲサ社が開発した、全備重量が43,7tしかない自称第三世代戦車(軽いといわれる10式ですら44tなのにである)。独自開発の複合装甲は「スペシャルアーマー」という呼称らしい。結局採用されず、開発に予算を使い過ぎたエンゲサ社は倒産。
- トーラス・レイジングブル:ブラジルのトーラス社が開発した大型のリボルバー。強力なマグナム弾を想定して設計されており、あのM500と同等の.500S&W弾をぶっ放せるモデルも作られた。(現在は生産されていない)ハンマーの後部には鍵穴が設けられており、ロックして発砲できなくする安全機構もある。
- トーラス ジャッジ:レイジングジャッジとも。レイジングブルの派生型で、マグナム弾だけでなく28ゲージのショットシェルをもぶっ放せるショットリボルバー。
- TAM:アルゼンチンのマルダー歩兵戦闘車を元にした中戦車。105mmライフル砲を備え火力は同時期の西側主力戦車と同等だが防御力はお察し下さい。
- T-34/122(T-34/D-30):シリア軍がT-34を改造した自走砲。 砲塔を撤去した車体に122mm榴弾砲を後ろ向きに搭載…それなんてアーチャー?
- M60-120 フェニックス:ヨルダンのKADDB(アブドゥッラー2世国王設計開発局)が開発したM60A3近代化改修キット。120mm砲に換装するのはどこもやっているが、砲塔を大型化し爆発反応装甲を搭載した結果、元がM60とは思えないほど見た目が厳つくなった。
- トルトゥーガ:トラックに装甲板と7.7mm機銃を搭載したベネズエラの装甲車。被弾経始に全力投球した結果見た目が面白いことになってしまった。
- パラグアイ陸軍:元々軍としての規模が小さいのもあって戦車が17両しかない。それだけならまだいいが、何と実戦配備されているのはM4A3とM3A1。装甲車も近代車両に混じってM8グレイハウンドがいたり、小火器にもG3などと一緒にM1ガーランドやM1917重機関銃が。南米では国同士のガチの戦争が殆ど起こらないので兵器の更新もスローペースなのはわかるが…。
- オリエント・タイ航空:航空業界の朝倉軌道。以上!!
国際共同開発の現場でも…
- T14突撃戦車:イギリス、歩兵戦車をアメリカと共同開発を持ちかける。M4のパーツを流用して前面101.6mmの重装甲にした結果、出来上がったのは太ったM4のような重戦車。当然重すぎで採用されなかった。
- エアバス A340-500/600:主翼を担当したBAeが重量見積もりをトチって初期ロットは想定重量をオーバーしてしまうという事態を起こしてしまった…国際共同の時くらい自重してくれ。ちなみに後期ロットでは複合材の割合を増やすことにより解決(軽量化)している。
- MBT-70・KPz70:米・西独共同開発計画による試作戦車。搭乗員全員が砲塔に乗っており視界が悪い上に方向感覚を喪失する見当識障害を起こしやすく乗員は悪酔いしたという。当時はまだリスクのあった新技術を導入した事もあって複雑化して開発は長期化。更に車体以外の殆どが米西独で別物という事もあって、共同開発の意味は薄れた挙句に開発費は高騰。結局新技術のテストベース以外の存在意義はなく開発は中止された。...なお、主要な原因は事あるごとに両国の技術者が対立し、その都度意見を調整して両方の案をそれぞれ盛り込む妥協策が採られたため。協力ってなんだっけ...?(妥協してるだけまだマシだが)
- FV3807 ヤークトチーフテン:1970年代の英・西独共同開発の次期主力戦車。砲塔のない固定戦闘室設計で、見た目がチャーチルガンキャリア並みにやっつけ感満載。なおこうなった責任は英国ではなく西独側にあるらしい。
- AMOS:スウェーデンとフィンランドが共同開発した装輪自走迫撃砲システム。 発射レートを上げようとした結果、ビーム砲みたいなぶっとい砲身を連装で搭載した。しかも自走迫撃砲なのに市街戦まで想定しており直接照準射撃も可能。いやそれ自走迫撃砲じゃなくて歩兵戦闘車だから! 装式で自動装填装置を搭載しているので仰角と装薬量を調整して連続して撃つ事で多数砲弾同時着弾砲撃も可能ってそれ自走榴弾砲だから!前述通りSFチックな見た目とは裏腹に実は先進的かつ高性能で、ポーランドやノルウェー、サウジアラビアも関心を示しており、開発元の一国スウェーデンでは舟艇に搭載する計画まで持ち上がった。
- ラストサムライ:明治維新後の不平士族の苦悩と蜂起、それに巻き込まれた元アメリカ北軍兵士を描いた時代劇。どう見ても国産作品に見えるが、日米ニュージーランド共同制作。
- かたわ少女:上記『ラストサムライ』の同人エロゲー版。オール外国人メンバーで作り上げた葉鍵リスペクトな作品。
実写作品にも進出する
- 轟天号(海底軍艦)
- スーパーX(平成ゴジラシリーズ)
- MOGERA(平成ゴジラシリーズ)
- ZATメカとその作戦の数々(ウルトラマンタロウ)
- デススター(STARWARS)
- バトルドロイド(STARWARS)
- TIE/sf:TIEファイターのバリエーションの一つ…だがパイロット及び旋回銃塔を担当する砲撃手による複座…あれ、これって何処かで見たことがあるような?
文字媒体にも…
- H・G・ウェルズ:英国の作家。様々な英国面的メカを作品に登場させる。
- アーサー・C・クラーク:英国のSF作家。技術者として人工衛星による無線中継システムを考案する一方、やはり様々な英国面的メカを作品に登場させる。
- ユートピア(トマス・モア):ユートピアものの先駆け。
- 1984年(小説):ディストピアものの先駆け。
- HsF-00戦闘機(とある魔術の禁書目録)
- 指令コンピューターKS888CC+(今宵、銀河を杯にして)
- 銀河ヒッチハイク・ガイド(銀河ヒッチハイク・ガイド)
- SCP_Foundation:英語圏の掲示板サイト(超常現象板)で始まった「怖い画像に怖い設定を付与する」という遊びから生まれたシェアワールドもの。「目を離すと超高速で動いて首を折りにくる彫像」といったわかりやすいものから、「3日おきに熊が増えまくる街」「SAN値直葬される邪神」といったネタ的なもの、「正体とそこからもう一考察で二度恐ろしいラップトップ」など、常識的な発想から英国面的な発想のものまで何千というオブジェクト、それらにまつわるキャラクターや物語が今日も創作されている(ちなみに上述の三つは全部本家英語圏で作られた記事)。なお本家もそうだが、日本支部の記事の投稿速度が他国支部に比して頭ひとつ抜けている。別の意味で日本人に見つかった結果がこれだよ!
まあ要するに
人類誰もがココロのどこかに英国面を持っているのである。
すなわち人類みな兄弟である。
あるいは「人類に技術を与えてしまった結果がこれだよ!」かもしれない。
もっとも、それを途中で一旦考えなおして「おいちょっと待て」と止めようともせずに、ストレートに表に出してしまう(しかもノリノリで)のがイギリスのイギリスたる所以なのかもしれないが。
しかし、少なくとも第二次世界大戦末期までは、米軍の「とにかく作って、壊れたら、新しい物を作る」という手法と異なり、英軍は「まずは理論立てて、試してみて、うまくいかなければ直していく」という手法が主流だった。
それが、第二次世界大戦終結後に大英帝国が崩壊したことで、上記のようなある種の頭でっかちなやり方が一新されたのも確かである。
そして、最後に、忘れてはならない事をもうひとつ。
「英国面」を産み出してしまった人間たちも、決してウケ狙いで、あるいは失敗しようとして、おかしなものを作っていたわけではない。
結果を知っている後世の人間からすれば滑稽に見えるものでも、当時の人間が持てる知恵と技術を振りしぼり、大真面目によりよい物を作ろうとして産み出したのだ。
挑戦なくして、そして失敗なくして、成功はない。英国面の歴史は、世界をよりよい物にしようとしてきた人類たちの、試行錯誤の歴史なのである。